2018年4月30日月曜日

2018年4月28日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第11節 ベガルタ仙台vs北海道コンサドーレ札幌 ~プレースピードというレイヤをかけて見てみよう~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、石川直樹、MF駒井善成、宮澤裕樹、福森晃斗、菅大輝、三好孝児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、早坂良太、荒野拓馬、FW内村圭宏、宮吉拓実。連戦が続く中で前節60分起用された深井のみがターンオーバーで休み。念には念をということで、よほどのことがない限りは中2日、3日では起用しない方針なのかもしれない。中盤センターは荒野か兵藤が有力と思われていて、事前報道では荒野だったが蓋を開けてみれば福森が悲願の?中央起用を勝ち取っている。
 ベガルタ仙台のスターティングメンバーは3-4-2-1、GK関憲太郎、DF菅井直樹、大岩一貴、常田克人、MF中野嘉大、板倉滉、梁勇基、永戸勝也、野津田岳人、西村拓真、FW。サブメンバーはGKシュミット ダニエル、DF蜂須賀孝治、金正也、MF富田晋伍、椎橋慧也、関口訓充、FW石原直樹。奥埜が左膝内側側副靭帯損傷、庄司と阿部拓馬が左ハムストリングス肉離れ、このほかラファエルソンと金久保も離脱中で、出場微妙だった平岡と古林もメンバー外と各ポジションでやりくりが難しくなっているが、そうした状況でも1トップの石原、キャプテン富田、第3節以降スタメン定着しつつある金正也、直近4試合フル出場中の蜂須賀は休ませている。菅井が右CBを務めるのはチャナティップ対策もあるのかもしれない。

2018年4月27日金曜日

2018年4月25日(水)19:00 明治安田生命J1リーグ第10節 北海道コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノス ~ポジショナルプレーvsミシャスタイル~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、早坂良太、荒野拓馬、FWヘイス、宮吉拓実。前節浦和戦を欠場した駒井がスタメンに復帰。他のメンバーは変えず、中3日での厚別開幕戦を戦う。ヘイスが再びベンチに入ったのは、雨の厚別でボールを収められる選手が必要、との判断だったのかもしれない。
 横浜F・マリノスのスターティングメンバーは4-1-2-3、GK飯倉大樹、DF松原健、中澤佑二、金井貢史、山中亮輔、MF扇原貴宏、大津祐樹、天野純、FW仲川輝人、ユン イルロク、ウーゴ ヴィエイラ。サブメンバーはGK杉本大地、DFミロシュ デゲネク、MF中町公祐、吉尾海夏、山田康太、FW遠藤渓太、伊藤翔。一部選手の反乱?もあって不完全燃焼気味だったエリク・モンバエルツのサイクルを引き継いだアンジェ・ポステコグルー体制だが、リーグ戦9試合で2勝3分4敗の勝ち点9、失点は15、直近3試合で計9失点(vs広島1-3、vs神戸1-2、vs湘南4-4)という状況。前節まで9試合フル出場を続けていたデゲネクに変えて左のCBに金井。この他、5試合連続出場していたオリヴィエ ブマルも負傷欠場で、右ウイングに仲川。

