スターティングメンバー |
北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-1-2、GKク ソンユン、DF菊地直哉、増川隆洋、福森晃斗、MF石井謙伍、前寛之、宮澤裕樹、ジュリーニョ、ヘイス、FW都倉賢、内村圭宏。サブメンバーはGK金山隼樹、DF永坂勇人、MF河合竜二、堀米悠斗、神田夢実、小野伸二、FW上原慎也。遂に左サイドジュリーニョのスタメンが解禁。宮澤が出場停止明けで復帰、3バックの中央に増川も戻ってきた。サブには櫛引ではなく永坂が入っているが、櫛引は試合前に右膝内側側副靱帯損傷というリリースがあった。
FC町田ゼルビアのスターティングメンバーは4-4-2、GK髙原寿康、DF土岐田洸平、畠中槙之輔、カルフィン ヨン ア ピン、松本怜大、MF中村祐也、李漢宰、森村昂太、谷澤達也、FW中島裕希、仲川輝人。サブメンバーはGK内藤圭佑、DF有薗真吾、MF大竹隆人、井上裕大、重松健太郎、FW戸島章、久木野聡。前回対戦で先発出場していた選手のうち、鈴木孝司は8/7に左アキレス腱損傷の大怪我を負いシーズンアウト。また三鬼海と鈴木崇文は8/23付で謎の契約解除。両選手とも右サイドのレギュラークラスで、やりくりが一気に苦しくなっているが、試合前の段階では勝ち点46、12勝10分10敗で8位と、1試合未消化のうちに横浜FCに抜かれたものの、数字上は十分に昇格プレーオフ戦線に踏みとどまっている(但しJ1ライセンスは交付されていない。試合後、9/28に発表された2017シーズンのライセンス判定でも、町田にJ1ライセンスは交付されなかった)。
0.前回対戦を踏まえた争点
1)町田の縦横圧縮守備
前回対戦:4/3の町田市立陸上競技場での対戦では2-0でホームの町田が勝利。内容的にも町田のコンパクトなゾーンディフェンスが機能し、札幌に決定機を作らせずカウンターで2得点を挙げての完勝だった。
前回、都倉を欠いた札幌の攻撃陣が町田の前に苦戦したのは、端的に言うと、縦横を圧縮して陣形をコンパクトにし、スペースを奪ってくる町田に対し、そのコンパクトな領域の中で勝負してしまい、ボールを落ち着かせることができなかったため。
前回対戦時:町田のコンパクトなゾーンに捕まる ※メンバーは前回対戦時のもの |
2)町田ブロックからのボールのエスケープ
札幌はどうすべきだったかというとシンプルで、町田がラインを上げて前後を圧縮してくるならば、オフサイドポジションに取り残される前のタイミングで裏にロングボールを入れてFWを走らせ、ラインを下げればよい。この時、一発で裏を取れればベストなのは言うまでもない。また、サイドに展開した際には町田はボールサイドに選手を集めてくるので逆サイドが空く。上の図ではウイングバックの堀米までボールを付けると町田にパスコースを消されてしまうが、福森が持った時点で町田はボールサイドに寄ってくるので、福森から堀米に出さず、一気にサイドを変えればよい。
留意点としては、ロングフィードで展開していくので、サイドを変える選手にはロングレンジのキック精度が要求されるが、札幌は福森を擁しているのでこの点では非常に恵まれている。ついでに言えば、昨シーズンから何度か試されている福森のウイングバック起用は、選手の特性を殺す愚策だと思う。福森は3バックシステムの最終ラインにいるからこそ空きやすく、得意のロングキックで攻撃の組み立てに関与することができるのである。
サイドで圧縮され行き詰まる前に、裏を狙う動きとサイドチェンジで攻略したい |
実際のところやることは至ってシンプルで、前回、町田を攻略できなかったのは、早い時間に先制点を与えてしまい浮足立ったこともあったが、個人的な感想としては、戦術面の準備不足。準備ができていればそこまで苦戦することはなかったはず。
