1.予想スターティングメンバー
1.1 札幌
×(非帯同、欠場確定) | MF金子(ユニバーシアード日本代表招集) MF高嶺(ユニバーシアード日本代表招集) |
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×(負傷等で欠場濃厚) | DF石川(7/3天皇杯Honda FC戦試合前の負傷) MF中野(6/1広島戦での左ヒラメ筋肉離れ) |
*(負傷等で出場微妙) | MFチャナティップ(6/22鳥栖戦での負傷) |
長期離脱していた駒井、宮澤は試運転を終え、リーグ戦に出場できる準備が整った。ただ今週水曜に厚別区であった”何か”の疲労を考慮すると今節はベンチスターとが予想されるが、あるとしたら宮澤のスタメン起用か。なおアンデルソン ロペスは試合に出場しながら調子を上げていくタイプなのだろう。インターバルはあまり気にする必要がなさそうだ。チャナティップは文字通り「微妙」なのだと予想する。
1.2 松本
×(非帯同、欠場確定) | ※特になし |
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×(負傷等で欠場濃厚) | DF橋内(右膝内側側副靭帯損傷) MF町田(右第2基節骨・中足骨骨折) |
*(負傷等で出場微妙) | DFエドゥアルド FW永井 |
水曜日の天皇杯ではホームで延長戦の末、ヴァンラーレ八戸に敗退。ターンオーバーで控え中心のメンバーながら、DFの飯田と今井、MFの藤田が先発、田中隼磨、高崎、宮阪、當間が途中出場している。トップはリーグ戦前節スタメンの高崎を予想する。上位相手のアウェイゲームということもあり守備重視の選出になるだろう。
2.前回対戦(2019/5/12)のおさらい
後半札幌は中央レーン、松本のブロックのすぐ外側に福森を移して反撃。受け手の質は微妙ながら、優秀なパサーが中央でフリーになると札幌にチャンスが増える。松本は撤退ブロックからの前田の爆走ロングカウンターで対抗するがク ソンユンの牙城を崩せずスコアレスで終了。
3.戦術面の一言メモ
3.1 札幌
青字が前節との更新・変更点。
コンセプト | より多くの人数による攻撃を突きつけ、相手の攻撃機会や攻撃リソースを奪う(守勢に回らせる)。 |
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ボール保持(自陣) | ビルドアップはミシャ式4-1-5から、高い位置に張るWBを出口と位置してサイドチェンジ等でボールを届ける。キム ミンテがスタメンに復帰して以降は後方の役割が固定気味で、宮澤がアンカー、深井が中央左。福森のフリーロールも自重気味。ゴールキックは相手がハイプレスの構えを取らなければCBにサーブする。そうでなければ無理せずロングフィード。 |
ボール保持(敵陣) | サイドアタック主体。押し込んでから仕掛けるのは右のルーカス。菅は極力シンプルにクロス供給に専念か、相手SBを押し込んで福森をフリーにする役割。ルーカスのアイソレーションを活かすためにチャナティップ、福森からのサイドチェンジを狙うが、チャナティップは消されがち。 ルーカスはコーナーフラッグ付近で自由を与えられているが、福森はファーサイド狙いを徹底する。 |
ボール非保持(敵陣) | 相手がボール保持が得意なチームならハイプレス。ハイプレス時、リトリート時ともにマンマーク基調の守備を展開する。特に相手のCBと中盤センターに同数で守備できるよう、前線の枚数を調整することが多い。 |
ボール非保持(自陣) | 基本は5-2-3で、前3枚はポジティブトランジション用に残しておく。ゴール前からCBを動かさないことを重視。なるべくマンマーク関係を維持する。 |
ネガティブトランジション | 中盤2枚は即時奪回を目指す。ビルドアップが成功するとともにポジションと役割がCBからセントラルMFのそれになる。CBは2枚、時に1枚で相手のFWと同数。裏はGKク ソンユンの極端な前進守備で何とかさせようとの考えがここ数試合は強くなっている。 |