2018年4月23日月曜日

2018年4月21日(土)16:00 明治安田生命J1リーグ第9節 浦和レッズvs北海道コンサドーレ札幌 ~耐え忍ぶ日々はやがてレガシーとして~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF荒野拓馬、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、白井康介、早坂良太、FW宮吉拓実。浦和から期限付き移籍中の駒井は契約条項により出場不可。注目された右WBは水曜日のルヴァンカップ(磐田戦@ヤマハスタジアム)で中盤センターで出場した荒野。ルヴァンカップでは早坂の右CB、白井の右WB、宮吉は後半開始から前線で途中出場と読めない状況だったが、好調の宮吉をジョーカーとしてベンチに残し、アウトサイドは久々となる荒野をチョイスした。前節欠場したジェイ、深井、宮澤、チャナティップはいずれも全体練習に合流し、前日入りした遠征メンバー入りしているとの情報があったが、ジェイはメンバー外。
 浦和レッズのスターティングメンバーは3-4-2-1、GK西川周作、DF岩波拓也、阿部勇樹、槙野智章、MF橋岡大樹、長澤和輝、遠藤航、宇賀神友弥、柏木陽介、FW武藤雄樹、興梠慎三。サブメンバーはGK福島春樹、MF武富孝介、青木拓矢、柴戸海、菊池大介、FW李忠成、ズラタン。この週、オズワルド・オリヴェイラ新監督の就任および今節限りでの大槻毅暫定監督の任期終了が発表された。河合竜二よりもよっぽどヤクザおじさんな風貌が話題をさらったが、就任直後公式戦5試合で4勝1分けと見事に立て直しに成功した。ルヴァンカップの広島、ガンバ大阪戦では4バックの4-4-2、リーグ戦の3試合(仙台、神戸、清水)では3バックの3-4-1-2を採用しており、3バックでくることは読めたもののこの試合では柏木のトップ下+2トップではなく、1トップ2シャドーでスタートから望んでいる。マウリシオは前節清水戦でCB中央で出場したもののの前半途中で負傷交代しており、岩波が途中から起用された。スタメン発表では右から遠藤、岩波、槙野と想像される順に名前が並んでいたが、実際は阿部が中央を務め、遠藤は中盤で起用されている。

2018年4月16日月曜日

2018年4月14日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第8節 柏レイソルvs北海道コンサドーレ札幌 ~代役不在のスーパータレント~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、石川直樹、MF駒井善成、兵藤慎剛、荒野拓馬、菅大輝、三好康児、宮吉拓実、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、MFジュリーニョ、稲本潤一、白井康介、早坂良太、FWヘイス、内村圭宏。ジェイは右太もも裏痛、チャナティップは右足首痛、宮澤は左ふくらはぎの張り、福森は右股関節痛でメンバー外。
 柏レイソルのスターティングメンバーは4-2-1-3、GK桐畑和繁、DF小池龍太、中谷進之介、パク ジョンス、中山雄太、MF大谷秀和、キム ボギョン、中川寛斗、FW伊東純也、亀川諒史、江坂任。サブメンバーはGK滝本晴彦、DFユン ソギョン、今井智基、MF小泉慶、栗澤僚一、FWクリスティアーノ、瀬川祐輔。積極補強をして臨んだACLでは5節を消化したが負傷者の続出もあって波に乗れず、全北現代、天津権健の後塵を拝し、既に敗退が決定している。そのACLを睨んだ補強の煽りを受け気味だった中川は前節鳥栖戦で初スタメン、今節も2試合連続でスタメン起用されている。前線はハモン ロペスが鳥栖戦で復帰したがまだ本調子になく、山崎も離脱中ということもあって前節は左MFに亀川が起用されたことは特徴的で、2アシストと結果も残しこの試合でも継続起用されている。

2018年4月13日金曜日

2018年4月11日(水)19:00 明治安田生命J1リーグ第7節 北海道コンサドーレ札幌vs湘南ベルマーレ ~飛び道具を持つ者、持たざる者~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、荒野拓馬、宮澤裕樹、菅大輝、三好孝児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、早坂良太、FW宮吉拓実、ヘイス。カップ戦を含めた15連戦の4戦目。「買っているチームは変えない」なのか、前節のリーグ戦から中3日のホームゲームということもあってか、メンバー変更はなし。サブではジェイがベンチ外で、ヘイスがベンチ入りしている。選手及び、やりくりをする監督も徐々にタフな状況になっていくが、会社勤めの傍ら中2日、中3日で記事を書くネット戦術君にもハードな日程である。
 湘南ベルマーレのスターティングメンバーは3-4-2-1、GK秋元陽太、DF山根視来、アンドレ バイア、大野和成、MF岡本拓也、石川俊輝、杉岡大暉、高橋諒、FW端戸仁、梅崎司、イ ジョンヒョプ。 サブメンバーはGK後藤雅明、DF島村毅、MF松田天馬、ミキッチ、FW野田隆之介、アレン ステバノヴィッチ、高山薫。前節はホームで鹿島相手に、アディショナルタイムの決勝ゴールで劇的勝利。その鹿島戦で試された杉岡の中盤センターでの起用がスタートからであるほか、ターンオーバーとしてシャドーは2枚とも入れ替えている。