前回の札幌DFラインは進藤-増川-福森というセットだったが、もっと徹底して福森にボールを持たせるべきだった。また、前線に内村ではなくコンディションの上がっていなかったヘイスを、下がって持ちたがるジュリーニョとのセットで起用したが、この2トップにはラインの裏に抜ける動きがほとんどなく、後半頭からヘイスを内村に変えるまではずっと狭いスペースでプレーしようとして、町田DFの罠にはまっていた。
4-4-2でセットしてからのゾーンディフェンスは、札幌が8月以降に対戦したロアッソ熊本やザスパクサツ群馬も同様の戦術で札幌の対抗してきている。熊本戦、群馬戦共に左右への揺さぶりは何度か試みてはいたものの、ゲームを通じてのアクションとしては精度が不十分で、熊本や群馬のディフェンスを揺さぶり、崩していくことに札幌は苦戦している。夏場以降で似たような戦術のチームとの3試合目ということで、そろそろ戦術的な仕込みによる打開が見たいところではある。
1.前半
1.1 裏狙いによる鮮やかな先制ジャブ
恐らくだが町田のゲームプランは前回対戦時同様に、コンパクトなゾーンディフェンスから札幌のパスを引っ掛けてカウンターで仕留めようというもの。しかし開始3分でこのプランを崩す先制点を札幌がゲットする。スローインを受けた町田の中村がターンしたところを、ジュリーニョが距離を詰めてボールを奪取すると、中央に持ち出してから、ラインを押し上げていた町田DFの背後に右足でスルーパス。内村とヘイスが抜け出すが、オンサイドかぎりぎりだった内村はボールに関与せず、ヘイスがスルーパスを受け、町田DFの追走を振り切り髙原との1vs1を制してクールに流し込む。
開始直後でスローインからのプレーということで町田もややフワッとした状況で、隙を見逃さずに間合いを詰めて奪ったジュリーニョの守備は見事だった。
ここ数か月、「ジュリーニョの守備が不安なため、サイドは難しそう」という言説は札幌サポーターの中で浸透しているように思えるが、「守備力」という言葉は定義が曖昧なので用法に留意したい。個人的には、FWで出ている時のジュリーニョの守備を見ると、ボールへの圧力や運動量、ポジショニング、守備意識など、そこまで問題だとは思わない。ただ札幌のウイングバック、それこそ石井が見せているプレーのように、馬車馬のように走って一人でサイドをカバーしろ、という役割に向かないだけで、サイドプレイヤーにあまり無理をさせないチームならば、ジュリーニョは十分に起用に耐えうると思う。
なおジュリーニョからのラストパスの瞬間を見ると、実は内村も非常に微妙なタイミング(オンサイドと判断されても問題ない)だった。ともかく、この試合のテーマの1つである裏狙いをいきなり前3人で仕掛けたことで、今日は前回対戦とは同じ轍を踏まないかな、という期待を抱かせる先制攻撃であった。
ジュリーニョのスルーパスの瞬間 |
1.2 町田が運べない理由
1)ポジションを崩さない町田のビルドアップ
札幌が早い時間帯に先制したことで、序盤の試合展開は札幌が撤退し、町田がボールを持つ時間が多くなる。
町田の遅攻時のビルドアップの特徴は、ポジションや陣形を4-4-2のまま、あまり変えずにボールを動かしていくこと。ポジションを変えない理由は、ボールを失った後に守備ブロックを構築しやすいというリスクヘッジ的な側面が大きいと思われる。基本的なポジショニングを図で示すと以下のようになる。
442と523のマッチアップ |
2)3人で横幅を守れてしまう札幌
このとき、町田は先述のようにポジションを崩したビルドアップを志向していないので、CBの畠中とヨン ア ピンがドリブルで運んだりというプレーはあまり展開しない。CBがボールを持つと、パターンとしては①SB経由で外→外の運びを狙う、②ボランチに縦パスを入れる、がある。
このうち①については、町田の横に広がる4バックvs札幌の前3人の守備、という構図になるが、これは本来札幌に分が悪い状況である。というのは、ピッチの横幅68メートルを3人で守り切ることは基本的に不可能。札幌が3人で中央を守れば、サイドのタッチライン際に人を配せなくなり、どちらかのサイドに人を寄せれば、逆サイドに振られたときに間に合わなくなる。
