2018年12月22日土曜日

2018年11月24日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第33節 ジュビロ磐田vs北海道コンサドーレ札幌 ~一撃必殺~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、宮澤裕樹、福森晃斗、MF早坂良太、荒野拓馬、深井一希、菅大輝、駒井善成、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、白井康介、三好康児、FW都倉賢。前節浦和戦後、2週間の国際Aマッチウィーク中にU21日本代表はUAEでのドバイカップU-23に参戦しており、札幌からは菅、三好が招集され、それぞれ1試合、2試合に先発出場。その疲労も考慮されてか三好はベンチスタートとなっている。浦和戦の欠場で心配された深井は、浦和戦前々日からの膝の痛みの影響で欠場していたことが判明した。
 ジュビロ磐田のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKカミンスキー、DF大南拓磨、大井健太郎、高橋祥平、MF櫻内渚、ムサエフ、田口泰士、宮崎智彦、松浦拓弥、山田大記、FW大久保嘉人。サブメンバーはGK三浦龍輝、DF藤田義明、MF中村俊輔、山本康裕、荒木大吾、上原力也、FW小川航基。直近4試合で勝ち点8を積み上げ、16位名古屋のほか15位鳥栖、14位湘南から勝ち点で4上回る13位につけ、この時点では安全圏にまで浮上した。川又は前々節、劇的勝利を収めた広島戦での負傷により欠場。長期離脱中のアダイウトンはこの試合から復帰の予想もされていたがメンバー外となっている。同じく長期離脱中のムサエフは前節FC東京戦からベンチ入りし、今シーズン3試合目の先発出場となった。

2018年12月9日日曜日

2018年12月1日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第34節 北海道コンサドーレ札幌vsサンフレッチェ広島 ~座して待つのみ~

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0.1 スターティングメンバー

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、宮澤裕樹、福森晃斗、MF早坂良太、荒野拓馬、深井一希、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DFキム ミンテ、石川直樹、MF兵藤慎剛、白井康介、FW都倉賢、宮吉拓実。駒井は扁桃炎による発熱で欠場。
 サンフレッチェ広島のスターティングメンバーは3-4-2-1、GK林卓人、DF野上結貴、千葉和彦、佐々木翔、MF馬渡和彰、青山敏弘、森崎和幸、柏好文、柴崎晃誠、川辺駿、FWティーラシン。サブメンバーはGK中林洋次、DF水本裕貴、和田拓也、MF稲垣祥、東俊希、FW渡大生、パトリック。9/15の第26節鳥栖戦以降の8試合で1勝7分けと稀に見る大失速でタイトル争いから脱落し、振り向けば鹿島・札幌という状況で最終節を迎える。先日何気なくTwitterで少し古いログを漁っていると、8/19の第23節で札幌がFC東京に勝利したことを喜ぶサポーターがいた(当時はFC東京も上位だった)。3バックの採用は最終節にして今シーズン初。

0.2 数的優位と前進とは


 試合後の話題だが、北海道新聞の12/4の記事で、札幌の可変システムについて言及されていた。この会員限定の記事では可変システムについて「数的優位となり、前進が容易となる」(どっかで見たことのある文体である)とされており、また選手の言葉として、4-1-5なのか5-0-5なのか、他の陣形であるかは事前に決めているわけではないことが紹介されている。
 ここで「前進が容易となる」というが、より具体的にはどうやって前進しているのかというと、
どうやって前進するの?①

 最も主要な手段は、トップの高さのある選手の頭か、ウイングバックへのロングフィードである。一般にはパスの距離、味方に届くまでの時間が長いほど、その出し手が持っている「優位性」は矮小化される(単に「数的優位で前進しやすい」と言ってよいものか疑問である)。寧ろシーズン終盤戦になって際立っているのは、1on1ならばDFを背負った状態でも簡単に潰れないジェイのスーパーな起点能力で、これが札幌の前進の生命線となっている。

 もう一つの手段は、分断化された後方と前線を繋ぐべく、チャナティップや三好が中盤で活動しリンクマンとして機能すること。ウイングバックへのフィードは、シーズン序盤は福森や進藤から直接供給を狙うものが多かったが、中盤戦以降はチャナティップが収めて、より短い距離で右サイドに届けるパターンが非常に多く、また効果的になっている。逆説的には、これらが機能しない時、札幌の5トップ布陣は不用意に後ろの人を削っただけの代物に成り果てることは先月の浦和戦などが証明している。

2018年11月14日水曜日

2018年11月10日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第32節 北海道コンサドーレ札幌vs浦和レッズ ~周回遅れの冒険~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、宮澤裕樹、福森晃斗、MF早坂良太、荒野拓馬、兵藤慎剛、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF田中雄大、キム ミンテ、石川直樹、MF稲本潤一、白井康介、FW宮吉拓実。ジェイは累積警告4枚で出場停止。浦和から期限付き移籍中の駒井は契約条項により出場不可。奇しくも、この2人を欠いて浦和戦に臨むというシチュエーションは今年4月の浦和ホームでの試合と同じ。当時は駒井不在の影響は右サイドの人選に悩むこととなったが、半年が経過した今は中央でのクオリティ不足が懸念される。深井と小野は前日の各メディアによるメンバー予想にも入っていなかったが、この記事を書いている時点でも詳細は不明である。
 浦和レッズのスターティングメンバーは3-1-4-2、GK西川周作、DF岩波拓也、マウリシオ、槙野智章、MF阿部勇樹、橋岡大樹、長澤和輝、柏木陽介、宇賀神友弥、FW武藤雄樹、興梠慎三。サブメンバーはGK榎本哲也、DF茂木力也、MF武富孝介、マルティノス、柴戸海、菊池大介、FWアンドリュー ナバウト、李忠成。大槻毅暫定監督から引き継いだオズワルド・オリヴェイラ体制でも3バックは維持され、当初は3-4-2-1が主体だったがここ数試合は青木をアンカーに置いた3-1-4-2が定着している。その青木を故障で欠いた前節は阿部がアンカーに入り、この試合でも続けて起用されている。

2018年11月8日木曜日

2018年11月4日(日)14:00 明治安田生命J1リーグ第31節 北海道コンサドーレ札幌vsベガルタ仙台 ~波紋を呼ぶ男~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、宮澤裕樹、福森晃斗、MF早坂良太、駒井善成、兵藤慎剛、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DFキム ミンテ、石川直樹、MF白井康介、小野伸二、FW都倉賢、宮吉拓実。深井、荒野がいずれも累積警告4枚で出場停止。4月の仙台ホームの試合でも深井は欠場しており、その時はぶっつけ本番で福森を中盤センターで宮澤と並べて起用したが機能不全に終わっている。ここで封印された中盤・福森をこの週の練習では再び引っ張り出して試していたとの報道もあったが、兵藤の起用という、部外者から見て最も妥当に見える線に落ち着いた。

 ベガルタ仙台のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKシュミット ダニエル、DF平岡康裕、大岩一貴、板倉滉、MF蜂須賀孝治、椎橋慧也、矢島慎也、中野嘉大、野津田岳人、阿部拓馬、FW石原直樹。サブメンバーはGK関憲太郎、DF永戸勝也、MF梁勇基、富田晋伍、関口訓充、FWジャーメイン良、ハモン ロペス。

2018年11月3日土曜日

2018年10月28日(日)15:00 明治安田生命J1リーグ第18節 名古屋グランパスvs北海道コンサドーレ札幌 ~後出しじゃんけん~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、宮澤裕樹、福森晃斗、MF駒井善成、荒野拓馬、深井一希、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DFキム ミンテ、MF兵藤慎剛、早坂良太、小野伸二、FW都倉賢、宮吉拓実。
 名古屋グランパスのスターティングメンバーは3-4-2-1、GKランゲラック、DF中谷進之介、丸山祐市、櫛引一紀、MF前田直輝、小林裕紀、エドゥアルド ネット、八反田康平、FWガブリエル シャビエル、玉田圭司、ジョー。サブメンバーはGK武田洋平、DF新井一耀、和泉竜司、金井貢史、MF長谷川アーリアジャスール、秋山陽介、青木亮太。2節前のFC東京戦で宮原が負傷交代、前節柏戦から3バックの布陣に変更している。

2018年10月23日火曜日

2018年10月20日(土)16:00 明治安田生命J1リーグ第30節 湘南ベルマーレvs北海道コンサドーレ札幌 ~自分で考えろ~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、宮澤裕樹、福森晃斗、MF駒井善成、荒野拓馬、深井一希、菅大輝、都倉賢、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DFキム ミンテ、石川直樹、MF兵藤慎剛、白井康介、早坂良太、三好康児。
 湘南ベルマーレのスターティングメンバーは3-4-2-1、GK秋元陽太、DF山根視来、坂圭祐、大野和成、MF岡本拓也、石川俊輝、金子大毅、杉岡大暉、FW松田天馬、梅崎司、山﨑凌吾。 サブメンバーはGK富居大樹、DF島村毅、MF新井光、ミキッチ、FW野田隆之介、高山薫、小川慶治朗。国際Aマッチウィーク中にルヴァンカップの準決勝2試合が開催され、柏との2試合はいずれもドローだったがPK戦を制して決勝に進出。次週10/27に埼玉スタジアム2002で開催される決勝戦を戦う権利を手に入れた。

2018年10月7日日曜日

2018年10月5日(金)19:30 明治安田生命J1リーグ第29節 横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌 ~最低限の合理性~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは4-4-1-1、GKク ソンユン、DF早坂良太、進藤亮佑、キム ミンテ、菅大輝、MF駒井善成、荒野拓馬、深井一希、チャナティップ、三好康児、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、稲本潤一、白井康介、小野伸二、FW宮吉拓実。福森、宮澤、都倉がいずれも累積警告4枚で出場停止。代わりに起用されるメンバーはこれまでの傾向から予想できたが、その配置は、前日に幾つかのメディアで「これまでにない布陣」が示唆されており、蓋を開けてみればまさかの4バックだった。

 横浜F・マリノスのスターティングメンバーは4-1-2-3、GK飯倉大樹、DF松原健、チアゴ マルチンス、畠中槙之輔、山中亮輔、MF扇原貴宏、大津祐樹、天野純、FW仲川輝人、遠藤渓太、ウーゴ ヴィエイラ。サブメンバーはGK杉本大地、DF栗原勇蔵、MF喜田拓也、中町公祐、久保建英、FWオリヴィエ ブマル、イッペイ シノヅカ。夏場以降、チアゴ、ドゥシャン、畠中、久保建英を補強し、3バックの3-4-2-1(この数字の羅列はミシャチームと異なり配置をそのまま表す)を試すなど試行錯誤を続けてきた。その甲斐もあってバランスが向上、9月に入って3勝1敗と持ち直し、前節仙台戦では5得点の快勝を収めた。依然として降格圏がちらつくが、危機的な状況からは脱しつつあると言えるかもしれない。


