2019年8月30日金曜日

プレビュー:2019年8月31日(土)明治安田生命J1リーグ第25節 ヴィッセル神戸vs北海道コンサドーレ札幌 ~大聖人なき聖歌隊~

1.予想スターティングメンバー

予想スターティングメンバー

1.1 札幌

×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)MF駒井(右膝半月板損傷)
*(負傷等で出場微妙)※特になし

IN(夏マーケットでの加入)DF田中(特別指定選手登録)
OUT(夏マーケットでの放出)DF中村(Honda FCへ育成型期限付き移籍)
MF中原(ベガルタ仙台へ完全移籍)
MF小野(FC琉球へ完全移籍)

 恥骨周辺の痛み(7/20湘南戦後に発症していたもよう)で離脱していたアンデルソン ロペスは火曜日から全体練習に復帰。今節から復帰できる見込みだとしている。それでもスタメンはここ数試合と同じだろう(理由は「5.」に)。

1.2 神戸

×(非帯同、欠場確定)※特になし
×(負傷等で欠場濃厚)FWルーカス ポドルスキ(真珠腫性中耳炎、その他体調不良)
*(負傷等で出場微妙)MFアンドレス イニエスタ(8/23鳥栖戦での太もも裏負傷)

IN(夏マーケットでの加入)GK飯倉(横浜F・マリノスから完全移籍)
DF酒井(ハンブルガーSVから完全移籍)
DFトーマス フェルマーレン(FCバルセロナから完全移籍)
DFジョアン オマリ(アル・ナスルSCから完全移籍
MF佐々木(パルメイラスへの期限付き移籍から復帰)
FW藤本(大分トリニータから完全移籍)
OUT(夏マーケットでの放出)GKキム スンギュ(蔚山現代FCへ完全移籍)
DF宮(水戸ホーリーホックへ期限付き移籍)
DF小林(FC町田ゼルビアへ期限付き移籍)
MF三田(FC東京へ完全移籍)
MF三原(柏レイソルへ期限付き移籍)
MF中坂(京都サンガF.C.へ育成型期限付き移籍)

 リーグ戦ここ2試合でうまく機能している[1-3-1-4-2]を継続することと、前節の鳥栖戦で筋肉系の負傷を負ったとみられるイニエスタは欠場する前提で考える。
 イニエスタの代役は安井だろう(三田が残っていれば適任だったかもしれないが)。ただし、ルイス・エンリケのバルサでいうところのメッシロールがイニエスタだとしたら、古橋はネイマール、田中はスアレスロールのような運用方法になっている。メッシロールのイニエスタの代役が安井には完璧に務まらないので、攻撃力を補う目的で、好調の田中を外してビジャを先発起用するのではないか。
 なお、ウェリントンは外国籍選手枠(ダンクレー、フェルマーレン、サンペール、ビジャ+残る1枠はジョアン オマリ)の関係もありベンチ外が続く。枠の兼ね合いに加え、ここ数試合は田中のパフォーマンスが評価されているのだろう。ただ、フェルマーレンが90分使える見通しが立ったことで、ジョアン オマリに1枠を割く必要がないとしたら、暴れん坊将軍が切り札としてベンチ入りする選択もありそうだ。

2.今季の対戦のおさらい

プレビュー

2019年5月4日(土)明治安田生命J1リーグ第10節 北海道コンサドーレ札幌vsヴィッセル神戸 ~妖精は左足から右足へ~

 電撃辞任のファンマ・リージョを失った神戸はリーグ戦4連敗中。札幌もジェイとアンデルソン ロペスを負傷で欠いての、大型連休後半の一戦。
 札幌は前半、ボールを捨てて自陣にリトリート(これ以降、前線の負傷者が戻るまではこの戦い方が定番となる)。神戸は様子見が終わってから、古橋を突破口にして攻めるも前半は目立った動きなし。
 後半も膠着気味で進むが、西の突破からPKを獲得した神戸が先制。直後、札幌はセットプレーから進藤のスーパーゴールで追いつく。決着は4バックの神戸の弱点であるハーフスペース突撃から武蔵のヘッド。ウェリントン投入によるパワープレーを札幌が凌いで勝利。