本来、68メートルを3人で守り切ることは難しいが… |
しかしながら、試合の序盤は町田の4バックによるビルドアップを札幌の都倉-ヘイス-内村の3枚で守れてしまう状況が多くなっている。これは、町田のCB→SBのパスのスピードがイマイチなことや、また必ず2人のCBを経由してサイドを変えようとする(ヨンアピンから右サイドに展開する時に、一人飛ばしのパスを使わない…必ず畠中を経由する)こと、また試合序盤で体力に余裕のある札幌の内村や都倉の頑張りにより、サイドバックにパスが出たときに必死に着いていったことも理由である。
見ていて思ったのは、町田のCBのビルドアップは安直なところがあり、例えば札幌の菊地のような選手ならば、相手が出てこない時はドリブルで持ち上がり、対面の選手がチェックに出た際は、細かいキックフェイントを入れて選手を動かしてからパスを出す。町田のヨンアピンや畠中はこうしたプレーが見たところあまり得意ではないようで、基本的に体の向きの通りにパスを出している。そのため札幌も対応がしやすい。
3)中央で前を向けないボランチ
では町田はサイドで捕まってしまうなら中央はどうか。札幌は前3人(都倉-ヘイス-内村)で一応、中央を閉じてはいるものの、選手間にわずかにパスコースがあり、ここに縦パスを通し、ボランチの李漢宰と森村が受けることは可能ではある。
ただ、李漢宰と森村にボールが渡ると、札幌のボランチの宮澤と前寛之が非常にアグレッシブに、マンマーク気味に迎撃してくるので、李漢宰と森村はなかなか前を向いてボールを受けることができない。
この点は選手のスキルにもよるところがあり、ターンの技術やポジショニング次第で、タイトなマークを受けていても前を向いて持つことは可能な選手もいる。が、札幌でのプレーを覚えている人も少なくないと思うが、李漢宰はそうした器用な選手ではない。森村はFC東京の下部組織出身で、かつては技巧派で鳴らしていた選手だが、プロではサイドが主戦場。中央で360度の視野を確保するボランチとしては難しいのかもしれない。
といった事情もあり、町田はボランチが中央で前を向いてボールを持てず、前線にいい形で縦パスを供給することができない。
縦もサイドも封鎖に成功 |
4)プロビンチャの泣き所
このように町田はボールを持たされる展開になると、最終ラインやボランチの展開力の乏しさが露見されてしまう。下の写真で見ると、例えばCBの畠中は札幌が撤退守備を敷いている時はドリブルで運び、選手を動かしてからパスを出したいところだが、畠中はこの位置から安易に同一サイドの土岐田にパスしてしまう。この20mほどのパスはスピードもイマイチで、受け手の土岐田はジュリーニョと内村にサンドされてしまう。
CBが運べない |
またボランチも、この李漢宰の例が典型であるように、札幌の選手が近くに寄ってくるとボールをキープできず、バックパスをするか一か八かのパスで逃げてしまう(責任放棄)ので、攻撃が繋がらない。
ターンできないボランチ |
今や最終ラインからの組み立ては世界のサッカーシーンの常識となっているが、Jリーグではまだまだそうした選手が十分に育っていない以上、予算面ではJ2でも最底辺の町田ではそうした組み立てのできるCB、縦パスを出せるボランチを確保することは難しい。
1.3 札幌のポゼッションと四方田監督のエスケープ策
一方、札幌としては、先制したのでポゼッションプレーがあまり得意ではなさそうな町田にボールを持たせ、引き気味の守備ブロックで待ち構えて迎撃するという展開を選択することは可能である。しかしホームで12,000人近い観衆を集めたこともあり、ずっと"待ちガイル"のような戦法を取るわけにもいかないので、ボールを回収するとゆったりと後方でボールを回して落ち着かせながら、少しずつボールを前進させて追加点を取りに行く姿勢を徐々に見せていく。
