2017年6月2日金曜日

2017年5月27日(土)19:00 明治安田生命J1リーグ第13節 サガン鳥栖vs北海道コンサドーレ札幌 ~迷わず行けよ信じる道~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-5-2、GKク ソンユン、DF横山知伸、河合竜二、福森晃斗、MF早坂良太、荒野拓馬、宮澤裕樹、兵藤慎剛、菅大輝、FW都倉賢、金園英学。サブメンバーはGK金山隼樹、DF進藤亮佑、MF前寛之、マセード、小野伸二、FW内村圭宏、上原慎也。この週水曜日にホームでルヴァンカップ仙台戦を戦い、1-2で敗れてから中2日のアウェイゲームとなる。リーグ戦前節で負傷交代したキム ミンテはこの試合に間に合わず、菊地は契約条項により出場不可。懸案の右CBには横山をスライドさせ、中央には水曜日のルヴァンカップで温存した河合。個人的には河合のCB中央にそこまでいい印象を持っていないのだが、進藤、永坂の若手CBを信頼できないならば(消極的判断だが)河合しかない。欠場が続いていた内村は古傷の左足首痛がまだ癒えていないとのことだが強行出場。ルヴァンカップで左ふくらはぎの違和感を訴え途中交代したジュリーニョは招集外。
 サガン鳥栖のスターティングメンバーは4-3-1-2、GK権田修一、DF小林祐三、キム ミンヒョク、青木剛、吉田豊、MF福田晃斗、高橋義希、原川力、鎌田大地、FW趙東建、豊田陽平。サブメンバーはGK辻周吾、DFフランコ スブットーニ、藤田優人、MF小川佳純、水野晃樹、FW富山貴光、ビクトル イバルボ。開幕から10試合連続でCBとしてスタメン出場していた谷口は5/7、第10節の横浜F・マリノス戦で左膝蓋骨骨軟骨損傷の重傷を負い全治約5ヶ月。小野裕二は5/10のルヴァンカップ第4節・ヴィッセル神戸戦で左大腿ハムストリング筋損傷、全治約3週間。同じ試合で負傷し外傷性気胸と診断された豊田は予想よりも早く復帰しスタメンに名を連ねた。田川は韓国で開催中のU-20ワールドカップ日本代表に招集中。カリアリから鳴り物入りで加入したイバルボはまだノーゴール。どうでもいいが趙東建は漢字表記での登録である(多くのチームは在日韓国朝鮮人選手のみ漢字表記、韓国出身選手はカタカナ表記)。


1.前半

1.1 飛ばす札幌


 この試合、立ち上がり10分ほどの札幌は飛ばし気味に試合に入っていたと思う。その原動力となっていたのは、前からどんどん人を捕まえる守備。ボールを保持する鳥栖の選手に対しとにかく近い選手が捕まえる。この時、4-3-1-2の鳥栖と3-1-4-2(3-5-2)の札幌はマッチアップが嚙み合っていないが、そこは都倉や金園の二度追いで強引につじつまを合わせる。
都倉の二度追い(DF2人を相手する)で強引に捕まえる

 序盤の鳥栖は札幌のアグレッシブな守備に準備ができておらず(所謂”フワッとした入り”になってしまったのかもしれない)、危機を察知した選手は、前線の2トップ+鎌田へのロングボールで回避を図ろうとする。ただ中盤から前線もロングボールで勝負する準備ができていないので、競り合い~セカンドボール回収において効果的なポジションを取れておらず、競り合い自体も勝ち目が薄い。
説明を追加

 特に鳥栖の前3枚…2トップとトップ下の鎌田がロングボールを競り合った場合、サイドに大きなスペースができやすい。また3枚の中盤も、ポゼッション開始時にポジションを変化させている(後述)ので前線のサポートやネガティブトランジションを意識したポジションをとりにくい。こうした事情により、時間限定ではあるが、序盤は強く当たることで鳥栖に蹴らせる⇒セカンドボール回収というサイクルを札幌は巧く回せていたと思う。
説明を追加

