2024年11月10日日曜日

2024年11月9日(土)明治安田J1リーグ第36節 湘南ベルマーレvs北海道コンサドーレ札幌 〜変貌するには十分な時間〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 11月の平塚というと13年前、古田と宮澤のゴールで逆転昇格へ望みを繋いだ2011シーズンを思わせるシチュエーション。あの時は勇退が決まった反町監督と、アジエルのホームラストゲームで、それについて湘南サポーターのご夫婦となんとなくお喋りした記憶がありますが、記録を見ると18歳の遠藤航もCBとして出場していたようです。

  • 湘南はそんな時代を経ていつしか、終盤戦に強いチームとして認知されるようになっていましたが、このシーズンも21節までは3勝6分12敗で19位、要するにコンサよりちょっとだけ上の位置にいながら、22節から35節までで9勝1分4敗。計44ポイントの勝ち点を積んで残留争いからは抜け出しています。
  • 選手起用では後半戦からいくつか変わったところはありますが、最も注目するのが、あ変わらずパワー不足が否めなかった最終ライン、左に鈴木淳之介が起用されたのが17節以降、ここ数試合欠場していますが右DFに高橋が入ったのが22節以降。この日は鈴木淳之介ではなく松村が起用されていますが、懸念の最終ラインにこうした若手の起用で突き上げがされた上での安定化が図れたのは非常に好循環でしょう。
  • 夏には杉岡が首位・町田に移籍するという栄転がありましたが、左サイドの畑も好調を維持しており、23節以降の8試合に出場して3ゴール5アシスト。
  • 前線は見るからにポテンシャルがありそうな鈴木章斗が直近11試合で6ゴール。開幕直後に鮮烈な印象を残してから尻すぼみになってしまうかと思っていましたが、ルキアンの不在を埋めて余りあるパフォーマンスで前線を牽引します。

  • コンサは17位の柏と勝ち点差6。今節敗れ、かつ柏が1ポイントでも積んで差が7以上になるとJ2降格が決まるシチュエーション。今週半ばから札幌市内でも積雪がありトレーニングが満足に行えないという情報もありました。メンバーは髙尾が欠場で、右DF、というか「湘南のインサイドハーフとマッチアップする役割」に馬場が入ります。

2024年11月4日月曜日

2024年11月3日(日)明治安田J1リーグ第35節 北海道コンサドーレ札幌vsセレッソ大阪 〜重戦車カピシャーバ〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



(この項目のみ試合前に書いています)
  • 5月の連休にヨドコウスタジアムで行われた前回の対戦は、首位を走るセレッソと最下位に沈むコンサという状況でしたが、7月からセレッソは2ヶ月半もの期間リーグ戦で勝ちなしと失速。ただしここ5試合は湘南、ガンバ、浦和に3勝、柏に引き分け、前節は不調の磐田に敗れたものの最悪の時期は脱したと言えるかもしれません。
  • システムは、国立でマリノスに0-4と敗れた次の30節(vs神戸)を機に3バックの1-3-4-2-1の採用が増えており、その神戸戦では右から鳥海、西尾、舩木の並び。続く湘南戦(1-2で勝利)は4バックでスタートしたものの、後半途中から進藤を投入して、右から西尾、進藤、鳥海の並び。この際は北野を下げて進藤なので、シンプルにに4バックにDFを1人追加したという形でした。
  • その次のガンバとの大阪ダービーから、右から進藤、田中駿汰、西尾の並びが3試合続けて採用されており、鳥海は起用できる状態のようですが、舩木はおそらく何らか故障等があるようです。駿汰がスライドした中盤には喜田。30周年ということで期待を集めたシーズンですが、前線に比べるとセンターラインの後ろ側の選手の確保が物足りなかったという印象を受けます。
  • また今夏には毎熊のAZアルクマールへの移籍があり、空いた右サイドには4バックの際は大卒1年目の奥田、3バックになってからは右WBにどちらかというと前目の選手と思われる阪田が起用されており、ルーカスでいいじゃんという印象しかないのですがルーカスは左シャドーをやっていて、ここもおそらく適任者が少ない、そんな編成にもかかわらず1-3-4-2-1を採用しているのはシンプルに5バックで守った方が横スライドが楽だから、と見ています。

  • コンサは浅野が26節(8/10 vs福岡)以来のメンバー入り。前節からの変更点は、馬場がスタメンに復帰して白井がベンチスタートとなった点のみ。

2024年10月20日日曜日

2024年10月19日(土)明治安田J1リーグ第34節 名古屋グランパスvs北海道コンサドーレ札幌 〜リトリートという社内用語〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:





  • 名古屋はリーグ戦はここ5試合で3勝2敗。前節は福岡に敗れたものの、その前の3試合はいずれもホームで新潟、川崎、磐田という中位以下のチームにしっかり勝って9位をキープしている状況にあります。
  • また先週はルヴァンカップ準決勝、F・マリノスとのH&Aを戦っており、アウェイでの1戦目で1-3とリードを奪って逃げ切る形で決勝進出を決めています。長谷川健太監督はガンバ、FC東京に続いて3クラブ目のタイトル獲得となるでしょうか。

  • メンバーは、7/20の24節からCB中央に三國が入って、ハチャンレがサブとなることが多くなりましたが、前節福岡戦では久々にハチャンレがスタメンでした。
  • この他、後半戦に入って出場機会が増えているのが、FC東京から加入の左WB徳元、シャドーの山岸といった選手。徳元はカップ戦で1試合3アシストと存在感が高まっています。
  • システムは1トップ2シャドーが基本だと思いますが、この日はコンサ対策なのか森島がトップ下の2トップでした。

  • 気づけば3人の代表選手を抱えていたコンサ。中断期間にそのうちの一人であるスパチョークと、宮澤といった故障中の選手が復帰しています。
  • バカヨコはコートジボワールとの国際Aマッチ2連戦にいずれも先発して、21時間かけて札幌に戻ってきたようでメンバー外。パクミンギュは韓国代表で2試合出場なしで、コンサにとっては助かる形だったかもしれません。
  • こちらもシステムは普段と変えていて、2トップに武蔵と前節ガンバからゴールを奪った白井。青木を左インサイドハーフとする3センターの1-3-1-4-2でした。

2024年10月6日日曜日

2024年10月5日(土)明治安田J1リーグ第33節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 〜「集大成」の意味を噛み締める〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 前半戦で2勝のコンサに勝ち点3を恵んでくれたうちの一つがガンバでした。改めてこの時のメンバーを振り返ると、トップにジェバリ、その下に坂本、ウイングに食野と倉田、左SBに中野伸哉、右に福岡と、CBと中盤センター以外はターンオーバー。60分を過ぎてからウェルトンや宇佐美を投入しますが、コンサが宮澤のゴールを守り切ってシーズン初勝利を挙げています。
  • 舞台はパナソニックスタジアムへと移りますが、今回もガンバは中2日(前回はコンサもそうでしたがホーム連戦で移動なしでした)。コンディション的にはまたもコンサが有利でしょう。
  • ただガンバは水曜日の試合が大阪ダービーだったので移動はなし。そしてリーグ戦は24節から9試合勝ちなしという状況でメンバーをどこまで変えてくるかがまず焦点でしたが、ジェバリが不在の前線は坂本くらいしか代役がいない。同様に三浦が長期離脱中の最終ラインも中谷と福岡のユニットに頼らざるをえない。
  • ですのでこれらのポジションでは最小限の入れ替え(トップに宇佐美→坂本、右SB半田→岸本)にとどめています。ポヤトス政権2年目は、昨年の積み残しである宇佐美をどう使うか?という点には一定の答えを出せましたが、結果メンバーの固定化を招いたもしくは底上げが課題といえるかもしれません。

  • コンサはガンバから期限付き移籍中の武蔵が欠場で、シャドーも浅野とスパチョーク不在のため駒井のFW起用もないとして、地元紙ではジョルディの先発が予想されていましたが、古巣対決となる白井がリーグ戦初スタメン。
  • 白井はカップ戦でもシャドーやウイングバックでの起用が多かったため、どれだけやれるかギャンブル的にも感じますが、ジョルディを検討していたというのも含め、とにかくガンバがボールを持つ展開にしたかったのかもしれません。
  • 他、引き続き髙尾、宮澤が故障で離脱中。公式のメンバー表記では前節途中から右に回った大﨑が右DFで予想されていましたが、ここはいつも通り馬場が右、大﨑が中央でアンカーでした。


