0.プレビュー
0.1 スターティングメンバー
スターティングメンバー |
北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、早坂良太、荒野拓馬、FW宮吉拓実、ジェイ。前節累積警告4枚で出場停止だった三好がスタメンに復帰。消化試合として迎えた、この週水曜日のルヴァンカップグループリーグ第6節は清水に0-3と敗れた。
ヴィッセル神戸のスターティングメンバーは4-4-2、GKキム スンギュ、DF高橋峻希、チョン ウヨン、渡部博文、ティーラトン、MF大槻周平 三田啓貴、藤田直之、田中順也、FW渡邉千真、ウェリントン。サブメンバーはGK前川黛也、DF那須大亮、藤谷壮、MF増山朝陽、松下佳貴、三原雅俊、FWハーフナー マイク。前節と全くスタメンは同じ。郷家はこの週のルヴァンカップでの退場処分により出場停止。ルーカス ポドルスキは5/2の第12節(FC東京戦)の負傷の影響で一足先に中断期間に入っている。ポルディの代役として前線に入ったのは、第13節では下部組織から昇格1年目の佐々木大樹、前節第14節ではこの試合と同じくウェリントン。この試合の4日後、5/24にFCバルセロナから三木谷オーナーの新たな友達としてアンドレス・イニエスタの獲得が正式発表されたが、ポドルスキ、キム スンギュ、チョン ウヨンの地位は恐らく揺るぎない。ウェリントンはレアンドロよりはプライオリティが高いだろうが、出場機会は更に厳しくなるかもしれない。
0.2 「5-2-3 ヨモ将式守備」の踏襲
1)5バックの固定化による後方の安定
当ブログでは何度か書いているが、四方田修平前監督(現ヘッドコーチ)が指揮を執った2017シーズンから、札幌の守備は「5バックをゴール前から動かさない」ことを大原則として結果を残してきた。この大原則は相手のシステムがが4-4-2だろうと3-4-2-1だろうと4-3-3だろうと変わらず札幌の攻守の設計はこの守備戦術を出発点としている。
このことが「出発点」であることは、言い換えると札幌は守備時に5バック以外の5選手の運用によってのみでミドルゾーン~アタッキングゾーンをカバーすることを強いられる。結果、最終ラインは5枚のポジションと役割を固定的にすることで安定がもたらされたが、中盤~前線を5枚のみで守ることは明らかに枚数不足であって、効率的にピッチをカバーすることが難しい。そのため、四方田札幌は最終ラインだけでなく中盤~前線においても、人を基準にした守り方を基調とすることに最終的に辿り着く。
具体的には、4バックの相手に対してはシャドーのチャナティップと都倉(時に兵藤)が相手のSBを監視できるポジションを取り続ける。相手が3バックであれば、1トップ2シャドーが相手の3バックをそのまま見続ければよい。フィジカルモンスターの都倉もそうだが、1試合平均で11キロの走行距離を記録するチャナティップもこの戦術に欠かせない選手であり、2017シーズン終盤の快進撃はこうした戦術の簡素化によるところが少なくない。
最終ラインのマークずれが嫌なので、全てのポジションでマッチアップを決めておく |
2)四方田ギミックを流用するミシャと恩恵を受けるキム ミンテ
2018シーズン、開幕3試合勝ちなしの後、3/18の第4節以降11試合負けなしで3位まで順位を上げてきた札幌だが、この間(開幕4試合を消化して、3/18-3/31のインターナショナルウィークを挟む期間)にミシャは守り方を四方田式5-2-3に戻してきている。つまりWBはなるべく最終ラインから離れるな、ミドルゾーンは前の5人に任せろというルールを徹底するのだが、これにより特にキム ミンテのパフォーマンスが劇的に改善される。
元々、でかくて速くて強いという、一見最強に見えるキム ミンテだが、CB歴は1年ちょいであり、ボールと相手選手を両方ケアするのが苦手というCBとしては致命的な欠点がある。これを、5バックを極力動かさないことでマーカーや持ち場をなるべく固定的にし、仕事をシンプルにすることで弱点を隠し、最終ライン中央でミンテの強さが最大限活きるように場を整えたことが札幌の守備の安定に大きく寄与している。2017年シーズンの河合の使い方にも共通しているともいえ、この方針転換は四方田コーチの関与があったと予想する。