1.ゲームの戦略的論点とポイント
スターティングメンバー:
- ホームスタジアムがネーミングライツによって2024年8月より「大和ハウス プレミストドーム」、略称プレドに愛称設定されての初戦。
- 25節までで、福岡は札幌に次いで少ない24得点ながら23失点でここまで8位につけます。一方で相手が3バック(5バック)のチームとの対戦では、札幌、湘南×2、名古屋、広島に引き分け、広島とヴェルディに負けと、5分2敗で実は勝ちなし。札幌はアレだとして、ゴール前にDFを並べられると手詰まり感は否めないと言えるでしょう。
- ただそうした中でも「相手を崩すために自分たちが先に動いて崩れる」という日本サッカー的なカルチャーとは無縁の堅さは健在。動いて崩れるくらいなら動かず勝ち点1でよし、とする考え方は選手起用にも反映されています。
- FWは序盤戦好調のザヘディがここのところベンチスタートが多く、ウェリントンの起用が増えていますが今日はザへディがスタメン。佐藤凌我が大怪我から戻った後はシャドーに定着し、岩崎が左に回っており、これによって前嶋と湯澤が離脱中の右はよりバランスを取る傾向がより強く、6月以降は小田の起用が増えています。その佐藤は前節決定機を逸したからか?今節はメンバー外で北島にチャンスが回ってきました。
- DFは今シーズンは3バック(5バック)のみ使用で、宮の不在時は左、奈良の離脱以降は中央に回っている田代はこのシーズン評価を上げた選手でしょう。
- コンサは前節に続いて髙尾が欠場で、岡村と駒井もよくわからないですが不在。これに伴い宮澤が10節湘南戦以来、今シーズン2度目となるDF起用。中盤センターは田中克幸の予想もありましたが、中村桐耶を回して左DFにパクミンギュが初スタメン。前節は途中出場で菅がDFに入っていましたが今回は入れ替えてきました。
1.試合展開
似通ったキャラクターが並ぶ:
- 福岡が1-5-2-3の陣形でコンサにボールを持たせる展開。
- コンサは宮澤からボール保持が始まります。福岡はザへディと中盤センターの松岡&重見で受け渡しながらコンサのアンカー大﨑にボールが入らないように警戒。北島はコンサSBへのパスコースを切り、シャドーの浅野にはCB宮がついていく対応。
- 宮澤は前方向のコースを切られているので、中村桐耶に渡して攻撃のサイドを変えて様子を見ることが多かったと思います。
- 中村は皆さんご存知の通り、ピッチ左側からドリブルでスペースに突っ込んだりボールを運ぶプレーが得意。序盤から空いているところに躊躇なく前進する姿が見られました。
- このコンサが攻撃のサイドをDF同士のパスで変えるプレーは福岡としては想定内で、このシチュエーションでは福岡は強烈に横スライドして中村の突進を止めるような素振りはしない。コンサが多用するDF→逆サイドのWBへの斜めのサイドチェンジに対しては小田と岩崎が受け手のWBの前で必ずカットを試みて、サイドチェンジから加速できないようにしていましたが、DF同士の横パスですぐに危険なことにはならないのでここは放置というか無理をせずリトリートして後方の枚数を確保して対応します。
- コンサの左サイドに誘導された後でピッチ上に生じていた現象としては、中村桐耶が割とプレッシャーを受けずにフリーな状態で行けるところまで持ち運ぶ。そうするとパクミンギュはあまり低い位置を取る必要がない、ということで彼は本来菅がいるくらいの高い位置をとる。菅はそこに滞留しているとパクミンギュと重なるので、より中央寄りに移動する。↓の図に示した配置です。
- ここからの展開は、中村から右サイドへのサイドチェンジもあるのですが、先に書いたように福岡はWBへのサイドチェンジは必ずストップさせることもあって、比較的左サイドでそのまま福岡陣内に入って行こうとする選択が多かったと思います。
- この際、コンサは中村桐耶と菅はいずれも身体の強さや走力を活かして縦に突っ込むプレーが得意な選手で、得意なプレーが似ているというか被り気味と言えそう。
