2019年10月27日日曜日

2019年10月26日(土)2019JリーグYBCルヴァンカップ 決勝 北海道コンサドーレ札幌vs川崎フロンターレ ~陽はまた昇る~

0.スターティングメンバー

スターティングメンバー

 札幌(1-3-4-2-1):GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF白井康介、荒野拓馬、深井一希、菅大輝、鈴木武蔵、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MFルーカスフェルナンデス、中野嘉大、早坂良太、FWアンデルソン ロペス、岩崎悠人。(宮澤が間に合わないことも含め)予想通りのメンバー。

 川崎(1-4-2-3-1):GK新井章太、DF登里享平、山村和也、谷口彰悟、車屋紳太郎、MF大島僚太、田中碧、家長昭博、脇坂泰斗、阿部浩之、FWレアンドロ ダミアン。サブメンバーはGKチョン ソンリョン、DF奈良竜樹、マギーニョ、MF中村憲剛、長谷川竜也、下田北斗、FW小林悠。DFを2人メンバーに入れたのは登里の負傷退場で混乱が生じたリーグでのガンバ戦の反省か、カップファイナルのシチュエーションを考慮してか。ジェジエウが間に合うとの予想に反し奈良がベンチ入り。右SBでの起用を予想していた守田は負傷でメンバー外。
 プレビューはこちら。

2019年10月25日金曜日

プレビュー:2019年10月26日(土)2019JリーグYBCルヴァンカップ 決勝 北海道コンサドーレ札幌vs川崎フロンターレ ~我慢の先にあるもの~

1.予想スターティングメンバー

予想スターティングメンバー

 札幌のホーム扱いで開催される。21歳以下の選手をスタメンに加えるルールは決勝でも適用され、札幌は菅、川崎は田中の起用による規定クリアが有力。

1.1 札幌


×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)MF駒井(右膝半月板損傷)
*(負傷等で出場微妙)MF宮澤(10/18セレッソ大阪戦での右太もも肉離れ)
MF荒野(左ふくらはぎ痛で10/18セレッソ大阪戦を欠場)

IN(夏マーケットでの加入)DF田中(特別指定選手登録)
OUT(夏マーケットでの放出)DF中村(Honda FCへ育成型期限付き移籍)
MF中原(ベガルタ仙台へ完全移籍)
MF小野(FC琉球へ完全移籍)

 ここ2週間に行われた試合を休んでいた選手のうち、ジェイとチャナティップは22日の全体練習に合流。一方、そのチャナティップと同じ「軽い肉離れ」と診断された宮澤の出場可否は50%を切っているはず。代役として荒野に期待がかかるが、荒野も微妙な状況だ。ただ、先週のセレッソ戦では中野が試合途中から中央に回ったものの、宮澤か荒野のいずれかがいないと厳しいので、恐らくよほどの状況でない限りは荒野は強行出場になるのではないか。
 前線は信頼の厚いジェイの先発起用が有力だが、試合展開を想定すると、アンデルソン ロペスは先発/ジョーカーいずれの起用法でもキーマンになるだろう。
 なお、「選手・スタッフ・職員 総勢90人で埼玉入り」をするらしい。これに長期離脱の駒井が入っているのかわからないが、おそらく選手+スタッフで45人程度と考えると、札幌の職員は45人程度なのだろう(鹿島の職員数は改めてすげーなと思わされる)。

1.2 川崎


×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)DF馬渡(10/9鹿島戦での左膝外側半月板損傷)
*(負傷等で出場微妙)MF阿部(膝の痛みで10/20ガンバ大阪戦を欠場)
FW小林(10/21練習試合での右足負傷)

IN(夏マーケットでの加入)GK馬渡(愛媛FCから期限付き移籍)
OUT(夏マーケットでの放出)DF舞行龍(アルビレックス新潟へ完全移籍)
MF鈴木(ガンバ大阪へ期限付き移籍)
MFカイオ・セザール(V・ファーレン長崎へ期限付き移籍)
FW宮代(レノファ山口FCへ期限付き移籍)

 AFCチャンピオンズリーグに参戦していたので当然といえば当然だが、前線は2チームで回せそうなほどの選択肢がある。トップは小林の負傷に加え、公式戦ここ5試合は交互にスタメン起用されており順番でいくとダミアン。トップ下はダミアンと同時起用が多く、相性が良さそうな脇坂を予想する。
 中盤は負傷離脱していた大島、齋藤、U-22代表招集によりたびたび離脱していた田中も戻っておりほぼベストメンバー。左は阿部のコンディションを考えると、長谷川の起用が予想される。
 一方、最終ラインは右側の2ポジションに、これという適任者がいないためか流動的な起用が続く。CBは開幕当初のレギュラーで4月から離脱していた奈良、9月から離脱していたジェジエウが10/21の練習試合で実践復帰。奈良は90分プレーしたというが、カップ戦決勝というシチュエーションを考えると、残りのメンバーから、前節も先発した山村の起用が有力。札幌の高さ対策にもなる。

