2019年9月13日金曜日

プレビュー:2019年9月14日(土)明治安田生命J1リーグ第26節 北海道コンサドーレ札幌vsベガルタ仙台 ~Never look back.~

1.予想スターティングメンバ―

予想スターティングメンバー

1.1 札幌

×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)MF駒井(右膝半月板損傷)
*(負傷等で出場微妙)DF進藤(9/8ルヴァンカップ広島戦での右足首痛)
DF石川(負傷?)

IN(夏マーケットでの加入)DF田中(特別指定選手登録)
OUT(夏マーケットでの放出)DF中村(Honda FCへ育成型期限付き移籍)
MF中原(ベガルタ仙台へ完全移籍)
MF小野(FC琉球へ完全移籍)

 リーグ戦2シーズン連続のフルタイム出場を継続中の進藤。負傷の程度によっては強行出場しそうだが、欠場した場合の代役は重要だ。北海道出身の選手を優先的に起用したいとするミシャが最終ラインに起用するのは宮澤か、早坂か。この点を考慮しなければ、ルヴァンカップの2nd legでは春先に露呈した対人守備の不安を拭い去ることができなかった宮澤ではなく早坂が起用されるべきなのだが。なお、本来「4人目のDF」である石川はルヴァンカップでメンバー入りしておらず何らか負傷を抱えているのかもしれない。
 そのほか、代表組のコンディションも気になるところだ。
 前線はアンデルソン ロペスのスタメン起用を予想する。理由は①ルヴァンカップでのパフォーマンスを見る限り好調を維持していること、②前回仙台には敗れているため、可能な範囲で変化を加えることは大いに考えられること、③仙台相手には前線守備をしっかり起動できる状態にしたいため、ジェイの先発起用は難しいこと、だ。

1.2 仙台

×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)※特になし
*(負傷等で出場微妙)MF関口

IN(夏マーケットでの加入)GK ヤクブ スウォビィク(シロンスク・ヴロツワフ(ポーランド)より完全移籍)
MF中原(北海道コンサドーレ札幌より完全移籍)
MFジオゴ アコスタ(ディバ・アル・フジャイラ(UAE)より完全移籍)
OUT(夏マーケットでの放出)GKシュミット ダニエル(シント=トロイデンVVへ完全移籍)

 左頬骨弓骨折により離脱していた関口は9/11より全体練習に合流。離脱直前は11試合連続でスタメン起用されており、ジャーメインの起用が予想される左サイドにおいて本来はファーストチョイス。いきなりの実戦復帰は考えにくく、前節と同じ11人が起用されそうだ。
 前回対戦時と比較すると、GKがシュミット⇒通称クバことスウォビィク。左サイドが関口⇒ジャーメイン、中盤に椎橋⇒富田が復帰で、他はほぼ同じメンバーか。

2.今季の対戦のおさらい

プレビュー

2019年6月30日(日)明治安田生命J1リーグ第17節 ベガルタ仙台vs北海道コンサドーレ札幌 ~絵に描いたマタドール~

 札幌はチャナティップ、宮澤が欠場。武蔵とアンロペがシャドーに並ぶ初めての布陣。 
 札幌はまず前線守備で困難を抱える。1-3-4-2-1と1-4-4-2で左右中央、互いのFWと最終ラインも枚数が合わないミスマッチ。初めにこれを仙台が活用してSBが大きく開いてからオーバーラップすると、マンマークの札幌は両シャドーが最終ライン近くまで吸収され、2シャドーが狙いたいオープンスペースへの突撃が難しくなる。
 札幌をの両足を磔にした仙台はセットプレーからシマオ マテのヘッドで先制。スコアが動いた後は徐々に札幌がボールを握り出すが、チャナティップ不在、福森は道渕の監視を受けているためサイドチェンジが不発で横幅を使えない。それでもルーカスの右クロスを武蔵が空中戦で競り勝って落としてのアンロペ、というマッチョなスタイルのゴールで前半を1-1で折り返す。
 後半も札幌がボールを保持するが、ビルドアップのミスを拾われてからの関口のミドルシュートで仙台が勝ち越し。その後は4-4ブロックでゴール前を固める仙台を崩せず1-2で仙台が勝利した。