2018年10月1日月曜日

2018年9月29日(土)13:00 明治安田生命J1リーグ第28節 北海道コンサドーレ札幌vsサガン鳥栖 ~補完関係の裏で顕在化しないリスク~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、宮澤裕樹、福森晃斗、MF早坂良太、荒野拓馬、深井一希、菅大輝、三好康児、駒井善成、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DFキム ミンテ、石川直樹、MF兵藤慎剛、白井康介、FW都倉賢、宮吉拓実。前節鹿島戦で負傷交代したチャナティップは欠場。3日前に磐田で天皇杯4回戦を戦い、川又、高橋祥平らスタメンの過半数にレギュラークラスを並べた磐田に4-2で敗れた。札幌は例によってカップ戦仕様の、リーグ戦で出場機会が少ないメンバーが出場したが、キム ミンテがフル出場し、石川は温存されたが、遂にミシャ就任時から噂されていた?CB宮澤が解禁された。ミンテ、石川共に物足りなさがあるのかもしれない。一方で右WBは、磐田戦で得点を記録した早坂と白井がほぼ互角に競い合っている状況にあるようだ。また駒井が63分から途中出場したことも好材料。使える状態であるということで、左シャドーでスタメン起用されている。

 サガン鳥栖のスターティングメンバーは4-4-2、GK権田修一、DF藤田優人、高橋祐治、ジョアン オマリ、吉田豊、MF安在和樹、高橋義希、高橋秀人、小野裕二、FW金崎夢生、フェルナンド トーレス。サブメンバーはGK高丘陽平、DF三丸拡、MF原川力、福田晃斗、河野広貴、FW豊田陽平、趙東建、田川亨介。主力で負傷者が相次いでいるが、キャプテン吉田は約2ヶ月ぶりに帰ってきた。リーグ戦ここ4試合はガンバ、FC東京、広島、柏相手に2勝2分けとペースを上げて降格圏をぎりぎり脱出したが、例年にないハイラインで推移するJ1残留争い下では全く気が抜けない状況である。フェルナンド トーレスはここまでリーグ戦11試合で1ゴールに留まるが、ボックスストライカーということでいかにボールを届ける状況を多く作れるか、札幌としては作らせないかが重要になる。

2018年9月25日火曜日

2018年9月23日(日)19:00 明治安田生命J1リーグ第27節 北海道コンサドーレ札幌vs鹿島アントラーズ ~筋肉を取って冗長性を捨ててみた~

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0.1 スターティングメンバー

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、石川直樹、福森晃斗、MF白井康介、宮澤裕樹、深井一希、菅大輝、都倉賢、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DFキム ミンテ、MF兵藤慎剛、早坂良太、荒野拓馬、小野伸二、三好康児。駒井はこの週後半から全体練習に合流しており、スタメン復帰を予想するメディアもあったがメンバー外(つい先日、駒井よりも3割ほど重い怪我をした筆者の感覚では今週復帰だとしたら早すぎるとの印象だったので、妥当な選択となった)。
 前節悪夢の7失点負けから8日。何かを変えてくることは予想でき、筆者は三好のスタメン復帰、トップにジェイ起用を予想したが、ミシャの決断はジェイ・都倉のツインタワーでのスタート。前節は明らかにコンディションが悪い中で前線起用の荒野が全開で走り回る空元気戦法だったが、コンディションが整ったこの試合は合理的に、攻めの姿勢に戻したい、そう考えるとジェイのスタメン起用は予想できたが、好調の都倉も簡単に外したくないとの考えかもしれない。そしてキム ミンテに変えて石川。前節の記事でも書いたように、大量失点の責任はミンテにはないと考えているが、これまでのプレーぶりも踏まえての"合わせ技"で、一度外すことを考えたのだろうか。
 鹿島アントラーズのスターティングメンバーは4-4-2、GKクォン スンテ、DF西大伍、チョン スンヒョン、犬飼智也、山本脩斗、MF永木亮太、レオ シルバ、遠藤康、安西幸輝、FW土居聖真、鈴木優磨。サブメンバーはGK曽ケ端準、DF内田篤人、町田浩樹、MF三竿健斗、安部裕葵、FW金森健志、セルジーニョ。AFCチャンピオンズリーグでは日本勢で唯一勝ち残っており、9/18(火)に行われた準々決勝2ndレグでもアレシャンドレ パトを擁する天津権健に完勝し、クラブ史上最高となる準決勝進出を果たした。
 Jリーグではここまで26節時点で勝ち点39の7位という状況から、ACLで起用されている選手がどちらかというとフルメンバーだと考えられる。昌子、伊東、レアンドロ、中村が負傷離脱中、夏に植田がサークル・ブルッヘに、金崎がサガン鳥栖に去ったが、シーズン当初からターンオーバーを継続してきた成果か、ここにきて選手層の厚さが際立っている。特にここ最近は、夏にサントスから加入したセルジーニョ、金崎と入れ替わりで鳥栖から加入したチョン スンヒョン、そしてJリーグとACLにフル回転する三竿健斗といった選手達の存在感が増している。

0.2 前回のおさらい(鹿島の伝統)


 以前にも書いた通り、鹿島は伝統的に人への強さが特徴のチームであり、特にその守備は人を捕まえ、局面でのデュエルに勝つことが大きな部分を占める設計になっている。前回3月の鹿島での対戦では、比較的高い位置から札幌の選手を捕まえていた鹿島。しかしミシャ式4-1-5の札幌に対しては、4-4-2で守備を行うと、マッチアップが噛み合わないエリアでマーク関係が不明瞭になる。
前回のおさらい①:札幌4-1-5と鹿島4-4-2のかみ合わせ

 その不明瞭さの解決を選手個々の判断に任せておくと、基本的にはボールに近い選手から捕まえていこうとしても、鹿島の選手の間にポジショニングされたりすると、必ずオープンになってしまう選手が現れて、危険なエリアでオープンにしてしまう。
前回のおさらい②:近い人を捕まえるだけでは破綻してしまう

 この時は結局は後半途中から5バックに変えることで、マッチアップを合わせて解決を図っている。
前回のおさらい③:5バックに変えると人を捕まえやすくなる

0.3 前々回のおさらい(鹿島の強さ)


 今から1年前を回想する。柏、FC東京相手に2試合連続の2ゴールと、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだったジェイ・都倉のツインタワーが札幌ドームで当時首位の鹿島に挑む。この時鹿島は、1トップ2シャドーに”擬態”しつつゴール前に侵入してくる大型FW2人に対し、SB山本が中央に絞ってゴール前、ペナルティエリア幅での守備を強固にする。生粋のウインガーを起用していないヨモ将札幌に対して、サイドは多少後手に回ろうとも中央を固めていればそう問題はないという判断。更に中央CBには、半年後ロシアワールドカップのメンバーに選ばれる昌子と植田がジェイを中央で迎撃し、多少ミドルゾーンで後手に回っても、ゴール前だけは譲らない。ラスト6試合で8ゴールと爆発したジェイが唯一完封されたのが鹿島だった。
前々回のおさらい:都倉・ジェイへの放り込みでは鹿島最終ラインを割れず

2018年9月17日月曜日

2018年9月15日(土)19:00 明治安田生命J1リーグ第26節 川崎フロンターレvs北海道コンサドーレ札幌 ~ダイナモの停止とブラックアウト~

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0.1 スターティングメンバー


スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF早坂良太、宮澤裕樹、深井一希、菅大輝、荒野拓馬、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、白井康介、小野伸二、FW宮吉拓実、ジェイ。川崎から期限付き移籍中の三好は契約条項により出場停止。前節右太もも痛で欠場のジェイはベンチスタート。前節前半で左手を痛めて交代した駒井は手首の骨折が判明、遠征に帯同していない。主力選手の欠場以上に、国際Aマッチデーウィーク中の9/6未明に発生した北海道胆振東部地震の影響で、前節神戸戦後の9/2-9/7は結果的に6日間のオフとなったことが懸念材料である。
 川崎フロンターレのスターティングメンバーは4-2-3-1、GKチョン ソンリョン、DFエウシーニョ、奈良竜樹、谷口彰悟、車屋紳太郎、MF大島僚太、エドゥアルド ネット、家長昭博、中村憲剛、阿部浩之、FW小林悠。サブメンバーはGK安藤駿介、DF登里享平、舞行龍ジェームズ、MF長谷川竜也、鈴木雄斗、田中碧、FW知念慶。奈良は8/1の第19節浦和戦以来7試合ぶりのスタメン復帰。その間谷口の相方となるCBを務めていたのは車屋、左SBは登里が務めていた。森保新監督の初陣となるはずだった札幌ドームでのチリ戦(9/7)、3-0で勝利したコスタリカ戦(9/11)を戦うA代表のメンバーに車屋、大島、守田、小林が招集され、小林はスタメン出場、車屋と守田は途中出場しているが、守田は故障を抱えて帰ってきておりこの試合はメンバー外。逆に代表選前の故障で招集を辞退した大島は間に合い、スタメンに名を連ねた。

0.2 川崎に対する二つの選択肢


 川崎はリーグ有数のボールポゼッション・遅攻型のスタイル。遅攻型のチームに対する主な対抗策として、ゴール前に人を並べてプレーするスペースを消す(モウリーニョ風に言うと「バスを停める」)やり方が一つ、もう一つはビルドアップの段階から圧力をかけてボールを取り上げることで、そもそも狙い通りのボールポゼッションをさせないという考え方がある。
 札幌の、直近の川崎との対戦2試合を振り返ると、昨年8月の等々力での対戦では前者…ペナルティエリアの幅に5人のDFを並べて守ることで接戦に持ち込んだ。今年7月の厚別での対戦では後者…ある時間帯までは、前線の高い位置から守備を敢行して川崎に簡単に札幌陣内に侵入させないという戦い方を採っていた。
 7月の試合で札幌が前から守備をした理由は、ミシャの言うところでは、「高さで分があるために蹴らせて札幌のDFと川崎のFWが競る展開に持ち込みたかった」。しかし実際には、札幌の目論見はジェイの守備能力の問題だったり、中村憲剛や大島のコメントにあるような試合中の修正・対応能力の高さによって札幌のハイプレスは機能不全となってしまった。
「相手は人に来る守備だったので、スペースは空いていた。そこに顔を出してくれる前線の選手がいたら、そこにボールをつけること。」(大島)「相手はマンツーマンで来ていたので、当てて入っていく動きがポイントになっていた。」

0.3 どこまで人を投入してよいものか


 川崎はの攻撃の特徴は端的に言うと、自陣ビルドアップ~ミドルゾーンにおいてボール周辺にどんどん人を増やし、強引にマークが外れた状態を作り出してボールを前に運ぶ。それは時に、「増えた」分の選手が頻繁に被ったポジションを取っていて、秩序的というより無秩序、感覚的にも見える。秩序だっているとしても、無秩序寄りの秩序というか。このやり方がうまくいっているのは、戦術としての整備もあるのだろうが、それ以上に選手間でのコミュニケーション(かつてジュニーニョが憲剛に「常に俺を見ろ」と言っていたように)によるところが大きいと思う。
 この「どんどん人が増える(=局面に人を追加投入する)」が札幌にとっては厄介で、何故なら札幌は伝統的に人を基準とする守備しかできない(スペース管理の概念を一定期間、継続的に導入していたのは三浦俊也氏のみではないか)上、5バックをゴール前になるべく残しておきたいという志向があるため。家長や中村は、後方のGKやCBのところで人が不足していると察知すると、自身が下がることで局面に人を増やすが、これに札幌のマーカー(例えば家長はかみ合わせ上、福森と頻繁にマッチアップする)が家長にどこまでもついていくことは、最優先で守るべきゴール前を放棄することになりかねないので難しくなってしまう。