2.今期の対戦の振り返り

2019年6月14日(金)明治安田生命J1リーグ第15節 川崎フロンターレvs北海道コンサドーレ札幌 ~カオスの調停者~

 宮澤とルーカスを欠き、ジェイとアンロペも故障明けの札幌は川崎にボールを渡し、自陣からのダイレクトな攻撃に活路を見出す。しかし(毎度のことながら)札幌の人を受け渡す守備は川崎の流動的な攻撃に翻弄される。前半からク ソンユンの度々のビッグセーブでなんとか0-0を維持し、武蔵のPKで1点のリードを奪って折り返し。後半はカウンターにも結び付かず防戦一方の展開で、小林のヘッドで川崎が追いつく。その後も川崎が攻めるが1-1で試合終了。

3.戦術面の一言メモ

3.1 札幌


コンセプト5トップで攻めて5バックで守る。相手の攻撃機会や攻撃リソースを奪う(守勢に回らせる)。
ボール保持
(自陣)
1-4-1-5や1-5-0-5の形からサイドのDFが持ち上がってシャドーやトップに縦パスを狙う。
ボール保持
(敵陣)
引いて受けるチャナティップに預けての打開。フィニッシュは右の白井の仕掛けから。
ボール非保持
(敵陣)
「ボールを取り上げたいチーム」との対戦を除いてはハーフウェーライン付近まで撤退。
ボール非保持
(自陣)
1-5-2-3でセットしてマンマーク基調で守る。最終ラインはなるべくスライドせず5枚を残しておく。
ネガティブ
トランジション
前線の3選手はなるべく下がらず即時奪回に切り替え。後ろはすぐに戻って人を捕まえる。
ポジティブ
トランジション
自陣で奪った時はトップ(ジェイ、アンデルソン ロペス)、シャドーのチャナティップを探して預けて速攻を狙う。
セットプレー攻撃キッカーはほぼ全て福森に全権委任。ファーサイドのターゲット狙いが多い。ゴールキックはなるべくCBにサーブしてからポジショナルなビルドアップを狙う。
セットプレー守備コーナーキックではマンマーク基調。
その他memo同数で守る3バック相手なら対人に強い1トップ2シャドーがターゲットで質的優位を活かす。ギャップのできやすい4バック相手ならWBへのサイドチェンジを狙う傾向が強い。

3.2 川崎


 「前線の選手は裏抜けが少ないのでネガトラが速い」というのは非常に腑に落ちる。

コンセプトスモールフィールドでの戦いに持ち込み、選手の質とユニットのコンビネーションで局面を制圧。
ボール保持
(自陣)
DFと中盤センターはあまり広がらず、あまり動かずに中央でボール保持から家長やトップ下に預けながらゆっくり前進。
ボール保持
(敵陣)
サイド(特に左)に人を3~4人集めてコンビネーションで突破からのクロス。中央も同様に人を集めて、基本的に足元でのプレーからの突破を狙う。
ボール非保持
(敵陣)
なるべく[1-4-4-2]は維持したまま前線4人+1人で高い位置から人を捕まえ、成功すればショートカウンターを狙う。4+1人でのプレスが失敗すると自陣ゴール前に最終ラインを引き直す[1-4-4-2]へ移行。
ボール非保持
(自陣)
ブロックが整ったら人を捕まえる。最終ラインのCBはスライドするので相手FWが流れるタイプだと中央から不在になることも。
ネガティブ
トランジション
密集攻撃からボールホルダーを囲い込んで即時奪回を狙う。
ポジティブ
トランジション
自陣で回収後は長いパスで前線の選手を走らせての、まずはダイレクトな展開を狙う。
セットプレー攻撃キッカーは中村、左足なら下田など。
セットプレー守備CKではマンマーク基調。
その他memoダミアンが出場している時はロングボールの比率がやや多め。

4.想定される互いのゲームプラン


 札幌としては、まともに撃ち合いたくない。川崎に持たせて(できることなら塩漬けにしながら)背後のスペースを突く、という6月のリーグ戦と同様のプランを考えていると思う。
 ただ、それが6月にあまり機能しなかったのは、札幌の前線の選手のコンディション(負傷明けの選手が多く、また武蔵は初めて右シャドーに入った)もあっただろうが、「3.2」でも書いたように川崎はネガティブトランジションが強烈だから。その点では、6月の試合でスタメンを外れた、前を向けば相手にとって脅威となるアンデルソン ロペスの起用法がキーになりそうだ。

 川崎は札幌を意識するとしたら、ミシャチーム得意の横幅アタックをあまり自陣ゴール前で発生させたくないはず。札幌を自陣ゴールから遠ざける意味でも、川崎の守備の重心は高くなることが予想される。