3.戦術面の一言メモ

3.1 札幌

青字が前節との更新・変更点。(今回は特に変えていない)
コンセプトより多くの人数による攻撃を突きつけ、相手の攻撃機会や攻撃リソースを奪う(守勢に回らせる)。
ボール保持(自陣)DFが自由なら福森からの展開。難しければジェイへのロングフィード。ゴールキックは相手がハイプレスの構えを取らなければCBにサーブする。
ボール保持(敵陣)サイドアタック主体。押し込んでから仕掛けるのは右の白井。菅は極力シンプルにクロス供給に専念か、相手SBを押し込んで福森をフリーにする役割。白井は得意なタイミングで仕掛けるが、左はより役割が決まっている。福森はファーサイド狙いを徹底する。
ボール非保持(敵陣)ジェイ出場時はジェイをセンターサークル付近に置いてリトリート。ジェイ不出場時は、相手がボール保持が得意なチームならハイプレス。ハイプレス時、リトリート時ともにマンマーク基調の守備を展開する。特に相手のCBと中盤センターに同数で守備できるよう、前線の枚数を調整することが多い。時間帯にもよるが、先制したらリトリートの傾向が強くなる。
ボール非保持(自陣)基本は1-5-2-3で、前3枚はポジティブトランジション用に残しておく。ゴール前からCBを動かさないことを重視。なるべくマンマーク関係を維持する。
ネガティブトランジション中盤2枚や前目に位置するDFは即時奪回を目指す。ビルドアップが成功するとともにポジションと役割がCBからセントラルMFのそれになる。但しトップ(ジェイ)のネガトラがあまり有効ではないこともあり、あくまでMF2人の個人での対処になりがち。
攻撃時に予防的に残っているCBは2枚、時に1枚で相手のFWと同数。裏はGKク ソンユンの極端な前進守備で何とかさせようとの考えがここ数試合は強くなっている。
ポジティブトランジションシャドーが裏に飛び出しての速攻がファーストチョイス。
先制したらリトリートからの速攻狙いに切り替える。
セットプレー攻撃キッカーはほぼ全て福森に全権委任だが、ルーカスもたまに蹴る。ファーサイドで、シンプルに高さを活かすことが多い。ゴールキックはなるべくCBにサーブしてからポジショナルなビルドアップを狙う。
セットプレー守備コーナーキックではマンマーク基調。
その他メモ5バックの相手に対してはCBの攻撃参加(福森サイド)で基準をずらす。

3.2 仙台

 追加分析対象は第22節(vsFC東京)、第24節(vs湘南)、第25節(vs鳥栖)。
コンセプトトランジションの攻防を制し、決定機につなげる。
ボール保持(自陣)配置は1-4-2-2-2。前線のターゲットへのロングボールで前進し、中央に密集するMFがセカンドボール回収。
ボール保持(敵陣)中央の松下の縦パス、または右サイドからの展開が主体。
中央は長沢がピン止めして2列目MFが飛び出す。
石原がサイドに流れてスペーシング
大外は基本的にSBの滑走路だが、蜂須賀のパスから右SHがSB-CBチャネル侵入の形も。
ボール非保持(敵陣)1-4-4-2のミドルブロックでセット。試合序盤は撤退守備が多い。
両SHは2トップ脇よりもSBの外側をカバーする意識が強い。
試合後半は人を捕まえるハイプレスも見せるが、全般に人意識の傾向が強く、守備開始位置が高いとオープンな展開になりがち。
ボール非保持(自陣)ゴール前では両SHも戻って人を捕まえる。
ネガティブトランジション即時奪回の意識が強い。1-4-2-2-2で攻撃し、前線に人数をかける(予防的ポジションはCB2人しか用意されない)ためか、中央エリアでプレスバックでの対応が多い。
セントラルMFはボール喪失後すぐに押し上げる。CBも押し上げ、相手FWへの楔のパスを潰す。
ポジティブトランジションFWに当てるかスペースに蹴って陣地回復を狙う。
セットプレー攻撃キッカーは左足は永戸。CKは左右とも永戸から。
セットプレー守備CKではほぼ純粋なゾーン守備。GKの前に1人(松下)、ゴールエリア付近に5+3人で2列を組む。
その他メモフィニッシュは崩しきるよりも、相手守備が整わないうちに時間ボーナスを使った攻略を狙う。