2018年9月14日金曜日

2018年8月19日(日)13:00 明治安田生命J1リーグ第23節 北海道コンサドーレ札幌vsFC東京 ~プランBは身を助く~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、荒野拓馬、深井一希、菅大輝、都倉賢、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF菊地直哉、MF稲本潤一、白井康介、早坂良太、FW内村圭宏、宮吉拓実。前節途中交代した石川はベンチ外で、菅がスタメンに復帰。宮澤は左足首痛で欠場。菊地は今シーズン初のメンバー入り。2月のキャンプ期間中に左膝外側半月板損傷を負い、手術後リハビリを続けていたが、7月から全体練習に合流していた。
 FC東京のスターティングメンバーは4-4-2、GK林彰洋、DF室屋成、チャン ヒョンス、森重真人、太田宏介、MF東慶悟、米本拓司、髙萩洋次郎、大森晃太郎、FWディエゴ オリヴェイラ、永井謙佑。サブメンバーはGK大久保択生、DF小川諒也、丹羽大輝、MF品田愛斗、FWリンス、富樫敬真、前田遼一。橋本は右ハムストリングス筋挫傷で離脱中。梶山は7/16に新潟に期限付き移籍、丸山は7/4に名古屋に完全移籍、久保建英は8/16に横浜F・マリノスに期限付き移籍でそれぞれチームを去った。岡崎はアジア大会を戦うU-21日本代表に選出され離脱中。中断期間明けの6試合は3勝3敗とややペースが落ちてきた。7/5に甲府から期限付き移籍で加入したリンスはこのうち5試合に途中出場し、2試合で決勝点を挙げるなど切り札となっている。

2018年9月2日日曜日

2018年9月1日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第25節 北海道コンサドーレ札幌vsヴィッセル神戸 ~札幌のイニエスタ~

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0.1 スターティングメンバー


スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF早坂良太、宮澤裕樹、深井一希、菅大輝、駒井善成、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF白井康介、荒野拓馬、小野伸二、FW内村圭宏、宮吉拓実。ジェイは右太もも痛で欠場(金曜日の練習を回避していた)。前節累積警告4枚で出場停止だったチャナティップ、8/15の第22節ガンバ大阪戦で負傷した石川が復帰し、選手配置もいつもの形に戻してきた。
 ヴィッセル神戸のスターティングメンバーは4-1-2-3、GKキム スンギュ、DF三原雅俊、大崎玲央、渡部博文、アフメド ヤセル、MF三田啓貴、藤田直之、アンドレス イニエスタ、FW郷家友太、長沢駿、ルーカス ポドルスキ。サブメンバーはGK前川黛也、DF那須大亮、ティーラトン、藤谷壮、MF大槻周平、FWウェリントン、田中順也。数試合の実験を経て、イニエスタは定位置の左インサイドハーフ、ポドルスキは右ウイングという形で落ち着きつつあったがこの日はやや異なる形だった。夏のマーケットで最終ラインに大崎とアフメド ヤセル、前線に古橋亨梧と長沢というスタメンクラスの選手を加えた一方で、チョン ウヨンはカタール(アル・サッド)へ移籍。外国人枠の割を食うと思われたウェリントン及び「ウェリボール」も健在である。

0.2 積み残された問題点


 前回神戸ホームでの対戦では、ポドルスキを欠く神戸は序盤からウェリントンへのロングフィードを多用し、札幌最終ラインにとっては分の悪い肉弾戦に持ち込まれた格好となった。
 「ウェリボール」対策として、ボールの受け手(ウェリントン)を潰すことが難しいならば、①ターゲットが競った後の対応(セカンドボールの処理)に注力する、②そもそもターゲットに簡単に蹴らせないようボールの供給役にプレッシャーをかける、といった対策が考えられるが、①については、神戸は縦幅を使うことで札幌のセカンドボール回収が困難な状況に追い込んだ。
対ウェリボールの問題点①(縦に引き伸ばされセカンドボール回収が困難)

 そして②については、守備時5-2-3⇔5-4-1の陣形で戦う札幌は基本的に前線守備に3枚しか割かないことが多い。状況によっては中盤センターの深井・宮澤のいずれかを前線に投入することもあるが、それでも最大で計4枚となり、↓の図のように神戸がふぃーりどプレイヤー5人以上でビルドアップを行うと、人を意識した守備では必ずカバーしきれない選手ができてしまう。結果、ボールの出所も抑えられない、ウェリントンも抑えられない、セカンドボールも拾えないということが同時多発的に発生した末の完敗だった。
対ウェリボールの問題点②(札幌の「人を意識した守備」では4バックでのボール保持に対して分が悪い)

(詳しくはこちら)

2018年8月31日金曜日

2018年8月25日(土)19:00 明治安田生命J1リーグ第24節 清水エスパルスvs北海道コンサドーレ札幌 ~今なお染まり切らない~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF早坂良太、駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、白井康介、FW都倉賢、ジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF菊地直哉、MF荒野拓馬、小野伸二、FW内村圭宏、宮吉拓実、菅大輝。チャナティップは累積警告4枚で出場停止。前節FC東京戦で途中から採用し、逆転勝利を呼んだ3-1-4-2でスタートだが、シャドーができそうな選手を複数ベンチ入りさせている。
 清水エスパルスのスターティングメンバーは4-4-2、GK六反勇治、DF 飯田貴敬、ファン ソッコ、フレイレ、松原后、MF金子翔太、白崎凌兵、河井陽介、石毛秀樹、FW北川航也、ドウグラス。サブメンバーは GK西部洋平、DF水谷拓磨、角田誠、MF村田和哉、兵働昭弘、FW長谷川悠、クリスラン。立田はアジア大会に参加中。中断期間に加入したドウグラスは出場5試合4得点と好調だが、チームはここ5試合で1勝1分け3敗。

2018年8月18日土曜日

2018年8月15日(水)19:00 明治安田生命J1リーグ第22節 ガンバ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 ~数合わせの夏~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、石川直樹、都倉賢、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、MF兵藤慎剛、早坂良太、荒野拓馬、小野伸二、FW宮吉拓実、菅大輝。前節途中交代の菅はベンチスタート。三好は8/18にジャカルタで開幕する(男子サッカーは8/10に開幕)第18回アジア競技大会に臨むU-21日本代表メンバーに招集されているためこの試合から最長で9/1(第25節神戸戦の試合日)までチームを離れることとなる。
 ガンバ大阪のスターティングメンバーは4-2-1-3、GK東口順昭、DF三浦弦太、菅沼駿哉、ファビオ、オ ジェソク、MF藤本淳吾、高宇洋、遠藤保仁、倉田秋、FW一美和成、アデミウソン。サブメンバーはGK林瑞輝、DF藤春廣輝、米倉恒貴、MF高江麗央、食野亮太郎、小野瀬康介、FW中村敬斗。7/22の第17節清水戦後、ちょうどハーフシーズンを終えた段階で16位という状況で、レヴィー クルピ前監督を解任、U23チーム監督の宮本恒靖新監督を内部昇格させた。クルピが連れてきたマテウスがチームを去り、長澤はこの試合直前の8/13に獲得が発表された渡邉千真との入れ替わりで神戸へ期限付き移籍。高宇洋は宮本体制で5試合連続のスタメン起用となる。初瀬と韓国代表のオーバーエイジであるファン ウィジョがアジア大会に招集中。

2018年8月17日金曜日

2018年8月11日(土)13:00 明治安田生命J1リーグ第21節 北海道コンサドーレ札幌vsセレッソ大阪 ~臆病と慎重のあいだの均衡~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、石川直樹、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、MF兵藤慎剛、白井康介、早坂良太、荒野拓馬、小野伸二、FW都倉賢。福森は左内転筋痛で欠場。他は中断空けから不動のメンバーで、中5日でのホーム連戦となる。
 セレッソ大阪のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKキム ジンヒョン、DF木本恭生、マテイ ヨニッチ、オスマル、MF松田陸、山口蛍、ソウザ、丸橋祐介、清武弘嗣、高木俊幸、FW杉本健勇。サブメンバーはGK丹野研太、DF田中裕介、山下達也、MF水沼宏太、福満隆貴、山内寛史、秋山大地。柿谷、山村、ヤン ドンヒョンといった前線の選手がコンディション不良で欠場。
 8/8の水曜日にスルガ銀行チャンピオンシップを長居で戦い、CAインデペンディエンテに0-1と敗れた。この時のメンバーは秋山がキャプテンを務めるなど完全にメンバーを落としていたが、オスマルと高木俊幸は中2日でスタメン起用されており、またユン ジョンファン体制下では恐らく初めてとなる3-4-2-1が採用された。特にオスマルはインディペンディエンテ戦では3-4-2-1の中盤センターでスタート、途中から3バックの左に移っておりこの新布陣でのキープレイヤーと目される。

2018年8月10日金曜日

2018年8月5日(日)14:00 明治安田生命J1リーグ第20節 北海道コンサドーレ札幌vs柏レイソル ~可変システムvs定形システム~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF白井康介、早坂良太、荒野拓馬、小野伸二、FW都倉賢。サブが兵藤→早坂となった以外は3日前の水曜日、長崎戦と全く同じメンバー。札幌ドームの芝の張替えが終わり、ようやく快適な環境(観戦・プレー共に)が戻ってきた。
 柏レイソルのスターティングメンバーは4-2-1-3、GK桐畑和繁、DF小池龍太、鎌田次郎、パク ジョンス、高木利弥、MF小泉慶、手塚康平、瀬川祐輔、FW伊東純也、クリスティアーノ、江坂任。サブメンバーはGK滝本晴彦、DFナタン ヒベイロ、MF大谷秀和、細貝萌、亀川諒史、FW山崎亮平、中川寛斗。実際は瀬川と江坂は2トップに近いというか、明確な前後関係はなさそうだった。中断期間前の5/13に下平隆宏監督を解任し、加藤望ヘッドコーチを昇格させ、直後の5/20名古屋戦は勝利して前半戦を終えたが、中断空けのリーグ戦で3連敗と苦境が続く。中断期間に中谷が名古屋へ完全移籍、ハモン ロペスが契約解除、 千葉から高木利弥、フルミネンセからAFC枠が適用されるナタン ヒベイロを獲得と主力級を入れ替えている。中村航輔は中断空け初戦の7/18FC東京戦での脳震盪により離脱中だが、故障で別メニュー調整だった中山、中川、澤がこの週から全体練習に合流している。キム ボギョンは当日の体調不良で欠場との情報があった。

2018年8月5日日曜日

2018年8月1日(水)19:00 明治安田生命J1リーグ第19節 V・ファーレン長崎vs北海道コンサドーレ札幌 ~なるべく動かなくていい方法~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、白井康介、荒野拓馬、小野伸二、FW都倉賢。7/28に開催予定だった、アウェイでの第18節名古屋戦は台風12号接近の影響により開催延期となった。酷暑のアウェイゲームで中7日で挑めることは少なからずプラスになると思われる。
 V・ファーレン長崎のスターティングメンバーは3-4-2-1、GK徳重健太、DF徳永悠平、ヨルディ バイス、髙杉亮太、MF飯尾竜太朗、黒木聖仁、島田譲、翁長聖、澤田崇、鈴木武蔵、FW平松宗。サブメンバーはGK増田卓也、DF田上大地、香川勇気、MF前田悠佑、米田隼也、新里涼、名倉巧。7/10に加入が発表されたヨルディ バイスは前節アウェイでのFC東京戦で初出場し、1-0の完封勝利に貢献。一方でここまでリーグ戦6得点の中村慶太のほか、札幌戦の出場不可条項が付いていない中原、ファンマ、新加入のハイロ モリージャスが故障でベンチ入りしていない。