5.想定される試合展開とポイント

5.1 川崎の特徴と札幌の狙いたい展開


 想定される、平均的なポジション(互いのボール保持/非保持時)を基にしたマッチアップは概ね以下。共に、左サイドの選手が高めのポジションを取ることは共通している。
札幌ボール保持時の平均的なポジションとマッチアップ

川崎ボール保持時の平均的なポジションとマッチアップ

川崎ボール保持時の平均的なポジションとマッチアップ

 この「平均的なポジション」は、札幌は恐らく多少のメンバー変更があっても変わらない。川崎は、左のにMFに入る選手によっては、長谷川のようにサイドに張らない場合もある。

 この図で何が言いたいかというと、川崎は中央に人を集める傾向があり、そして「中央でボールが行き来する展開」に強い。人を中央に集めており、かつその”狭さ”がデメリットにならないだけのクオリティがある。そして、攻⇔守で札幌ほどのポジション移動をしないため、(ボールが行き来する)速い展開になった時に、攻⇔守の切り替えを迅速に行えるためだ。

 前節セレッソ大阪戦の記事で、「広く攻めて狭く守る」ことがサッカーの基本だと書いた。川崎は「狭く攻めて狭く守る」チーム。狭く攻めることは一般にセオリーに反している。が、セオリーを無視しているのは、その問題さえ解決できれば、ゴールはゴールライン上の中央にあるので、中央を突破するのが一番効率がいいとする考え方があると思われる。川崎はデメリットを打ち消すだけの、密集地帯での攻防に強さがある。言うまでもなく、選手個人の能力と、2~4人の選手が関与するユニットとしてのプレーの洗練さ(普通はあれだけ近寄っていると動きが被り、互いに打ち消して機能しない)によるものだ。
(イメージ図)「中央でボールが頻繁に往来する展開」だと川崎に分がある


 だから札幌は、基本的にはボールが頻繁に行き来しない展開に持ち込みたい
1)札幌のゴール前にずっとある
2)川崎のゴール前にずっとある
3)札幌のゴール前にあり、川崎のゴール前まで運ばれていくが、そこから帰ってこない→札幌は得点か、それに近い状態になっている
4)川崎のゴール前にあり、札幌のゴール前まで運ばれていくが、そこから帰ってこない→札幌は失点か、それに近い状態になっている
5)札幌が横幅を使ってボールを動かしている

とパターンを整理すると、4)は避けたい。2)は難しい。志向したいのは5)だがそれも難しい。となると1)か3)、札幌のゴール前のプレー機会が多くなるのは覚悟での戦いになりそうだ

5.2 札幌ゴール前での4on2


 その、札幌の「ゴール前でのプレー機会」のパターンの1つ。札幌が後方でボールを保持している時の展開を考える。

・初期配置は概ねこのようになるはず。川崎は[1-4-4-2]で、2トップは高めのポジションから人を捕まえてくることが多い。札幌は、ここはいつもの形で、キム ミンテ+中盤の2人で対応したいところ。
・札幌の前線3人は「FW2人+チャナティップ」。なので、川崎はCB2人が左寄りのポジション。
・チャナティップは頻繁に落ちて荒野や深井を助けるが、川崎は、神戸戦でイニエスタに密着していた田中がスッポンマークで対抗してくることが予想される。
札幌ゴール前でのボール保持時の「4on2」と前線の「2on2」

 6月のリーグ戦での対戦では、序盤はジェイへのロングフィードが何度か選択され、そのジェイへのフィードから札幌が先制点となるPKを獲得している。しかし、このゴールキックから”セット”されたプレーならばともかく、ジェイへのフィードを選択した時の問題は、川崎相手に引いたポジションをとっていると、ジェイに当てた後のサポートが遅くなり孤立無援状態に陥ることがある(ジェイが味方に「もっとサポートを速くしてくれ」とするやり取りをしている場面もあった)。
 そのため、ジェイへのフィード一辺倒ではなく、後方の「4on2」を起点にしたビルドアップの時間が生じる、6月の対戦と同様の展開が予想される。この時はアンカー荒野が下がりすぎる問題があった。「4on2」を4人で攻略して、荒野がより高いポジションで前を向けることで次の展開…5トップで時間をかけずに攻撃に移行する形に繋がる。逆に、この展開が失敗すれば川崎の前線4人でのカウンター。リスクとリターンを常に天秤にかけた状態での攻防は荒野がカギを握っている。
荒野が下がってこなければ中央から展開できる

 なおジェイとジェジエウのマッチアップは4:6くらいでジェジエウが優勢だった(あくまで印象論)。4でも起点を作れれば、川崎相手には大きい。相手が山村になるとパワーバランスはどうか。アンデルソン ロペスの突進力も捨てがたいが、久しく「本物のFW」と戦っていない山村との勝負を、スタートからジェイに託す価値は十分にあるだろう。