4.想定されるゲームプラン

4.1 札幌のゲームプラン


 前回対戦と同じ轍は踏みたくない。ミスマッチができることについて、守備面の不安よりも攻撃面のメリットに着目した戦い方になるはずだ。両シャドーを下げないために、マッチアップが噛み合わないながらも前線からプレスをかけ、序盤から試合を動かしていく展開を自ら主導するだろう。

4.2 仙台のゲームプラン


 ここ数試合はオープンな試合展開が目立つが、札幌相手には恐らく前半戦の対戦で奏功した策(ミスマッチを使ってボールを保持し札幌の両WBを押し込む)を頭に入れて戦ってくるだろう。但し、風の強い厚別でその思惑通りになるか、ボール保持が前提のプランが成立するかは不透明だ。

5.想定される試合展開とポイント

5.1 サイドのかみ合わせの考え方


 記事中に何度か「前回対戦…」と書いているが、要点は、仙台のSBが高いポジションを取った時に札幌はシャドーを下げるのではなく、WBをあて、両シャドーがなるべく前にいる状態でプレーすることができるか、がポイントだ。
 前回対戦時は、シャドーがSBを常に見る約束事になっていたため、仙台のSBが攻撃参加すると、
(前回6/30対戦時)ジェイ起用の札幌は1-5-4-1でセットするので仙台はSBが容易に攻撃参加

 札幌はシャドーの武蔵やアンロペがかなり低い位置まで下がって守ることになってしまった。こうなると1トップのジェイへのサポートが薄くなり(前に強いシマオ マテと対峙するので、サポートは不可欠だ)、また攻撃参加してくる仙台のSBの背後を使いにくくなる。武蔵のシャドー起用は、カウンターで背後のスペースを素早く突きたい、とする意図もあるにも関わらず、だ。
(前回6/30対戦時)マーク関係が固定的な札幌はSBの攻撃参加に武蔵とアンロペが引っ張られる

 この状況を避けるべく、札幌はまず仙台のSBが簡単に攻撃参加できないよう、かつ札幌のシャドーに守備をさせないよう、WBの選手を当てる設計としたい。

 ここ数試合を見ていても、仙台はこれ(SBをマークする選手が明確になる)だけで組み立てが難しくなる傾向にある。
 ビルドアップを対策された時の対処法として、①枚数を調整する、②枚数は変えずに配置を調整する、等がある。
 ①は例えば、シマオと平岡2枚の間に富田を落とす。あるいは永戸か蜂須賀をシマオか平岡の隣に置く。枚数が増えると、単純にマークしなくてはならない選手が増えるので相手の負担が増す、もしくはカバーできないので相手も選手を増やす必要がある。また選手間の距離が近くなり、ボールの循環がしやすくなる、等の変化がある。
 ②は4バックよりも3バックの状態がイメージしやすいが、3枚を左右均等ではなく右に寄せる、左に寄せる等して配すると、イレギュラーな配置の選手への対応が必要になる。
仙台のSBには札幌のWBを当てて簡単に前に出てこれないようにしたい。

 仙台はそうした変化をしない。上記の図の1-4-2-2-2という配置は殆ど不変だ。それは何故なら、ボールを持った時に最終的に展開したいプレーのパターンが非常に決まっているからだ。配置をいじるとその役割を遂行できなくなる。
 札幌はWB(図では菅)を前に出すと、その背後をどう守るのか、という問題が通常は生じる。しかし、仙台相手だと、菅が前に出てきたとして、例えば道渕がその背後を突くことはあまり想定されない。道渕は本来の仕事に集中していると予想される。だから、菅は背後を気にせず前に出ていいはずだ。札幌はこのあたりの仙台の傾向が読めていて、どこを捨てて、どこをケアすべきかが明確になっているかがポイントになるだろう。

5.2 仙台のプレー優先度


 仙台は相手がどこであろうと、やりたいこと…プレーの優先度が決まっている。
 図示すると以下。一言でいうと、前回の札幌戦が前線のターゲット(長沢)にボールを当てて、中央に枚数確保した選手が速い一次攻撃を狙う。前回の札幌戦が特殊だったのかもしれないが、ボール保持には基本的に拘りがない人たち、と分類していいだろう。
仙台の[1-4-2-2-2]の攻撃の設計