2024年9月28日土曜日

2024年9月28日(土)明治安田J1リーグ第32節 北海道コンサドーレ札幌vs京都サンガF.C. 〜運を引き寄せるための"何か"〜

ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 前回サンガスタジアム by Kyoseraで対戦した18節時点では、2勝5分10敗で勝ち点11という状況だった京都。18節から31節は8勝3分2敗(29節のvs鹿島は順延)と脅威の巻き返しで残留争いでは他よりも1歩前に出た感があります。
  • 直近もセレッソ、FC東京、F・マリノスを下して3連勝を飾ったのち、5位ガンバには終了間際に追いつかれての引き分けと好調を維持していますが、いずれもボール支配率は35、40、49、40%と低水準であり(Football LAB参照)、ボールを捨てる戦い方に適した選手の補強、及びその組み合わせを見つけたことが浮上の要因と見てよいでしょう。
  • 選手では、原動力となっているのは前線ではいうまでもなく、ここまで508分出場で9ゴールのラファエルエリアスであり、21節から右サイドに回って6アシストのマルコトゥーリオ、左に回ってワイドストライカーかシャドーのような動きからゴール前に飛び出してくる原とのユニットは、マンツーマンでカバーリング役のいないコンサには特に脅威になるはずです。
  • また夏にDFの補強がありながらも、最終ライン中央では以前として宮本が奮闘しており、サイズ不足という明確な懸念がありながら前線のアタッカーが勝負できるまでチームを持ち堪えさせているのはGKクソンユンと彼の働きが大きいと見ています。
  • メンバーは左SBに佐藤響か三竿で後者としたのは、近藤のサイドに蓋をするという狙いでしょうか。アンカーは福岡、米本と選択肢がある中で金子がリーグ戦5試合ぶりのスタメン出場。

  • コンサは前節試合中に負傷交代した選手のうち、菅野はスタメンに名を連ねましたが、宮澤は第5肋骨骨折と外傷性気胸で離脱が発表されました。また試合にはフル出場していたスパチョークも右ハムストリング肉離れの怪我を負っていたとのことで1ヶ月程度は起用できないでしょう。
  • すでに離脱している髙尾や田中克幸、浅野も欠く中で、駒井と青木を前線に上げ、中央に出場停止明けの荒野と大﨑が復帰、左には菅という、このシーズンの定番的なメンバー構成となりました。


2024年9月22日日曜日

2024年9月21日(土)明治安田J1リーグ第31節 FC町田ゼルビアvs北海道コンサドーレ札幌 〜配置だけで崩せるほど甘くはない〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 外国籍選手のオセフン、デュークも含め、今や国際Aマッチデーウィークの影響を最も受けるクラブになった町田。9月1週の日本代表招集にもGK谷、DF中山と望月ヘンリーを送り出し、この1年で「クラブステータス」(by四方田監督)が爆上げされた印象です。
  • リーグ戦では直近5試合で2勝2分1敗と、7連勝で勝ち点が並んだ広島に比べるとペースは劣りますが依然として首位を維持。こちらも持ち直しているとはいえ降格圏のコンサは軽く叩いて、次節のアウェイでの広島との直接対決をいかに戦うか、少なからず意識はしているかもしれません。
  • 気づけばここ1年で獲得した選手が各ポジションにほぼ2人控えるスカッドですが、メンバーは右SBに望月、CBに昌子と夏加入の中山、左SBも夏加入の杉岡。中盤から前も相馬と白崎の加入がありましたが、平河が去ったワイドは相馬よりも藤本とエリキ、ナサンホの起用が増えており、前線のオセフンと藤尾の好調が全体にポジティブに波及していると言えそうです。
  • 前節は中山と昌子が負傷交代しましたが、歯を折ったという昌子はこの試合に間に合わせてきました。前線では中島がカップ戦に続いてスタメン起用されているのは、ややパフォーマンスを落とし気味の藤尾に刺激を与える狙いもあるでしょうか。

  • 前節ヴェルディに力の差を見せつけられたコンサ。最終盤に湘南と柏との直接対決になりそうなゲームを控えますが、ここから町田、京都、ガンバ、名古屋と続く正念場。前節はジョルディとバカヨコをお供に添えて岡村FWでのパワープレーという仰天采配を見せましたが今節はどうなるでしょうか。
  • メンバーは、前節負傷の髙尾の右DFに馬場を回して、大﨑と荒野が出場停止の中央には宮澤。最終ラインは町田のサイズを警戒してか、中村桐耶をリーグ戦5試合ぶりにスタメン起用。ベンチには深井が入りましたが、この日のベンチでは唯一の、純粋な後ろの選手ということでいきなり重要な役割を担いそうです。
  • システムは、ボールを持っていない時は青木が左ワイドの1-4-4-2。これについては試合展開の項で詳しく見ていきます。

2024年9月15日日曜日

2024年9月14日(土)明治安田J1リーグ第30節 北海道コンサドーレ札幌vs東京ヴェルディ 〜「なし」と「アカン」の狭間〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • ヴェルディは2週間ぶりの公式戦。不振の川崎がネガティブな方面でのサプライズだとしたら、このシーズンのポジティブなサプライズを提供しているのは町田とこのヴェルディでしょうか。予算的にはヴェルディの方がインパクトが大きいかもしれません。ここまで29試合で10勝11分け8敗で7位につけ、特筆すべきはリーグ戦で連敗なしという点でしょうか。
  • またヴェルディは主力に期限付き移籍の選手が多く、これはかつての価値観だとクラブの資産にならないということであまり推奨されないやり方かもしれませんが、近年J1の若手〜中堅選手の海外移籍が活発になっている中で、(仮に完全移籍で保有しても)どうせ短期でいなくなるなら期限付き移籍でも良い、とする考え方は他クラブも参考になるかもしれません。
  • 「監督や選手と長期契約することで連携や戦術が深化しチーム力の向上になる」という考え方は散見されますが、結局はその中身次第ですし、何年監督をやっても一向に向上しない事例も見受けられます。年数の問題というよりはチームづくり、フロントと監督コーチと選手とで戦術的な要求水準を合わせることのほうが余程重要なのでしょう。

  • さて、ヴェルディのシステムは序盤戦の1-4-4-2から1-3-4-2-1に切り替えて以降はこれを継続しており、ここ最近はシャドーの山見、中盤センターの齋藤功佑といった選手の重用が目につきます。特に山見は、シーズン後半になるにつれ、ボールを持たない戦い方主体にシフトしつつある中でそのスピード評価されているのでしょうか。

  • 中断期間にルヴァンカップ2試合を消化したコンサ。この2試合を回避した大﨑、近藤、カップ戦2戦目で負傷交代したスパチョークを含め、浅野以外は現状のほぼベストメンバーが名を連ねました。
  • カップ戦で2ゴールした菅ですが、右の近藤は3連勝した直近のキープレイヤーですし、スパチョークを使うなら青木も左、ということでベンチスターとは妥当でしょう。気になったのは、配信でも言及しましたが、田中克幸はベンチに入ってても良いかと思ったところでした。

2024年9月12日木曜日

2024年9月8日(日)JリーグYBCルヴァンカップ プライムラウンド 準々決勝第2戦 北海道コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノス 〜工夫は評価すべきか?〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • F・マリノスの5点リードで折り返した1戦目から、コンサは髙尾、菅、駒井、馬場を引き続き起用し、メンバー外となった大﨑とベンチスタートのパクミンギュ以外はリーグ戦での起用が多い選手を送り込んできました。
  • F・マリノスも喜田以外はほぼベストメンバーと言ってよいでしょう。
  • これについては、コンサは敗退が濃厚だから主力を休ませるべき、とする主張もあるようですが、まずプロのチームとして公式戦や公式大会を”捨てる”という考え方は本来容認し難いものだと思いますし、加えて週1で選手はゲームを行うことを念頭において身体を作っているので、仮にコンサの主力選手がこの試合を見送っても試合の前後の日にトレーニングマッチ等で実戦に近い想定でのプレー機会を確保することになるでしょう。
  • それならば北海道の大学生やプロ未満のクラブと対戦するよりも、F・マリノスとの公式戦という機会を活かした方がリーグ戦を見据えたコンディション維持の観点でも有益ですし、練習場でのトレーニングや大学生とのトレーニングマッチでも故障のリスクはありますので(直近では長谷川の負傷は日大とのトレーニングマッチでした)、コンサの判断自体はおかしいことではないと私は考えます。

2024年9月5日木曜日

2024年9月4日(水)JリーグYBCルヴァンカップ プライムラウンド 準々決勝第1戦 横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌 〜 #日本一ディティールにこだわらないクラブ 〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 週末のリーグ戦が台風でスキップされたF・マリノスは、直近の公式戦が10日前という状況。そのゲームに出場した選手からはGKの飯倉、畠中、喜田がスタメンに名を連ねていますが、アンデルソンロペス、ヤンマテウス、エウベルはメンバー外でターンオーバーと言っていいでしょう。ジャンクルードはトーゴ代表に招集中。
  • 例年カップ戦のベスト8くらいからメンバーを変えてくるコンサ。3日前のリーグ戦のメンバーからは髙尾、パクミンギュ、駒井、菅が中2日でスタメン起用で、岡村もベンチ入り。こちらもターンオーバーですが、後ろの対人に強い選手を主に、リーグ戦と同じ選手を一部送り込んできたという感じでしょうか。
  • なお他会場では見たところ、新潟ー町田、名古屋ー広島が両チームともリーグ戦に出ている選手が多め、川崎ー甲府はターンオーバー気味で、対戦相手同士で(示し合わせたかのように)メンバーの傾向が似通う傾向にありました。