- そしてパクミンギュは、中村桐耶や菅よりはボールタッチが柔らかくまた相手が突っ込んでこれば切り返して回避したりとよりスキルフルな選手に見える。が、得意なプレーやプレーエリアとしては彼も左サイドのタッチライン際で縦方向にプレーするのがおそらく得意なように見えました。
- つまりこの試合、コンサは左サイドに配置された選手3人の選手特性がかなり似ていて、多少のポジションチェンジをしようとも、工夫がなければ3人が同じような仕事を試みる傾向にあり、プレーの幅という点ではあまり効率的ではなかったと思います。平たくいうと、やることはサイドで誰かが突破してコーナーフラッグ付近からFWの頭を狙ったクロス、なんですが、強力なウインガーが1人いればその選手に任せておしまいなプレーを3人を使ってやっているということになる。
- 加えて中村桐耶があまり前に突っ込みすぎると、最終ライン中央は宮澤1人になって、コンサにボールを押し付けてカウンター狙いにほぼ全振りの福岡にとって美味しすぎる餌状態に陥ります。
- 大﨑はおそらくこの構造に気づいて、中村桐耶が前がかりになると自身は下がってバランスを取るのですけど、そうすると大﨑はピッチ中央かつより相手ゴールに近い位置での配球役としての役割を担えなくなる。
- 相手が高い位置からpressingを仕掛けてくるチームなら大﨑が下がってボールに触る意義もありそうですが、福岡のように引いて守るチームだとより高い位置でボールに触った方が良いので、この左サイドで起こっていた現象によりこの試合では大﨑の良さが活きなかったと言えるでしょう。
ボールのお返しにPKをプレゼント:
- 12分に宮澤が自陣ボックス内でボールを失って、ザへディを倒してPK。これをザへディが決めて福岡が先制します。
- 先述の通りあまり福岡はコンサのGKやCBを追いかけ回すことはしていませんでした。なのでこの時は菅野からボールを引き取った宮澤の体の向きやポジショニングは非常に甘かったですし、その状態の宮澤に預けた菅野も完全に安心しきっていました。
- たとえばこれが前田大然のような前線で常にプレッシャーをかけてくる危険な選手と対峙していたらこのようなイージーなリスタートはしなかったはず。そこを突いたザへディの狡猾さが光りましたし、コンサは自業自得だったと思います。
- 以降、前半は構図としては↑の図の通り、福岡はコンサCBにボールを持たせて、コンサはそこからどうするか…という展開が大半。フリーになる選手はどこかわかっている極めて再現性の高い展開となりましたが、コンサは前半ほとんど福岡ゴールに迫ることができませんでした。
- 敵陣でボールを持つとコンサは↓のような配置が多くなります。福岡は最終ラインに5枚が並んでいて最後ここを剥がさないと効果的なシュートを放つのは難しい。いきなり武蔵に入れても何もできないというところです。武蔵以外にも最前線に近藤、菅、パクミンギュといった選手がサイドに張っていますが、サイドはスペースが狭くかつ順足配置ということもあって中央からサイドに追い込まれやすい。
- 前に張る選手への配給役というか中継役として、青木や浅野がトップからやや下がった位置(図で言うと青い四角のところ)で、彼らもDFを外した状態で受けられれば前を向いてラストパスを出せそうですが、青木は左サイドの渋滞もあってこの位置から逃れるように下がってくる。
- 右は浅野と、時折馬場も中央に入って行こうとするのですが、この日は左で中村桐耶が突っ込んだり、大﨑が左からスタートしていたのもあって右(宮澤)はバランスをとり気味で、浅野は非常にボールタッチが少ない状況でした。
- 対する福岡は、マイボールはほぼ全てFWザへディか、たまに前に走るWBへのフィードで消化します。