2018年7月30日月曜日

2018年7月22日(日)19:00 明治安田生命J1リーグ第17節 北海道コンサドーレ札幌vsジュビロ磐田 ~半端な組織、半端ない守護神~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、石川直樹、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、MF兵藤慎剛、白井康介、早坂良太、荒野拓馬、小野伸二、FW都倉賢。前節出場停止の宮澤、契約条項で出場不可だった三好がスタメンに復帰したが、キム ミンテはこの試合も出場停止。
 ジュビロ磐田のスターティングメンバーは3-1-4-1-1、GKカミンスキー、DF高橋祥平、大井健太郎、新里亮、MF宮崎智彦、櫻内渚、上原力也、田口泰士、小川大貴、松浦拓弥、FW川又堅碁。サブメンバーはGK三浦龍輝、DF森下俊、MF松本昌也、山田大記、山本康裕、FW中野誠也、大久保嘉人。中村俊輔のほか、アダイウトン、ムサエフ、小川航基、モルベッキが負傷離脱中。大久保は移籍後初のベンチ入り。前節に引き続き、宮崎をアンカー気味に配し、松浦と川又で前線を構成する3-1-4-1-1とも言うべき配置を採用している。

2018年7月22日日曜日

2018年7月18日(水)19:00 明治安田生命J1リーグ第16節 北海道コンサドーレ札幌vs川崎フロンターレ ~免罪符の乱発~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、石川直樹、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、荒野拓馬、菅大輝、都倉賢、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、MF兵藤慎剛、稲本潤一、白井康介、早坂良太、小野伸二、FW宮吉拓実。宮澤とキム ミンテは前節での退場処分により出場停止。川崎から期限付き移籍中の三好は契約条項によって出場停止。
 川崎フロンターレのスターティングメンバーは4-2-3-1、GKチョン ソンリョン、DFエウシーニョ、奈良竜樹、谷口彰悟、車屋紳太郎、MF大島僚太、守田英正、家長昭博、中村憲剛、阿部浩之、FW小林悠。サブメンバーはGK新井章太、DF登里享平、舞行龍ジェームズ、MF長谷川竜也、下田北斗、鈴木雄斗、FW知念慶。中断期間中、大久保はジュビロ磐田、エドゥアルド ネットは名古屋グランパスへ移籍。

2018年5月29日火曜日

2018年5月20日(日)17:00 明治安田生命J1リーグ第15節 ヴィッセル神戸vs北海道コンサドーレ札幌 ~ウェリボールの圧力~

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0.1 スターティングメンバー


スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、早坂良太、荒野拓馬、FW宮吉拓実、ジェイ。前節累積警告4枚で出場停止だった三好がスタメンに復帰。消化試合として迎えた、この週水曜日のルヴァンカップグループリーグ第6節は清水に0-3と敗れた。
 ヴィッセル神戸のスターティングメンバーは4-4-2、GKキム スンギュ、DF高橋峻希、チョン ウヨン、渡部博文、ティーラトン、MF大槻周平 三田啓貴、藤田直之、田中順也、FW渡邉千真、ウェリントン。サブメンバーはGK前川黛也、DF那須大亮、藤谷壮、MF増山朝陽、松下佳貴、三原雅俊、FWハーフナー マイク。前節と全くスタメンは同じ。郷家はこの週のルヴァンカップでの退場処分により出場停止。ルーカス ポドルスキは5/2の第12節(FC東京戦)の負傷の影響で一足先に中断期間に入っている。ポルディの代役として前線に入ったのは、第13節では下部組織から昇格1年目の佐々木大樹、前節第14節ではこの試合と同じくウェリントン。この試合の4日後、5/24にFCバルセロナから三木谷オーナーの新たな友達としてアンドレス・イニエスタの獲得が正式発表されたが、ポドルスキ、キム スンギュ、チョン ウヨンの地位は恐らく揺るぎない。ウェリントンはレアンドロよりはプライオリティが高いだろうが、出場機会は更に厳しくなるかもしれない。

0.2 「5-2-3 ヨモ将式守備」の踏襲

1)5バックの固定化による後方の安定


 当ブログでは何度か書いているが、四方田修平前監督(現ヘッドコーチ)が指揮を執った2017シーズンから、札幌の守備は「5バックをゴール前から動かさない」ことを大原則として結果を残してきた。この大原則は相手のシステムがが4-4-2だろうと3-4-2-1だろうと4-3-3だろうと変わらず札幌の攻守の設計はこの守備戦術を出発点としている。
 このことが「出発点」であることは、言い換えると札幌は守備時に5バック以外の5選手の運用によってのみでミドルゾーン~アタッキングゾーンをカバーすることを強いられる。結果、最終ラインは5枚のポジションと役割を固定的にすることで安定がもたらされたが、中盤~前線を5枚のみで守ることは明らかに枚数不足であって、効率的にピッチをカバーすることが難しい。そのため、四方田札幌は最終ラインだけでなく中盤~前線においても、人を基準にした守り方を基調とすることに最終的に辿り着く。
 具体的には、4バックの相手に対してはシャドーのチャナティップと都倉(時に兵藤)が相手のSBを監視できるポジションを取り続ける。相手が3バックであれば、1トップ2シャドーが相手の3バックをそのまま見続ければよい。フィジカルモンスターの都倉もそうだが、1試合平均で11キロの走行距離を記録するチャナティップもこの戦術に欠かせない選手であり、2017シーズン終盤の快進撃はこうした戦術の簡素化によるところが少なくない。
最終ラインのマークずれが嫌なので、全てのポジションでマッチアップを決めておく

2)四方田ギミックを流用するミシャと恩恵を受けるキム ミンテ


 2018シーズン、開幕3試合勝ちなしの後、3/18の第4節以降11試合負けなしで3位まで順位を上げてきた札幌だが、この間(開幕4試合を消化して、3/18-3/31のインターナショナルウィークを挟む期間)にミシャは守り方を四方田式5-2-3に戻してきている。つまりWBはなるべく最終ラインから離れるな、ミドルゾーンは前の5人に任せろというルールを徹底するのだが、これにより特にキム ミンテのパフォーマンスが劇的に改善される。
 元々、でかくて速くて強いという、一見最強に見えるキム ミンテだが、CB歴は1年ちょいであり、ボールと相手選手を両方ケアするのが苦手というCBとしては致命的な欠点がある。これを、5バックを極力動かさないことでマーカーや持ち場をなるべく固定的にし、仕事をシンプルにすることで弱点を隠し、最終ライン中央でミンテの強さが最大限活きるように場を整えたことが札幌の守備の安定に大きく寄与している。2017年シーズンの河合の使い方にも共通しているともいえ、この方針転換は四方田コーチの関与があったと予想する。

2018年5月17日木曜日

2018年5月13日(日)16:00 明治安田生命J1リーグ第14節 FC東京vs北海道コンサドーレ札幌 ~備えあっての放り込み~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、都倉賢、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、早坂良太、荒野拓馬、FW宮吉拓実。三好は累積警告4枚で出場停止。この週、水曜日のルヴァンカップ(ホーム・甲府戦)は期限付き移籍中の金園英学に2ゴールを許す等の内容で0-3で敗れた。例によってシャドーの代役候補(ジュリーニョ、ヘイス、兵藤、宮吉、早坂)はこの試合に軒並み出場しており、疲労度は同程度だったと思われるが、シャドーはこれら候補者からチョイスされず、都倉がスライド、復帰直後のジェイをトップに置く。この二人のスタートからの併用は公式戦では初めてだが、キャンプ中では何度か試されていた。
 FC東京のスターティングメンバーは4-4-2、GK林彰洋、DF室屋成、チャン ヒョンス、森重真人、太田宏介、MF大森晃太郎、橋本拳人、髙萩洋次郎、東慶悟、FWディエゴ オリヴェイラ、永井謙佑。サブメンバーはGK大久保択生、DF吉本一謙、山田将之、MF米本拓司、梶山陽平、橋本拳人、FW前田遼一。リッピ ヴェローゾ。負傷離脱していたチャン ヒョンスがこの試合からスタメンに復帰し、負傷者が出ない限りはリーグ戦はこのメンバーでほぼ固定されている。浦和、仙台、磐田との開幕3戦は2敗1分と出遅れたが、その後10試合は8勝1敗1分と好調を維持しており、特に10試合で20得点と決定力が光る。

2018年5月7日月曜日

2018年5月5日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第13節 北海道コンサドーレ札幌vsガンバ大阪 ~厚別仕様の高速クロス~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、早坂良太、荒野拓馬、FW宮吉拓実。前節出場停止処分で欠場したキム ミンテと、前節休養させた前線3選手ががスタメンに復帰している。
 ガンバ大阪のスターティングメンバーは4-2-1-3、GK林瑞輝、DF米倉恒貴、三浦弦太、ファビオ、藤春廣輝、MF今野泰幸、マテウス、遠藤保仁、FW藤本淳吾、倉田秋、ファン ウィジョ。サブメンバーはGK谷晃生、DF初瀬亮、菅沼駿哉、オ ジェソク、MF食野亮太郎、FW長沢駿、中村敬斗。第4節以降欠場が続いていた今野は前節途中出場し、この試合からスタメンに復帰。やはりクルピのチームはターンオーバーに消極的で、負傷者が出ない限りリーグ戦ではほぼ同じメンバーを使い続けており、4/21の第9節からこの試合に至るまで、今野と米倉以外は5試合連続で同じメンバーが送り込まれている。ここ2節は2列目中央に藤本、右に米倉という布陣で鳥栖、仙台に2連勝と復調傾向だったが、今野が復帰した影響で遠藤がトップ下、藤本が右MFにスライドし、米倉とオ ジェソクとの択一で前者が選択された。

2018年5月4日金曜日

2018年5月2日(水)20:00 明治安田生命J1リーグ第12節 サガン鳥栖vs北海道コンサドーレ札幌 ~冒険の合間に実験~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、石川直樹、福森晃斗、MF駒井善成、宮澤裕樹、深井一希、菅大輝、早坂良太、宮吉拓実、FW内村圭宏。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF濱大耀、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、白井康介、荒野拓馬。前節の記事で「ターンオーバーしないのか」と書いたところ、得意の3枚替えで応えてくれたミシャであった。出場停止処分のキム ミンテのポジションには宮澤が入る可能性も示唆されていたが、順当に石川が中央、福森が左となっている。稲本は試合直前に腰痛を発症し、ベンチメンバーから外れた。
 サガン鳥栖のスターティングメンバーは3-1-4-2、GK権田修一、DF小林祐三、キム ミンヒョク、鄭昇玄、MF藤田優人、福田晃斗、高橋義希、原川力、吉田豊、FW安庸佑、小野裕二。サブメンバーはGK高丘陽平、DF三丸拡、高橋祐治、MF河野広貴、加藤恒平、水野晃樹、FW田川亨介。試合前の時点で2勝2分7敗、勝ち点8で17位に沈む。谷口、池田、ビクトル イバルボ、趙東建が負傷離脱中。前節(アウェイのガンバ大阪戦)から中2日ということもあり、最終ラインは高橋祐治に変えて小林、中盤は高橋秀人に変えて福田、前線で田川に変えて安庸佑をスタメン起用している。