2024年9月2日月曜日

2024年9月1日(日)明治安田J1リーグ第29節 北海道コンサドーレ札幌vs川崎フロンターレ 〜滑走路を見つける能力〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 直近4シーズンで優勝、優勝、2位、8位と下降気味だったとはいえ、また例年団子状態になるJリーグとはいえ、川崎が9月になってもこの位置(8勝10分9敗で勝ち点34、1試合未消化ながら14位)にいるという状況を想像していた方はどれほどいるでしょうか。
  • 12節までを3勝4分5敗と早々に上位争いから脱落し、13節ではコンサ相手にゴミスのハットトリックで勝利しましたが、その後14-23節を1勝6分3敗とさらにブレーキがかかります。ただ24-26節は柏、神戸、FC東京相手に3連勝を飾っており、その後マリノスに敗れ浦和戦の中止を挟んで迎えるこの試合では、再びズルズルと下降してしまうのか順位を上げていくのか重要な位置付けになるでしょう。
  • システムは、開幕時に1-4-3-3。トップ下を置く1-4-2-3-1を試した後でまた戻しましたが、20節以降は再び1-4-2-3-1としているようです。メンバーは山田がトップに定着し、中盤センターで22節以降大島がピッチに立っているのはポジティブなトピック。ただ夏のマーケットで大南と瀬古がベルギーへ旅立ったこととは、特にジェジエウの離脱が続く最終ラインを依然として不安定な状況にさせています。

  • お互いに3日後にルヴァンカップを控えており、川崎は等々力で甲府と、コンサは光沢でF・マリノスとの試合を控えています。コンサは前節の磐田でのゲームと同じスタメン。ベンチは馬場・フランシスカン→荒野・田中克幸。荒野は8月半ばの時点で割とコンディションは上がっている印象でしたが、大﨑の加入等もあって無理せず調整に充てられたことは好材料でしょう。

2024年8月26日月曜日

2024年8月25日(日)明治安田J1リーグ第28節 ジュビロ磐田vs北海道コンサドーレ札幌 〜形勢逆転〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 磐田はここ5試合で1勝1分3敗。最低限ともいうか勝ち点4を積んではいますが、湘南に0-5、京都にホームで1-2と直接対決を落としたことは非常に痛い状況。
  • シーズン通算ではここまで27試合で7勝7分13敗の勝ち点28。7勝はいずれも複数得点で1-0勝ちはなし。クリーンシートでの勝ちは4試合ありますが0-0の引き分けはなし、ということで、勝ち点を積むにはもう少し失点を減らしたいという意味合いではバランス的にはコンサに割と近いかもしれません。
  • 11節までを4勝2分5敗で乗り切っていたところで、開幕から好調を維持していたジャーメインが12節(vsヴェルディ)で負傷し、そこから欠場の5試合(コンサ戦含む)で1勝1分3敗と失速。ジャーメインの有無が戦況に大きく影響を与えるのは事実なのでしょうけど、一方でGK川島を欠いた6試合でも1勝1分4敗と、結局はセンターラインはみんな大事ということになるでしょうか。
  • この試合で出場停止処分明けから復帰するFWペイショットを欠く直近2試合は、ジャーメインをトップに、その下に2人を置く1-4-1-4-1のシステムを採用していまいしたが、これも得点力を補うというよりは中盤センターの駒不足によるものでしょうか。最終ラインには左利きのCBハッサン ヒルが加わりましたが、中盤にももう1人くらい補強があっても良いように思えます。
  • この日のスタメンは、トップにジャーメインと、夏にセレッソから加入した渡邉りょうを並べる2トップでペイショットはジョーカーとして控えます。2列目はこれまたセレッソから加入したクルークスが右、中央はレオゴメスと、4試合目の先発となる中村駿で、よりバランスを意識した印象です。最終ラインはリカルドグラッサが右CB、左CBのハッサンヒルと初めてスタメンで同時起用で、コンサの放り込み主体の組み立てには強そうですが連携などはどうでしょうか。

  • 水曜日に千葉で天皇杯を戦ったコンサ。木曜日に札幌に戻って調整した上で磐田に乗り込んだようです。
  • メンバーは前節鳥栖戦から、カップ戦で45分出場した馬場を外し、駒井を中盤センターとし、菅を左に入れて青木をシャドーとしていますが、磐田が1-4-4-2のマッチアップなら噛み合わせでは大﨑がCB、青木と駒井が中盤センターになりますが、磐田が縦並びだったので大﨑はアンカー。また青木が左にいたのは些細なことのようですが、実は試合への影響は小さくなかったと思います。
  • 浅野は前節試合前の負傷は腿裏肉離れと発表されました。また長谷川も日大とのトレーニングマッチで負傷しており、こちらも肉離れで数試合離脱となるでしょう。
  • ベンチにはフランシスカンが初めて入ります。練習を見た感じではそこまでインパクトはなかったのですが、ワイドとしてはパワー不足でも、中央で意外性のあるプレーに期待ということと、センターFWを2人並べない方がよいと考えてジョルディを外したのでしょうか。3日前に90分出場したとはいえ、好調の田中克幸は入れても良いかなと思いましたがどうでしょうか。

2024年8月22日木曜日

2024年8月21日(水)天皇杯 JFA 第104回全日本サッカー選手権大会 ラウンド16 ジェフユナイテッド千葉vs北海道コンサドーレ札幌 〜誤魔化せないスカッドの歪さ〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • ラウンド16に残っているチームのうち、J2のクラブは大分、愛媛、山口、甲府、長崎、そしてこのジェフの6クラブで、いずれもホームスタジアムでJ1クラブを迎え撃つ権利を有します。公式戦では2016シーズン以来の対戦。J2のリーグ戦ではジェフは6位山口と勝ち点差7の8位につけています。
  • 小林慶行監督体制での初年度だった2023シーズンは、3バックも一部使っていたようですが、今シーズンは一貫して1-4-4-2。メンバーは中盤センターの田口、小林祐介といった主力はリーグ戦に備えてスタメンを外れていますが、エース小森とキャプテンマークを巻くCB佐々木はスタメンで起用してきました。システムはおそらく1-4-4-2ベースなのでしょうけど、私は1-4-1-4-1と解釈し表記します。
  • 天皇杯は前回3回戦で、松木、長友、荒木らが先発したFC東京を延長戦の末にフクアリで破っています。

  • 3日後に磐田での重要なリーグ戦を控えるコンサは、前節リーグ戦にスタメン出場したメンバーは髙尾を除いて全員温存。右DFは髙尾しか実質的におらず、(中盤でスタメン格の)馬場と2人で回すことをあらかじめ想定して馬場もベンチ入りさせたのでしょう。
  • ジョルディやアマドゥバカヨコといった選手の加入でやや見栄えはするようになったかもしれませんが、先週土曜日にはこのメンバー中心で日大相手にトータル1-7で敗れており、ジェフにも充分付け入る隙がありそうに思えますがどうでしょうか。なおトレーニングでは田中宏武が右DFをやっていましたが、この日は本来の右WBで起用されています。

2024年8月17日土曜日

2024年8月16日(金)明治安田J1リーグ第27節 北海道コンサドーレ札幌vsサガン鳥栖 〜フリースタイル ブレイキングフットボール〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 今節唯一の金曜日開催。札幌は中5日で移動なし、鳥栖は中4日で移動ありというスケジュール。
  • 鳥栖は14節以降なんとか17位をキープしてきましたが、湘南と京都が一気に勝ち点ペースを上げたことで19位に転落。といっても数字的には17位磐田と勝ち点差4なので、これを落とすとほぼ絶望的になるコンサよりはかなりマシに感じます。
  • 夏のマーケットではMF菊池が名古屋、手塚が柏、長沼が浦和、そして横山がバーミンガム、8/8付で川井健太監督の契約解除と主にOUTの方で最も動いたチームになっています。INはFC東京からジャジャシルバ、7月加入の清武と西矢、6月加入のヴィキンタス スリヴカと枚数は補充していますが、19位のチームの動きとしてはやや心もとないでしょうか。
  • 前節浦和戦では左ワイドに20歳の楢原、トップ下には21歳の日野、左SBにはFW登録の19歳・堺屋がスタメン起用されており、こうした経験の浅い選手からなんとか可能性を見出すしかなさそうではありますが、連戦でのパフォーマンスはどうでしょうか。