2018年4月10日火曜日

2018年4月7日(土)14:00 明治安田生命J1リーグ第6節 北海道コンサドーレ札幌vs名古屋グランパス ~変わらぬ景色がもたらす平穏~

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スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、荒野拓馬、宮澤裕樹、菅大輝、三好康児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、DF石川直樹、MF兵藤慎剛、ジュリーニョ、早坂良太、FW宮吉拓実、ジェイ。負傷で前節を欠場したジェイがベンチ入り。深井は左ひざ痛で大事をとって欠場。水曜日にアウェイでルヴァンカップの清水戦を戦ったが、この時はGK菅野、DF早坂、稲本、濱、MF宮吉、小野、荒野、白井、ジュリーニョ、兵藤、FWヘイスというスタメンで、メンバーを総入れ替えして臨んでいる。ジュリーニョがプレシーズンで試されていた左サイドではなく右シャドーで起用されたことは興味深かったが、この試合でのベンチ入りも前線起用も想定されての策だと思われる。
 名古屋グランパスのスターティングメンバーは4-1-2-3、GKランゲラック、DF宮原和也、菅原由勢、櫛引一紀、秋山陽介、MFワシントン、小林裕紀、長谷川アーリアジャスール、FW和泉竜司、青木亮太、ジョー。サブメンバーはGK武田洋平、DF畑尾大翔、MF深堀隼平、児玉駿斗、成瀬竣平、FW佐藤寿人、玉田圭司。開幕2連勝と好スタートを切ったが、以降の公式戦6試合は1分け5敗。前節負傷のホーシャと、ガブリエル シャビエルはメンバー外。水曜日のルヴァンカップ(ホームで1-4でガンバ大阪に敗戦)には宮原、菅原、秋山、青木がフル出場している。

2018年4月3日火曜日

2018年3月31日(土)15:00 明治安田生命J1リーグ第5節 鹿島アントラーズvs北海道コンサドーレ札幌 ~新しい景色が映し出された背景~

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0.1 スターティングメンバー

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-2-1、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、キム ミンテ、福森晃斗、MF駒井善成、深井一希、宮澤裕樹、菅大輝、三好孝児、チャナティップ、FW都倉賢。サブメンバーはGK菅野孝憲、MF兵藤慎剛、早坂良太、荒野拓馬、小野伸二、FW宮吉拓実、ヘイス。国際Aマッチウィークの関係で前節から2週間の中断期間を挟んでのリーグ戦。前節欠場の宮澤は復帰したが、ジェイは右太もも裏痛を発症しメンバー外。都倉がリーグ戦初スタメンで、空いたベンチ枠は宮吉が入り、故障から復帰している模様のジュリーニョは今節もメンバー外となった。深井は左ひざ痛でこの週の練習を休んでいたが、スタメンに名を連ねている。
 鹿島アントラーズのスターティングメンバーは4-4-2、GKクォン スンテ、DF伊東幸敏、植田直道、昌子源、山本脩斗、MF永木亮太、レオ シルバ、安部裕葵、土居聖真、FW金崎夢生、鈴木優磨。サブメンバーはGK曽ケ端準、DF犬飼智也、西大伍、MFレアンドロ、小笠原満男、FWペドロ ジュニオール、金森健志。国際Aマッチウィークに開催された日本代表戦の2試合でそれぞれ昌子と植田がスタメンフル出場している。植田は火曜日のウクライナ戦から中3日での出場となる。2試合とも途中出場だった三竿健斗はメンバー外で、中盤センターは永木とレオ シルバの組み合わせ。