2018年4月30日月曜日

2018年4月28日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第11節 ベガルタ仙台vs北海道コンサドーレ札幌 ~プレースピードというレイヤをかけて見てみよう~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、石川直樹、MF駒井善成、宮澤裕樹、福森晃斗、菅大輝、三好孝児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、早坂良太、荒野拓馬、FW内村圭宏、宮吉拓実。連戦が続く中で前節60分起用された深井のみがターンオーバーで休み。念には念をということで、よほどのことがない限りは中2日、3日では起用しない方針なのかもしれない。中盤センターは荒野か兵藤が有力と思われていて、事前報道では荒野だったが蓋を開けてみれば福森が悲願の?中央起用を勝ち取っている。
 ベガルタ仙台のスターティングメンバーは3-4-2-1、GK関憲太郎、DF菅井直樹、大岩一貴、常田克人、MF中野嘉大、板倉滉、梁勇基、永戸勝也、野津田岳人、西村拓真、FW。サブメンバーはGKシュミット ダニエル、DF蜂須賀孝治、金正也、MF富田晋伍、椎橋慧也、関口訓充、FW石原直樹。奥埜が左膝内側側副靭帯損傷、庄司と阿部拓馬が左ハムストリングス肉離れ、このほかラファエルソンと金久保も離脱中で、出場微妙だった平岡と古林もメンバー外と各ポジションでやりくりが難しくなっているが、そうした状況でも1トップの石原、キャプテン富田、第3節以降スタメン定着しつつある金正也、直近4試合フル出場中の蜂須賀は休ませている。菅井が右CBを務めるのはチャナティップ対策もあるのかもしれない。

2018年4月27日金曜日

2018年4月25日(水)19:00 明治安田生命J1リーグ第10節 北海道コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノス ~ポジショナルプレーvsミシャスタイル~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、早坂良太、荒野拓馬、FWヘイス、宮吉拓実。前節浦和戦を欠場した駒井がスタメンに復帰。他のメンバーは変えず、中3日での厚別開幕戦を戦う。ヘイスが再びベンチに入ったのは、雨の厚別でボールを収められる選手が必要、との判断だったのかもしれない。
 横浜F・マリノスのスターティングメンバーは4-1-2-3、GK飯倉大樹、DF松原健、中澤佑二、金井貢史、山中亮輔、MF扇原貴宏、大津祐樹、天野純、FW仲川輝人、ユン イルロク、ウーゴ ヴィエイラ。サブメンバーはGK杉本大地、DFミロシュ デゲネク、MF中町公祐、吉尾海夏、山田康太、FW遠藤渓太、伊藤翔。一部選手の反乱?もあって不完全燃焼気味だったエリク・モンバエルツのサイクルを引き継いだアンジェ・ポステコグルー体制だが、リーグ戦9試合で2勝3分4敗の勝ち点9、失点は15、直近3試合で計9失点(vs広島1-3、vs神戸1-2、vs湘南4-4)という状況。前節まで9試合フル出場を続けていたデゲネクに変えて左のCBに金井。この他、5試合連続出場していたオリヴィエ ブマルも負傷欠場で、右ウイングに仲川。

2018年4月23日月曜日

2018年4月21日(土)16:00 明治安田生命J1リーグ第9節 浦和レッズvs北海道コンサドーレ札幌 ~耐え忍ぶ日々はやがてレガシーとして~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF荒野拓馬、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、白井康介、早坂良太、FW宮吉拓実。浦和から期限付き移籍中の駒井は契約条項により出場不可。注目された右WBは水曜日のルヴァンカップ(磐田戦@ヤマハスタジアム)で中盤センターで出場した荒野。ルヴァンカップでは早坂の右CB、白井の右WB、宮吉は後半開始から前線で途中出場と読めない状況だったが、好調の宮吉をジョーカーとしてベンチに残し、アウトサイドは久々となる荒野をチョイスした。前節欠場したジェイ、深井、宮澤、チャナティップはいずれも全体練習に合流し、前日入りした遠征メンバー入りしているとの情報があったが、ジェイはメンバー外。
 浦和レッズのスターティングメンバーは3-4-2-1、GK西川周作、DF岩波拓也、阿部勇樹、槙野智章、MF橋岡大樹、長澤和輝、遠藤航、宇賀神友弥、柏木陽介、FW武藤雄樹、興梠慎三。サブメンバーはGK福島春樹、MF武富孝介、青木拓矢、柴戸海、菊池大介、FW李忠成、ズラタン。この週、オズワルド・オリヴェイラ新監督の就任および今節限りでの大槻毅暫定監督の任期終了が発表された。河合竜二よりもよっぽどヤクザおじさんな風貌が話題をさらったが、就任直後公式戦5試合で4勝1分けと見事に立て直しに成功した。ルヴァンカップの広島、ガンバ大阪戦では4バックの4-4-2、リーグ戦の3試合(仙台、神戸、清水)では3バックの3-4-1-2を採用しており、3バックでくることは読めたもののこの試合では柏木のトップ下+2トップではなく、1トップ2シャドーでスタートから望んでいる。マウリシオは前節清水戦でCB中央で出場したもののの前半途中で負傷交代しており、岩波が途中から起用された。スタメン発表では右から遠藤、岩波、槙野と想像される順に名前が並んでいたが、実際は阿部が中央を務め、遠藤は中盤で起用されている。

2018年4月16日月曜日

2018年4月14日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第8節 柏レイソルvs北海道コンサドーレ札幌 ~代役不在のスーパータレント~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、石川直樹、MF駒井善成、兵藤慎剛、荒野拓馬、菅大輝、三好康児、宮吉拓実、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、MFジュリーニョ、稲本潤一、白井康介、早坂良太、FWヘイス、内村圭宏。ジェイは右太もも裏痛、チャナティップは右足首痛、宮澤は左ふくらはぎの張り、福森は右股関節痛でメンバー外。
 柏レイソルのスターティングメンバーは4-2-1-3、GK桐畑和繁、DF小池龍太、中谷進之介、パク ジョンス、中山雄太、MF大谷秀和、キム ボギョン、中川寛斗、FW伊東純也、亀川諒史、江坂任。サブメンバーはGK滝本晴彦、DFユン ソギョン、今井智基、MF小泉慶、栗澤僚一、FWクリスティアーノ、瀬川祐輔。積極補強をして臨んだACLでは5節を消化したが負傷者の続出もあって波に乗れず、全北現代、天津権健の後塵を拝し、既に敗退が決定している。そのACLを睨んだ補強の煽りを受け気味だった中川は前節鳥栖戦で初スタメン、今節も2試合連続でスタメン起用されている。前線はハモン ロペスが鳥栖戦で復帰したがまだ本調子になく、山崎も離脱中ということもあって前節は左MFに亀川が起用されたことは特徴的で、2アシストと結果も残しこの試合でも継続起用されている。

2018年4月13日金曜日

2018年4月11日(水)19:00 明治安田生命J1リーグ第7節 北海道コンサドーレ札幌vs湘南ベルマーレ ~飛び道具を持つ者、持たざる者~

0.プレビュー

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、荒野拓馬、宮澤裕樹、菅大輝、三好孝児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、早坂良太、FW宮吉拓実、ヘイス。カップ戦を含めた15連戦の4戦目。「買っているチームは変えない」なのか、前節のリーグ戦から中3日のホームゲームということもあってか、メンバー変更はなし。サブではジェイがベンチ外で、ヘイスがベンチ入りしている。選手及び、やりくりをする監督も徐々にタフな状況になっていくが、会社勤めの傍ら中2日、中3日で記事を書くネット戦術君にもハードな日程である。
 湘南ベルマーレのスターティングメンバーは3-4-2-1、GK秋元陽太、DF山根視来、アンドレ バイア、大野和成、MF岡本拓也、石川俊輝、杉岡大暉、高橋諒、FW端戸仁、梅崎司、イ ジョンヒョプ。 サブメンバーはGK後藤雅明、DF島村毅、MF松田天馬、ミキッチ、FW野田隆之介、アレン ステバノヴィッチ、高山薫。前節はホームで鹿島相手に、アディショナルタイムの決勝ゴールで劇的勝利。その鹿島戦で試された杉岡の中盤センターでの起用がスタートからであるほか、ターンオーバーとしてシャドーは2枚とも入れ替えている。

2018年4月10日火曜日

2018年4月7日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第6節 北海道コンサドーレ札幌vs名古屋グランパス ~変わらぬ景色がもたらす平穏~

0.プレビュー

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、荒野拓馬、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、早坂良太、FW宮吉拓実、ジェイ。負傷で前節を欠場したジェイがベンチ入り。深井は左ひざ痛で大事をとって欠場。水曜日にアウェイでルヴァンカップの清水戦を戦ったが、この時はGK菅野、DF早坂、稲本、濱、MF宮吉、小野、荒野、白井、ジュリーニョ、兵藤、FWヘイスというスタメンで、メンバーを総入れ替えして臨んでいる。ジュリーニョがプレシーズンで試されていた左サイドではなく右シャドーで起用されたことは興味深かったが、この試合でのベンチ入りも前線起用も想定されての策だと思われる。
 名古屋グランパスのスターティングメンバーは4-1-2-3、GKランゲラック、DF宮原和也、菅原由勢、櫛引一紀、秋山陽介、MFワシントン、小林裕紀、長谷川アーリアジャスール、FW和泉竜司、青木亮太、ジョー。サブメンバーはGK武田洋平、DF畑尾大翔、MF深堀隼平、児玉駿斗、成瀬竣平、FW佐藤寿人、玉田圭司。開幕2連勝と好スタートを切ったが、以降の公式戦6試合は1分け5敗。前節負傷のホーシャと、ガブリエル シャビエルはメンバー外。水曜日のルヴァンカップ(ホームで1-4でガンバ大阪に敗戦)には宮原、菅原、秋山、青木がフル出場している。

2018年4月3日火曜日

2018年3月31日(土)15:00 明治安田生命J1リーグ第5節 鹿島アントラーズvs北海道コンサドーレ札幌 ~新しい景色が映し出された背景~

0.プレビュー

0.1 スターティングメンバー

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好孝児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、MF兵藤慎剛、早坂良太、荒野拓馬、小野伸二、FW宮吉拓実、ヘイス。国際Aマッチウィークの関係で前節から2週間の中断期間を挟んでのリーグ戦。前節欠場の宮澤は復帰したが、ジェイは右太もも裏痛を発症しメンバー外。都倉がリーグ戦初スタメンで、空いたベンチ枠は宮吉が入り、故障から復帰している模様のジュリーニョは今節もメンバー外となった。深井は左ひざ痛でこの週の練習を休んでいたが、スタメンに名を連ねている。
 鹿島アントラーズのスターティングメンバーは4-4-2、GKクォン スンテ、DF伊東幸敏、植田直道、昌子源、山本脩斗、MF永木亮太、レオ シルバ、安部裕葵、土居聖真、FW金崎夢生、鈴木優磨。サブメンバーはGK曽ケ端準、DF犬飼智也、西大伍、MFレアンドロ、小笠原満男、FWペドロ ジュニオール、金森健志。国際Aマッチウィークに開催された日本代表戦の2試合でそれぞれ昌子と植田がスタメンフル出場している。植田は火曜日のウクライナ戦から中3日での出場となる。2試合とも途中出場だった三竿健斗はメンバー外で、中盤センターは永木とレオ シルバの組み合わせ。

