1.予想スターティングメンバー
予想スターティングメンバー |
1.1 札幌
×(非帯同、欠場確定) | ※特になし |
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×(負傷等で欠場濃厚) | MF駒井(右膝半月板損傷) MFチャナティップ(10/4ガンバ大阪戦試合前に右足肉離れで欠場) |
*(負傷等で出場微妙) | FWアンデルソン ロペス(膝痛で10/13ガンバ大阪戦を欠場) |
IN(夏マーケットでの加入) | DF田中(特別指定選手登録) |
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OUT(夏マーケットでの放出) | DF中村(Honda FCへ育成型期限付き移籍) MF中原(ベガルタ仙台へ完全移籍) MF小野(FC琉球へ完全移籍) |
1週間後のルヴァンカップ決勝に標準を合わせているとみられるチャナティップは欠場が濃厚。情報のないアンデルソン ロペスも、恐らく無理はさせないと考えると、良くてベンチスタートか。ガンバとの3連戦でタフな役割を担った荒野に引き続き期待がかかる。
1.2 セレッソ
×(非帯同、欠場確定) | ※特になし |
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×(負傷等で欠場濃厚) | DF丸橋(10/6鹿島戦での左肋骨骨折等) DF藤本(8/31 J3熊本戦での頭蓋骨骨折等) MF清武(8/28トレーニング中の右ハムストリング筋損傷) FW都倉(4/13札幌戦での右膝前十字靭帯損傷等) |
*(負傷等で出場微妙) | MFレアンドロ デサバト(首痛で10/6鹿島戦を欠場) |
IN(夏マーケットでの加入) | FW鈴木(FC琉球から完全移籍) |
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OUT(夏マーケットでの放出) | DF山下(柏レイソルへ完全移籍) MF福満(水戸ホーリーホックへ期限付き移籍) MF秋山(モンテディオ山形へ期限付き移籍) FW岸本(徳島ヴォルティスへ完全移籍) FW山田(FC琉球へ育成型期限付き移籍) |
前節試合中に負傷した、不動の左SB・丸橋の代役は不透明。信頼が得られていない船木か、左WBでは見たことがあってもSBとしては計算が立ちにくい片山のいずれか。なお3バックの採用は、札幌5トップに対して同数で守れるメリットはあるが、ビルドアップ時に枚数調節が難しくなるデメリットもあるので恐らくないだろう。
2.今期の対戦のおさらい
2019年4月13日(土)明治安田生命J1リーグ第7節 セレッソ大阪vs北海道コンサドーレ札幌 ~真面目さゆえの二正面作戦~3連敗中の札幌はサイドチェンジ、ポジション移動を控えて被カウンターのリスクを小さくする戦い方。守備では4バック気味の配置でセレッソに対し1on1を徹底する。前半は互いに探り合う堅い展開から、後半セレッソの丸橋の攻撃参加もあり膠着状態が崩れる。互いに攻撃の選手を投入し徐々にガードが下がっていく中、CKから進藤の虎の子の1点を守り切った札幌が勝利。
3.戦術面の一言メモ
3.1 札幌
コンセプト | 5トップで攻めて5バックで守る。相手の攻撃機会や攻撃リソースを奪う(守勢に回らせる)。 |
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ボール保持 (自陣) | 1-4-1-5や1-5-0-5の形からサイドのDFが持ち上がってシャドーやトップに縦パスを狙う。 |
ボール保持 (敵陣) | 引いて受けるチャナティップに預けての打開。フィニッシュは右の白井の仕掛けから。 |
ボール非保持 (敵陣) | 「ボールを取り上げたいチーム」との対戦を除いてはハーフウェーライン付近まで撤退。 |
ボール非保持 (自陣) | 1-5-2-3でセットしてマンマーク基調で守る。最終ラインはなるべくスライドせず5枚を残しておく。 |
ネガティブ トランジション | 前線の3選手はなるべく下がらず即時奪回に切り替え。後ろはすぐに戻って人を捕まえる。 |
ポジティブ トランジション | 自陣で奪った時はトップ(ジェイ、アンデルソン ロペス)、シャドーのチャナティップを探して預けて速攻を狙う。 |
セットプレー攻撃 | キッカーはほぼ全て福森に全権委任。ファーサイドのターゲット狙いが多い。ゴールキックはなるべくCBにサーブしてからポジショナルなビルドアップを狙う。 |
セットプレー守備 | コーナーキックではマンマーク基調。 |
その他memo | 同数で守る3バック相手なら対人に強い1トップ2シャドーがターゲットで質的優位を活かす。ギャップのできやすい4バック相手ならWBへのサイドチェンジを狙う傾向が強い。 |
3.2 セレッソ
コンセプト | コンパクトにゴール前を守りながらゲームをコントロール。 |