5.3 我慢の先に


 川崎のボールを保持攻撃の特徴は、ポジションチェンジと密集。ボール周辺のエリアに過剰なほど人を送り込み、また家長や脇坂は横方向にかなりのポジション移動を行う(基本的にはボールに寄っていく)。札幌の「人を捕まえて受け渡す」守備は非常に相性が悪い。人が増え、また配置が目まぐるしく変わると、個々の「どこまでついていき、どこで受け渡す」の判断が難しくなる(相手の人ではない、別の判断基準にしないとついていけない)からだ。
 それでも基本的なマッチアップは決まっていて、長谷川vs白井、進藤は白井の斜め後ろを見ながらハーフスペースに寄ってくる選手(トップ下の選手が有力だ)、右シャドーの武蔵も、川崎の左SB(車屋)まで下がって捕まえることになるだろう。フジテレビで「主役」とされている武蔵だが、白井と共に我慢の時を過ごすことになりそうだ。
川崎の得意の攻撃パターン(密集から抜け出してサイド突破)

 2019シーズンの中盤戦から定着した、「右シャドー・武蔵」。これが初めて実装されたのが6月の川崎戦だ。恐らく、この時の狙いは川崎の左SBの背後を狙うこと。ただ、この時は武蔵が想定以上に守備に追われ、ジェイとのチェーンが機能しなかった。
 恐らくトランジション後にダイレクトにジェイを使うのではなく、チャナティップをクッションとするなど、速攻の形はよりデザインされた形で来ると思うが、その思惑通りになるか。狙われることがわかっている、車屋の振る舞いも気になるところ。
サイドをえぐられる前に食い止めてジェイに当てての速攻を狙いたい札幌

2019年10月21日月曜日

2019年10月18日(金)明治安田生命J1リーグ第29節 北海道コンサドーレ札幌vsセレッソ大阪 ~Widely&Compactness.~

0.スターティングメンバー


スターティングメンバー

 札幌(1-3-4-1-2):GK菅野孝憲、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF白井康介、宮澤裕樹、深井一希、菅大輝、アンデルソン ロペス、中野嘉大、FW鈴木武蔵。サブメンバーはGKク ソンユン、DF石川直樹、濱大耀、MFルーカス フェルナンデス、早坂良太、FW岩崎悠人、藤村怜。荒野とジェイはいずれも左足ふくらはぎ痛でメンバー外。アンロペは第19節の大分戦以来の右シャドーでの先発起用。GKは、北朝鮮で行われたワールドカップ2次予選に招集され、水曜日に合流したク ソンユンに代わって菅野。

 セレッソ大阪(1-4-2-2-2):GKキム ジンヒョン、DF松田陸、マテイ ヨニッチ、木本恭生、丸橋祐介、MF藤田直之、ソウザ、水沼宏太、柿谷曜一朗、FW奥埜博亮、ブルーノ メンデス。サブメンバーはGK圍謙太朗、DF瀬古歩夢、MF田中亜土夢、斧澤隼輝、丸岡満、FW高木俊幸、鈴木孝司。負傷の丸橋の代役は順当に船木。

2019年10月17日木曜日

プレビュー:2019年10月18日(金)明治安田生命J1リーグ第29節 北海道コンサドーレ札幌vsセレッソ大阪 ~我慢比べの予感~

1.予想スターティングメンバー

予想スターティングメンバー

1.1 札幌


×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)MF駒井(右膝半月板損傷)
MFチャナティップ(10/4ガンバ大阪戦試合前に右足肉離れで欠場)
*(負傷等で出場微妙)FWアンデルソン ロペス(膝痛で10/13ガンバ大阪戦を欠場)

IN(夏マーケットでの加入)DF田中(特別指定選手登録)
OUT(夏マーケットでの放出)DF中村(Honda FCへ育成型期限付き移籍)
MF中原(ベガルタ仙台へ完全移籍)
MF小野(FC琉球へ完全移籍)

 1週間後のルヴァンカップ決勝に標準を合わせているとみられるチャナティップは欠場が濃厚。情報のないアンデルソン ロペスも、恐らく無理はさせないと考えると、良くてベンチスタートか。ガンバとの3連戦でタフな役割を担った荒野に引き続き期待がかかる。

1.2 セレッソ


×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)DF丸橋(10/6鹿島戦での左肋骨骨折等)
DF藤本(8/31 J3熊本戦での頭蓋骨骨折等)
MF清武(8/28トレーニング中の右ハムストリング筋損傷)
FW都倉(4/13札幌戦での右膝前十字靭帯損傷等)
*(負傷等で出場微妙)MFレアンドロ デサバト(首痛で10/6鹿島戦を欠場)

