0.プレビュー
0.1 スターティングメンバー
スターティングメンバー |
北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、石川直樹、福森晃斗、MF白井康介、宮澤裕樹、深井一希、菅大輝、都倉賢、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DFキム ミンテ、MF兵藤慎剛、早坂良太、荒野拓馬、小野伸二、三好康児。駒井はこの週後半から全体練習に合流しており、スタメン復帰を予想するメディアもあったがメンバー外(つい先日、駒井よりも3割ほど重い怪我をした筆者の感覚では今週復帰だとしたら早すぎるとの印象だったので、妥当な選択となった)。
前節悪夢の7失点負けから8日。何かを変えてくることは予想でき、筆者は三好のスタメン復帰、トップにジェイ起用を予想したが、ミシャの決断はジェイ・都倉のツインタワーでのスタート。前節は明らかにコンディションが悪い中で前線起用の荒野が全開で走り回る空元気戦法だったが、コンディションが整ったこの試合は合理的に、攻めの姿勢に戻したい、そう考えるとジェイのスタメン起用は予想できたが、好調の都倉も簡単に外したくないとの考えかもしれない。そしてキム ミンテに変えて石川。前節の記事でも書いたように、大量失点の責任はミンテにはないと考えているが、これまでのプレーぶりも踏まえての"合わせ技"で、一度外すことを考えたのだろうか。
鹿島アントラーズのスターティングメンバーは4-4-2、GKクォン スンテ、DF西大伍、チョン スンヒョン、犬飼智也、山本脩斗、MF永木亮太、レオ シルバ、遠藤康、安西幸輝、FW土居聖真、鈴木優磨。サブメンバーはGK曽ケ端準、DF内田篤人、町田浩樹、MF三竿健斗、安部裕葵、FW金森健志、セルジーニョ。AFCチャンピオンズリーグでは日本勢で唯一勝ち残っており、9/18(火)に行われた準々決勝2ndレグでもアレシャンドレ パトを擁する天津権健に完勝し、クラブ史上最高となる準決勝進出を果たした。
Jリーグではここまで26節時点で勝ち点39の7位という状況から、ACLで起用されている選手がどちらかというとフルメンバーだと考えられる。昌子、伊東、レアンドロ、中村が負傷離脱中、夏に植田がサークル・ブルッヘに、金崎がサガン鳥栖に去ったが、シーズン当初からターンオーバーを継続してきた成果か、ここにきて選手層の厚さが際立っている。特にここ最近は、夏にサントスから加入したセルジーニョ、金崎と入れ替わりで鳥栖から加入したチョン スンヒョン、そしてJリーグとACLにフル回転する三竿健斗といった選手達の存在感が増している。
0.2 前回のおさらい(鹿島の伝統)
以前にも書いた通り、鹿島は伝統的に人への強さが特徴のチームであり、特にその守備は人を捕まえ、局面でのデュエルに勝つことが大きな部分を占める設計になっている。前回3月の鹿島での対戦では、比較的高い位置から札幌の選手を捕まえていた鹿島。しかしミシャ式4-1-5の札幌に対しては、4-4-2で守備を行うと、マッチアップが噛み合わないエリアでマーク関係が不明瞭になる。
前回のおさらい①:札幌4-1-5と鹿島4-4-2のかみ合わせ |
その不明瞭さの解決を選手個々の判断に任せておくと、基本的にはボールに近い選手から捕まえていこうとしても、鹿島の選手の間にポジショニングされたりすると、必ずオープンになってしまう選手が現れて、危険なエリアでオープンにしてしまう。
前回のおさらい②:近い人を捕まえるだけでは破綻してしまう |
この時は結局は後半途中から5バックに変えることで、マッチアップを合わせて解決を図っている。
前回のおさらい③:5バックに変えると人を捕まえやすくなる |
0.3 前々回のおさらい(鹿島の強さ)
今から1年前を回想する。柏、FC東京相手に2試合連続の2ゴールと、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったジェイ・都倉のツインタワーが札幌ドームで当時首位の鹿島に挑む。この時鹿島は、1トップ2シャドーに”擬態”しつつゴール前に侵入してくる大型FW2人に対し、SB山本が中央に絞ってゴール前、ペナルティエリア幅での守備を強固にする。生粋のウインガーを起用していないヨモ将札幌に対して、サイドは多少後手に回ろうとも中央を固めていればそう問題はないという判断。更に中央CBには、半年後ロシアワールドカップのメンバーに選ばれる昌子と植田がジェイを中央で迎撃し、多少ミドルゾーンで後手に回っても、ゴール前だけは譲らない。ラスト6試合で8ゴールと爆発したジェイが唯一完封されたのが鹿島だった。
前々回のおさらい:都倉・ジェイへの放り込みでは鹿島最終ラインを割れず |