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ボール保持 (自陣) | 最終ラインは相手の1列目+1人の枚数を確保。基本的にはサイドから相手の1列目を越えて中盤センターがサポート。 |
ボール保持 (敵陣) | 中央にスペースがあれば早く攻める。なければコーナーフラッグ付近を占有(2トップが頻繁に流れる)からのクロスボール。 |
ボール非保持 (敵陣) | 基本的には自陣にリトリート。 |
ボール非保持 (自陣) | 中央を切ってサイドに誘導。攻撃サイドを決めさせてからタッチライン際にゾーナルに追い込む。 |
ネガティブ トランジション | 基本的には撤退だが、中盤センター2人は即時奪回/撤退の判断を個人で任されており、中央で即時奪回を狙う場合も。 |
ポジティブ トランジション | 作り直すことが多い。 |
セットプレー攻撃 | キッカーは丸橋、ソウザ。ターゲットはヨニッチが多い。 |
セットプレー守備 | CKではゾーン基調の守備。 |
その他memo | キム ジンヒョンはあまりビルドアップに関与しない。 |
4.想定される試合展開とポイント
4.1 ロティーナセレッソの選択
サッカーという競技の特性(常に認知と判断を要求され、身体的負荷を伴いながら、足でボールを扱う)上、不確実性やそれが連続したカオスな局面はつきものだ。このことを踏まえ、チーム戦略的には「カオスな状態を利用して試合に勝とうとするチーム」、「カオスをコントロールすることで試合の主導権を握ろうとするチーム」、の2パターンがあるとする考え方もみられる。
この考え方に基づくととセレッソは後者だ。歴代の、複数の元日本代表監督が「日本は攻撃的なサッカーが好きみたい」と語っているインタビューを見るが、例えばボールを持っていてスペースがある時に、プレースピードを上げ、前進していく選択をすることは、ゴールやその手前のプレーに直結する期待値を高める。しかし、攻撃が失敗した後はシチュエーションが逆転する。(かつての)Jリーグで多いのは、この攻撃失敗後のシチュエーションをあまり意識していないかのような、攻撃的な(点が入りやすい)サッカー。
この点、セレッソは「攻めているときに誰がどこで予防的なポジションを取っておく」という対処に加え、そもそもあまりゲームの展開スピードを上げないように振舞い、個々のプレーを選択することで、カオスを避け、確実性のあるゲーム運びを意識しているように思える(その分、好きなタイミングで攻撃できないので、特に日本で育った前線の選手では「このサッカー好き/嫌い」はあるだろう)。
なお前者の例としては、2016年の四方田札幌は意図的にカオスを利用した攻撃を繰り出していた。前線に内村、ジュリーニョ、そして都倉を残しておき、前残りの3人を中心にした速攻を試合中何度か繰り出せばJ2ではそれなりの得点期待値が担保できる。
それによって落ち着かないゲーム展開になるデメリットは、シュートブロックの達人・増川隆洋を中心に配した5バックとGKク ソンユンがいれば相殺してメリットが上回ると考えたのだろう(が、GKのビッグセーブに頼るのは、確実性の観点でいうと通年では計算できない)。
その四方田前監督から引き継いだミシャチームも、どちらかというとカオスを利用することで試合を制そう(少なくとも、得点を奪うためには必要)としているように見える。
基本的にセレッソはリスクのある選択はとらない。先にリスクを冒すのは札幌になりそうだ。準備ができ、計算の立っている状況でのリスクを冒すプレーは脅威になる。
札幌のボール保持時、セレッソは中央密集でブロックを組んでから、
この考え方に基づくととセレッソは後者だ。歴代の、複数の元日本代表監督が「日本は攻撃的なサッカーが好きみたい」と語っているインタビューを見るが、例えばボールを持っていてスペースがある時に、プレースピードを上げ、前進していく選択をすることは、ゴールやその手前のプレーに直結する期待値を高める。しかし、攻撃が失敗した後はシチュエーションが逆転する。(かつての)Jリーグで多いのは、この攻撃失敗後のシチュエーションをあまり意識していないかのような、攻撃的な(点が入りやすい)サッカー。
この点、セレッソは「攻めているときに誰がどこで予防的なポジションを取っておく」という対処に加え、そもそもあまりゲームの展開スピードを上げないように振舞い、個々のプレーを選択することで、カオスを避け、確実性のあるゲーム運びを意識しているように思える(その分、好きなタイミングで攻撃できないので、特に日本で育った前線の選手では「このサッカー好き/嫌い」はあるだろう)。
なお前者の例としては、2016年の四方田札幌は意図的にカオスを利用した攻撃を繰り出していた。前線に内村、ジュリーニョ、そして都倉を残しておき、前残りの3人を中心にした速攻を試合中何度か繰り出せばJ2ではそれなりの得点期待値が担保できる。
それによって落ち着かないゲーム展開になるデメリットは、シュートブロックの達人・増川隆洋を中心に配した5バックとGKク ソンユンがいれば相殺してメリットが上回ると考えたのだろう(が、GKのビッグセーブに頼るのは、確実性の観点でいうと通年では計算できない)。