  • メディアの「残留のために必要なことは?」という問いに対し、コンサの三上GMは「8月の福岡、鳥栖、磐田戦に3連勝」との回答。「必要なこと」というのはアクションとか方針を聞いているのだと私は解釈しましたが「3連勝」というのはそのアクション(インプット)に対するアウトプットなのでなんか噛み合ってない気がしますが、ともかく重要なゲームで勝ち点1にとどまり、また湘南、磐田が前節勝ち点を積んだことで、この試合は絶対に落とせなくなりました。
  • 菅が出場停止。バカヨコは登録が完了し今節から起用可能となりましたが、火曜日に宮の沢で見た感じでは軽快な動きを見せていましたし、コミュニケーションもとれている印象でした。
  • 試合前の練習では浅野が負傷し、スパチョークが急遽スタメン、空いたベンチ枠には白井を入れています。

2024年8月11日日曜日

2024年8月10日(土)明治安田J1リーグ第26節 北海道コンサドーレ札幌vsアビスパ福岡 〜要求水準の差は歴然〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • ホームスタジアムがネーミングライツによって2024年8月より「大和ハウス プレミストドーム」、略称プレドに愛称設定されての初戦。
  • 25節までで、福岡は札幌に次いで少ない24得点ながら23失点でここまで8位につけます。一方で相手が3バック(5バック)のチームとの対戦では、札幌、湘南×2、名古屋、広島に引き分け、広島とヴェルディに負けと、5分2敗で実は勝ちなし。札幌はアレだとして、ゴール前にDFを並べられると手詰まり感は否めないと言えるでしょう。
  • ただそうした中でも「相手を崩すために自分たちが先に動いて崩れる」という日本サッカー的なカルチャーとは無縁の堅さは健在。動いて崩れるくらいなら動かず勝ち点1でよし、とする考え方は選手起用にも反映されています。
  • FWは序盤戦好調のザヘディがここのところベンチスタートが多く、ウェリントンの起用が増えていますが今日はザへディがスタメン。佐藤凌我が大怪我から戻った後はシャドーに定着し、岩崎が左に回っており、これによって前嶋と湯澤が離脱中の右はよりバランスを取る傾向がより強く、6月以降は小田の起用が増えています。その佐藤は前節決定機を逸したからか?今節はメンバー外で北島にチャンスが回ってきました。
  • DFは今シーズンは3バック(5バック)のみ使用で、宮の不在時は左、奈良の離脱以降は中央に回っている田代はこのシーズン評価を上げた選手でしょう。

  • コンサは前節に続いて髙尾が欠場で、岡村と駒井もよくわからないですが不在。これに伴い宮澤が10節湘南戦以来、今シーズン2度目となるDF起用。中盤センターは田中克幸の予想もありましたが、中村桐耶を回して左DFにパクミンギュが初スタメン。前節は途中出場で菅がDFに入っていましたが今回は入れ替えてきました。

2024年8月8日木曜日

2024年8月7日(水)明治安田J1リーグ第25節 横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌 〜逃れられぬ課税〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 7/20以来のリーグ戦となる再開初戦。マリノスは7/21から7日間オフ→7/28からトレーニングを再開し、8/3にニューカッスルとの親善試合を消化してこの試合に臨みます。ですのでトレーニングとしては中断期間に7日程度しか行っていないようで、7/15にキューウェル前監督と契約解除、ハッチンソンコーチが指揮を執る体制変更があった割には、インプットよりもリカバリーを優先したという印象です。
  • メンバーはキューウェル体制とさほど変わらず。ニューカッスル戦では新加入のジャンクルード(アジアンベ)がCBで試されましたが、この日はメンバー外で上島を選択。
  • 前線は、植中はパリオリンピックからの敗退が決定したのが8/3でしたがベンチ入り。今節各地でオリンピック代表組は軒並みベンチスタートという状況です。トップ下は天野の出番も増えていましたが、セルヴェットから復帰した西村が復帰後初スタメン。主な負傷者は永戸と渡邊泰基。

  • コンサは7/25からトレーニング再開と、ややオフは短めで調整してきました。中断期間に「6人目の新加入選手」がシエラレオネ代表歴のあるFWアマドゥ バカヨコと判明し、彼以外の新加入選手は登録が済んでいる状況ですが、この試合のスタメンは中断前に(大﨑加入もあり)持ち直しているように見えるメンバーを送り込んできました。両チームとも夏加入の選手で、シーズンが異なるリーグから加入した選手はまだコンディションを上げている途上という状況でしょうか。
  • 7/30に予定されていたセビージャ戦が中止となったことで、これらの選手のクオリティを図ることが難しくなったのは残念だったかもしれません。主な負傷者はスパチョークとキムゴンヒ。

2024年7月21日日曜日

2024年7月20日(土)明治安田J1リーグ第25節 浦和レッズvs北海道コンサドーレ札幌 〜ピッチは空模様を映す鏡〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 浦和はDFの大畑がU23日本代表に招集中。夏のマーケットで酒井とショルツが移籍し、前線は中島翔哉と安部、リンセンが負傷中。アウトサイドの選手として本間至恩と二見が加入しましたが、大久保、松尾、前田といった選手もまだ100%ではないということで、渡邊凌磨が左ウイングだけでなくインサイドハーフでもフル稼働という状況(こんな感じで、だいたいどのチームも10人くらいは離脱者がいますよね)。
  • ショルツが抜けてからの4試合は名古屋、磐田には完封勝利したものの、ここ2戦はホーム(駒場)で湘南相手に2-3⚫︎、アウェイで京都相手に0-0と降格圏のチームに勝ち点を配っている状況。グスタフソンの欠場は前節途中交代の影響でしょう。

  • コンサはこの週、4人目の新加入選手:「左のDF/WB」が水原FCから加入のパク ミンギュ、5人目:「浅野のような裏抜けが得意なシャドー」がFC琉球から加入の白井陽斗と発表され、それまでの加入分と合わせて大﨑、ジョルディサンチェス、フランシスカン、白井は登録が完了したという状況。ジョルディは紅白戦にも参加しており、「思ったより動けている」ということでこの試合の遠征メンバーにも帯同しています。
  • 他、宮澤は5/19柏戦以来のメンバー入り。近藤も6/23の横浜FM戦以来ぶりに帰ってきたところです。

2024年7月14日日曜日

2024年7月13日(土)明治安田J1リーグ第23節 北海道コンサドーレ札幌vsヴィッセル神戸 〜「「前への意識」という謎の概念〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 神戸は6月に入ってからリーグ戦6試合を浦和△、川崎○、ガンバ⚫︎、町田△、鹿島○、広島○で3勝2分け1敗とまずまずの戦績で乗り切り、町田と勝ち点差6の3位をキープ。ただ町田がその間全く同じポイントを獲得しているので差は縮まっていないのと、シーズン序盤だった宮代のほか、酒井、汰木といった選手を欠く状況で天皇杯から中2日の札幌に乗り込みます。
  • この日のメンバーは酒井の右SBに「4つのオプションがある」と語っていましたが、初瀬を右に回して本多を左に。なお残り3つは菊池の起用、飯野の起用と、18歳の本間ジャスティンも考えてはいるでしょうか。
  • 前線は、左サイドでの起用が主だった特別指定選手の山内が中央に入り、スポナビだと1-4-1-2-3の表記ですが私には1-4-2-3-1のようにも感じました。ただコンサが1-3-4-1-2っぽかったので神戸も1-4-1-2-3が妥当なのでしょう。

  • この週の木曜日に唐突に三上GMとのオンラインミーグリ(内容はまんまミーグリですね)を開催し、大﨑、フランシス・カン、ジョルディ・サンチェスの他に3選手(①「左のDF/WB」、②「浅野のような裏抜けが得意なシャドー」、③「ジョルディよりはカウンターで活きるFW」)の加入が濃厚だと語られたコンサ。
  • 右に浅野が戻ってきて、前線はトップに大森と武蔵が並びその下に青木。駒井は累積警告で出場停止。前線は青木が左に流れるので、武蔵は右に置くのかと思いきや武蔵も左でした。
  • 大森か田中宏武どちらかがスタメンで、宏武を使う場合は浅野を前で使うこともできたのでしょうけど、大森を選んだのはセンターラインにパワーのある選手を置きたかったのか、浅野の右サイドでのプレーを買ってるのか、色々理由があるのでしょう。3日前の天皇杯でのプレータイムは、88分までプレーした大森の方が長かったのでコンディションは気になるところです。

2024年7月7日日曜日

2024年7月6日(土)明治安田J1リーグ第22節 鹿島アントラーズvs北海道コンサドーレ札幌 〜そもそも誰に問うべきか?〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:




  • 鹿島は前節神戸に敗れて久々の黒星となったものの、10節から20節を7勝4分けの無敗で駆け抜けて首位町田と勝ち点差5の3位につけます。
  • リーグ戦のメンバーは、流動的だった右SHに師岡が定着してほぼ固まったようですが、この週の7/3に佐野海舟が1.FSVマインツ05に完全移籍が決定。柴崎が知念とのユニットで、今シーズン初のスタメン起用となり、また左サイドは仲間ではなく樋口が起用されています。
  • コンサは大﨑が中盤センターで初スタメン。左は菅が欠場で、原もリーグ戦初スタメン。他、長谷川が欠場で、トップは大森から武蔵に戻してきました。回復が伝えられていた青木は7節ぶりにメンバー入り。家泉と児玉もベンチを外れておりGKは小次郎。

2024年6月29日土曜日

2024年6月29日(土)明治安田J1リーグ第21節 北海道コンサドーレ札幌vsアルビレックス新潟 〜自覚する最後のチャンス〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 新潟はここまで5勝7分け8敗で勝ち点22の16位。マリノス、町田から勝ち点3を獲得しているのが光ります。リーグ戦直近3試合は鹿島、川崎、広島と簡単ではないチーム相手にいずれも引き分けで状態も悪くなさそうと見ていいでしょう。
  • メンバーはカップ戦の際に負傷したと見られるGK小島のところは阿部が起用されており、ベテランが支えていたCBには東洋大学4年生の左利きDF稲村がスタメンデビューの前節に続いて起用されています。 
  • 他、中盤センターの宮本、左ウイングの太田、トップで出番が増えていた長倉といった選手を欠いており、どこかの”いいサッカーをしているけど負傷者続出で勝ち点が増えないチーム”と同じくらい離脱者は多いようです。
  • と、いうのはどうでもいいんだけど、奥村は中盤センターとトップ下兼務でこの日は後者。中盤センターにはベテランの島田が入って、左サイドでここ6試合スタメン起用されいてた谷口がセンターFWに回っています。

  • コンサは岡村が出場停止。前節欠場の小林がスタメン復帰で、トップは前節奮闘していた長谷川に、大森を組ませて武蔵をベンチスタートとしました。

2024年6月27日木曜日

2024年6月26日(水)明治安田J1リーグ第20節 FC東京vs北海道コンサドーレ札幌 〜シングルタスクの集合体〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • FC東京は土曜日の湘南戦から中3日、コンサは日曜日から中2日。移動も含めてコンディション的には結構差がありそうな状況での後半戦初戦。
  • FC東京は両SB(中村帆高、長友)と中盤センターの一人(小泉)、右ウイング(仲川)をターンオーバー。CBはカップ戦で鼻骨骨折の木本がフェイズガードをつけて戻ってきました。
  • コンサは近藤が体調不良とのことで、右に田中宏武。小林が出場停止で田中克幸ですが、駒井とどちらかがシャドーに入るというよりは、珍しく完全にインサイドハーフのような役割になっていたと思います。

2024年6月24日月曜日

2024年6月23日(日)明治安田J1リーグ第19節 北海道コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノス 〜コンサの負けパターンとは〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • ACLで決勝に進んだことで1チームだけ変則的な日程でリーグ戦を消化するマリノス。リーグ戦では4/10の第3節(延期分、7節の後に消化)でガンバを2-0で破って以降は、湘南、セレッソ、磐田、浦和、新潟、FC東京、柏、鹿島、町田相手に9試合を1勝4分4敗と厳しい状況に立たされています。
  • 過密日程はひと段落したものの、最終ラインの畠中、小池裕太、小池龍太、前線のエウベル、ナムテヒといった選手のコンディションが整わない状況が続いていますが、ただ一つ言えるのはチームのサイクルとしては下降線を辿っており、今のマリノスはJリーグで新潟と共にポジショナルなサッカーをリードしてきた、かつての姿ではなくなっていると見ていいでしょう。

  • 試合前日に「昨年のレギュラー13人がいない状況だ😔」と語った我らがミシャ。「昨年のレギュラー」という観点にまずかなり驚きでしたが、真面目に内訳を考えると移籍の1ソンユン、2ルーカス、3小柏、4駿汰、5金子、6福森、長期離脱の7高木、負傷が伝えられている8宮澤、9青木、10浅野、11菅、12スパチョーク、という感じで13人目は誰?と思っていたのですが荒野を指していたのか、それともゴニなのか。ソンユンや福森を「😔」に含めるのもどうかという気もしますが、しばらくはこうしたコメントにも慣れていく必要があるでしょう。

2024年6月16日日曜日

2024年6月15日(土)明治安田J1リーグ第18節 京都サンガF.C.vs北海道コンサドーレ札幌 〜とりあえずやりきる〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • お互いに、幾分か呑気な(?)監督やフロントスタッフは何を考えているのかわからないところがあるとして、サポーター心理ではここで負けたらこのシーズンやばいでしょ、と思っている状況であろう19位と20位の対決。
  • 京都のリーグ戦ここまでの2勝はいずれもアウェイで川崎と神戸にそれぞれ1-0。ここ2戦は名古屋とセレッソに1-1で引き分けが続いていますが、リーグ戦で最後に勝ったのは4/27の神戸戦という状況。
  • 前節以降の中断期間は、ルヴァンカップはすでに敗退しているため試合なし。この週の水曜日6/12に大宮との天皇杯はCBの鈴木義宜以外はターンオーバーで2-0と勝利しています。
  • メンバーは鈴木義宜の負傷とアピアタウィアの不安定なパフォーマンスもあってCBがウィークポイントで、宮本のCB起用がここ最近は増えています。麻田は天皇杯での負傷によりメンバー外。

  • 中断期間にルヴァンカップで富山とのH&A、札幌での天皇杯(vs栃木シティ)を消化して京都に乗り込むコンサ。カップ戦で菅、天皇杯でゴニ、そして代表招集中にスパチョークが負傷するなど全然中断期間感がない2週間となりました。他にも起用できない選手を整理すると、宮澤、青木、浅野、大森(?)、長期離脱中の深井、高木。特に浅野の回復具合は戦況を大きく左右しそうだと思っていましたが間に合いませんでした。
  • これを踏まえて右DFには髙尾かと思いましたが西野。田中宏武は天皇杯ではJFLの栃木相手に得点に絡む活躍でしたが、その際の右ではなく左で起用されています。

2024年6月9日日曜日

2024年6月9日(日)JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフラウンド 第2戦 カターレ富山vs北海道コンサドーレ札幌 〜2.4 vs 17.2〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 両チームとも現段階のほぼベストメンバーを送り込んできました。コンサはスパチョークが代表招集中のため、長谷川を前線起用。私も把握してなかったのですが21歳以下の選手のスタメン起用義務は無くなったのですね。が、西野を1戦目で休ませて2戦目に起用するというのはちょっと謎ではありますが。

2024年6月6日木曜日

2024年6月5日(水)JリーグYBCルヴァンカップ プレーオフラウンド 第1戦 北海道コンサドーレ札幌vsカターレ富山 〜押しても動かぬときは〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 富山は直近のJ3リーグ戦(沼津相手に敗北)に出場した選手は左SBの安光のみとターンオーバーで札幌に乗り込んできました。リーグ戦では15試合で5勝6分け4敗の8位につけています。
  • またFootball Labを参照すると、FWはこの日スタメンの碓井が9試合スタメンで最多なようですが、ここ3試合はこの日ベンチスタートのマテウスレイリアが起用されており、このような序列の変化が生じているらしきポジションがかなり多く見られてメンバーは固定されていないようです。
  • コンサは3回戦の長野戦のメンバーから木戸がベンチスタートで、原がスタメン。

2024年6月3日月曜日

2024年6月2日(日)明治安田J1リーグ第17節 東京ヴェルディvs北海道コンサドーレ札幌 〜話し合いで解決という幻想〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 試合前の時点でヴェルディは勝ち点21で12位につけ、J2プレーオフからの昇格枠としてはかなりの健闘を見せており、30周年ということでややヴェルディ推しだったリーグとしても期待に応えてくれてここまではニンマリな展開でしょうか。
  • 開幕3節を1分2敗とした後、4節からは11節負けなしで一気に順位を上げ、首位町田には天空の城で0-5と完敗したものの、前節は前年王者の神戸をアウェイで下しており、町田の陰に隠れますがこちらも実力は本物だな、という感じがしてきました。