- ザへディはジェイボスロイドのような、ボールにアタックするというより相手DFをブロックする競り方をして何度かマイボールにすることに成功していましたが、基本的には福岡は↑の配置から、プレーの仕方を知らないコンサが勝手にボールロストするので、そこからコンサDFが攻撃参加した背後のスペースを突く速攻でゴールに迫っていました。
- 一応前半のチャンスの場面(シュートとボックス付近でのプレー)を切り出すと、コンサは、
- 5分、スローインから馬場のスルーパスに近藤が抜け出しボックス内からクロスも合わず。
- 29分、菅がボックス外からミドルシュート(枠外)。
- 31分、大﨑がタッチライン付近からハーフスペースの中村桐耶に斜めのパス。中村桐耶がワンタッチで前の青木に流し、青木がボックス付近から左足クロスも浅野のヘッドは合わず枠外。
- 43分、青木→馬場のサイドチェンジが成功し、ボックス付近の近藤を経由して中央に流れてきた青木へパス。青木が浮かせたコントロールからミドルシュートも大きく枠外。
- こんな感じで、31分の浅野のヘッドが唯一福岡の守備を攻略しかけたプレーでした。
- 得点シーン以外で福岡のチャンスは、
- 4分、中村桐耶のインターセプトからそのまま福岡陣内に侵入するも、シュートには至らず福岡のカウンター。ザへディが落として岩崎が運び、岩崎の右クロスにザへディが宮澤の背後でフリーになりますがシュートミス。
- 34分、宮澤→パクミンギュ→青木のパスを拾った福岡のショートカウンター。岩崎がボックス内にドリブルで侵入しますが馬場がストップ(この辺から大﨑が自陣でのボール保持の際に宮澤と中村に出す指示がさらに細かくなりますがプレーはあまり改善されません)。
- 36分、岩崎が裏に走ってフィードを引き出しボックス付近に侵入。一度戻してサイドを変えフィニッシュに持ち込もうとしますが小田を菅がストップしてシュートに至らず。トランジションから福岡が回収して紺野がドリブルで再びボックス付近に侵入しますがクロスは合わず。
- 40分、ザへディがボックス外からミドルシュートもコンサの選手に当たって枠に飛ばず。
- なおDAZNの集計では30分時点でコンサがシュート0、福岡が4でした(集計ラグの関係で29分の菅のは含めていないとのこと)。
バンザイアタックで泥沼に引き込むコンサ:
- 後半も前半と変わらない構図の中、58分にコンサは宮澤→ジョルディに交代。
- 3シーズン前くらいから90分は難しい宮澤はどこかで下げる必要があるのでしょうけど、この交代は①武蔵をよりスペースが享受できるシャドーでカウンターのキーマンに、②青木が前を向ける中盤センターに、という2点で非常に効果的でした。
- 早速59分、福岡のカウンターをストップしてGK菅野のスローから青木が自陣で前を向いてボールを持ちます。
- 福岡が完全に戻り切らずブロックを作れない、コンサは近藤ほか何人かが戻らず前残りという、コンサが得意のオープンなカウンターにうってつけの場面でしたが、青木が近藤へルイコスタのような30mほどのスルーパス。GK村上が執拗に抗議するかなり微妙な判定でしたがPKとなり、武蔵が決めてスコアは1-1。
- 「ゲームの流れを読める人」じゃなくても明らかにオープン合戦の予感がするということで、福岡も動いて、66分にザへディ・北島→ウェリントン・鶴野。おそらくウェリントンだとより動ける選手をシャドーに使うこととセットなので、紺野は残した上でこの日効いていた北島を下げてフレッシュな鶴野としたのでしょう(ただ私が生でウェリントンを見た数回の中でこの日が一番動けていたような気もしました)。
- 前半よりもオープンになり互いにシュートを撃ち合う展開になったのは、福岡よりもコンサの選手交代とプレー選択傾向の変化が大きいでしょう。
- まず①前線のジョルディや武蔵にさっさとボールを放り込む選択が増えた、という点。福岡はコンサのアンカーを注視しており、そのために中盤センターの2選手がCBの前だけではなく前方向も見ることになるのですが、コンサがサイズのあるFWや、WB(サイズはないが空中戦の競り合いに強い近藤)に放り込んでセカンドボールが福岡DFの前付近に転がると、福岡としては中盤センターの選手とシャドーのタスクが増えることになります。
