1.予想スターティングメンバー
予想スターティングメンバー |
- 名古屋は負傷離脱していた米本に復帰報道があり、阿部も全体練習に合流しているとのことです。ただ、ここ数試合の好調を支えるメンバーを信頼して送り込んでくるのではないでしょうか。
- 札幌は前節メンバー外のジェイは問題ないとの情報。こちらもスタメンを入れ替えるほどの影響はないと予想します。
2.名古屋グランパスに対する印象
- 2月の仙台との開幕戦ではトップに前田、その下に阿部、右にマテウス、左に相馬と3人のドリブラーをスタメン起用し、かつその3人が頻繁にポジションを入れ替える変則的なシステムでした。私は3人を「ドリブル3」と呼んでいましたが、トップに常にジョーを鎮座させていた(まだこの時は退団前)前年までとは大幅なモデルチェンジをしていて驚いたことを覚えています。
- その後、鳥栖から金崎が期限付き移籍で加入し、現在はトップに定着。ドリブル3は1人減りましたが、敵陣での崩しの段階はある程度、彼らに自由と裁量を与える代わりに、その個々のファンタージーア(創造性や創造的なプレー)を引き出そうとの意図が見受けられます。
- 勘のいい人なら「自由と裁量」と聞いて、ん?となるかもしれません。サッカーにおいて自由は無秩序と鉢合わせで、例えば、それこそ本当の意味で自由なアクションやポジショニングをしようものなら、味方は誰かがその背後をカバーリングしたりしないといけないし、よく「連動した攻撃が~守備が~」と言いますが、連動性も相互理解から生じます。本当の意味で「何をするかわからない人」とは感性が一致しない限りハーモニーを奏でることはできません。
- フィッカデンティ監督が優れているのはこのあたりのバランス担保とマネジメントで、名古屋は必ずサイドから仕掛けることで前線の渋滞を防ぎ、またトランジションの際の影響を限定的にしています。敵陣サイドでならボールを失っても、自陣に戻るための時間を稼げる。名古屋の攻撃は中央はほぼサイドを使うための交通整理の機能しかなく、またこれは従前からですがGKやDFがリスクを冒してボールを保持しようともしない。出しどころがない場合はシンプルに放り込んでリセットします。
- 非保持は基本は8枚でゾーナルにスペースを守ります。泣きどころとなる大外は対人に滅法強い吉田、右は19歳の成瀬ですが、川崎の三笘を封殺するなど急成長を見せています。大外は彼らに任せてストップしているうちに中盤が戻って8枚でブロックを作る。中央を守る目的から丁寧に逆算された守備を展開し、リーグ最少失点を誇ります。極端なマンマークに偏っていないため選手間の距離が均等で、相手が突っ込んできた時に収縮してスペースを消しやすい。↓の画像はまさにこの特徴を示しています。
これがリーグ最少失点
— コズメティック・コスコス (@nagoya_soul) August 23, 2020
名古屋の鉄壁守備#grampus pic.twitter.com/lckeITG7N1
3.試合展開の予想
- 昨年11月の対戦では札幌がセットプレーから先制し、名古屋に退場者が出て札幌の快勝に終わりました。ただ、この時はフィッカデンティ監督の就任から間もないこともあり、名古屋は今よりもマンマーク基調のチームだったと記憶しています。札幌はルーカスが勝てないと難しいかなと思います。
- いずれにせよ、名古屋としてはそんなにボールを持ちたいとは思っていない。特に、札幌のピッチ上に”9番”がいないならなおさらです。札幌のストロングポイントである右のルーカスを封じ、手詰まりにさせてからのカウンターを狙うと予想します。
- 札幌は徐々にマークが厳しくなる(当然ですよね)ルーカスのサイドの出来がカギを握ります。しかし吉田相手だと、ルーカスも苦戦が予想されます。昨年の豊田でのゲームでは、ほぼ吉田の圧勝でルーカスは全く存在感がありませんでした。
- そのため吉田相手に単独突破というよりも、ここ数試合はチーム全体の機能不全の割を食って単なるバランサーになってしまっている駒井のサポート、そしてルーカスにどうやってボールを渡すかが重要になります。後者は福森が本調子を取り戻してこれば、解決策の一つになりますが、この選手の出来不出来に加えて、あまりに今の札幌は右一辺倒なので選択が読まれやすいことも、本来は何らか解決が求められます。
吉田相手にはルーカスも苦戦が予想される |
- ボール非保持に関しては、札幌は敵陣ゴール近くでボールを奪いたい、としています。ただ名古屋はセーフティな選択が多く、金崎に当ててくる展開が予想されます。金崎とのマッチアップを考えると、CB中央は宮澤ではなく田中がいいでしょう。
- とはいえ全て金崎に当てる選択では意図する形が起こりにくいので、シミッチがいれば下がったところからサイドに展開、↓のようにマテウスか前田がサイドのスペースで勝負できるパスを狙ってくるはずです。
- ここ数試合4バックのチームとの対戦が多く、各チームともサイドに強力な選手を配しています。対名古屋として考えても、マテウスや前田に渡ってから勝負するよりも、その前の供給先を断ちたい(というか高い位置から守備をしているなら本来はそうあるべき)ところです。ただ、ルーカスにあまり負担をかけられないとするなら、荒野&宮澤とシミッチ&稲垣のマッチアップが重要そうに思えます。
サイドに渡ってから対処では分が悪い |
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