IN(夏マーケットでの加入)FW鈴木(FC琉球から完全移籍)
OUT(夏マーケットでの放出)DF山下(柏レイソルへ完全移籍)
MF福満(水戸ホーリーホックへ期限付き移籍)
MF秋山(モンテディオ山形へ期限付き移籍)
FW岸本(徳島ヴォルティスへ完全移籍)
FW山田(FC琉球へ育成型期限付き移籍)

 前節試合中に負傷した、不動の左SB・丸橋の代役は不透明。信頼が得られていない船木か、左WBでは見たことがあってもSBとしては計算が立ちにくい片山のいずれか。なお3バックの採用は、札幌5トップに対して同数で守れるメリットはあるが、ビルドアップ時に枚数調節が難しくなるデメリットもあるので恐らくないだろう。

2.今期の対戦のおさらい

2019年4月13日(土)明治安田生命J1リーグ第7節 セレッソ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 ~真面目さゆえの二正面作戦~

 3連敗中の札幌はサイドチェンジ、ポジション移動を控えて被カウンターのリスクを小さくする戦い方。守備では4バック気味の配置でセレッソに対し1on1を徹底する。前半は互いに探り合う堅い展開から、後半セレッソの丸橋の攻撃参加もあり膠着状態が崩れる。互いに攻撃の選手を投入し徐々にガードが下がっていく中、CKから進藤の虎の子の1点を守り切った札幌が勝利。

3.戦術面の一言メモ

3.1 札幌


コンセプト5トップで攻めて5バックで守る。相手の攻撃機会や攻撃リソースを奪う(守勢に回らせる)。
ボール保持
(自陣)
1-4-1-5や1-5-0-5の形からサイドのDFが持ち上がってシャドーやトップに縦パスを狙う。
ボール保持
(敵陣)
引いて受けるチャナティップに預けての打開。フィニッシュは右の白井の仕掛けから。
ボール非保持
(敵陣)
「ボールを取り上げたいチーム」との対戦を除いてはハーフウェーライン付近まで撤退。
ボール非保持
(自陣)
1-5-2-3でセットしてマンマーク基調で守る。最終ラインはなるべくスライドせず5枚を残しておく。
ネガティブ
トランジション
前線の3選手はなるべく下がらず即時奪回に切り替え。後ろはすぐに戻って人を捕まえる。
ポジティブ
トランジション
自陣で奪った時はトップ(ジェイ、アンデルソン ロペス)、シャドーのチャナティップを探して預けて速攻を狙う。
セットプレー攻撃キッカーはほぼ全て福森に全権委任。ファーサイドのターゲット狙いが多い。ゴールキックはなるべくCBにサーブしてからポジショナルなビルドアップを狙う。
セットプレー守備コーナーキックではマンマーク基調。
その他memo同数で守る3バック相手なら対人に強い1トップ2シャドーがターゲットで質的優位を活かす。ギャップのできやすい4バック相手ならWBへのサイドチェンジを狙う傾向が強い。

3.2 セレッソ


コンセプトコンパクトにゴール前を守りながらゲームをコントロール。
ボール保持
(自陣)
最終ラインは相手の1列目+1人の枚数を確保。基本的にはサイドから相手の1列目を越えて中盤センターがサポート。
ボール保持
(敵陣)
中央にスペースがあれば早く攻める。なければコーナーフラッグ付近を占有(2トップが頻繁に流れる)からのクロスボール。
ボール非保持
(敵陣)
基本的には自陣にリトリート。
ボール非保持
(自陣)
中央を切ってサイドに誘導。攻撃サイドを決めさせてからタッチライン際にゾーナルに追い込む。
ネガティブ
トランジション
基本的には撤退だが、中盤センター2人は即時奪回/撤退の判断を個人で任されており、中央で即時奪回を狙う場合も。
ポジティブ
トランジション
作り直すことが多い。
セットプレー攻撃キッカーは丸橋、ソウザ。ターゲットはヨニッチが多い。
セットプレー守備CKではゾーン基調の守備。
その他memoキム ジンヒョンはあまりビルドアップに関与しない。

4.想定される試合展開とポイント

4.1 ロティーナセレッソの選択


 サッカーという競技の特性(常に認知と判断を要求され、身体的負荷を伴いながら、足でボールを扱う)上、不確実性やそれが連続したカオスな局面はつきものだ。このことを踏まえ、チーム戦略的には「カオスな状態を利用して試合に勝とうとするチーム」、「カオスをコントロールすることで試合の主導権を握ろうとするチーム」、の2パターンがあるとする考え方もみられる。
 この考え方に基づくととセレッソは後者だ。歴代の、複数の元日本代表監督が「日本は攻撃的なサッカーが好きみたい」と語っているインタビューを見るが、例えばボールを持っていてスペースがある時に、プレースピードを上げ、前進していく選択をすることは、ゴールやその手前のプレーに直結する期待値を高める。しかし、攻撃が失敗した後はシチュエーションが逆転する。(かつての)Jリーグで多いのは、この攻撃失敗後のシチュエーションをあまり意識していないかのような、攻撃的な(点が入りやすい)サッカー。
 この点、セレッソは「攻めているときに誰がどこで予防的なポジションを取っておく」という対処に加え、そもそもあまりゲームの展開スピードを上げないように振舞い、個々のプレーを選択することで、カオスを避け、確実性のあるゲーム運びを意識しているように思える(その分、好きなタイミングで攻撃できないので、特に日本で育った前線の選手では「このサッカー好き/嫌い」はあるだろう)。