- コンサは完全に前がかりになっていて、馬場や菅といったあまりボール保持時に明確な役割がなかった選手がセカンドボールに突っ込んで拾う役割を全うできるということで、この展開はコンサにハマっていたと思います。
- また②ザへディ→ウェリントンの交代の影響。コンサは常に後方にDF2人しかおらず、ザへディ+1-2人の福岡のカウンターを1on1でストップしなくてはならないのですが、ウェリントンは単騎で仕掛けると言うよりは空中戦でマイボールにして味方の上がりを待って、またゴール前に入ってクロスを待つ…というスタイルでしたので、ウェリントンが入ってからはコンサは福岡の速攻に対する脅威はやや下がったでしょう。
- あとは③福岡も運動量が低下して、スペースができ、かつポジションが下がった青木や武蔵が前を向きやすくなる。青木が良い、といっても、青木1人ではどうしようもできないので受け手が必要になるのですが、福岡のDF-MFのスペースが開くようになって受け手となる武蔵や浅野が前を向きやすくなったのはあるでしょう。
- あとは些細な点ですが、④中村桐耶、大﨑、青木の後方トライアングルが固定され(中村桐耶がファジーなポジショニングをしなくなった)、無駄にここ時間を浪費することもなくなったといえます。
- と言いつつも、↓に決定機を集計していますが、例えば76分のプレーはコンサの大﨑の放り込みが失敗し、そこから福岡がカウンターで決定機となった場面。コンサは菅野のセーブと福岡の鶴野のシュートミスに助けられました。
- 結局オープン合戦だと戦術的にコントロール不能で、こうした際どいプレーで個人のクオリティ次第になるという典型的な例かなと思います。
- その76分のチャンスの前に福岡は紺野→前寛之。福岡としては速攻のキーマンを下げて、よりバランスを取れるキャプテンを投入して1-1でもOKとしたのがこの時間帯でしょうか。
- 82分にコンサは浅野・青木→長谷川・田中克幸。同時に福岡は岩崎・重見→亀川・金森。
- コンサは放り込みでDFを押し下げて、福岡が下がってできたスペースで田中克幸になんとかしてもらおうという”想い”でしょうか。
- 福岡は変わらず、守ってカウンター。変わったのはコンサが放り込むことが増えたので、田代の対空性能が活きることになります。76,79,86分と続けてカウンターから決定機を迎えますが逸していたところ、90+6分にコンサの放り込みを井上が跳ね返し→金森のキープから最後は亀川。馬場のクリアミスですが、ボロ雑巾のように走り回ることを要求されて完全に力が入らない状態だったのでしょう。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) August 10, 2024
右足一閃⚡️
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今季初得点がこのゴール#亀川諒史 後半アディショナルタイムにこの一撃🔥
🏆明治安田J1リーグ第26節
🆚札幌×福岡
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- 色々な意味で終わりかと思いましたが、ほぼラストプレーで田中克幸が決めて同点。
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— DAZN Japan (@DAZN_JPN) August 10, 2024
なんだこの試合は...劇的ゴールが2つ
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大卒ルーキーが大仕事#田中克幸 左足で試合を振り出しに戻した!