冒頭に書いたように、札幌のポゼッションプレーでポイントになるのは、コンパクトな陣形で守ってくる町田のゾーンの網に引っ掛からないうちにボールをエスケープさせること。四方田監督の示した解決策は予想通り、福森の飛び道具:精度の高い左足のフィードを活用したサイドチェンジであった。
練習を見学した人の話によると、何度も確認していた形だったらしいが、札幌はなるべく低い位置からポゼッションを開始(ピッチの縦幅を使う)することで、町田の2トップによるプレッシングに福森がかからないようにする。必然的に低い位置…福森は石井から遠い位置に配されてしまうが、福森のキック力ならば対角への長いサイドチェンジも通せるとの計算があるから成り立つやり方でもある。結果、福森は期待通りにサイドチェンジを何度も成功させ、前回散々てこずった町田のプレッシングを無力化させることに成功している。
福森のキック力なら長い距離を通せる |
また、この形はサイドチェンジを受けた石井からフィニッシュに持ち込むプレーも当然セットで準備されている。福森の素晴らしいサイドチェンジが通れば、石井は完全に右サイドでフリーになっており、また町田はラインを上げた状態にある。石井に渡り、トラップしたタイミングで札幌の前線では内村や都倉が町田のDFライン背後に走り込み、石井もここを狙って早いタイミングでクロスを供給していく。
石井の攻撃性能については物足りないとの意見もたまに見るが、チームとしてこのようにシステムを構築し、その中の1パーツとして適切に組み込まれればいい働きができる例でもある。
1.4 町田の変化
19分、カウンターからCKを得た札幌はジュリーニョが頭で押し込んで追加点。堅守の町田相手に20分で2点を先行する望外の展開となる。
0-2とスコアが動き、札幌が更に撤退からのカウンターに意識を傾けていく一方で、徐々に町田も攻撃の形を作り出していく。
20分過ぎころから町田はビルドアップの際に、ボランチがCB近くまで落ち、サイドバックがポジションを上げる形への変化が目立つようになる。これは先述のように、町田の両ボランチは中央の狭いスペースで前を向けないため、プレッシャーの薄い後方に下がってきたという見方もあるかもしれないが、ポジティブな見方をすると、CB2人に加えボランチの1~2枚が下がることで、後方はサイドバックを攻撃参加させても安全が確保される。
下の図のように、松本と土岐田がスタートポジションを10メートル上げると、札幌は5-2-3でセットしている守備ブロックの前3枚…内村や都倉がサイドバックを見ることが難しくなる。するとウイングバックのジュリーニョや石井が前に出て対応するが、町田はサイドハーフも基本的にサイドに張っているので、SBとSHのどちらかが空くようになる。
サイドバックを上げ、都倉や内村の射程外に |
札幌はやはり2点を先制したことが心理的に大きかったのか、いつもよりも守りの意識が高いように思える。町田のSBがポジションを上げて"射程範囲内"に入らなくなると、内村と都倉はポジションを下げて5-4-1のような陣形に変わり、無理せず撤退して守るという姿勢を見せる。
しかし5-4-1になると最前線はヘイス1人のみで、ここでの守備が一気に難しくなる。この変化を町田のヨンアピンは見逃さず、自分が空きやすくなったことでドリブルで運ぶプレーを使って攻撃を組み立てる。ヨンアピンのこうした臨機応変な判断とアクションは流石オランダのDFだなという印象である。
札幌のウイングバックを引き出せば芋づる式に後方でスペースを使える |
1.5 札幌右サイドの背後を突く町田
42分の町田の得点…中島のヘッドに至る流れは、カウンターから町田が左サイドでボールをキープするが、札幌の帰陣も悪くなく、5バックとWボランチに、ヘイスも戻って守備に加わっていた。失点の要因を挙げるとなると、札幌が人数をかけて守りに来たところで、谷澤の股抜きパス(石井の股を抜いた)で"やり過ごし"たことが札幌のバランスというか、リズムを崩した格好だったかもしれない。そして札幌がサイドで人数をかけても奪いきれなかったところで、一瞬の隙を突いてアシストとなるクロスを上げたのも谷澤だった。