3.戦術面の一言メモ

3.1 札幌


青字が前節との更新・変更点。(今回は特に変えていない)
コンセプトより多くの人数による攻撃を突きつけ、相手の攻撃機会や攻撃リソースを奪う(守勢に回らせる)。
ボール保持(自陣)DFが自由なら福森からの展開。難しければジェイへのロングフィード。ゴールキックは相手がハイプレスの構えを取らなければCBにサーブする。
ボール保持(敵陣)サイドアタック主体。押し込んでから仕掛けるのは右の白井。菅は極力シンプルにクロス供給に専念か、相手SBを押し込んで福森をフリーにする役割。白井は得意なタイミングで仕掛けるが、左はより役割が決まっている。福森はファーサイド狙いを徹底する。
ボール非保持(敵陣)ジェイ出場時はジェイをセンターサークル付近に置いてリトリート。ジェイ不出場時は、相手がボール保持が得意なチームならハイプレス。ハイプレス時、リトリート時ともにマンマーク基調の守備を展開する。特に相手のCBと中盤センターに同数で守備できるよう、前線の枚数を調整することが多い。時間帯にもよるが、先制したらリトリートの傾向が強くなる。
ボール非保持(自陣)基本は1-5-2-3で、前3枚はポジティブトランジション用に残しておく。ゴール前からCBを動かさないことを重視。なるべくマンマーク関係を維持する。
ネガティブトランジション中盤2枚や前目に位置するDFは即時奪回を目指す。ビルドアップが成功するとともにポジションと役割がCBからセントラルMFのそれになる。但しトップ(ジェイ)のネガトラがあまり有効ではないこともあり、あくまでMF2人の個人での対処になりがち。
攻撃時に予防的に残っているCBは2枚、時に1枚で相手のFWと同数。裏はGKク ソンユンの極端な前進守備で何とかさせようとの考えがここ数試合は強くなっている。
ポジティブトランジションシャドーが裏に飛び出しての速攻がファーストチョイス。
先制したらリトリートからの速攻狙いに切り替える。
セットプレー攻撃キッカーはほぼ全て福森に全権委任だが、ルーカスもたまに蹴る。ファーサイドで、シンプルに高さを活かすことが多い。ゴールキックはなるべくCBにサーブしてからポジショナルなビルドアップを狙う。
セットプレー守備コーナーキックではマンマーク基調。
その他メモ5バックの相手に対してはCBの攻撃参加(福森サイド)で基準をずらす。

3.2 神戸

分析対象は21節(ガンバ大阪)、22節(大分)、23節(vs浦和)、24節(鳥栖)。
コンセプト時間とスペースをマネジメントしつつ、イニエスタの魔法発動の用意を整える。
ボール保持(自陣)飯倉を3バックの間に組み入れてから徐々に前進。引き付けてリリースを繰り返し、左はイニエスタ、右は西に前を向いて持たせる。
ボール保持(敵陣)左はハーフスペース付近からのイニエスタのアタック。右は西を起点に、山口や古橋がスペースを狙う。
ボール非保持(敵陣)2トップが中央を切ってサイドに誘導し。ボールサイドのFWがタッチライン付近まで追い込み、WBとインサイドハーフとで挟み込んでのボール奪取を狙う。
ボール非保持(自陣)アンカー(サンペール)脇はFWのプレスバックやCBの前進守備で対処。ゴール前では最終ラインは人を捕まえる。
ネガティブトランジションボールホルダーへの圧力のみ確保してリトリート優先。
ポジティブトランジション基本はボール保持からの陣地回復優先。
セットプレー攻撃CKのキッカーはイニエスタ、安井。
セットプレー守備CKではゾーン主体+部分的なマンマーク。
その他メモ鳥栖戦ではイニエスタが負傷交代すると攻撃は右偏重に。また時折ハイプレスモードにもなっていた。

4.想定されるゲームプラン

4.1 札幌のゲームプラン


 あまり触れない方が良さそうだった吉田体制が終焉し、試行錯誤を経てのフィンク監督の下の神戸は徐々に志向するスタイルに近づき始めている、といったところ。
 地上戦によるビルドアップが得意なチームを相手にした時のミシャチームのいつもの指針は、「ハイプレスでボールを取り上げる」。しかしGK飯倉を獲得した神戸相手に、ジェイを頂点とした前線の構成でハイプレスを敢行するのは率直に言って悪手だ。大分戦(7/13 第19節)でのパフォーマンスも考慮し、運動量よりも、ボールを保持した時のアタックの質で勝負する戦い方を採用するのではないか。イニエスタの欠場を想定すると、神戸の中盤よりもFWの選手にスペースを与えないことを特に意識するだろう。