1.2 ボールと主導権はホームチームへ


 札幌がペースダウンし、試合が落ち着くのは10分を過ぎたころから。ここからはピッチを広く使ってボールを動かし、マイボールの時間を作りゲームをコントロールしようとする鳥栖と、そうした展開に持ち込むことが難しい札幌、互いのスタイルや、この試合における戦術的な練度の差が徐々に現れてくる。
 ”ポゼッションや遅攻=善、速攻やカウンター=悪”ではないが、基本的にはサッカーはボールを保持し動かすことで相手に変化を強いることができるスポーツ。守備側はピッチの全域に人を配することは不可能なので、多くの場合、ボール位置を基準とした守備ブロックを築き、ボールから遠いエリアは一時的に”捨てる”。この状態からボールが動けば、守備側はブロックの形を変え、”捨てる”エリアも移り変わる。言葉で書くと簡単に思えるが、これを11人で一糸乱れぬように90分間続けることは機械ならばともかく、生身の人間の集団には容易ではない。
 前半の鳥栖の試合運びは、札幌の11人による統制のとれた守備が90分は続かないことを読み切っていたかのようで、強引に仕掛けようと思えば仕掛けられたはずだが、札幌の守備に綻びが生じるタイミングを辛抱強く待ち、ボールを保持し動かし続けていた。そして結果的には読み通りといったところか、38分にリスタートから一瞬の隙を突くことで鳥栖が先制に成功した。

1)サイド1枚の布陣


 4-3-1-2の鳥栖と5-3-2で守る札幌。鳥栖がボールを持っている時のマッチアップを示すと初期配置では以下の通りとなる。4バックのチームに対する札幌の対応は、これまでの記事で書いている通りで、2トップが相手のCB2枚を守備の基準点とし、SBに渡ったところでインサイドハーフ(兵藤と荒野)が前に出て進路を塞ぐ。
 SBの小林と吉田の進路が塞がれると、4-3-1-2の鳥栖はSBの前(サイドのレーン)に人を配していないため、サイドでボールを運ぶことが難しくなる。サイドで運べないということは、札幌が人を集めている中央のエリアを使ってボールを運ばなくてはならなくなり、ボールロストの危険性が高まる。
サイドのレーンにはSBしか配されていない

2)インサイドハーフの移動


 そこで鳥栖は4-3-1-2の「3」…インサイドハーフの福田と原川がサイドに流れることで、SBから前方へのパスコースを確保し、確実にボールを保持し、循環させる。
 下の図は右CBのキム ミンヒョクから右SBの小林に渡ったところの構図である。この試合でスタメン起用された鳥栖の選手は全員が右利きであることも関係してか、CBから”1本目のパス”は右方向…つまり小林にまずボールを預けることが多かったように思える。
 右方向へのパスが出ると、右インサイドハーフの福田はタッチライン際まで開いたポジションをとり、小林をサポート。札幌は対面のWB菅が出て対応するが、福田は低いポジションにいるので簡単にWBの守備範囲には入らないため、SBから安全にボールを預けることができる。
福田がサイドに大きく開いてパスコースを作る

3)仕掛ける状態を作るまで


一方で、”1本目のパス”を小林が福田に預けた場合と、そうでない場合の展開は、実はさほど差がない。
 というのは、鳥栖は”1本目のパス”からの展開で一気に前線にボールを届けることは考えていない。鳥栖の攻撃のスイッチが入るのは、前線の3選手、特に前を向いてドリブルでの仕掛けや決定的なラストパスを繰り出せる鎌田が前を向いてボールを持った状態を作ることだが、上の図でいえば、小林から鎌田へのパスコースは確かにあるが、安易に鎌田に出すと、札幌のCB(図では福森)の迎撃に遭ってしまいボールロスト⇒カウンター、となってしまう。
 そうしたリスクを考慮すると、一発で前線の鎌田や豊田への供給を狙うよりも、ボールを動かすことで札幌のブロックを動かし、ブロックに綻びが生まれ、縦パスの確度が高まったところで供給することの方がより確実である。
 よって、小林が福田を使おうともそうでなくとも、鳥栖の次の展開は必ず右サイドから、CBやアンカーの高橋経由での反対サイドへのサイドを変えるパス。鳥栖から見て右(札幌から見て左)に寄った札幌のブロックを反対側に動かす。
反対サイドへの循環がお約束

 二度、三度とサイドを変えるボール循環を行うと、札幌のブロックは5枚の最終ラインはともかく、3枚のMFはスライドが困難になり、サイドに張り出す鳥栖のSBやインサイドハーフの前にスペースができる。この状態ならば、前線3枚へのパスが引っ掛かるリスクは低く、より安全にボールを供給できる。
何度かサイドチェンジを繰り返すと札幌のスライドが追いつかなくなる

 上の写真は鳥栖の右サイドでスペースが生まれた状態だが、鳥栖の両サイドのうち特に仕掛けの意識が高かったのは左の吉田。鳥栖の右サイドのユニット…小林と福田は基本的にボール循環のために動いているとすれば、左は吉田の攻撃性能を活かしたいとの狙いがみてとれ、原川はあまりサイドに張り出さず、吉田がオーバーラップするスペースを確保するポジションをとることも多かった。
左は吉田に任せる