J1初ゴールがこのゴラッソ🚀
🏆明治安田J1リーグ第26節
🆚札幌×福岡
📱#DAZN ライブ配信中#札幌福岡 pic.twitter.com/khm81XuuOX
- 最後にまた得点以外でチャンスの場面をカウントしておくと、コンサは
- 59分、中村桐耶がゴール正面左40mくらい?からジョルディにアーリークロス。クリアボールを馬場が拾ってそのままドリブルし、ボックス付近で倒されるがノーファウル。
- 70分、自陣で拾って武蔵が運びボックス付近へ。一度戻して右の近藤が中央にカットインし、武蔵がボックス内から左足反転シュートも枠外。
- 73分、ウェリントンが落としたセカンドボールがルーズボールとなって、最後は馬場がアタックしてコンサが拾う。右から近藤のスルーパスにジョルディが抜け出してネットを揺らしますがオフサイド。
- 77分、武蔵→パクミンギュと渡ってパクは小田がストップしますが、青木が奪い返してそのままボックスすぐ外45度の絶好の位置からシュートもDFがブロック。
- 83分、リスタートから馬場が左の長谷川にフィード、ボックスすぐ外で倒されてFK。
- 福岡は、
- 50分、スローインから右→左にサイドチェンジ。岩崎の仕掛けを近藤が倒してボックスすぐ外でFK。
- 53分、コンサ左サイドボックス付近で青木が突破を図るも福岡が回収→紺野のキープ→左に走るザへディへのフィードでカウンター。ザへディが単独突破を図るもボックス内でドリブルをストップ。
- 55分、小田がパクミンギュにアタックしてボールを回収。紺野がすぐにスルーパスで宮澤と大﨑の間のスペースを切り裂きザへディがボックス内に走りますがシュートは菅野が右手1本でストップ。
- 57分、右からのスローインで小田→松岡からボックス内の北島のポストプレーで味方を待ちますが合わず。ロストからコンサのカウンターになりかけたところを止めて再びボックス付近で、小田が左足ミドルシュートも大きく枠外。
- 76分、大﨑のサイドチェンジが中途半端になって右で小田が回収→前寛之のワンタッチでのスルーパスに鶴野が抜け出し菅野と1on1になりますが菅野がブロック。
- 79分、浅野のバックパスを鶴野が拾ってドリブルからボックス内に侵入。ウェリントンが低いクロスに合わせますが枠外。
- 86分、カウンターから福岡が一旦キープ、金森が右で松岡とのワンツーからシュートも大﨑がブロック。
- ATに2-2となった後、松岡がボックス外から左足シュートも菅野がキャッチ。
- といった具合で、あれ?オープン合戦でコンサが猛攻に出た印象でしたが、それでも後半も福岡の方がしっかりコントロールしてカウンターから決定機を作っていて、「あとは決めるだけ」だったと言えるでしょう。
雑感
- 福岡からほぼ大半の時間帯でボールをプレゼントしてもらいましたが、それが効果的なオフェンスに結びついた局面はほぼゼロ。60分以降に福岡の選手の足が止まって、最終ラインに枚数が揃わなくなったところでダイレクトに前にボールを送ることでコンサの猛攻が始まり、2万4千人の観衆の前でなんとか格好がついた…という試合でした。
- ボールをプレゼントしてもらった展開ですので、その機会をほとんど効果的に使えなかったという点をまず考えるべきです。
- (私は最初ネタで「大﨑監督」と言っていましたが)現状このチームは戦術的にも大﨑を中心に回っていて、おそらく中村桐耶が下がって大﨑がアンカーに入るというところも彼のアイディアなのでしょうけど(これまでの試合でも監督が明確に配置を決めている感じはせず流れでやっているので、少なくとも監督やスタッフの仕事ではないはず)、試合では中村が得意なプレーをしようとしてポジションが崩れる→大﨑はそれに連動して中村が空けたところをカバーしたり不得手な左サイドに回る…という感じで、うまくいかなくなります。
- 前半途中からは大﨑がプレーのたびに都度「ポジショニングここ!」、「そこはドリブルで持ち運ぶ(conducción)!」と中村と宮澤に指示出しをするようになったのですが、それで全てのプレーを管理するのも、大﨑も自分の仕事をしながら的確に状況把握をして指示出しをするのも不可能。結局は福岡のようにしっかり重要なスペースを消して、捨てるところは捨てる、という極めて戦術的に整ったチーム相手だと、やはり日頃のチームとしての積み重ねや個人能力が如実に現れるということを示していたと思います。
- あとは本当に雑感ですが、54分くらいにコンサが大﨑→青木の縦パスがズレて2人で「ごめん」「いいよ(サムアップ)」のような感じでコミュニケーションをとっていて、その直後福岡が宮→重見のパスが同じようにずれる、という、DFがあまりプレッシャーがない状態で互いに似たシチュエーションのミスをする場面がありました。
- この際、福岡はその瞬間に何人もの選手が一斉に「おい!」と怒って、かつ北島や重見、松岡が一斉に後ろ方向にプレスバックしてボール回収、というコンサとは異なる結末なのですが、一連のプレーに対する要求水準の高さが全然違うことを示した象徴的な場面だったと思います。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。
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