  • CBの谷口が8節で負傷、山田楓喜がU23代表から帰ってコンディション不良に苦しむなど、どっかの監督なら言い訳したくなる状況で若いスカッドをうまくやりくりしている(ように見える)城福監督の手腕も光ります。その城福監督がずっと練習していた、というのが前節神戸戦で披露した3バック⇆5バックのシステム。1-3-4-2-1と1-3-1-4-2のミックスみたいな感じですがとりあえず守備時の陣形を踏まえこのように表記します。なお長崎時代から「左翼の翁長」ってずっと言いたかったんですけど最近は右翼での起用ばかりらしいです。
  • コンサは川崎戦から離脱していた武蔵が復帰。宮澤が試合前に肉離れのアナウンスで、オフィシャルに負傷が報じられたのが青木、浅野とともに好調な選手をまたも失うことになりました。
  • メンバーは家泉が先発で岡村と同時起用されたのが特筆すべき点で、この形は(CBタイプの選手を中央に2人並べる)はミシャ体制で頑なにやらなかったのですが遂に採用されました。


 

2024年5月26日日曜日

2024年5月25日(土)明治安田J1リーグ第16節 北海道コンサドーレ札幌vs鹿島アントラーズ 〜最後通告の日は寂然と〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 鹿島は9勝2分4敗の勝ち点29で首位町田を勝ち点3差で追う状況。ここ6試合(ちょうど、三上GMが「7試合で勝ち点7!」を掲げた対象試合と一致)はガンバ、湘南、柏、ヴェルディ、広島、神戸に5勝1分と調子を上げてきたところです。
  • 一方で水曜日にはアウェイで町田とのルヴァンカップを戦い、GK早川の他、植田、関川、佐野といった主力をスタメンに送り込みましたがターンオーバー気味の町田に0-2で敗退。ここでの疲労は気になるところです。
  • メンバーは右ウイングのみ流動的で、藤井、樋口、チャブリッチと試してきましたが、ここ4試合は師岡が先発。トップ下は名古が先発した8試合で7勝1分と驚異的な結果で、好調を維持するチームのキーマンとなっています。この日の役割は、FWの鈴木と並んだ2トップとするのが妥当でしょうか。

  • 長野とのルヴァンカップをターンオーバーで乗り切ったコンサ。武蔵、浅野、青木を欠く前線は、新たに近藤もこの週の練習中の負傷で欠場。宮澤も同じく負傷ということで、右に原、中央に田中克幸の起用を予想するメディアもありましたが、それぞれより経験のある田中宏武と髙尾が最終的には選択されています。

2024年5月23日木曜日

2024年5月22日(水)JリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド 第3回戦 AC長野パルセイロvs北海道コンサドーレ札幌 〜重みの違い〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 2位琉球〜11位今治まで勝ち点差3と混戦模様のJ3で長野は8位につけます。このルヴァンカップでは3月に徳島に5-1、4月に京都に3-2と、上位カテゴリでありますがなんというか”お察し”のチームと対戦が組まれる僥倖もあり勝ち進んできたようで、それらのチームと同類の我らがコンサをホームで迎え撃つということで意気上がる状況でしょうか。
  • J3はこの週の週末にリーグ戦がない(天皇杯1回戦)ということもあり、メンバーはターンオーバーのコンサに対し、ほぼリーグ戦を戦っているメンバーを送り込んできたようです。FW浮田は2020年に山口でプロデビューし、すでに4クラブを渡り歩いていて、今シーズンはJ3で14試合8ゴールと好調。個人的に気になる選手は左DFの杉井で、2000年5月生まれの24歳、柏ユースから高卒トップ昇格した左利きDF。サイドもセンターもできる左利きという点でどのクラブも探しているタイプではないでしょうか。

  • 週末に鹿島との断頭台マッチ?を控えるミシャコンサは完全ターンオーバー。3日前のリーグ戦でメンバー外だった小林、長谷川といった選手は怪我ではないことが判明しました。GK児玉はY.S.C.C横浜でカップ戦に出場しているので、この試合を勝ち進んだ場合に次のプレーオフラウンドから出場可能ということです。

2024年5月20日月曜日

2024年5月19日(日)明治安田J1リーグ第15節 柏レイソルvs北海道コンサドーレ札幌 〜ジエゴ木花道〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 東京はこの週末から初夏の陽気を感じる気温で(といっても昨今の酷暑下ではこれぐらいでは初夏と言えないかもしれませんが)、Jリーグのキックオフ時間はまだ日中に設定されているカードも多いですが、16時キックオフは気温的にはちょうどいい時間帯でしょうか。
  • 柏は中盤センターで開幕スタメンだった高嶺と、左右のサイドハーフで出場していた山田雄士が離脱中。ただ全体としては、混迷を極めた前のシーズンよりは戦力アップに成功している印象で、右には島村、中央には白井、右SBには拓殖大学4年生の関根がそれぞれ重要なプレイヤーとなっており、昨年後半戦の立て直しに大きく貢献したCBの犬飼、スーパーエースのマテウスサヴィオも健在。1試合未消化で勝ち点18の12位につけていますが、細谷が前節湘南戦でようやく初ゴール&代表活動で離脱が多かったことを考慮してもまずまずの滑り出しではないでしょうか。
  • この日のメンバーは、大卒2年目の熊澤がトップに入り、2列目攻撃的MFにマテウスサヴィオと小屋松を併用、この位置での起用が多い戸嶋が久々に中盤センターに入るいつもと異なる布陣。この狙いについては後ほど考察します。

  • コンサは浅野が前節試合中の負傷(肉離れ)で離脱。前線はゴニとスパチョーク、駒井の並びになるので、ボールを持っていない時は駒井が下がってスパチョークは2トップの一角になります。宮澤と岡村は、宮澤が熊澤、岡村が細谷を担当するマンツーマンを徹底していて受け渡しはほぼ全くなしなので、左右は頻繁に入れ替わる関係性です。

2024年5月15日水曜日

2024年5月15日(水)明治安田J1リーグ第14節 北海道コンサドーレ札幌vsジュビロ磐田 〜飛車角どちらか選ぶなら〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 「Jリーグの日」ということで平日開催のリーグ戦。
  • 補強禁止の逆風を乗り越えJ1に戻ってきた磐田。かなり苦戦するのでは?と予想していましたがセンターラインに川島、リカルドグラッサ、マテウスペイショットと一定の強度がある選手を確保していることに加え、2節の川崎戦での4ゴールをきっかけに爆発したジャーメインの得点力もあってここまで4勝2分7敗で15位と少なくともコンサよりはポジティブに序盤戦を乗り切ったと言えるでしょう。
  • しかし12節でジャーメインが負傷、おそらく1ヶ月以上の離脱と診断されて迎えた前節の鳥栖戦は下位に沈む鳥栖にホームで0-3と完敗。この時は川島が負傷、リカルドが出場停止とセンターラインをごっそり欠いていたのはありますが、ジャーメインが不在のこの1ヶ月でなんとか踏ん張りたいところです。
  • メンバーは、復帰の山田がトップ下でジャーメインに変わってスタメン出場。左サイドハーフは平川が不動のスタメンでしたがこの日は古川を起用してきました。

  • コンサは武蔵が前節、前半終了時に退いたのは負傷だったようで、ゴニのスタメンを予想するメディアもありましたが久々の駒井FW。ただ、スタート時はスパチョークが前、駒井がシャドーないしはインサイドハーフでしたが徐々に駒井が中央で体を張るいつもの役割分担からポジションもその影響でシャッフルされたという感じで流動的でした。また最終ラインには岡村が5試合ぶりにスタメン復帰。

2024年5月12日日曜日

2024年5月11日(土)明治安田J1リーグ第13節 川崎フロンターレvs北海道コンサドーレ札幌 〜ライオンは狩りの仕方を忘れない〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 川崎は試合前の時点で3勝4分5敗の15位と出遅れています。エリソンが出場停止で、代役はゴミスと山田が考えられ、後者の方が起用自体は多い状況。やはりゴミスのスタメンはバランス的に難しいのだと思いますが、この試合はマンマークで守るコンサ相手にゴミスのポストプレーを突破口にしたく賭けに出たのだと思います。一方で山田もポジショニングや動き出しでマンマークを崩す能力は持っているはずなので重要なカードでしょう。
  • 最終ラインは再起をかけるジェジエウが、負傷から復帰後リーグ戦3試合はベンチスタートと慎重な使われ方でしたが、武蔵とマッチアップするこちらも重要な役割を担ってスタメンに復帰しています。高井はU23日本代表から戻って1週間ですが、こちらもコンディションを注視した結果のベンチスタートでしょう。
  • 脇坂、橘田と組む中盤の3人目は遠野が4試合連続のスタメン。山本悠樹はメンバー外、ゼヒカルドはここまでスタメン2試合と新加入選手がイマイチフィットしておらず、今後浮上のためにはキーとなるポジションかもしれません。