ポジティブトランジション | シャドーが裏に飛び出しての速攻がファーストチョイス。 |
セットプレー攻撃 | キッカーはほぼ全て福森に全権委任。ファーサイドで、シンプルに高さを活かすことが多い。ゴールキックはなるべくCBにサーブしてからポジショナルなビルドアップを狙う。 |
セットプレー守備 | コーナーキックではマンマーク基調。 |
3.2 松本
青字が前回との更新・変更点。前回対戦(5/12)から2試合ほど見たが、印象はそう大きくは変わらない。コアとなる選手も同じ。
コンセプト | 最大人数で守って我慢しながら、敵陣ゴール近くで相手のミスを誘う。 |
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ボール保持(自陣) | 相手の圧力がない時を除けば前線のFWへのフィードで前進。 |
ボール保持(敵陣) | 時間や手数をかけずにフィニッシュに持ち込む。遅攻にはなるべくしたくないが、その場合は左WBの高橋やシャドー杉本の仕掛けに頼る。 |
ボール非保持(敵陣) | 1-5-2-3でセットし一旦リトリート。相手がボールを下げる(後ろ向きでプレーし、かつ敵陣ゴールに近づいている)時に前線3人でしつこく追い回しミスを誘う。失敗したら1トップを残して自陣深くまでリトリート。相手のゴールキックの際も前線3人でのハイプレスを狙っている。 |
ボール非保持(自陣) | 1-5-4-1で2ライン間を極端に圧縮する。ボールへの圧力よりも2ラインの維持を優先し、何度もブロックを作り直して、相手のミスを待つ。ただし走らされると、前半30分頃から陣形維持が難しくなる。 |
ネガティブトランジション | リトリートが多い。前提として、手数をかけない攻撃が主体で攻撃枚数は少なめで、後ろの枚数が揃った状態でトランジションが生じることが多い。 |
ポジティブトランジション | すぐにトップに放り込み、シャドーがサポートして速攻を狙う。 |
セットプレー攻撃 | キッカーは殆ど宮阪。ターゲットは飯田が多い。ゴールキックはロングフィードが基本。 |
セットプレー守備 | コーナーキックではマンマーク主体。 |
4.想定されるゲームプラン
4.1 札幌
いつも通り”最大人数で攻め、最大人数で守る”。松本のやり方は当然わかっているだろうが、勝ち点3が欲しいゲームであり、十分押し切れるとみて序盤から攻勢を仕掛けると予想する。
4.2 松本
上位相手のアウェイゲーム。札幌をリスペクトし、耐えてミスを待つ展開になるだろう。ロペスや武蔵が突っ込んでくるのは脅威だが、守り切ればファストブレイクのチャンス。その意味ではホームでの対戦よりも”いつものパターン”に持ち込みやすいはずだ。
5.想定される試合展開とポイント
5.1 いつ仕掛けるか。どう仕掛けるか。
チャナティップがいない前提で考えていく。
札幌ホームでの反町松本との対戦は4度目。札幌は、アルウィンでの対戦は過去4戦中3戦で複数得点しているが、ホームでの過去3試合は全て1得点ずつにとどまっているというデータからも、反町監督のゲームプランは安易に想像がつく。1-5-4-1のブロックでゴール前にバスを停め、パスを繋ぐことなく生きてゆくはずだ。
松本がゴール前にバスを停めるなら、そのバスの前方、松本のワンソウ…ワントップの周囲をうまく使って”貯金”を作りたい。深井や荒野が、中央を閉じている松本のMFを引き付けてからボールをリリースを徹底することで、
松本が1-5-4-1でバスを停めると1列目は高崎1人 |
前線の、ジェイ、武蔵、ロペスの周囲の狭小なスペースを少しでも広げることに繋がる。このトリオを腐らせないためには、地道にこれをやっていくしかない。安易な放り込みでは跳ね返されて攻撃機会を潰してしまう。
高崎の周囲でボールを保持してリリースすることで2列目を動かしたい |