その四方田前監督から引き継いだミシャチームも、どちらかというとカオスを利用することで試合を制そう(少なくとも、得点を奪うためには必要)としているように見える。
4.2 捕まる前に
基本的にセレッソはリスクのある選択はとらない。先にリスクを冒すのは札幌になりそうだ。準備ができ、計算の立っている状況でのリスクを冒すプレーは脅威になる。
札幌のボール保持時、セレッソは中央密集でブロックを組んでから、
サイドに誘導し、ポゼッションの終着点になりやすい、サイドの高い位置に張っている選手(札幌の菅や白井)に渡るとタッチライン付近に圧縮して押し込んでくる。
サイドで捕まると札幌は打開が難しくなる。そこで、完全に捕まってしまう前にオープンなエリアに展開して相手の計算を崩したい。となると、菅と福森のユニットを擁する左サイドがキーになる。2019シーズンの菅は、自分で好きなタイミングで仕掛けるのではなく、福森先輩をフリーにすることをファーストチョイスとして動いている。福森から右に張る白井へのラインが繋がればセレッソの計算は崩れる。進藤→菅のラインでもいいが、まずは福森の活用を考えるはず。福森のキックのフィッティングは勝敗を分ける焦点になりそうだ。
サイドに誘導して捕捉vsサイドチェンジで回避 |
福森をケアするなら、セレッソは守備の開始位置を高くする必要がある。水沼が前に出てカバーするとなると、その背後をシャドーが狙いたいところ。チャナティップがいれば、この二段構えの仕組みは強力だが、荒野がガンバ3連戦とは異なる役割でどこまでやれるかもポイントだ。ルーカスもこのポジションの候補になるだろう。
4.3 セレッソのボール保持時
セレッソのビルドアップは、必ず相手とのミスマッチを利用した試みにより行われる。札幌相手では、札幌は1列目に3枚並べる[1-5-2-3]なので、セレッソは最終ライン4枚が横に広がり、より監視の薄い両SBの位置から札幌の1列目突破(→前3枚が無効化され他状態でボールを動かし、札幌のブロックのスペースをつく)を狙ってくるだろう。
左右どちらでいうと、丸橋の代役の船木のサイドを使う想定で考える。なお枚数を調整するときは、松田のサイドを下げて3バック化していることが多い。この点でも、丸橋のポジション(船木想定)はタッチライン付近での振る舞いがより求められる。
札幌は1列目3枚とすると、サイドに張る船木を武蔵が常に捕まえておくことは難しいので、セレッソは問題なく札幌の1列目を突破できるはず。
札幌の1列目突破は容易だろう |
札幌は船木に対してWBの白井が前に出てくる。このシチュエーションで、セレッソは3通りの選択肢を作るパターンになっている。1つはコーナーフラッグ付近に2列目(柿谷)かFWを走らせる。フットサルでいうところの角取りに近い考え方で、ここを占有してから中央にFWと反対サイドの選手を飛び込ませてのクロスボールで攻撃。
2つ目は船木の隣のレーンの柿谷を使う。柿谷と水沼は、大外の1つ内側のレーン(ハーフスペース)で常に待っている状態になりそうだ。ここにいれば、宮澤と深井の脇、かつ福森と進藤の前方という、浮きやすいポジションでボールを受けられる。
3つ目は中盤センターの選手を経由した反対サイドへの展開。4バックなら、基本的にはSBが大外で余っている。
セレッソの3つのパターン |
札幌としては3つ目の展開が最も、短期的な脅威からは逃れられる。[1-5-2-3]で守備をセットするなら、後ろは7枚で守って、奪った後で武蔵とジェイに当て、武蔵のサイドから船木の背後を強襲したいところ。
4.4 札幌の対応は?
ボール保持時に、ミスマッチをうまく使うのはセレッソのほうがうまそうだ。これに対し、札幌が特別な対策をしてくるなら、2通りが考えられる。
1つは、シャドーをあらかじめ低い位置に置く[1-5-4-1]で守ること。武蔵は船木にずっとついていく。仙台でのアウェイゲームと同じやり方になるが、仙台は攻撃的な両WBが高いポジションをとるので、札幌の両シャドー、武蔵とロペスは押し込まれてしまった。そしてトップのジェイは、屈強なシマオ マテに封殺され起点になれず、「シャドーが低い位置にいる」のデメリットばかり強調されてしまった。
セレッソ相手に同じことをするなら、トップで孤立状態になるジェイがヨニッチに勝てるかどうか。サイドでは、セレッソのSBが必要以上に高い位置をとるシチュエーションは、ロティーナとしてはあまり歓迎していないだろう。1度、2度でいいので、武蔵や荒野が背後をとって仕留められれば収支は十分プラスだ。
2つ目は札幌が4バックにすること。長居でのアウェイゲームでも、札幌は4バック気味の守り方だったが、これをもっと顕著な形にするのはありうる。この辺りは、ミシャがロティーナセレッソをどこまで評価しているか(マリノスは非常に高く評価しているので、マリノス相手では毎回ミシャ式を捨てている)にもよる。
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