0.2 「単なる3バック」とは

1)ミシャシステムの基本原理


 札幌の開幕2~3試合を見て、筆者は当ブログにおいて「(ミシャシステムというより)単なる3バックではないか」と書いた。その論拠は、札幌が攻撃時に3-2-5の形でプレーする時間帯が多かったからという表面的なことではなく、全般に札幌の攻撃は4-4-2で守備を行う相手に対し、配置的な困難を突きつけることができていなかったことである。
 オフサイドルールがあるサッカーという競技は、ここ数十年のスパンでみると、多少の流行り/廃れやトレンドの変遷はあるにせよ、基本的にいかに中盤に人とボールを送り込むか、また中盤で選手がプレーするためのスペースを創出するか、という点が焦点となってきた。ミシャシステムはこの盲点を突いたものとも言えるが、改めて基本的な原理を考えると、ボール保持時に自陣最終ラインと最前線に人を配することで、相手に対して本来の守備陣形で対応が困難な状況を作ることから始まる。相手を一般的な4-4-2と仮に置くと、ミシャシステムに対して、4枚のDFで5トップをどう見るかという問題と同時並行で、2トップ脇を使おうとするDFの起点化をどう阻害するか、という問題を突きつけられる。
5トップと4枚での組み立てを突きつける

 多くの場合、失点を減らすために最終ラインの枚数を増やすことで解決が図られる。この時、前線も枚数を増やすことでの対抗を考えると、
それぞれ枚数を増やして対抗すると…

 相手は中盤を放棄することになる。この放棄された中盤をアンカーや、落ちてくるシャドーやFWが使うことでボールを前進させることがミシャシステムの基本原理となる。
中盤を掌握できる

 また相手が陣形を変えず、4バックのままで対抗するなら、5トップの数的・配置的な優位性を活かして殴っていくことになる。最もシンプルなパターンとしては、サイドでボールを持ち、相手の陣形をサイドに寄せた状態からの対角へのロングフィード。横幅を4枚で守るチームは横スライドに難を抱えることが多く、5トップの横幅を活用することがクリティカルな対抗策となりえる(このように、ショートパス主体とかロングフィード主体といった議論は結局どれが効果的か、最適なものを都度使えばいいだけで、極めて陳腐な二元論でしかない)。

2)「単なる3バック」だった3試合


 上記を踏まえて第2節、セレッソ大阪戦を振り返ると、札幌は最終ライン3枚で終始プレーしていたが、まだまだ勉強中である進藤はともかく、福森のプレーエリアは中央に偏っていた。そのため福森は相手2トップによる監視を受けることが多く、また下の写真のように中央方向から寄せられている場合は、対角へのロングフィードを通すことも難しいので、WBに効果的な形でボールが渡ることも少なかった。
 WBにボールが渡らない…横幅を巧く使えないとなると、相手は中央のみをケアしていればよい。よってセレッソの中盤は中央密集でブロックをセットすることになるが、この状態で1トップ2シャドーに縦パスを入れることは、それは針の穴を通すような作業にも等しい。セレッソ戦の2点目はジェイが奪われてからの形だったが、要はジェイ個人の問題以前に、相手を形を変化させられていない…中央から動かせていないので、そこにパスを送れば複数で囲まれ、潰されることは当然でもあった。
 横幅が使えていない状況で我慢できずにシャドーが落ちてくれば、前線は4vs5ではなく4vs3、シャドーは中盤センターの2枚がそのまま見ればよいので、この状況では数的な優位性も殆ど活かせていなかった。
相手に変化を強いることができない

2018年3月30日金曜日

2018年3月18日(日)14:00 明治安田生命J1リーグ第4節 北海道コンサドーレ札幌vsV・ファーレン長崎 ~秩序の欠如は歓迎されるべきか~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、荒野拓馬、深井一希、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF早坂良太、小野伸二、兵藤慎剛、FW都倉賢、ヘイス。この週水曜日にルヴァンカップの磐田戦をホームで戦い0-1で敗れており、この時のスタメンはGK菅野、DF早坂、稲本、石川、MF白井、荒野、小野、菅、都倉、宮吉、FWヘイス。21歳以下の選手をスタメンで使うルールに対応するための菅のスタメン起用を除くと、現時点での各ポジションでの序列が可視化された格好となった。横山、内村らは厳しいシーズンのスタートとなっている。
 V・ファーレン長崎のスターティングメンバーは3-4-2-1、GK増田卓也、DF徳永悠平、チェ キュベック、髙杉亮太、MF飯尾竜太朗、碓井鉄平、島田譲、翁長聖、澤田崇、中村慶太、FWファンマ。サブメンバーはGK徳重健太、DF田上大地、乾大知、MF中原彰吾、ベン ハロラン、米田隼也、FW鈴木武蔵。水曜日のルヴァンカップでは2-1と湘南に勝利、リーグ戦のここ2試合はホームで鳥栖、浦和相手に先制しながら追いつかれて引き分けに終わっている。

2018年3月17日土曜日

2018年3月10日(土)19:00 明治安田生命J1リーグ第3節 北海道コンサドーレ札幌vs清水エスパルス ~空白の5秒間~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、兵藤慎剛、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF早坂良太、荒野拓馬、小野伸二、FW都倉賢、ヘイス。前節の前半限りで退いた宮澤は肉離れ(全治非公表)で、兵藤がスタメンに。荒野と濱がこの週から実践復帰しており、荒野が早速ベンチ入り。
 清水エスパルスのスターティングメンバーは4-4-2、GK六反勇治、DF立田悠悟、ファン ソッコ、フレイレ、松原后、MF金子翔太、河井陽介、竹内涼、ミッチェル デューク、FW北川航也、クリスラン。サブメンバーは GK西部洋平、DF二見宏志、角田誠、MF六平光成、楠神順平、高橋大悟、FW鄭大世。ヤン・ヨンソン新監督の下、鹿島、神戸に1勝1分けとまずまずのスタート。右足首痛で欠場の石毛に代わって、札幌戦でいつもスタメンな印象があるミッチェル デュークが起用されている。

2018年3月10日土曜日

2018年3月2日(金)19:00 明治安田生命J1リーグ第2節 セレッソ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 ~ミシャ式ってなんだっけ~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF宮澤裕樹、深井一希、駒井善成、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、早坂良太、小野伸二、FW都倉賢、ヘイス。前節とスタメン、サブともに全く同じ。
 セレッソ大阪のスターティングメンバーは4-4-2、GKキム ジンヒョン、DF松田陸、マテイ ヨニッチ、木本恭生、丸橋祐介、MF水沼宏太、山口蛍、ソウザ、高木俊幸、FW、杉本健勇、柿谷曜一朗。サブメンバーはGK丹野研太、DF田中裕介、片山瑛一、MF山村和也、秋山大地、田中亜土夢、FWヤン ドンヒョン。2018年に入り、元日の天皇杯優勝、2月上旬のゼロックススーパーカップ優勝と早くもタイトルを2つ獲得している。AFCチャンピオンズリーグでも1勝1分け、リーグ開幕戦は横浜F・マリノスに先制されるも追いついて引き分けに持ち込んだ。清武、福満は故障で離脱中。

2018年3月1日木曜日

2018年2月24日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第1節 サンフレッチェ広島vs北海道コンサドーレ札幌 ~理想と現実の二頭体制~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF宮澤裕樹、深井一希、駒井善成、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FWジェイ。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、早坂良太、小野伸二、FW都倉賢、ヘイス。蓋を開けてみれば、ほぼ予想通りのメンバー。以外だったのはシャドーがチャナティップで、プレシーズンに頻繁に試されていた宮吉はベンチ外。またアウトサイドの控えもウインガータイプの白井を獲得したにもかかわらず早坂だった。
 サンフレッチェ広島のスターティングメンバーは4-4-2、GK林卓人、DF和田拓也、千葉和彦、水本裕貴、佐々木翔、MF青山敏弘、稲垣祥、川辺駿、柏好文、FWパトリック、ティーラシン。サブメンバーはGK中林洋次、DF野上結貴、MF吉野恭平、馬渡和彰、柴崎晃誠、FW工藤壮人、渡大生。ヨンソン監督が退任し、城福浩氏が新監督に就任して迎えるシーズン。見たところセンターラインはそう大きくは変わっていない。またマーケティング的な観点から、開幕戦がこのカードになることは早い段階で想定されていたと思われる。

2018年2月2日金曜日

2018年1月27日(土)15:00 トレーニングマッチ 北海道コンサドーレ札幌vs浦和レッズ ~キャッチアップの必須要件~

0.プレビュー

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GK菅野孝憲、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF白井康介、駒井善成、深井一希、菅大輝、三好康児、宮吉拓実、FW内村圭宏。
 浦和レッズのスターティングメンバーは4-1-4-1、GK福島春樹、DF橋岡大樹、岩波拓也、阿部勇樹、宇賀神友弥、MF青木拓矢、李忠成、柴戸海、長澤和輝、荻原拓也、FW興梠慎三。
 45分1本×4の実質2試合メンバーを入れ替えて行われたトレーニングマッチ。興味がなかった(フリをしていた)が、Youtubeに鮮明な動画がアップロードされていたので、オフの鈍った筆を暖める意図もあり、可能な限りで記事を書くこととする。
 ⇒と思っていたが、動画が削除されてしまった。1本目途中までしか見ていないので、トピックを絞って公開します。

 浦和のメンバーは昨年11月のACL決勝第2戦にスタメン出場したメンバーが5人(阿部、宇賀神、青木、長澤、興梠)含まれている。ラファエル シルバ以外の10選手がキャンプに合流していることを考慮すると、浦和はこの後に行われた3・4本目とでメンバーを均質に分けたと言える。一方の札幌は、昨シーズン終盤のスタメンクラスは福森だけ。駒井などはレギュラークラスの活躍が期待されているが、この後に行われた3・4本目のメンバーが実績のある「ヨモ将チーム」、1・2本目のメンバーは新加入選手と若手中心の「ミシャチーム」といった恰好である。なお駒井は34番のトレーニングウェアを着用していた。

 前提の確認だが、キャンプ中のトレーニングマッチはテスト以上の意味合いは基本的にない。選手の実力やコンディションの見極めの他に、シーズン中には採用しずらいアプローチを試験的に運用するためのゲームと位置付けられることが多い。かの三浦俊也氏も、08年プレシーズンのキャンプイン時は、「より攻撃的な戦術を試したい」と語っていた(構想の中心の一人がアルセウだったこともあり、1週間でその発言は撤回されたが)。

2018年1月23日火曜日

北海道コンサドーレ札幌の2017シーズン(3) ~黄金比への回帰~

5.中断期間の選択


 J1は第18節(札幌の対戦はアウェイの大宮)を終え、3週間程度の中断期間に突入する。このリーグ戦中断期間と重なる形で移籍ウインドーが開き(7月21日~8月18日)、新たな選手の登録が可能となるほか、チームによってはミニ合宿を行ったり、マーケティング目的で海外クラブと親善試合を行ったり、カップ戦に参加するなどの動きがある。
第18節終了時の順位