  • コンサは3試合連続で同じスタメン。岡村のコンディションは不明ですが、家泉がここ3試合である程度計算できると踏んではいるのでしょう。

2024年5月6日月曜日

2024年5月6日(月)明治安田J1リーグ第12節 北海道コンサドーレ札幌vsFC東京 〜片翼のCONSA〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 試合前の時点で、FC東京は5勝3分3敗で勝ち点18と6位につけます。
  • メンバーは、CBの序列がおそらく木本・エンリケ→土肥→森重となっていて、偉大な父を持つ19歳の土肥が抜擢されようやくポスト森重問題に本格着手できそうな様子ですが、この日は土肥が欠場、木本は故障明けでベンチスタート。昨年小柏と浅野の2トップに蹂躙された森重とエンリケトレヴィザンのユニットのリベンジマッチとなるでしょうか。
  • この他、U23日本代表に参加していた松木と荒木、GKの野澤は休養で、松木と荒木がが務めることが多かったトップ下に仲川。大黒柱のディエゴオリヴェイラは10節から復帰しています。
  • コンサは3日前のアウェイでのセレッソ戦と同じスタメン。前節存在感を見せた家泉が引き続き起用され、復帰の岡村はベンチスタート。

2024年5月4日土曜日

2024年5月3日(金)明治安田J1リーグ第11節 セレッソ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 〜言うほどミニクーパーか?〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:

  • 開幕10戦を5勝4分1敗で乗り切りわずかな差で首位に立つ創設30周年のセレッソ。
  • フォルランと柿谷の2トップが観客を魅了した20周年のシーズンほど名前は派手ではないにせよ、両ワイドにルーカス、カピシャーバ、(序列低いけど)クルークス、その後ろの毎熊、登里と充実の陣容で、センターラインもレオセアラ、健在のキムジンヒョン、ヨニッチは抜けたけどどこかで見覚えのある田中駿汰、進藤と上位を狙えるメンバーが揃っています。
  • ただインサイドハーフは香川、清武と費用対効果がやや悪そうなビッグネームを2人抱えており、ここがどう転ぶか、そして昨年失速した後半戦をどう乗り切るか、という展望でしょうか。


  • メンバーは、カピシャーバ、進藤、清武、(おそらく)ヴィトールブエノが負傷、西尾とジャスティンハブナーはU23代表招集中。最終ラインは舩木が左利きCBとして存在感を日に日に高めており、インサイドハーフは柴山が3試合連続のスタメン起用。外国人選手枠の兼ね合いもあり、クルークスはルーカスが出られない時だけ右ウイングでスタメンという扱いですが、カピシャーバ不在のこの日はクルークスを左に持ってきました。

  • コンサは負傷の岡村が強行出場という報道もありましたが、前節45分間プレーしてまずまずの出来だった家泉がJ1初スタメン。岡村によると「ミシャは最初に決められた序列を覆すまでが大変」だそうですが(菅野のYouTube参照)、負傷者の状態を考慮しても、前節のプレーは家泉に賭けてみる勇気が湧く水準だったのでしょう。

2024年4月28日日曜日

2024年4月27日(土)明治安田J1リーグ第10節 北海道コンサドーレ札幌vs湘南ベルマーレ 〜no ideaからnot sureへ〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 湘南は、開幕戦は川崎相手に4バックの1-4-4-2を採用。3節の福岡(システム1-3-4-2-1の3バック)戦以降は3バックの1-3-1-4-2と1-4-4-2の布陣を併用していますが、相手がどうだから、自軍がどうだからという一次関数的な決め方ではなくて色々な変数があって使い分けているようです。
  • ただ一つ言えそうなのは、中盤センターが1人になる1-3-1-4-2は田中聡の有無とその彼のパフォーマンスでかなり変わりそうに思えます。
  • 要するに3バックだと最終ラインを1人増やせるけど中盤センターの枚数が削られるのでそこに能力のある選手が必要。逆に4バックだとCB2枚で対応しなくてはならないので、キムミンテと組む選手(今の所は大岩が軸でしょうか)が重要になりますが、相手とのマッチアップ的にCB2枚で対応できそうなら優先度が上がるオプションなのかと思います。

  • そして田中聡は現在U23日本代表に招集中のため、この試合はWBの横幅を使ってプレーする(ということになっている)コンサ相手でも横幅4枚で守る1-4-4-2を選択したのだと思います。
  • 前線は3年目の、浦和戦で2ゴールを挙げた鈴木章斗が本格化の兆しを見せつつある気がしますが、宮澤に対してフィジカルで優位に立てそうな彼の不在はコンサにはかなり大きいでしょう。あとはGKが、富居の負傷もあって固定できていないことも厳しいところです。
  • そして鈴木の不在により前線でルキアンと組むのは阿部。阿部がFWのプレーをする(ルキアンと2トップ)ならコンサは2バックになるし、トップ下で下がったところにいるならコンサは3バックになるので阿部の振る舞いは重要でしたが、結果としては阿部はほぼFWとしてプレーしていたと思います。

  • コンサは武蔵が負傷から復帰で、前線で浅野と組みます。4バックの湘南相手なのでスパチョークは中盤センターのような役割になります。
  • 最終ラインは岡村と菅が負傷のようで、中央に宮澤、左に中村桐耶。



2024年4月21日日曜日

2024年4月20日(土)明治安田J1リーグ第9節 北海道コンサドーレ札幌vsサンフレッチェ広島 〜熊に空調〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 故障者が戻ってきたコンサとは対照的に、広島は山﨑がシーズンアウトとなる重傷を負っているほか、ピエロス、マルコスジュニオール、荒木、エゼキエウ、茶島、イヨハといったスタメンクラスの選手が離脱中。
  • 開幕からスタメンだったピエロスと荒木の離脱には、前者は満田を前線に上げて中央に松本泰志、後者は右WBの中野を本来得意なDF中央にスライドさせて、右WBには山﨑の離脱後に新潟から獲得した新井を起用するなどしているようです。浦和やマリノスの出遅れでタイトルのチャンスがあるだけに、夏のマーケットで後方の選手の補強などがあるかもしれませんが、クラブライセンス的には今年は黒字必達の年でもあるとのことです。

  • コンサは武蔵が負傷、大森が出場停止で恒例のFW駒井。ミッドウィークのルヴァンカップに45分出場したスパチョークが5節以来のスタメン復帰。



2024年4月18日木曜日

2024年4月17日(水)JリーグYBCルヴァンカップ 1stラウンド 第2回戦 アスルクラロ沼津vs北海道コンサドーレ札幌 〜見せるべきステージ〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 3月にleminoで日向坂の特番があって、leminoに加入するとその観覧に応募できるので1月末から有料契約している(結局観覧は落選した)関係で今年はルヴァンカップを観れそうです。
  • 沼津はJ3で10節を消化して6勝2分2敗の2位と好調。この試合にはターンオーバーしてコンサ同様にひらがなあするくらろといったメンバーを送り出しているようです。
  • スタメンのうち右SBの安在と、CBの附木、インサイドハーフないしはトップ下のような役割の徳永、右ウイングの森はリーグ戦でもよく出ている選手のようです。齋藤学はあの齋藤学本人です。
  • ひらがなこんさのメンバーは、キャプテンマークを巻く中村桐耶と怪我からの復帰戦のキムゴンヒ(ゴニ)以外はリーグ戦でほぼ経験のないメンバー。GKは以前なら小次郎に経験を積ませていましたが、そうした特別扱いもなく厳しい立場かもしれません。
  • システムは私の表記にしては珍しくミラーになっていないですが、これは丁寧に説明します。

2024年4月14日日曜日

2024年4月13日(土)明治安田J1リーグ第8節 アルビレックス新潟vs北海道コンサドーレ札幌 〜緻密な要求水準〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 7節を消化したJ1。新潟は2勝3分2敗で乗り切っていますが、2勝は鳥栖と名古屋相手、加えてヴェルディに引き分け、磐田にはアウェイで0-2で敗れるなど下位予想のチーム相手のゲームをすでに消化しての結果であることは留意する必要があるでしょう。
  • 開幕直後に左SBの新井直人が広島に電撃移籍。ユニフォームを買ったサポーターに補償は絶対した方がいいんじゃないの、と思いましたがその左SBには堀米が入って、その堀米も負傷?で欠場でこの日は早川。前線は離脱中の鈴木が復帰間近との報道がありましたがFWは谷口、トップ下も高木が不在で長谷川。
  • コンサは長期離脱の深井と高木以外は基本的に全員戻ってきたとの報道で、おそらく復帰直後と思われるゴニなどは別にするとほぼこれからのシーズンの基本となるメンバーになるのでしょうか。浅野が久々に前線で起用され、近藤が得意の右に回ったのと、DFに引き続き菅を起用していることが特筆事項でしょうか。

 