 なお前者の例としては、2016年の四方田札幌は意図的にカオスを利用した攻撃を繰り出していた。前線に内村、ジュリーニョ、そして都倉を残しておき、前残りの3人を中心にした速攻を試合中何度か繰り出せばJ2ではそれなりの得点期待値が担保できる。
 それによって落ち着かないゲーム展開になるデメリットは、シュートブロックの達人・増川隆洋を中心に配した5バックとGKク ソンユンがいれば相殺してメリットが上回ると考えたのだろう(が、GKのビッグセーブに頼るのは、確実性の観点でいうと通年では計算できない)。
 その四方田前監督から引き継いだミシャチームも、どちらかというとカオスを利用することで試合を制そう(少なくとも、得点を奪うためには必要)としているように見える。

4.2 捕まる前に


 基本的にセレッソはリスクのある選択はとらない。先にリスクを冒すのは札幌になりそうだ。準備ができ、計算の立っている状況でのリスクを冒すプレーは脅威になる。
 札幌のボール保持時、セレッソは中央密集でブロックを組んでから、
中央密集

 サイドに誘導し、ポゼッションの終着点になりやすい、サイドの高い位置に張っている選手(札幌の菅や白井)に渡るとタッチライン付近に圧縮して押し込んでくる。

 サイドで捕まると札幌は打開が難しくなる。そこで、完全に捕まってしまう前にオープンなエリアに展開して相手の計算を崩したい。となると、菅と福森のユニットを擁する左サイドがキーになる。2019シーズンの菅は、自分で好きなタイミングで仕掛けるのではなく、福森先輩をフリーにすることをファーストチョイスとして動いている。福森から右に張る白井へのラインが繋がればセレッソの計算は崩れる。進藤→菅のラインでもいいが、まずは福森の活用を考えるはず。福森のキックのフィッティングは勝敗を分ける焦点になりそうだ。
サイドに誘導して捕捉vsサイドチェンジで回避

 福森をケアするなら、セレッソは守備の開始位置を高くする必要がある。水沼が前に出てカバーするとなると、その背後をシャドーが狙いたいところ。チャナティップがいれば、この二段構えの仕組みは強力だが、荒野がガンバ3連戦とは異なる役割でどこまでやれるかもポイントだ。ルーカスもこのポジションの候補になるだろう。

4.3 セレッソのボール保持時


 セレッソのビルドアップは、必ず相手とのミスマッチを利用した試みにより行われる。札幌相手では、札幌は1列目に3枚並べる[1-5-2-3]なので、セレッソは最終ライン4枚が横に広がり、より監視の薄い両SBの位置から札幌の1列目突破(→前3枚が無効化され他状態でボールを動かし、札幌のブロックのスペースをつく)を狙ってくるだろう。
 左右どちらでいうと、丸橋の代役の船木のサイドを使う想定で考える。なお枚数を調整するときは、松田のサイドを下げて3バック化していることが多い。この点でも、丸橋のポジション(船木想定)はタッチライン付近での振る舞いがより求められる。
 札幌は1列目3枚とすると、サイドに張る船木を武蔵が常に捕まえておくことは難しいので、セレッソは問題なく札幌の1列目を突破できるはず。
札幌の1列目突破は容易だろう

 札幌は船木に対してWBの白井が前に出てくる。このシチュエーションで、セレッソは3通りの選択肢を作るパターンになっている。1つはコーナーフラッグ付近に2列目(柿谷)かFWを走らせる。フットサルでいうところの角取りに近い考え方で、ここを占有してから中央にFWと反対サイドの選手を飛び込ませてのクロスボールで攻撃。
 2つ目は船木の隣のレーンの柿谷を使う。柿谷と水沼は、大外の1つ内側のレーン(ハーフスペース)で常に待っている状態になりそうだ。ここにいれば、宮澤と深井の脇、かつ福森と進藤の前方という、浮きやすいポジションでボールを受けられる。
 3つ目は中盤センターの選手を経由した反対サイドへの展開。4バックなら、基本的にはSBが大外で余っている。
セレッソの3つのパターン

 札幌としては3つ目の展開が最も、短期的な脅威からは逃れられる。[1-5-2-3]で守備をセットするなら、後ろは7枚で守って、奪った後で武蔵とジェイに当て、武蔵のサイドから船木の背後を強襲したいところ。

4.4 札幌の対応は?