 札幌はこの中断期間中、チャナティップとジェイがチームに合流する。チャナティップはその経緯から、試合に勝つための戦力としてだけでなく、「クラブを大きくする」という野望における布石としても獲得したと考えられていて、本人も「いきなりスタメンで出られるとは思っていなかった」と語っていたが、AFCチャンピオンズリーグでベスト16に残ったチームの中心選手とはいえ、加入当初は未知数なところが大きかった。
 対するジェイは前のシーズンにJ1で14得点を記録した実績を買い、純粋に戦力としての加入であった。幾つかいた候補者の中から、結果的にはジュリーニョの離脱による入れ替わりの形で加入したが、クラブは当初ヘイスとの入れ変えを画策していたとのことだった。
 こうした経緯からも、リーグ前半戦を戦う中で、四方田監督は守備面よりも攻撃面を課題だと考えていたことがわかる。先に公開した記事(1)(2)で示したように、筆者の認識としては、札幌は守備から入るチームだが、その守備において幾つかの問題点があるため、守備にエネルギーを割いているのだけれど持ちこたえられず、また攻撃に割くエネルギーが十分に確保できないため得点機会が少なく、結果的に接戦を落としている、という状況だと考えていた。よってテコ入れをするならば、まず守備をより安定、機能させることが、守備に割くエネルギーの減少と攻撃力の増加に繋がると考えていたので、噂によると、監督とのコミュニケーションや、(主に守備面の)戦術遂行の問題でジュビロ磐田を退団したとされるジェイの獲得は微妙だと考えていた。端的に言えば、「ジェイがゴール前にいたところで、そもそもジェイに有効なラストパスが届けられる状況を作れなければほぼ無意味で、むしろ守備面の負担が増大するマイナス面の方が差し引きで大きくなってしまうのでは?」という懸念をしていた。
 結果的にはこの予想は最高の形で裏切られることになる。(シーズンラスト数試合は)最前線にジェイを置いたことによる攻撃力の増加は守備陣を助けることになり、ラスト5試合を4勝1敗で駆け抜ける原動力となった。最適バランスの…「どの水準までなら、決壊しない程度にバランスを崩せるか」を見極め、見出したことは、獲得ポイントにそのまま直結した。

6.唯一の形

6.1 一本足打法は脆い


 サッカーにおいて、得点を挙げるには言うまでもなくゴールの枠内にシュートを飛ばす必要がある。この時、得点の期待値を高めるためには、精度の高いシュートを枠内に飛ばすことが必要で、それは選手の能力…シュートを撃つ能力や、シュートに繋がるパスを出す能力などが重要になってくる。加えてそうした選手の能力を最大限に発揮するために、チームとして戦術的な仕掛けを作っておくことも重要になる。この戦術的な仕掛けには、シュートを撃つ場面やその手前となる崩しの局面と、更に前段階として、崩しの局面に移行するための攻撃の組み立てがある。
 福森のセットプレーという飛び道具は別にすると、札幌はまず攻撃の最終局面となる崩しにおいて潤沢なリソースがない。近年、4枚か5枚のDFとその前列のMFで中央を固めることが守備の鉄則となりつつあり、ブロック構築を無視できるカウンター系の攻撃やセットプレーの重要性は増しつつあるが、これらはジャンケンで言うとグーやチョキといった手の一つだとも言える。勝負に勝つには、パー、つまりカウンターが封じられた時や、ゴール前にブロックを作って守るチームに対する対抗策を何らか備えておきたい。更に言うと、セットプレーのチャンスを得るにもカウンターアタックや遅攻が機能することが重要で、松本山雅のようなチームを見ても、戦いのステージやクオリティが高くなると、ただ放り込むだけでは対応されてしまうことがわかり、何らかの攻撃の形を持っておく重要性が示唆される。

6.2 唯一のパターン

1)都倉の戦術的重要性


 この点において、四方田監督に与えられた最大にしてほぼ唯一の戦力は、都倉の空中戦だった。より正確に言うと、「サイドからのクロスに合わせる都倉の空中戦」である。
 J2優勝に貢献した自慢のFW陣はどうしたとなるが、例えば内村がゴール前で得意な形でシュートを撃つには、何らか内村にボールを届ける必要がある。そしてラストパスを出す選手として、例えば小野や兵藤がそうした役割を担うならば、兵藤に対して、守備時に自陣ゴールから30メートルの地点を守りつつ、攻撃時に敵陣ゴール前で前を向いてボールを受けられるような仕組みを持っておく必要がある…と遡って考えていくと、特に準備をしなくとも、試合の中でたまたま兵藤がゴール前で都倉にラストパスを出せる局面が、1試合に1回は作れるかもしれないが、それを再現性のある形として試合中に何回も作れるようにしておくにはそれなりの準備が必要になる。札幌でも過去にそうした準備や、攻撃の構築に時間をかけた監督が率いた時期があったが、監督の手腕や選手の能力にもよるが、それなりの時間がかかる。
 よって、「シンプルに構築することができ再現性を持たせられ、かつ相手に脅威を与える攻撃手段」として、相手のブロックの強度をある程度無視できる都倉の空中戦だけは再現性のある形として持っておこう、という考え方になったのだと思う。

2)唯一のパターン


 札幌は敵陣に侵入し、ウイングバックを押し上げることに成功すると、この唯一のパターンを執拗に繰り返していた。なお敵陣に侵入することの要件として、3バック+アンカーで相手の守備を剥がすことができるか、カウンターで都倉やジュリーニョが一気にボールを運べる状況が生じること、長いボールを都倉に当て、セカンドボールを周囲の選手が拾うこと(先述の、ゴールキックからの形はこれに該当する)が必要になるが、新潟やセレッソ、甲府のようなチームはリトリートの意識が強いので、フリーパス状態で敵陣に侵入できたりもする。
 442系のチームは、自陣で下の図のようにブロックを組むが、この状況からWBにボールを入れることは容易であるので割愛する。基本的な考え方としては、札幌は相手ブロック内に殆ど選手を置かない。ブロックを迂回することで、中央で失うリスクを回避しボールを運んでいく。相手が3バックで、札幌最終ラインと同数になる配置の場合、序盤戦は兵藤が最終ラインに落ちたり、低い位置に移動してボールを循環させる働きが目立った。
(相手が442の場合)サイドから運んでWBにつける

 そして左WB(序盤は田中、その後は菅)にボールを入れると、以下のような配置になる。Jリーグでも、10年前ほどと比べるとサイズのある選手も増えていると思うが、それでもサイドは身長170センチ台の選手が務めているチームも大きい。よって4バックだと、最終ラインはCB2枚だけが高さのある選手、というチームもよく見られる。これはそのチームの守り方を大きく制約する要因となる。すなわち、CBをゴール前から動かして守ることのマイナス面が大きいので、特に大型のFWがいるチーム相手だと、ゴール前でマンマーク的な守り方しか採用が難しくなるといえる。
 下の図では菅にボールが入った時、相手SBが出てくるが、その裏のハーフスペースのカバーをCBに任せてしまうとゴール前が弱くなってしまうので、CHがハーフスペースをカバーしたり、そもそもSBを動かさずに、WBの菅にSHのプレスバックで対応するといった対応を取るチームもあった。重要なことは、札幌がWBにボールを入れるとこれだけ相手の中盤が動かされることとなる点。元の形から動かされると、バランスが悪くなり、局面を守ることはできても攻撃に転じることはより難しくなる。
押し込んでから2本の矢でファーサイドのミスマッチ狙い

3)相手を動かすことと、2本目の矢の関係


 印象としては、札幌はサイドから攻めることで勿論フィニッシュのパターンの1つともしていたが、それ以上に相手の形を変化させ、被攻撃機会を減少させたいとの思惑もあったのではないかという印象もある。特にリードしている時、もしくは同点の場面では、相手の陣形が整っていないところでもクロスを供給せずに、一度ボールを戻して作り直したり、また相手DFとGKの間を狙うような速いクロスも使わない。狙いは95%、ファーサイドで相手SBとマッチアップする都倉の頭だった。
 一般には攻撃の威力は、速さ×プレーの精度(×α)で成り立っており、ボールを一度戻すような、速度を低下させるプレーは攻撃の威力を弱めることになる。札幌の場合、ボールを戻して作り直す、その間、相手を押し込める(帰陣を余儀なくさせる)が、言い換えればブロックの枚数が揃ってしまう、という展開になっても困らなかったのは、WBの後方に福森がいることが大きい。WBにボールが入って、相手のサイドの選手が完全に戻らされたタイミングで福森はWBの斜め後ろに進出してくる。相手のSHが押し込まれていれば、福森はここで非常にフリーになりやすく、また多少距離があっても苦にしない威力のキックを持っている。WB(特に菅)よりも福森が真打ちだとも言え、攻守両面で理にかなった、再現性の高い唯一の攻撃の形だった。

6.3 困った時の天才頼み


 繰り返すが、前半戦、札幌の再現性のある攻撃の形はほぼこれしかなかった。これに加えてセットプレーでもこじ開けられない場合、四方田監督は個の力…具体には小野やマセードの個人能力を頼ることになる。ただ、サブとしてのマセードは試合中盤以降、バランスが崩れた局面で投入し、強引に高い位置をマセードがとることで攻撃の横幅を作り出すという使い方だったが、小野の使い方と使う時間帯は次第に幅広く、長くなっていく。
 小野伸二ってどんな選手?チームのために何をする選手?と聞くと、実はよくわかっていない札幌サポーターも少なくないのでは、とたまに思う時がある。小野の獲得に尽力した野々村社長は、恐らく小野をラストパスを出す選手として見ている。四方田監督も、2015シーズン中盤~2016シーズンの開幕時にはそうした役割を担わせようとして、トップ下に小野の席を作った。

 ただラストパスの出しどころとして、中央かサイドか、として考えると、中央で小野がそうした仕事をするには、相手のブロック内で小野がポジションをとり、そこに「誰か」がボールを供給する必要があるのだが、ブロックを崩すというトレーニングを殆どしていなさそうな札幌は、小野がバイタルエリアにいてもほとんどボールを供給できない。
 よって、小野はピッチに投入されると、まずブロックの外で受けてボールを循環させたり、オトリとして動くことで相手のブロックを動かしたりといった仕事をするようになる。それはもしかすると、監督としては想定内だったのかもしれないが、それらは基本的に「シュートの手前の手前」といったフェーズの役割であって、そうした仕事をこなしていく小野の投入が、札幌の得点に繋がるかというと、まだ2手ほど足りないという印象があった。
WB早坂に渡ったところで選択肢がゼロなので
まず早坂に選択肢を作るため小野がサイドに流れる(第12節新潟戦)


7.黄金比の表と裏

7.1 黄金比「7:3」に回帰した7月

1)チャナティップと3-4-2-1


 7月の中断期間明け最初の浦和戦では、札幌のスタメンは3-4-2-1だった。以降、四方田監督は開幕から使い続けてきた3バック+中盤3枚+2トップという布陣を全く使わなくなる。この方針転換は、前半戦を戦った上での戦術的なソリューションでもあるが、加えてチャナティップが加入したという点が大きいと思われる。
 チャナティップがゲームに絡めるようになることは、野々村芳和社長の言葉を借りれば「札幌がより大きなクラブになるため」に重要なことであり、また歴代監督に対しても、外国人選手を優先的に起用するように要請してきた札幌のフロントの動きからから考えても、四方田監督がチャナティップを戦術に組み込もうとしたことは当然だともいえる。
 同様の考え方は、前のシーズンの開幕当初、小野の起用にかかわり戦術的な融通を利かせるというアクションにおいてもみられた。ただし、ほぼトップ下専業になっている小野を起用するために、トップ下のポジションを用意した3-4-1-2の採用が不可欠だったが、チャナティップは小野よりも10歳以上若く、また現役でアジア最終予選、AFCチャンピオンズリーグといったコンペティションでプレーしており、より戦術的な融通が利く。チャナティップがどれだけやれるかは監督もチャナティップ自身も未知数だったと思うが、まず根本的に「席がトップ下ではなくシャドーで事足りる程度の守備力や全般的な運動能力」を持っていることは、降格ラインすぐ上のポジションにいた札幌にとり、非常に重要だったと思う。