 中央には常に4人(FW2人、MF2人)が張り付いている。サイドはSBのために空けてある。2017年の開幕戦で、石井謙伍が守る札幌右サイドを切り裂いた左の永戸はともかく、右の蜂須賀はあまり単独突破は見せない。しかし蜂須賀は高精度の高速クロスを持っており、永戸と蜂須賀からそれぞれ直近2試合の得点が1点ずつ生まれている。蜂須賀は単独突破しなくてもいいタイミング…つまり相手選手が中央に寄り、サイドが手薄になったタイミングでオーバーラップし、フリーのままクロスに移行するプレーが多い。

 ターゲットに当てたり、ターゲットの落としを中央に集めた周囲の選手がキープすることが不発に終わるとトランジションが生じる。ジェイ ボスロイド様のような最強クラスのターゲットがいない限り、マイボールの多くを前線のFWに当てるサッカーは、ボールキープの時間が減少し、相手に主導権を渡してしまうリスクもはらむ。仙台が躊躇なくトップにボールを当てるのは、セントラルMFの2人…松下と富田がゲーゲンプレスで即時奪回する設計になっているためだ。この2人の意識は常に前。最終ラインは基本的に2枚で守っている。
 この形の選手配置は、札幌のような[1-5-2-3]で守るチームに対して、中盤の[2](宮澤と荒野)の脇のスペースを地上戦で狙ってくることが多い。しかし道渕やジャーメインはこのポジションにステイするよりも、まるで4トップかのように前線に張っていることもある。そもそも中盤でボールを受けさせたいなら、ジャーメインをここで起用する選択肢は優先度がもっと低くなるだろう。

 こうした構造が、チャナティップの復帰した札幌相手にも通用するかがポイントだ。札幌相手に同じようにSBが積極的に攻撃参加を仕掛けたチームがあった。清水エスパルスという。特にビハインドの展開からだったが、SBの背後はシャドーが高いポジションに残る札幌にとって格好の狙いどころになった。アンデルソン ロペスの一生に一度のカルナヴァルもあったが、最終ラインに2枚しかおらず、サイドのスペースが大きく空く状況は明らかにリスキーだった。
仙台の中央密集攻撃を防げれば前に残しておいた3人のカウンターが脅威になる

 仙台も状況は似ている。特に、清水以上に中盤2人の意識は前がかかりだ。チャナティップはたとえスタートポジションが低くても、ターンで前を向いてカウンターのスイッチを入れられる。仙台には必ず問題を突きつけることになるだろう。

5.3 札幌最終ラインの準備状況


 札幌の選手起用について。「5.1」「5.2」で見たように、仙台の放り込みに対処できるキム ミンテを中央で起用したい。特に、WBを前に出して最終ラインをスライドさせる守り方なら、機動力に難がある宮澤が中央では、なおさらきつそうだ。
 札幌は最終ラインをどれだけ信用できるか。後ろで最低限の人数で跳ね返せる、対処できると踏んで、前に選手を多く残しておけば必ずその”収支”はプラスになる。前回あまり発動しなかった札幌のカウンターが出てくると、仙台は自陣に撤退するだろう。その後は、得意の5トップ横幅攻を、リスクをケアしつつ発動させる戦い方になるはずだ。