4.2 神戸のゲームプラン


 神戸がボール保持したい理由は主に、①そういうサッカーをしたいから(哲学、信条etc)、②イニエスタを活かすため。②については、イニエスタがソリボール松本山雅に在籍してサイドをアップダウンしまくる仕事を求められていたら、今のようなパフォーマンスは発揮できないだろう。イニエスタの傑出したチャンスクリエイト能力を最大限に活かすために、ボールを保持してゲームのリズムをコントロールする必要がある。
 イニエスタが負傷欠場するとしたら、理由の②は消失するが①は残る。但し、不足するクオリティを補うためにビジャを起用し、古橋と前線を構成するとしたら、ゴールを奪う観点ではポゼッションは”建前”的な位置づけになり、札幌の守備が整っていないシチュエーションを強襲する機会は常に狙うことになるだろう。

5.予想される試合展開とポイント

5.1 現実的な予想と選択


 スタメンに関し、札幌はジェイを起用するか否かという判断がある。代役候補はアンデルソン ロペス。ジェイのスタメン起用による副作用として、ボール非保持時にジェイが1トップの[1-5-2-3]しか選択肢がないこと、また試合序盤からハイプレスを仕掛けることが不可能なことがある。アンロペが先発なら2トップ+トップ下(チャナティップがサンペールを見張る)ができるし、ハイプレスにも対応できる。が、それでもミシャはジェイを信頼してピッチに送り込むだろう、というのが、これまでの経緯からの筆者の現実的な予想だ。

 そうすると札幌はハイプレスができないこともあって、神戸がボールを握る展開になるだろう。この時、札幌はハーフウェーライン付近まで引くと予想する。そうすることで、神戸はGK飯倉をどこまで出すか?という判断を迫られる。
 神戸はGK飯倉を大崎の隣に配し、最終ラインを4枚にした状態でボール保持を開始する。
ボール保持時に飯倉がCBのようなポジションをとる

 飯倉の存在は、ピッチ上のいくつかのトライアングルの成立を容易にする。前節対戦した鳥栖は神戸に対し、1人1殺方式のマンマーク主体の方法でこのトライアングルの破壊を企図したが、1人1殺方式だと少なくとも飯倉・ダンクレー・大崎・フェルマーレン
そしてサンペールの計5人に同数の選手が必要になる。2トップとサイドハーフ2人の計4人での対応だった鳥栖の守備は空転し続けた。
神戸ビルドアップ時に形成されるトライアングル

 札幌は恐らく、1トップのジェイをサンペールの監視役にするだろう。これは”扇の中心”であるサンペールを抑えることに加え、飯倉を本来守るべき自陣ゴールから更に離れさせることにもつながる。飯倉をボール保持に加える意義は、相手を食いつかせてブロックから引き剥がし、その分の空間の”ボーナス”を得ることにある。が、札幌がジェイをサンペールの監視役にしてリトリートすると神戸のボール保持に「食いついてくれなくなる」。そうすると、飯倉は更に通常よりも高い位置をとる(当然リスクは増大するしバランスは悪くなる)か、飯倉は自陣ゴールに戻して3バックでボールを保持するか、という選択になる。
 いずれにせよ神戸のストロングポイントが1つ消えることになる。後はジェイ-サンペールの関係がいつまで続くか、ということになる。

5.2 ジェイの周囲問題


 ジェイを起用する上で避けて通れない「ジェイの周囲問題」。ジェイとサンペールのマッチアップを前提に考えると、非常に懸念されるのが、サンペールが例えばジェイの背後を取った時に、
ジェイがサンペールを消すように立つがその守備能力には限界がある

 そのサンペールを捕まえるため、札幌の中央の選手が動いたところを、安井や山口、中央に入ってくる西が使うこと。荒野の顔を思い浮かべるとこの状況は容易に想像できるだろう。
サンペールが引き付けて(荒野?が引き付けられて)スペースにボールをリリース

 なのでジェイに任せてそれで終わり、ならいいが恐らくそうはいかない。ジェイで止まらなくなったサンペールを放置することもできないので、恐らくジェイ-サンペールの関係で行くなら中央エリアでは、かなりギリギリの攻防を迫られるだろう。

5.3 開眼する山口


 神戸はロンドで相手を引き付けて、ボールをリリースしながらスペースを狙う。[1-3-1-4-2]を採用しているここ2試合で明確になっているのが、右は西が配給役で、スペースに走り込む役割が山口や2トップの一角(主に、右は古橋)。山口はここ2試合で3得点と一気に危険な選手になってきた。
 札幌とのマッチアップで考えると、西が大外で左WB(菅)を引き剥がす。中央のスペースが気になった福森が前に出れば、その背後を山口や古橋が狙ってくるだろう。札幌は福森を動かしたくないが、宮澤と荒野はただでさえ仕事が多い。
西が対面の選手を引き付けてスペースに山口や古橋が走る