  • ⇩YouTubeで配信もやってました。

2024年4月7日日曜日

2024年4月6日(土)明治安田J1リーグ第7節 北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪 〜ひらがなこんさvsひらがながんば〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • ポヤトス監督が試合前に公言していた通り、ガンバはスタメン7人を入れ替えるターンオーバー。FWのジェバリ、右ウイングの食野、左ウイングの倉田、左SBの中野伸哉はリーグ戦初スタメン。CBと中盤センターはここまで出場機会を得ている選手が並んでいますが、ネタラヴィはベンチスタートとしました。またアラーノと山田は前節の負傷により使えない状態でした。
  • コンサは対照的に中2日の前節から大きく変わらないメンバー。ガンバから期限付き移籍中の武蔵を起用できないトップに大森。左DFは前節途中交代の中村桐耶がベンチスタートで菅を最終ラインに。その際途中交代で左WBに入った近藤をスタートから使って、浅野はこの日も右WBでスタートします。

2024年4月4日木曜日

2024年4月3日(水)明治安田J1リーグ第6節 北海道コンサドーレ札幌vs名古屋グランパス 〜わかっていなかった、という結論〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:




  • 中3日でミッドウィークに行われるゲーム。名古屋は前節負傷交代したFWの山岸とCBのハチャンレという、新加入ながらセンターラインでチームの軸となっている両選手を欠くことになります。
  • 最終ラインは20歳の吉田がそのまま中央に。前線はパトリックがスタメン起用で、永井をベンチスタートとしましたが、試合後のインタビューでは長谷川監督は「連戦なので悪かったらすぐに変えようとは思っていた」とのことです。
  • コンサは宮澤が負傷から復帰で、一部メディアでは岡村に代わってCBという予想もされていましたが、宮澤と荒野で中盤センター、馬場を右に回して髙尾をベンチスタートとしました。またサブには近藤が戻ってきました。


2024年3月31日日曜日

2024年3月30日(土)明治安田J 1リーグ第5節 ヴィッセル神戸vs北海道コンサドーレ札幌 〜歪なる仲良し軍団〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 国際Aマッチウィークによる中断(日本代表は、北朝鮮との2連戦のうちアウェイゲームが不戦勝となったので1試合消化のみ)を挟んでのリーグ戦5節。神戸はGK前川が召集されていましたが、その他の主力は十分に調整ができたと思われます。
  • コンサは馬場がU23代表でCBとして出場したらしく(私は見てない)、CBよりも中盤センターの方が上のレベルでは可能性ありか?と思われていましたがこの世代の層の薄さによりCBで滑り込むことになるのでしょうか。スパチョークはタイ代表でワールドカップ予選に出場したようです。
  • 神戸のスタメンは前節と同じ。汰木が離脱した左ウイングは廣瀬が3試合連続のスタメン。吉田監督はウインガーというよりはマルチロールとして買っているようです。左SBは初瀬と本多で競っていて、宮代は一旦はFWよりもインサイドハーフまたはトップ下(シャドー)で使われていますが、佐々木が戻ってきたら前線の一角に入ることも増えるでしょうか。
  • コンサはこの2週間でしっかり神戸戦に照準を合わせてきたというのが試合前の地元紙の主張でした。メンバーは高尾が初スタメンで右DF、馬場を中央に回して、浅野が右ワイド、小林をトップに配置変更しています。ベンチにはキャンプで好調が伝えられていた大森がようやく帰ってきました。

2024年3月16日土曜日

2024年3月16日(土)明治安田J1リーグ第4節 北海道コンサドーレ札幌vsFC町田ゼルビア 〜選んでいただく立場〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:



  • 町田はバスケスバイロンと宇野が負傷で、バイロンが出ていた右に平河を回して、左に藤本。エリキもナサンホもいないうちに勝ち点を稼ぐという望外の展開になっています。
  • コンサは青木を右で起用して浅野をFWにする、という布陣で練習していたようで、また家泉をセンターバックの左で起用する予想をしたメディアもありましたが、結局は見慣れたメンバーできました(青木はコンディション不良か何かでしょうか)。
  • ただ”見慣れたメンバー”といっても、このメンバーだと町田に合わせた1-4-4-2で組むと左のセンターバックか左サイドハーフが不足します。私の予想は荒野がCBでスパチョークが中盤センターでしたが、ミシャの選択は中村が左CB、スパチョークが強いて言うなら左サイドハーフ…なんですけど実際は左シャドーみたいな感じで、サイドハーフの役割は不在の左右非対称な形でした。

  • この左右非対称な1-4-4-2っぽい選択は以前マリノス相手に採用したことがあるのですけど、当時は武蔵、アンロペの2トップにチャナティップ、そして右にルーカスがいたので、彼らの速攻能力でマリノスに先制パンチを喰らわせることができました。今はそらの選手の個人能力がないのでどうなるか、といったところです。


  • 1-4-4-2の相手にどうやって布陣を合わせるかはYouTubeライブでも冒頭喋っていますので、本当に暇でかなり時間がある方はどうぞ。

 


2024年3月10日日曜日

2024年3月10日(日)明治安田J1リーグ第3節 北海道コンサドーレ札幌vs浦和レッズ 〜1年目のLowest、7年目のBest effort〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • オフにヘグモ新監督を迎えただけではなく大型補強を敢行し前評判が高かった浦和は、新スタジアム移転で意気上がる広島に0-2で完敗、ヴェルディには先行を許しながらもPKでなんとか追いついて勝ち点1を獲得、という開幕スタートでした。
  • スタメンはチアゴサンタナ→興梠、松尾→前田に変更。前田は絶対に重要なピースだと思っていたので開幕2節はスタメンじゃなかったのが意外でしたが、コンディション不良だったようです。
  • そしてポストプレーが上手い興梠が早くも登場。ロティーナセレッソにおけるブルーノメンデスの重要性なんかにも通ずると思うのですが、Jリーグは全チームbuild-upに問題を抱えるのでポストプレーが得意な選手の使い方が重要、ということに早くも気付いたならさすが(誰かがアドバイスしたのかもしれませんが)、ですが、反面そういう選手に頼るのが早すぎる気もします。

  • コンサは菅野が右手の骨折で、阿波加がチャンスを掴みました。前線は大森が起用できる見込みとありましたがメンバー外で武蔵とスパチョークの2トップ。ベンチには家泉が入っています。

2024年3月2日土曜日

2024年3月2日(土)明治安田J1リーグ第2節 サガン鳥栖vs北海道コンサドーレ札幌 〜十分すぎるシグナル〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:

  • 鳥栖はホームでの開幕2連戦。新潟との前節はハイライトでゴールシーンしか見ていないのでよくわかってないです。選手の出入りを見ると、outで主要なところは小野、岩崎、そんなに起用されていなかったけど中野伸哉。一方inは新卒以外ではFWのヴィニシウスとマルセロヒアン、相変わらずJ2では危険な中原、セレッソから加入した丸橋、昨年仙台でプレーしていたキムテヒョンといったところ。
  • そして開幕戦では樺山が左ウイングに入って、中盤は河原の前に福田と堀米が並ぶ1-4-1-2-3だったようですがこの日はヴィニシウスとマルセロヒアンを2トップで並べる1-4-4-2に変えてきたのが重要なポイントでした。

  • 札幌はこの試合前に、近藤の開幕戦の故障と、高木のシーズンアウトかもしれない程度の大きな故障がアナウンスされており、他にも起用できる選手がさらに減ったことは、新たにベンチ入りした岡田、原といった選手の名前からも推察できます(宮澤とスパチョークがメンバー外)。

2024年2月26日月曜日

2024年2月24日(土)明治安田Jリーグ第1節 アビスパ福岡vs北海道コンサドーレ札幌 〜人は変われど〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:


  • 福岡はスタメンクラスでは山岸とルキアン、井手口、スタメン未満くらいと思いますが三國と中村が移籍、田邉が引退と、下手したらコンサよりもアウトは深刻かもしれません。その分FWにベンカリファ、岩崎、MFの松岡が入りましたが岩崎以外の2人はスタメンを外れており、これらの選手の奮起はかなり重要になると思います。あとは、スタメンに入った重見は大卒新人で、宮とグローリは特に怪我等は発表されていないようです。
  • 札幌は「キャンプ地沖縄(金武)の固い芝」に苦しんだとかで故障者が多く、前線では武蔵と浅野はこの試合の直前に合流してスタメンを外れています。あとは高木も直前に負傷でメンバー外、練習試合で好調が伝えられていた大森はその最後の練習自体で負傷して欠場。DFでは西野がベンチ入りしているので、高尾と家泉も起用できないコンディションなのでしょう。
  • なんで金武の芝が硬いのかはわからないですけど、シーズン移行して北海道各地でキャンプをするとなったらそうしたコンディションが良くない(メンテにあまりお金をかけてない)全道各地のピッチが夏場のキャンプ地として駆り出されるのでしょうか。