用語集・この記事上での用語定義


1列目守備側のチームのうち一番前で守っている選手の列。4-4-2なら2トップの2人の選手。一般にどのフォーメーションも3列(ライン)で守備陣形を作る。MFは2列目、DFは3列目と言う。その中間に人を配する場合は1.5列目、とも言われることがある。ただ配置によっては、MFのうち前目の選手が2列目で、後ろの選手が3列目、DFが4列目と言う場合もある(「1列目」が示す選手は基本的に揺らぎがない)。攻撃時も「2列目からの攻撃参加」等とよく言われるが、攻撃はラインを作るポジショングよりも、ラインを作って守る守備側に対しスペースを作るためのポジショニングや動きが推奨されるので、実際に列を作った上での「2列目」と言っているわけではなく慣用的な表現である。
ゲーゲンプレスGegenpressing. ゲーゲン=ドイツ語で「強い」と訳されていたが直訳すると英語のversus等に近いらしい。
ボールを持っているチームがボールを失って相手ボールになった後、間髪入れずにプレスを仕掛けてボールを取り返す戦術。一度相手ボールにすることで、相手は攻撃に切り替えるので守備が手薄になる。敵陣ゴール前で行うと威力が増す。クロップ監督のドルトムントによって一気に世界へ広まった。
サリータ・ラボルピアーナセンターバック2人の間にセントラルMFの選手が降り、計3人で3バックの配置にしてからビルドアップを行うこと。相手が2トップで守備をする時に3人で数的優位かつ、幅をとることで相手2トップがカバーしきれないポジションからボールを運べるようにする。最近誰かが「サリーちゃん」と言い出した。
質的優位局所的にマッチアップしている選手同士の力関係が、いずれかの選手の方が優位な状態。攻撃側の選手(の、ある部分)が守備側の選手(の、攻撃側に対応する部分)を力関係で上回っている時は、その選手にボールが入るだけでチャンスや得点機会になることもあるので、そうしたシチュエーションの説明に使われることが多い。「優位」は相対的な話だが、野々村社長がよく言う「クオリティがある」はこれに近いと思ってよい。
ex.ゴール前でファーサイドにクロスボールが入った時に、クロスに合わせる攻撃側がジェイで、守備側は背が低く競り合いに弱い選手なら「(攻撃側:ジェイの)高さの質的優位」になる。
→「ミスマッチ」も参照。
守備の基準守備における振る舞いの判断基準。よくあるものは「相手の誰々選手がボールを持った時に、味方の誰々選手が○○をさせないようにボールに寄せていく」、「○○のスペースで相手選手が持った時、味方の誰々選手が最初にボールホルダーの前に立つ」など。
数的優位局所的にマッチアップが合っておらず、いずれかのチームの方が人数が多い状態。守備側が「1人で2人を見る」状況は負担が大きいのでチャンスになりやすい。ただし人の人数や数的関係だけで説明できないシチュエーションも多分にあるので注意。
チャネル選手と選手の間。よく使われるのはCBとSBの間のチャネルなど、攻撃側が狙っていきたいスペースの説明に使われることが多い。
トランジションボールを持っている状況⇔ボールを持っていない状況に切り替わることや切り替わっている最中の展開を指す。ポジティブトランジション…ボールを奪った時の(当該チームにとってポジティブな)トランジション。ネガティブトランジション…ボールを失った時の(当該チームにとってネガティブな)トランジション。
ハーフスペースピッチを縦に5分割した時に中央のレーンと大外のレーンの中間。平たく言うと、「中央のレーンよりも(相手からの監視が甘く)支配しやすく、かつ大外のレーンよりもゴールに近く、シュート、パス、ドリブル、クロスなど様々な展開に活用できるとされている空間」。
ビルドアップオランダ等では「GK+DFを起点とし、ハーフウェーラインを超えて敵陣にボールが運ばれるまでの組み立て」を指す。よってGKからFWにロングフィードを蹴る(ソダン大作戦のような)ことも「ダイレクトなビルドアップ」として一種のビルドアップに含まれる。
ビルドアップの出口後方からパスを繋いで行うビルドアップに対し、相手は簡単に前進させないようハイプレス等で抵抗する。
この時、ハイプレスを最初から最後まで行うとリスキー(後ろで守る選手がいなくなる)ので、ハイプレスは人数やエリアを限定して行われることが多いが、ビルドアップを行っているチームが、ハイプレスを突破してボールを落ち着かせる状態を作れる場所や選手を「ビルドアップの出口」と言っている。
ブロックボール非保持側のチームが、「4-4-2」、「4-4」、「5-3」などの配置で、選手が2列・3列になった状態で並び、相手に簡単に突破されないよう守備の体勢を整えている状態を「ブロックを作る」などと言う。
マッチアップ敵味方の選手同士の、対峙している組み合わせ。
マンマークボールを持っていないチームの、ボールを持っているチームに対する守備のやり方で、相手選手の位置取りに合わせて動いて守る(相手の前に立ったり、すぐ近くに立ってボールが渡ると奪いに行く、等)やり方。
対義語はゾーンディフェンス(相手選手ではなく、相手が保持するボールの位置に合わせて動いて守るやり方)だが、実際には大半のチームは「部分的にゾーンディフェンス、部分的にマンマーク」で守っている。
ミスマッチ「足が速い選手と遅い選手」など、マッチアップしている選手同士の関係が互角に近い状態とはいえないこと。

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