5.4 札幌の前線拠点


 札幌のもう一つのポイントはボール保持時にある。
 神戸のセット守備は所謂平均的な高さからの前線守備…センターサークルの敵陣側頂点付近で2トップが中央を切ってサイドに追い込むことから始まる。この時、イニエスタがいても特にどちらに追い込むという姿勢は見えないので、さほど意識していないのだと思う。
 札幌のファーストチョイスは左。福森に展開すると、神戸はインサイドハーフ(山口)が出てくるのと、2トップの一角(古橋)がサイドまで追い込んでくることが予想される。
神戸の2トップと2列目の対応の仕方

 次の展開がポイントだ。神戸は山口がサイドに出てくるが、サンペールは中央のオリジナルポジションからあまりスライドしない。恐らく大事な中央エリアを守りたいことと、いずれにせよ横幅を3枚で守れないので必死にスライドしてもどうしようもない、というような考え方なのだと思われる。
 その分、周囲の選手のサポートを厚くしている。一番は最終ラインからCB(このサイドではダンクレー)が前に出て潰す。その次にはFWのプレスバック。図では古橋だが、ここ2試合では田中がイニエスタの背後を守る働きが非常に目立った。加えてSB(このサイドでは西)も中央防備の意識が強い。
ハーフスペースは(わざと)空けてから対応するのでチャナティップで勝負したい

 札幌の期待は、まずはここ(ハーフスペース)でチャナティップとダンクレーのマッチアップ。チャナティップに対してはダンクレーは相当距離を詰めての対応を迫られるが、詰めたとしてもダンクレーがチャナティップを消しきることは選手特性的に似た選手とのマッチアップを想起すると難しそうだ。また、ダンクレーが前に出れば背後に菅が飛び出す。
 一方、西が絞れば、大外に張る菅からの展開でサイドを攻略できる。このサイドは、札幌が神戸陣内に侵入すれば脅威を与えることになるだろう。神戸はそれを防ぐために、古橋のプレス開始位置はいつもよりも高めになるかもしれない。なお、ハーフスペースを制圧したとして、酒井が守る札幌の右・神戸の左サイドへのサイドチェンジはあまり有効ではないかもしれない。

 イニエスタ出場時の神戸のサイドの守備対応は興味深い。イニエスタは山口と同様に、最初のアクションはサイドまで出張するが、その後でポジションを復元する意識が非常に薄い。なので、イニエスタの背後は一度イニエスタが出るとガッツリ空きそうになるが、そこはここ2試合では田中が勤勉にプレスバックで消していた。それが無理ならフェルマーレンを前に出して守るつもりだったのだろう(浦和も鳥栖もこのサイドであまり効果的に攻めてこなかったのでわからないが)。
 イニエスタはそのまま「左前方」に残っていることが多い。まるでルイス・エンリケ監督下のバルサにおけるメッシロールだ。その分、反対サイドを古橋がカバーし、スペースは田中が埋める。この関係はネイマールとスアレスをちょっとだけ想起させる。
 そのイニエスタを欠いた鳥栖戦の後半。安井はそれなりに左右にスライドする。イニエスタほど前残りではないが、サンペールはやはり中央から動かない。

 なので、札幌から見た左ハーフスペースの攻防は大事にしたい。ここ数試合、ビルドアップを助けるために広範に動いているチャナティップだが、チャナティップをいかにハーフスペースでの勝負に投入できるか。左サイドはいくつかのパターンを持っているが、どのパターンを選択するかは重要だ。

