2020年8月25日火曜日

プレビュー:2020年8月26日(水)明治安田生命J1リーグ第29節 横浜F・マリノスvs北海道コンサドーレ札幌 ~勇敢か無謀か~

1.予想スターティングメンバー 

予想スターティングメンバー
  • 畠中、天野、エジガル ジュニオは負傷中らしいです。また、大体3試合を目途にターンオーバーを敷いていますが、夏のマーケットで加入し早速キープレイヤーになっているジュニオール サントス、前田はスタメンで使ってくるのではないでしょうか。
  • 新型コロナウイルスの影響によって鳥栖戦がキャンセルとなり、1週間の休養を得た札幌は、ここ数試合の傾向からすると負傷者がいない限りはこのメンバーでしょうか。

2.横浜F・マリノスに対する印象

  • 遠藤渓太がウニオン・ベルリンに移籍した前線には、前田大然とジュニオール サントスという異なるタイプの選手を充てています。オフのマテウスの移籍(名古屋グランパスへレンタルバック)も含めると、ボールを足元で受けてから打開するタイプのドリブラーを2人減らし、スペースへの飛び出しで勝負するタイプのアタッカーが2人増えたことになります。
  • 特殊なシーズンであり、リーグ外からの選手補強のハードルが高くなっていることは割り引いて考えたうえで、この2人が早速スタメンで起用されていることから考えると、ポステコグルー監督としては後方のGK+DF+MFによるビルドアップで前線にスペースを作り、前線のアタッカーは、シンプルにゴールに突っ込むことを第一のタスクとするのではないかと考えられます。つまり、後方は今まで以上にリスクを負ってボールを保持しながらプレーすることになります。
  • 以前も書きましたがマテウスの欠如がマリノスにとっては大きいです。エリキはフィニッシュは一級品ですが、ウインガーではなくゴール前で脅威になる選手なので、膠着状況を打破する働きはできません。遠藤もどちらかというと、大外よりも内側に入って右足でボールを扱うタイプなので、敵陣でスペースを消された時の対応は課題となっていますが、前田とジュニオール サントスの加入は、敵陣に入る前に形を作ってしまおう、という意図が見受けられます。

3.試合展開の予想

  • マンマークで穴にならない選手をフィールドに10人並べたらどうなるか、という机上論を実現した、前回の対戦から1ヶ月が経ちました。札幌は前線で起用された荒野が、徐々に攻撃の中心選手になりつつありますが、まず裏にスペースがないと途端にゴール前の迫力がなくなるという問題に直面しています。
  • 前回と違い、マリノスにはDF背後のスペースをカバーできるスピードのある、チアゴ マルチンスとパク イルギュが復帰しています。ラインを下げる選択をとらない相手に対し、札幌は今回も裏狙いを徹底することが予想されますが、ベストメンバーのマリノス相手には裏取りからのゴールはそんなに期待できないでしょう。なので、今回も後半からジェイのようなFWタイプの選手を入れて、戦い方を変えてくることが現実的なように思えます。
  • マリノスは前線の速い選手の優位性を活かしたい。札幌のDFとしては、どの位置のマッチアップでもマリノスのスピードは脅威ですが、やはり福森vs仲川は明らかに危険です。1ヶ月前はいなかった主力選手(パク イルギュ、チアゴ マルチンス、マルコス ジュニオール、仲川)のうちこのポジションが最もクリティカルで、札幌が仮に何度か裏取りに成功しても、仲川を止められないと決壊、は容易に想像できます。
同数守備だとマリノスのFWの前には広大なスペースができるはず

  • しかしコンサラボの取材メモを見ると、ミシャは今回も仲川やジュニオール サントス、前田が爆走するスペースを消して守るという考えはなさそうです。当ブログでもよく「オープンな展開」との表現を使いますが、平易に言えば「ゴール前まであまり障壁なくボールを運び互いにシュートを撃ちあう展開」ぐらいに捉えていただいて問題ないと思います。この展開になると、純粋にFWやGKの能力でゲームが決まってしまいやすいので、普通は”弱者”はオープンな展開は避けるのですが(弱者でなくとも、撃ち合いはゲームのコントロールがしづらいので90分の戦いでは避けたいところです)、ミシャはそのような考えはしない。

  • 何故そんな不利な展開を自ら選ぶのかと言うと、それがミシャの考えるエンターテイメント性のあるゲームだから。後は、結局ゴールを奪うという観点では、スペースのあるオープンな展開の方が容易だから、といったところだと思います。
  • ただ、オープンオープンと言いつつ実際にはゲームをスローダウンさせる時間帯を作っているのが実態で、人間は真夏の横浜で90分間走り続けることができないため、今回もこのスローダウンした展開で守り切れるか、そしてやり過ごせるかは試合を左右します。
  • マリノスではティーラトンがキーマンになります。前回と同様のマッチアップなら、ルーカスはマリノスの左SB(ティーラトンか高野)をマーク。ティーラトンが高い位置取りをするか、もしくは積極的に中央に入ってプレーすることで、ティーラトン番のルーカスは本来取りたいポジション(右ウイング、高めのポジション)から乖離します。7月の対戦では、ティーラトンがあまり高い位置を取らなかったことで、ルーカスと駒井による右サイドアタックから多くのチャンスを作りました。
  • 今回は、ルーカスに展開できる福森の起用が予想されます。マリノスとしては、福森をスピードで揺さぶりつつルーカスを押し込みたい。札幌はやり過ごした上で、彼らのクオリティが炸裂するのを待ちたいところです。
ティーラトンの位置取りにルーカスは左右される

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