1.スターティングメンバー
- 前回第8節の対戦時と比較すると、藤枝は右WBが久富→中村涼。左シャドーが菊井→梶川。
- コンサは前節からキング→ティラパット。
2.試合展開
空回り構造:
- 前回対戦時に見られたように、ボール非保持の際に藤枝は1-5-2-3気味の陣形でのハイプレスと、1-5-4-1の陣形でのブロック守備(ゾーン2、ゾーン1で使用)を使い分けます。
- しかしこの日はハイプレスの形が前回と異なっていました。
- 前回は1-5-2-3と言いつつ、片方のシャドーが高い位置を取ってコンサのCB2人に同数で対応し、アンカーの川原もケアしていましたが、この試合はトップの真鍋がアンカーの堀米の前に立ってから、GK田川からCBへのコースを切りつつ誘導する、コンサの3選手をケアしなくてはならない役割でした。
- そしてコンサのCBに渡った時に↓
- 藤枝のシャドーの選手が担当するのですが、CBだけを見ていれば良いのではなく、CBとSBを両方見る役割になっていました。
- 何度かこのシチュエーションになった時に、藤枝はシャドー1人でここの2人をケアすることがうまくできておらず、コンサのDFの選手がそこまで困る状況にはなっていなかったと思います。
- 藤枝はこの対応(前線3人だけでコンサのDFとGKとアンカー5-6人を見る)によって、後方に5バックを常に残しておくことができるのですが、 この5バックを残しすぎ、温存しすぎなところも感じました。
- コンサの後方の選手から前線に縦パスが入る際に、バカヨコに対しては楠本が警戒していて潰そうとしていましたが、右のティラパット、自由に動く荒野、そしてこの日はあまり左に張らず中央い入っていた青木といった選手たちに対しては、藤枝の5バックはほぼこの役割(後ろで待っていて縦パスを潰す)しかこのシチュエーションでは考えずらいのにあまり積極的な姿勢が見られず、結果的に後ろで待っているだけのようになってしまっていました。
- 14分のコンサの先制点につながる場面は、この時は髙尾に対しシャドーの梶川ではなく左WBの中村優斗が出ていて、上記の空回り感は解消されていました。
- こうなるとプレッシングの強度は全然変わってきて、コンサは髙尾のところで詰まりかけますが、ルーズボールを堀米悠斗フォローしてバカヨコに縦パス。バカヨコの縦パスを青木が受けて髙尾が攻撃参加して…という形でした。
攻撃的SBの真骨頂
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髙尾瑠が鬼プレスから連携ミスを流し込んだ!
髙尾の加入後初&6年ぶりのゴール🙌
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- なお藤枝の松木のパスが弱くて髙尾への幸運なアシストとなりましたが、全体的に藤枝はパススピードが遅く、コンサの選手が近くにいる時でも、もう少ししっかり足に当てた方がいいのでは?と思うところがありました。芝に不慣れなのか?何か理由があったのかもしれません。
- スコアが動いて藤枝は前に出てボールを回収しなくてはならない状況となりましたが、5バックを後ろに残している状況はこの試合展開とかなり相性が悪く、前後の枚数のバランスというかもう少し前に枚数を割かなくてはならない状況になったと思います。しかし前半は抜本的なやり方の変更はなく空回り気味で45分が経過しました。
ピッチを広く使うための条件:
- ボールを持った時の藤枝の形も前回の対戦時とやや変わっていて、この日は中盤の1人(主に岡澤)がCB楠本の隣に下がってきて、左右のDFの鈴木と森は左右に大きく開く。我々が数年間見続けた、日本サッカーで非常によく見る陣形を作ってからプレーするようになっていました。
- 見た感じ、藤枝のキーマンはこの下がってくることが多い中盤の岡澤と、左WBの中村優斗でした。
- 大卒1年目の中村優斗は印象としてはまだまだ粗いドリブラーで、縦に何度も仕掛けますがそうパターンも多くなくフィニッシュの精度にも課題がある。ただ彼はチーム内で信頼というか頼りにされている印象で、前線では最もボールが集まる選手だったのは間違いないと思います。
- 岡澤はCBの選手とはボールを扱う能力が明らかに異なるということで、彼が下がって最初にボールを引き取る形なのでしょう。
- この形を作ってからの藤枝は、最後に左の中村優斗に渡したいとして、なるべく対面の髙尾と1v1、かつ中村がスピードに乗っているとか、髙尾が寄せきれてないとか、ドリブルで仕掛ける側の選手にある程度有利な状況を作ってボールを渡したいところで、そのためには髙尾だけでなくコンサの選手をまず藤枝の右(中村優斗と反対側)に寄せてから、速いパスなどで一気に逆サイドに展開するようなプレーが必要かと思います。こういったプレーで大外に張る選手に効果的にボールを集めることでその能力を引き出すことを「ピッチの横幅を使う」、「ピッチを広く使う」と表現されます。
- この観点だと、藤枝は岡澤のところにボールが集中していて、隣のDFやGKの栗栖を経由してコンサの選手を引きつけたり寄せたりしてスペースを作るプレーが少ない印象でした。