 ボール保持時に、ミスマッチをうまく使うのはセレッソのほうがうまそうだ。これに対し、札幌が特別な対策をしてくるなら、2通りが考えられる。

 1つは、シャドーをあらかじめ低い位置に置く[1-5-4-1]で守ること。武蔵は船木にずっとついていく。仙台でのアウェイゲームと同じやり方になるが、仙台は攻撃的な両WBが高いポジションをとるので、札幌の両シャドー、武蔵とロペスは押し込まれてしまった。そしてトップのジェイは、屈強なシマオ マテに封殺され起点になれず、「シャドーが低い位置にいる」のデメリットばかり強調されてしまった。
 セレッソ相手に同じことをするなら、トップで孤立状態になるジェイがヨニッチに勝てるかどうか。サイドでは、セレッソのSBが必要以上に高い位置をとるシチュエーションは、ロティーナとしてはあまり歓迎していないだろう。1度、2度でいいので、武蔵や荒野が背後をとって仕留められれば収支は十分プラスだ。

 2つ目は札幌が4バックにすること。長居でのアウェイゲームでも、札幌は4バック気味の守り方だったが、これをもっと顕著な形にするのはありうる。この辺りは、ミシャがロティーナセレッソをどこまで評価しているか(マリノスは非常に高く評価しているので、マリノス相手では毎回ミシャ式を捨てている)にもよる。

2019年10月14日月曜日

2019年10月13日(日)YBCルヴァンカップ プライムステージ準決勝第2戦 北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪 ~問われる標準装備への回答~

0.スターティングメンバー

スターティングメンバー

 札幌(1-3-4-1-2):GK菅野孝憲、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF白井康介、宮澤裕樹、深井一希、菅大輝、荒野拓馬、FWジェイ、鈴木武蔵。サブメンバーはGK阿波加俊太、DF石川直樹、MFルーカス フェルナンデス、中野嘉大、早坂良太、金子拓郎、FW岩崎悠人。股関節痛のルーカスは戻ってきたが、アンデルソン ロペスは膝の痛みを訴えたとのことでベンチ外。

 ガンバ大阪(1-3-1-4-2):GK東口順昭、DF高尾瑠、三浦弦太、菅沼駿哉、MF矢島慎也、小野瀬康介、井手口陽介、倉田秋、福田湧矢、FWアデミウソン、宇佐美貴史。サブメンバーはGK林瑞輝、DF藤春廣輝、青山直晃、MF遠藤保仁、マルケル スサエタ、FWパトリック、渡邉千真。スタメン、サブとも4日前の第1戦と同じメンバー。

(さすがに同じ対戦カードが3試合続くと、書くことがなくなってくるので簡潔に。)

2019年10月10日木曜日

2019年10月9日(水)YBCルヴァンカップ プライムステージ準決勝第1戦 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 ~第2章の主人公~

0.スターティングメンバー

スターティングメンバー

 札幌(1-3-4-1-2):GK菅野孝憲、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF白井康介、宮澤裕樹、深井一希、菅大輝、荒野拓馬、FWアンデルソン ロペス、鈴木武蔵。サブメンバーはGK阿波加俊太、DF石川直樹、MF中野嘉大、早坂良太、金子拓郎、FW岩崎悠人、ジェイ。機能しなかった2トップ+トップ下は諦めたかと思いきや、ジェイ→アンロペ以外は5日前のリーグ戦と同じメンバー・システムで臨む。ルーカスは股関節を痛めてメンバー外。
 ガンバ大阪(1-3-1-4-2):GK東口順昭、DF高尾瑠、三浦弦太、菅沼駿哉、MF矢島慎也、小野瀬康介、井手口陽介、倉田秋、福田湧矢、FWアデミウソン、宇佐美貴史。サブメンバーはGK林瑞輝、DF藤春廣輝、青山直晃、MF遠藤保仁、マルケル スサエタ、FWパトリック、渡邉千真。こちらも韓国代表招集中の金英權以外は同じメンバー。

 読んでいない人は先にこちら(5日前のリーグ戦)をどうぞ

2019年10月6日日曜日

2019年10月4日(金)明治安田生命J1リーグ第28節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 ~落ち着いて 素数を数えるんだ~