0.2 「単なる3バック」とは

1)ミシャシステムの基本原理


 札幌の開幕2~3試合を見て、筆者は当ブログにおいて「(ミシャシステムというより)単なる3バックではないか」と書いた。その論拠は、札幌が攻撃時に3-2-5の形でプレーする時間帯が多かったからという表面的なことではなく、全般に札幌の攻撃は4-4-2で守備を行う相手に対し、配置的な困難を突きつけることができていなかったことである。
 オフサイドルールがあるサッカーという競技は、ここ数十年のスパンでみると、多少の流行り/廃れやトレンドの変遷はあるにせよ、基本的にいかに中盤に人とボールを送り込むか、また中盤で選手がプレーするためのスペースを創出するか、という点が焦点となってきた。ミシャシステムはこの盲点を突いたものとも言えるが、改めて基本的な原理を考えると、ボール保持時に自陣最終ラインと最前線に人を配することで、相手に対して本来の守備陣形で対応が困難な状況を作ることから始まる。相手を一般的な4-4-2と仮に置くと、ミシャシステムに対して、4枚のDFで5トップをどう見るかという問題と同時並行で、2トップ脇を使おうとするDFの起点化をどう阻害するか、という問題を突きつけられる。
5トップと4枚での組み立てを突きつける

 多くの場合、失点を減らすために最終ラインの枚数を増やすことで解決が図られる。この時、前線も枚数を増やすことでの対抗を考えると、
それぞれ枚数を増やして対抗すると…

 相手は中盤を放棄することになる。この放棄された中盤をアンカーや、落ちてくるシャドーやFWが使うことでボールを前進させることがミシャシステムの基本原理となる。
中盤を掌握できる

 また相手が陣形を変えず、4バックのままで対抗するなら、5トップの数的・配置的な優位性を活かして殴っていくことになる。最もシンプルなパターンとしては、サイドでボールを持ち、相手の陣形をサイドに寄せた状態からの対角へのロングフィード。横幅を4枚で守るチームは横スライドに難を抱えることが多く、5トップの横幅を活用することがクリティカルな対抗策となりえる(このように、ショートパス主体とかロングフィード主体といった議論は結局どれが効果的か、最適なものを都度使えばいいだけで、極めて陳腐な二元論でしかない)。

2)「単なる3バック」だった3試合


 上記を踏まえて第2節、セレッソ大阪戦を振り返ると、札幌は最終ライン3枚で終始プレーしていたが、まだまだ勉強中である進藤はともかく、福森のプレーエリアは中央に偏っていた。そのため福森は相手2トップによる監視を受けることが多く、また下の写真のように中央方向から寄せられている場合は、対角へのロングフィードを通すことも難しいので、WBに効果的な形でボールが渡ることも少なかった。
 WBにボールが渡らない…横幅を巧く使えないとなると、相手は中央のみをケアしていればよい。よってセレッソの中盤は中央密集でブロックをセットすることになるが、この状態で1トップ2シャドーに縦パスを入れることは、それは針の穴を通すような作業にも等しい。セレッソ戦の2点目はジェイが奪われてからの形だったが、要はジェイ個人の問題以前に、相手を形を変化させられていない…中央から動かせていないので、そこにパスを送れば複数で囲まれ、潰されることは当然でもあった。
 横幅が使えていない状況で我慢できずにシャドーが落ちてくれば、前線は4vs5ではなく4vs3、シャドーは中盤センターの2枚がそのまま見ればよいので、この状況では数的な優位性も殆ど活かせていなかった。
相手に変化を強いることができない