この日の町田のスタメンで、J1で継続的にレギュラーを張っていた経験があるのは谷澤とヨンアピンのみ(中島や土岐田も一時期は主力で起用されていたが)。実績や過去の名前がすべてではないが、ボールを持った時の落ち着きやアクセントをつけられるかという点では、頼りになる選手はやはりこの2人だなという印象を受ける。
この試合、なかなか前線にボールが入らない中で、谷澤がおそらく初めてサイドで仕掛けたプレー。札幌としては悪い対応ではなかったが、独特の"間"を持つと言われる谷澤にしてやられた格好となってしまった。
股抜きパスでやり過ごし、粘ってからのクロス |
2.後半
2.1 ポゼッション率の背景
Football Labのデータによると、この試合のポゼッションはすべての時間帯で町田が上回っている。町田は基本的に時間と手数をかけないオフェンスを志向しているチームで、試合を通じて町田の支配率が60%というのは異例といってよい。
時間帯別支配率 (出典:Football Lab) |
一方、後半開始からの15分間は、この試合で札幌と町田のポゼッション率が最も拮抗した(47.5:52.5)時間帯であった。
前半30分までで町田が60%以上、30分以降と後半開始15分の町田のポゼッションがやや落ちているというデータが意味するのは、端的に言うと最初の30分は先行した札幌の11人全員でのリトリート守備が機能して町田が攻めあぐね、後方でボールを回させられる時間帯が続いたため。
10人で撤退し町田にボールを持たせる |
逆に、30分以降は札幌の守備強度が徐々に落ち、町田に付け入るスキ(攻撃機会)を与えることになっていたため、町田が仕掛ける機会が多くなる。仕掛ける機会が増えると、攻撃失敗~ボールロストも増えるので、持たされてボールを回させられている時よりもポゼッション率は落ちる。
ただそれでも町田のほうがボールを持っていた時間が長いのは、下の図のように札幌の陣形が前後分断し、札幌のボランチ前のスペースまで容易にボールを運ぶことができるようになっていたためである。
守備強度が落ち、5+2の7人で何とか守る |
なお札幌のこの前後分断気味の陣形にはメリットとデメリット…デメリットは当然、守備の枚数が足りないのでボランチの周囲などを使われて攻め込まれやすいことだが、一方やはり前に3枚残っているというのはカウンターを仕掛ける上では相手にとって非常に脅威となる。おそらく四方田監督としては、J2ならばこの人数の配し方…7人でも守り切れ、残しておいた3人でお釣りがくるという計算に基づき、ある程度想定の範囲内の前後分断傾向だと考えられる。
2.2 堀米の投入と札幌の3点目
下の写真を見てもわかるように、札幌の前後分断な戦い方は60分頃までも修正されず、選手交代によってバランス修正が図られる。
61分に内村→堀米。ジュリーニョが前線に入る。もしかしたら、ジュリーニョのサイド起用の耐用時間は60分程度とあらかじめ想定していたのかもしれない。
後方は7人-1(前寛之が外された)=6人で守る |
61分に内村→堀米。ジュリーニョが前線に入る。もしかしたら、ジュリーニョのサイド起用の耐用時間は60分程度とあらかじめ想定していたのかもしれない。
61分~ |
ただ、堀米が入ったところで札幌の守備が特段よくなったということはない。前線の構成が都倉-ジュリーニョ-ヘイスになったが、どのような構成であっても相当なハードワークがない限り、ピッチの横幅を3人では守れない。
もっとも、先述のように四方田監督としてはこれも織り込み済みで、狙いはジュリーニョを前に残しておくことだったかもしれない。そしてその期待?通り、札幌の3点目は、74分、カウンターから都倉が持ち込み、ジュリーニョがペナルティエリアの外からノーステップミドルを叩き込んだもの。
高い位置から前3枚で横幅を守ろうとするが… |
サイドを見ると中央が空いてしまう |
2.3 試合のクローズ