0.スターティングメンバー

スターティングメンバー

 札幌(1-3-4-1-2):GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF白井康介、宮澤裕樹、深井一希、菅大輝、荒野拓馬、FWジェイ、鈴木武蔵。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MFルーカス フェルナンデス、中野嘉大、早坂良太、FWアンデルソン ロペス。「対アンカーシステム」として定番になった[1-3-4-1-2]のトップ下でスタメン予定だったチャナティップは試合前練習で右足ふくらはぎを痛めて欠場。荒野がそのままポジションに入った。
 ガンバ大阪(1-3-1-4-2):GK東口順昭、DF高尾瑠、三浦弦太、金英權、MF矢島慎也、小野瀬康介、井手口陽介、倉田秋、福田湧矢、FWアデミウソン、宇佐美貴史。サブメンバーはGK林瑞輝、DF藤春廣輝、菅沼駿哉、MF遠藤保仁、マルケル スサエタ、FWパトリック、渡邉千真。非公開練習の末にかつての形…3バック+3人のMFを置くシステムに戻し、適所に宇佐美と井手口を配する形に。

2019年10月4日金曜日

プレビュー:2019年10月4日(金)明治安田生命J1リーグ第28節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 ~宮本さんへ まだ間に合います~

1.予想スターティングメンバー

予想スターティングメンバー

1.1 北海道コンサドーレ札幌


×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)MF駒井(右膝半月板損傷)
*(負傷等で出場微妙)※特になし

IN(夏マーケットでの加入)DF田中(特別指定選手登録)
OUT(夏マーケットでの放出)DF中村(Honda FCへ育成型期限付き移籍)
MF中原(ベガルタ仙台へ完全移籍)
MF小野(FC琉球へ完全移籍)

 出場停止明けのジェイ、武蔵が戻り、今シーズンの主要なメンバーが並ぶ布陣に戻るはずだ。中盤の左は前節先発の深井から再び荒野、アンデルソン ロペスはチャナティップらを欠くルヴァンカップに向けて温存か。

1.2 ガンバ大阪


×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)※特になし
*(負傷等で出場微妙)DF菅沼(右足負傷?)

IN(夏マーケットでの加入)MFマルケル スサエタ(アスレティック・ビルバオから完全移籍)
MF井手口(リーズ・ユナイテッドから完全移籍)
MF鈴木(川崎フロンターレから期限付き移籍)
FWパトリック(サンフレッチェ広島から期限付き移籍)
FW宇佐美(アウクスブルクから完全移籍)
FW高木(レノファ山口FCから完全移籍)
OUT(夏マーケットでの放出)DF米倉(JEFユナイテッド千葉へ期限付き移籍)
DFオ ジェソク(FC東京へ完全移籍)
MF田中(大分トリニータへ完全移籍)
MF今野(ジュビロ磐田へ完全移籍)
MF高(レノファ山口FCへ育成型期限付き移籍)
MF食野(マンチェスター・シティへ完全移籍)
MF藤本(京都サンガF.C.へ期限付き移籍)
FWファン ウィジョ(FCジロンダン・ボルドーへ完全移籍)
FW中村(FCトウウェンテへ期限付き移籍)

 5月の前回対戦時は3バックだったが、公式戦ここ4試合は4バック。そのうちルヴァンカップではリーグ戦首位のFC東京をアウェイゴールで上回ったが、前節はアウェイの大阪ダービーで完敗を喫している。16位の鳥栖とは勝ち点差3。
 ミシャチームに対しては3バック(守備時5バック)に戻してくると考えるのが妥当だ。”3連戦の初戦”で試しておくことで、続くルヴァンカップの2試合でも使えるか目処が立つ。16位の鳥栖とは勝ち点差3で、今週は非公開練習だったことも考えると、何らか動いてくるだろう。
 ただ、遠藤、宇佐美、井手口といったメンバーに簡単に見切りをつけるとは考えにくい。特に中盤センターは、遠藤と矢島の入れ替えはありだとしても、井手口に代わる選手はいない。逆に選択肢が比較的豊富な2列目は、ダービーで初先発し孤軍奮闘していたスサエタがどこかのポジションに収まるだろう。トップはターゲットになれるパトリックを予想する。

2.今期の対戦のおさらい

2019年5月25日(土)明治安田生命J1リーグ第13節 北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪 ~いいとこどりの難しさ~

 ガンバは1-3-1-4-2のシステムでアンカーに矢島、右インサイドハーフに高江、右DFに高尾、左WBに福田と(ガンバ的には)フレッシュなメンバーが並んだ。札幌は矢島対策でチャナティップをトップ下、武蔵とルーカス(ジェイは負傷明けでベンチスタート、アンロペは負傷離脱中)の2トップに近い布陣で中盤の枚数を合わせる。
 ガンバは2トップ(アデミウソン、ファン ウィジョ)の突破力を活かすため自陣に引いてのロングカウンター狙い。札幌はガンバによってサイドにボールを誘導されながらも攻め急がずに左右にボールを振りチャンスを待つ。ミシャは「札幌に来てからのベストゲームの一つ」というが、ボール保持による試合のコントロールはできても5バックのガンバを崩せるクオリティには欠けた。ラスト15分でジェイ投入も実らず、膠着状態で引き分け。