- 特に左右のDFである鈴木と森を使う機会が少なく、岡澤がボールを持つとほぼ右シャドーの松木への縦パスが選択されていましたが、この松木やトップの真鍋のところから左の中村優斗に展開する手段を藤枝は全く持っていなかったので、そのまま右で中村涼のところに展開するしかなかったりで、このような選手が縦横に広がった陣形をとっている割にはピッチを広く使うプレーは全くできていなかった印象でした。
狭いプレーが得意な選手の登場:
- 後半に入って藤枝は松木・梶川→朝倉・河本でシャドーを2人変えてきます。
- 藤枝は中盤右の岡澤が落ちて最初にボールを触るので、右シャドーの朝倉が受け手になるとして、松木よりも朝倉の方が低い位置で受けようとする傾向があり、かつそこから朝倉は前方向に、寄せられていても強引にコントロールしようとするので、藤枝としてはピッチの横幅を使うと言うよりは縦への意識が強くなったと思います。
- じっくりボールを動かしてスペースを作って…というやり方ではないので、縦に急いでいるともいえ、試合展開はややオープン気味にはなりますが、本来藤枝はこうした狭いスタイルの方が活きる選手が何人かいて、槙野監督になって選手起用の傾向が変わっているのもこうした点が理由なのかと思います。
- ボール非保持は前回の、FWと左シャドーの2人でコンサのCB2人にアプローチする形に戻してきました。
- そして63分に中央狭いスペースでの朝倉の仕掛けが潰されてのネガトラから、コンサが家泉→田川とバックパスをしたところで素早く切り替えて前線守備ではめる形を作り、田川のパスミスを誘い、河本がボックス内で仕掛けてから最後は三木が押し込みスコアは1-1。
🎦 ゴール動画
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) April 29, 2026
🏆 明治安田J2・J3百年構想リーグ 地域リーグラウンド 第13節
🆚 札幌vs藤枝
🔢 1-1
⌚️ 63分
⚽️ 三木 仁太(藤枝)#Jリーグ pic.twitter.com/WYvQUEMbVH
- コンサはこの試合に限らず、CBに同数で対応してくるチーム相手には田川がボールを捨てる選択が多く、おそらくこれはチームとしてある程度許容しているのだと思います。
- 田川としてはまずもう少しボールを大切にしたいという考えはあったというのと、あとは個人の癖としてファーストタッチでボールを晒しがちなところはあるかもしれません。
- この場面は、角度的に藤枝のFW真鍋が見えていなかったということはおそらくないので、真鍋が前から来ていることを認識してのプレーだったはずですが、だとしては田川のコントロールはイージーすぎて次のプレーに移行する際に焦ってしまったように思えました。
- スコア1-1となってコンサは66分に荒野・堀米・青木→白井・川原・長谷川。あと前後しますが、57分にバカヨコ→大森のカードを切っていました。
- ただ、長谷川は前線ワイドで切り札になれるとして、そこにボールを供給できる手段を何か持っているわけでもないので特に試合を動かせず時間経過します。互いに足が止まってくると、コンサの1-4-4-2に対し配置上はワイドとシャドーで捕まえづらい選手を用意している藤枝の方がその優位性が活き、左の中村優斗にボールが渡り仕掛ける機会もたびたび生じていました(ただしフィニッシュの精度に改善の余地あり)。
- 88分に藤枝の左サイドでのスローインをコンサがクリアして、そのクリアボールを拾った長谷川が続けてクリア。これが高いバウンドとなって藤枝のDF背後に流れ、大森と楠本が競り合いますが楠本がクリアできず、フォローしたコンサの白井を藤枝のDF中川(途中交代)が倒してPK。
- それまでトップに白井が入っても特にスピードを活かすような展開にもならず、本当になんの変哲もないクリアボールからでしたが、大森が決めて2試合連続のヒーローとなります。
- 藤枝は、バカヨコとのマッチアップで楠本が疲れている様子が後半の速い時間帯から感じられ、57分にフレッシュな大森が出てきた時点で結構既にキツそうでしたが最後まで引っ張ることとなりました。
- やはりこの場面でも競り負けてしまったということと、PKを献上した中川はそうした味方に関する情報も頭に入れて危機を察知しておく必要があったと思います(完全に出足が遅れてしまいました)。
3.雑感
- シュート本数は藤枝の14本に対しコンサが5本。別に中央で相手に脅威を与えているわけでもないしサイドでも同様なのですが、相手のイージーミスと、そこまでイージーではないけどミスがらみで2点を奪う(槙野監督「安すぎる失点で試合がぶち壊しになった。そこら辺については監督や戦術うんぬんというよりは個人のミス」)、実にこのチームらしい勝ち方だったと思います。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。






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