7.2 「7:3」の裏表


 チーム戦術的には、3-4-2-1にして以降の数試合はこのメリットとデメリットが互いに打ち消し合うような試合展開が続いた。2人多い状態で40分以上戦った浦和戦を除くと、3-4-2-1にしてから初勝利を挙げたのは6試合目の仙台戦。浦和戦以降はセレッソ、横浜、甲府、川崎と未勝利が続き、特に甲府戦をホームで落とした段階では、最終順位11位でフィニッシュする未来が待っているとは思いもしなかった。

1)「3」が与える選択肢


 まずメリットとして第一に挙げられるのは、ピッチ上に常に3人、攻撃の選手を配置することができる点。守備の開始位置・ボール回収位置が低い札幌は、ボールを回収した後に攻撃に転じるフェーズで継続的に問題を抱えていた。開幕当初、都倉とジュリーニョの2枚を前線に残し、この2人のボールキープや単独突破から攻撃を開始していたが、基本的に2人とも前を向いたときに力を発揮するタイプで、最前線で相手のDFと対峙しながらボールを収めることは得意ではない。
 これが3-4-2-1に変わったことで、ピッチ上に都倉・チャナティップとヘイス又はジェイが同時に立つことになる。ジェイが中央で相手DFと対峙し、都倉は右サイドにシフトし、ポジションを数メートル下げたことで、より前を向きやすい配置となる。中央に収まるヘイス、空中戦に強いジェイが鎮座することで、都倉はより広大なサイドのスペースに心置きなく走ることができる。
 また、反対サイドではチャナティップが都倉と同等か、更に低い位置にいる(試合によって、都倉がトップに近く置かれたり、チャナティップが中盤センターに近い位置に置かれたりしていた)が、こうした低いポジションからチャナティップのスーパーな能力…体でボールを隠しながら長い距離をドリブルで運ぶプレーが試合の中で再三発揮されるようになる。
回収した後の選択肢が3つに(第23節川崎戦)

 チャナティップはタイのメディアに、「得意なトップ下でなく、左サイドでプレーしている」と語っていたが、通常3-4-2-1のシャドーは中央寄りないしハーフスペース付近でのアクションが多い。ただ札幌の場合、そこまで陣形をセットして攻撃をすることが難しく、かつ守備時に5-4ブロックに近い形で自陣に戻ったり、または相手SBを見る役割を与えられているので左サイドでプレー、と感じていたのだと思うのだが、この「低い位置・左寄り」からボールを運ぶ能力は、ジュリーニョのドリブルを失った札幌に、なくてはならないものとなる。
 この3人を右・中・左に配したことで、ボールを奪った後にどう展開していいかわからない、という現象が激減する。中でも試合を経るごとに、「失わずに推進できる左サイド」が、より重要性を増していくことになる。

2)諸問題をごまかした数的同数守備


 もう一つのメリットとして、相手が3バックの場合に守備の仕方がはっきりし、前線から守備を仕掛けやすくなったことが挙げられる。中断期間以降の数試合で札幌が対戦したチームのうち、浦和、甲府、仙台、磐田は3バック。このうち甲府は中盤3枚の3-5-2で、3-4-2-1の札幌とは噛み合わせが異なるが、浦和、仙台、磐田とは選手配置が全く同じ。この3試合は、札幌はほぼ完全なマンマークに近い守備を採用し、いずれも勝ち点3を奪うことに成功している。
 浦和はお馴染みの攻撃時4-1-5となる可変システム、磐田は中村俊輔がフラフラと漂う王様システムだったりとチームによって差異はあるが、札幌はこれらをすべて、自分たちと同じ選手配置、すなわち対面に必ず相手がいるチームと解釈する。後は約束事として、とにかく対面の選手にやられないようについていく。一般には、マンマークは選手の個人能力がそのままチームの差となりやすいが、浦和戦は文字通り、都倉が槙野とのデュエルを制したこともあってこの前提も覆すことに成功した。
スペースを開けてでも対面の選手を抑える(第19節浦和戦)

対面の選手に合わせたポジションを取る(第25節磐田戦)

 とにかく「対面の人を見る原則」を徹底したことで、リーグ前半戦に見られた問題をごまかすことにある程度、成功する。それまで多かったのは、2トップが相手のCBを見て、中盤3枚のうちの1枚が相手SBに当たるも、相手のセントラルMFだったりアンカーポジションにいる選手が非常にフリー理になりやすいという問題。下の写真では、相手の中盤2枚に対して札幌は荒野と宮澤がいるのだが、荒野も宮澤も中盤のスペースを守るタスク、宮澤は反対サイドに振られたときにスライドして左SBを見るタスクがあることから、相手の中盤を捕まえることができない。
2トップ+兵藤までは連動している(第14節神戸戦)

 そのため、都倉とジュリーニョの2トップ+兵藤までは連動して守備ができているが、相手のアンカーのところで連動できず、簡単に前を向かせ、中央を使わせてしまう問題があった。
アンカーを捕まえられずブロックも組めていないので中央を割られる(第14節神戸戦)

 後半戦は、マッチアップが揃っていることを利用して、相手が3バックならとにかくWボランチが捕まえに行くようになる。下の写真では、仙台の3バックでの組み立てに対して札幌も前3枚で捕まえに行き、ボランチ2枚が落ちてサポートしようとしたところにも、札幌も宮澤と兵藤のWボランチで捕まえる。結果仙台は出しどころがなく、蹴り出させることでボール回収に成功。捕まえる相手がはっきりしているので、前線の選手も後ろが連動すると信じて高い位置から当たることができる。
捕まえる相手が明確なので連動している(第24節仙台戦)

 もう1点追記すると、仙台戦、磐田戦で勝ち点3を獲得する原動力となったのは、負傷の横山に代わってCB中央を務めた河合。年々可動域が狭くなり裏を取られることも増えている河合だが、相手の9番を潰すことにかけては、増川を覗けばこのチームで未だNo1であり、河合の特性はこの時期の戦術的方向性とマッチした。


3)黄金比の裏側 ~噛み合わない相手には無抵抗~


 じゃあ相手が4バックの場合どうするんだ、というと、まず結果から言うと、中断期間後、4バックの相手にはセレッソ、マリノス、川崎、新潟、広島と対戦し、新潟と広島相手に引き分けた勝ち点2しか獲得できなかった(その後、ジェイの爆発と厚別のホームアドバンテージもあり柏に勝利するが別記する予定)。これは川崎、セレッソ、マリノスと上位チーム相手の対戦も含まれているが、それ以上に、「システムが噛み合わない相手には打つ手がない」という状態にあったことが大きい。
 3-4-2-1に転換した札幌の守備陣形は、何試合かでみられた変則的なものを除くと5-2-3と5-4-1の2つがある。基本的には、四方田監督は5-4-1で前に1人しか残さない形をあまり好んでおらず、より攻撃に転じやすい5-2-3が基本陣形と考えられている。

 この時、一番前の「3」は、先述のように相手が3バックならやることは明確で、対面のDFに対して守備を行えばよい。しかし相手が4バックの場合、「人を見る」約束だけで動くと、相手選手が1人余り、そこから侵入を許してしまう。かといって、3人でスライドを続けてピッチの横幅を守り続けることは不可能。
 じゃあ、スライドは無理だから中央を守ればいいのか?というと、チャナティップや都倉はサイドをケアしなくてはならない。それは先に説明したように、四方田監督はWBを極力最終ラインから動かしたくないため。WBの固定化と共に、CBをゴール前から動かさないようにしているので、相手が4バックの時、SBの選手が使うスペースはシャドーの都倉やチャナティップがカバーしないともたない構図になっている。
DFを動かしたくないのはわかるが、前線の制約が多くなる

 こうなると、前線の3枚は中央を守っていればいいのか、サイドを守るべきなのかどっちつかずになってしまい、結果いずれも中途半端に、ただいるだけの守備に陥りがちなのが、4バックのチームを相手にした時の札幌であった。

 下の写真は、川崎はSBを上げてアンカー(エドゥアルド ネット)を落として3バック化しているが、川崎は4バックでもボールを動かせることもあって、川崎の3枚を札幌は捕まえられない。よってとりあえず、前3枚が横並びになって中央付近にポジショニングしているが、
一見中央を固めているように見えるが守り方が決まっていない上、
ジェイのコンディションがまだ上がっていない(第23節川崎戦)


 ネットがボールを運んでも(フットサルで言う、DFとDFを門に見立てて間を狙うプレー)、札幌は誰がネットの侵入を防ぐのか不明瞭になっていて、結果1列目の3枚と2列目の2枚が簡単に中央を割られることになる。4バックのチーム相手だと、このようにただ選手がオリジナルポジションに立っているだけで相手に対して何のプレッシャーも与えられていない状況が頻発するようになっていた(よって筆者は、4バック相手だともう厳しいのでは、という予想をした)。
選手数人がその場にいるだけでノープレッシャー(第23節川崎戦)

7.3 札幌にとっての最適バランス


 シーズンの3/4を経過してまだ残留圏内にいたものの、試合運びを見るとまだまだ信用できない状況が続いた。
 ただ一つ、感じていたのは、人数配置だけを言うと、札幌は「7:3」…攻撃の選手3人に、中盤とDFで計7人という配分が非常に合っているという点。ここ10年ほどで、攻撃専門の選手のポジションはどんどん減っていて、一方でモドリッチやポグバ、カンテ、ビダル、ブスケツetcといった中盤センターで攻撃も守備もできる選手だったり、攻撃の組み立てができるCBやSBの選手の椅子が増えている。こうした大きな流れを意識すると、ほぼ攻撃専任の選手を3人置き、後ろは5枚を最終ラインから極力動かさずに、攻守分業気味に戦う札幌の選択は、時代に逆行しているとも言えるが、札幌は伝統的にそうした戦い方(守備はマンマーク、攻撃は個人技主体)で結果を残してきたチームでもある。
 勿論かつてとは選手も監督も入れ替わっていて、「伝統」には殆ど意味がないとも言えるが、先に例示した川崎戦がチャナティップの奮闘もあってスコアは2-1だったように、「7」のデメリットは思ったほど現れず(布陣変更後、特段失点は増えていない)、一方でチャナティップ、都倉、ヘイスorジェイを同時起用できるメリットは攻撃面で明確に発揮されていた。
 ロジカルに考えると、四方田監督が開幕時に出した結論の通り、「7」では守り切れないので「8」にして、セットプレー等で得点と勝ち点を拾っていくことは現実的で妥当なやり方に思えるが、どれだけ守備がユルユルでも大きくは破綻しないという点では、ロジックでは説明が難しい部分もある戦術変更でもあった。