用語集・この記事上での用語定義


1列目守備側のチームのうち一番前で守っている選手の列。4-4-2なら2トップの2人の選手。一般にどのフォーメーションも3列(ライン)で守備陣形を作る。MFは2列目、DFは3列目と言う。その中間に人を配する場合は1.5列目、とも言われることがある。ただ配置によっては、MFのうち前目の選手が2列目で、後ろの選手が3列目、DFが4列目と言う場合もある(「1列目」が示す選手は基本的に揺らぎがない)。攻撃時も「2列目からの攻撃参加」等とよく言われるが、攻撃はラインを作るポジショングよりも、ラインを作って守る守備側に対しスペースを作るためのポジショニングや動きが推奨されるので、実際に列を作った上での「2列目」と言っているわけではなく慣用的な表現である。
サリータ・ラボルピアーナセンターバック2人の間にセントラルMFの選手が降り、計3人で3バックの配置にしてからビルドアップを行うこと。相手が2トップで守備をする時に3人で数的優位かつ、幅をとることで相手2トップがカバーしきれないポジションからボールを運べるようにする。最近誰かが「サリーちゃん」と言い出した。
質的優位局所的にマッチアップしている選手同士の力関係が、いずれかの選手の方が優位な状態。攻撃側の選手(の、ある部分)が守備側の選手(の、攻撃側に対応する部分)を力関係で上回っている時は、その選手にボールが入るだけでチャンスや得点機会になることもあるので、そうしたシチュエーションの説明に使われることが多い。「優位」は相対的な話だが、野々村社長がよく言う「クオリティがある」はこれに近いと思ってよい。
ex.ゴール前でファーサイドにクロスボールが入った時に、クロスに合わせる攻撃側がジェイで、守備側は背が低く競り合いに弱い選手なら「(攻撃側:ジェイの)高さの質的優位」になる。
→「ミスマッチ」も参照。
守備の基準守備における振る舞いの判断基準。よくあるものは「相手の誰々選手がボールを持った時に、味方の誰々選手が○○をさせないようにボールに寄せていく」、「○○のスペースで相手選手が持った時、味方の誰々選手が最初にボールホルダーの前に立つ」など。
数的優位局所的にマッチアップが合っておらず、いずれかのチームの方が人数が多い状態。守備側が「1人で2人を見る」状況は負担が大きいのでチャンスになりやすい。ただし人の人数や数的関係だけで説明できないシチュエーションも多分にあるので注意。
チャネル選手と選手の間。よく使われるのはCBとSBの間のチャネルなど、攻撃側が狙っていきたいスペースの説明に使われることが多い。
トランジションボールを持っている状況⇔ボールを持っていない状況に切り替わることや切り替わっている最中の展開を指す。ポジティブトランジション…ボールを奪った時の(当該チームにとってポジティブな)トランジション。ネガティブトランジション…ボールを失った時の(当該チームにとってネガティブな)トランジション。
ハーフスペースピッチを縦に5分割した時に中央のレーンと大外のレーンの中間。平たく言うと、「中央のレーンよりも(相手からの監視が甘く)支配しやすく、かつ大外のレーンよりもゴールに近く、シュート、パス、ドリブル、クロスなど様々な展開に活用できるとされている空間」。
ビルドアップオランダ等では「GK+DFを起点とし、ハーフウェーラインを超えて敵陣にボールが運ばれるまでの組み立て」を指す。よってGKからFWにロングフィードを蹴る(ソダン大作戦のような)ことも「ダイレクトなビルドアップ」として一種のビルドアップに含まれる。
ビルドアップの出口後方からパスを繋いで行うビルドアップに対し、相手は簡単に前進させないようハイプレス等で抵抗する。
この時、ハイプレスを最初から最後まで行うとリスキー(後ろで守る選手がいなくなる)ので、ハイプレスは人数やエリアを限定して行われることが多いが、ビルドアップを行っているチームが、ハイプレスを突破してボールを落ち着かせる状態を作れる場所や選手を「ビルドアップの出口」と言っている。
ブロックボール非保持側のチームが、「4-4-2」、「4-4」、「5-3」などの配置で、選手が2列・3列になった状態で並び、相手に簡単に突破されないよう守備の体勢を整えている状態を「ブロックを作る」などと言う。
マッチアップ敵味方の選手同士の、対峙している組み合わせ。
マンマークボールを持っていないチームの、ボールを持っているチームに対する守備のやり方で、相手選手の位置取りに合わせて動いて守る(相手の前に立ったり、すぐ近くに立ってボールが渡ると奪いに行く、等)やり方。
対義語はゾーンディフェンス(相手選手ではなく、相手が保持するボールの位置に合わせて動いて守るやり方)だが、実際には大半のチームは「部分的にゾーンディフェンス、部分的にマンマーク」で守っている。
ミスマッチ「足が速い選手と遅い選手」など、マッチアップしている選手同士の関係が互角に近い状態とはいえないこと。
リトリート撤退すること。平たく言えば後ろで守ること。
ロンド円形や多角形の配置でパスを何度も繰り返し繋ぐプレーやその練習。語源は「rondo」だが、サッカー用語では(鳥かご)と訳されることが多い。

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