他には右のルーカスの突破も打開するための材料としては十分。しかしアルウィンでの対戦でもそうだが、対面の高橋がぴったりとマークし、スピードに乗るためのスペースがない状況では、ルーカスといえども突破は容易ではないだろう。そもそも「サイド突破からの中央3人への放り込み」は見え見えなので、やはり中央の攻略が不可欠になると予想する。
もっとも、このようなスペーシングもあまりせず、アンロペちゃんが突っ込んでいく展開も十分にありうる。それは松本も想定しているはず(ただし橋内が不在なので、「わかっていても止められない」になる可能性もあり)。
中央から直接的にゴールが生まれなくとも、ボールを動かすことで松本のブロックをずらしていきたい。
前節松本と対戦したガンバ大阪の勝因も中央、高崎周辺を起点にしたブロックの攻略だった。ガンバは遠藤がCBの位置まで下がり、計4選手でスクエアを作るようにして高崎の周囲でボールを動かす。これに関し、宮本監督は遠藤に「もっと前でプレーしてくれ」と指示していたが、遠藤は開始から25分程度この仕事に徹していた。
(松本vsガンバ)高崎の周囲の安全地帯に下りてくるアンカー遠藤 |
松本の中央の選手がこれを気にすると、2列に並んでいるバスの隊列が乱れる。中央での注意喚起はサイドにスペースを作る結果になる。
(松本vsガンバ)ブロックを動かしてからサイドに展開 |
松本のブロックを横に揺さぶり、横方向の強度を失わせてから反対サイドへのサイドチェンジでの勝負や、中央のギャップ狙いで徐々に侵入していったガンバだった。
(松本vsガンバ)反対サイドから仕掛ける |
5.2 攻めきれるか、決めきれるか。
17試合でリーグ最少の9得点の松本。宮阪のセットプレーにも気をつけたいが、オープンプレーだとやはり前田のスピードを活かしたロングカウンターを狙ってくるだろう。
札幌はブロックの打破に、右のルーカスの仕掛けにあまり依存したくない理由も前田の存在にあり、札幌の右クロスに対し、前田は前残り気味のポジションを取ってカウンターに備えられる。前田が走る展開になれば、カバーするのは福森か膝に不安のある深井。現実的には止められそうにない。この不安もあってGKク ソンユンが前進守備で対応しているが、前節仙台戦ではFW石原がロングシュートを狙ったり、またソンユン自身のミスで失点を招くなど、「本職以外の仕事」が増えていることによる弊害が顕在化してきた。
ストロングポイントの右クロスからファー狙いは前田の爆走カウンターに注意 |
松本のサッカー相手にそうしたリスクは少しでも排除の上で試合を進めたいところ。この課題に対しては、ルーカスはファーではなくニアを狙う、菅からのクロスを使っていく、等の対応策が考えられる(左から福森が攻撃参加してクロス、だと、結局背後にスペースを作ることになるので、菅がフィニッシュの方が望ましい)。
その場合は、いつもの得意な形(ファーで高さを活かす)から逸れた戦い方を強いられることにもなる。試合が始まってみないと、ゴール前のパワーバランスがどうなるかわからない部分もあるが、決めた/外した、の結果以外に、何を(どこを)狙ってプレーしているかも見ていきたい。
この話は札幌が攻撃を終了し、トランジションが発生した時の札幌の選手と松本の選手の配置、そしてボールの位置によってその危険度が規定される。一言で言うと、「福森よりも前田が札幌ゴールに近く、前田にボールがすぐ供給されそうな局面」を作りたくない。アンロペが勝手に突っ込む分にはあまり影響がないかもしれない。
夏もアンロペ。撃つんだ。
この話は札幌が攻撃を終了し、トランジションが発生した時の札幌の選手と松本の選手の配置、そしてボールの位置によってその危険度が規定される。一言で言うと、「福森よりも前田が札幌ゴールに近く、前田にボールがすぐ供給されそうな局面」を作りたくない。アンロペが勝手に突っ込む分にはあまり影響がないかもしれない。
夏もアンロペ。撃つんだ。
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