3点目が入ったところで、札幌はヘイスを下げて上原を投入。上原が左、堀米が中盤にシフトした3-5-2にシステムを変更する。また町田も69分に仲川→久木野、上原投入と同じ75分に谷澤→大竹のカードを切っている。
75分~ |
札幌の3センターの並びは、右から宮澤-前寛之-堀米。しかし85分頃から宮澤と前寛之が入れ替わっていて、恐らく中央に最も経験のある選手を置くということかと思われるが、前寛之はこの時間帯ヘロヘロになっていて、右に移った前寛之のサイド(町田の左サイド)からボールを運ばれるようになる。
89分に札幌は前寛之→河合。アディショナルタイムは3分の表示だったが、2分を経過したところでゾーンの隙間を守り切れず、中島に裏抜けを許し、福森が倒してPK。PKを中島が決めたところで試合終了。
北海道コンサドーレ札幌 3-2 FC町田ゼルビア
4' ヘイス
19' ジュリーニョ
42' 中島 裕希
74' ジュリーニョ
90+4' 中島 裕希
マッチデータ
この試合の最重要人物は福森で、100発100中でサイドチェンジを決めたため、町田のゾーンディフェンスは瓦解され、札幌としてはゲームのコントロールを容易にした。いとも簡単に決めているように見えるが、菊地が一度試みて失敗したように簡単なプレーではない。組織戦術を機能不全に追い込めば、あとはヘイスなりジュリーニョなりが個の力で殴り、増川やソンユンが体を張る。今年何度か見た光景で殴り勝った。
3.雑感
この試合の最重要人物は福森で、100発100中でサイドチェンジを決めたため、町田のゾーンディフェンスは瓦解され、札幌としてはゲームのコントロールを容易にした。いとも簡単に決めているように見えるが、菊地が一度試みて失敗したように簡単なプレーではない。組織戦術を機能不全に追い込めば、あとはヘイスなりジュリーニョなりが個の力で殴り、増川やソンユンが体を張る。今年何度か見た光景で殴り勝った。
待ちガイルwwwキタコレwww( ^ω^)にゃんむるです。
返信削除いつも丁寧な試合解説ありがとうございます~
ジュリーニョの守備の話は同意。今年のブラジル人トリオは、上手い下手は別として守備頑張ってくれてる感じする。
福森のウィングバックより3センターのほうが良いという話も、今の札幌としてはまあまあ同意なんだけど、自分的には福森のここがいいってポジションがどうもはっきりしない。スレ主さんは福森のベストポジションてどこだと思いますか?3-5-2に拘らなくても良いとしたらどこに置きます?やっぱあのフラフラな感じはリベロ?
>にゃんむるさん
削除コメントありがとうございます。
相手とのマッチアップ等にもよりますが、とにかく福森が空きやすい形を作ってどんどん蹴らせる、運ばせるのがベターだと思います。
この点、3バックシステムだと、ウイングバックだとほぼ確実に対面にマーカーを抱えてサイドの狭いエリアでプレーするので死んでしまいますので、ミスマッチを作って空きやすい左CB一択かと思います。中央もできるとは思いますが、現状チーム唯一の左利きなので動かす理由は今のところないですね。
4バックだとやり方次第でSB、CBどっちもありだと思います。来年札幌がJ1に上がって、アギーレがまた代表監督になったりすれば目をつけていたかもしれません。
3センターのインサイドハーフだと、ふらふら上がっていくのが好きみたいなので、その点は親和性があるかもしれませんが、中盤でボールを持てる技術は正直なさそうだと思います。
お返事(´・ω・)ノ ありがとうございます~
削除やっぱり空いた状態からボールさばいたり運んだりするプレーが一番生きると感じますよね。福森は現時点では今のポジションが良しとしましょう。
でも俺はふらふらゴール前に上がってく彼を見るのが好きなんだよね~wwwなんだろう、あの危なっかしさがいい。
「えっ、なんでお前がここに?」みたいなのが( ^ω^)でも、カウンター喰らった時のジョギングは勘弁してください・・・。
次回の解説も期待してます~(・∀・)ノ