1.3 迷わず行けよ信じる道

1)5バックの強み(ボールなくともゴールは死守)


 前半のボール支配率はおおよそ鳥栖6:札幌4といったところ。この数字や、先述の1.2に書いたような鳥栖のボール支配が繰り広げられていたという事実を示すと、札幌はガッツリ押し込まれていたように思えるが、全体としてはそう悪くはない試合運びだったと思う。
 確かにボールを持てる、高い位置(自陣ゴールより遠い位置)で奪えるといったサッカーができるに越したことはないが、ベストメンバーを欠く(特にミンテと菊地がおらず、河合を使わざるをえない最終ライン)中で、5バックでゴール前を固めて失点を最小限にとどめ、攻撃は少ないチャンスをものにするという考え方は間違っていない。その5バックも、鳥栖のサイドチェンジによって中盤もろとも振り回されていたが、失点シーン以外はしっかりとブロックを作り、危険なエリアを使わせないようにできていたと思う。
MFのスライドは間に合わなくともブロックは形成されていた

1.4 目には目を 5には5を(鳥栖の守備)


 鳥栖の守備の仕方には2つ特徴的なところがあった。
 1つは札幌の3バック+宮澤に対する対応で、ここは基本的に前3枚(2トップ+トップ下の鎌田)で見る。鳥栖は3枚で、札幌の4枚のうち、どこ(誰)を捨ててどこをケアするかというと、捨てていたのは河合。下の写真のように、河合がボールを持っている状況であっても無警戒というか、自由に持たせていたと思う。
 河合を放置する代わりに、両隣の横山と福森に出たところで寄せていくことで基点を作らせない。また中央の宮澤も、主に鎌田を中心に前を向かせない。出しどころがない河合は大きく蹴りだしてしまう。蹴らせれば鳥栖の勝ち、といったところだった。
河合は放置、福田は早めに最終ラインへ

 もう1つは、札幌のサイドアタックに対する対策として、中盤の福田を最終ラインに落として5バック化する。福田は札幌ボールになると、常に左WBの菅を視界に入れたポジションを確保し、殆ど5バックのSBのように振る舞う。
 福田が大外を守ってくれるので、鳥栖の4バックはペナルティエリア幅から動かなくてよい。CB2枚と小林で都倉と金園を見ることに専念できる。逆サイドではこうした仕組み(原川が最終ラインに入る)はなく、左右非対称とも言える対応だった。
福田は菅を視界に収める、鎌田が中盤をカバー

 また福田が落ちると、中盤は2枚になるので空洞化するが、そのスペースは適宜鎌田や、最前線から2トップの片方がプレスバックしてカバーする。もっとも、この試合に関しては札幌があまり効果的に中央を使わなかったこともあり、5バック化することで中盤の枚数が足らなくなるというほどの問題は生じていなかった。

2.後半

2.1 10番の解放

1)荒野と宮澤の交換


 後半立ち上がりから札幌は重要な変化があった。というのは、メンバーは変わっていないが宮澤と荒野がポジションを入れ替えていて、荒野がアンカー(1ボランチ)、宮澤がインサイドハーフに配されていた。普通に考えれば、荒野が3バックと共にボールの運び役、宮澤がもう0.5又は1列前で、最終ラインと前線のつなぎ役を担わせたいという意図があったと思う。
46分~

2)俺らの10番の良いところ


 かつてトップ下で起用されることも多かった宮澤。所謂「10番」としてみると、華麗なドリブル突破や必殺のスルーパス、ゴール前での決定力といった、わかりやすい攻撃面での強みがない選手と思う人もいるかもしれない。
 個人的に、宮澤の攻撃面での売りはスペースを察知して受ける動きと、狭いスペースでターンする能力だと思っている。例えば前者については50:11頃、サイドで菅が受けた際にSBの小林が出てきた裏のスペース(SB-CB間、この試合ほぼ始めて鳥栖がこのスペースを空けた場面)に走ることで敵の急所を突こうとしたプレー等でも発揮されている。
空いたスペースを使う動き

 また直後の50:22(下の写真)、札幌が攻撃をやり直して左サイドから再び運んだところでは、鳥栖のDF-MFライン間の狭いスペースに侵入して福森からの縦パスを受け、ワンタッチで都倉へスルーパス。これは鳥栖のGK権田が素早く反応したため都倉へは渡らなかったが、ここ数試合、サイドアタック一辺倒になりがちな札幌は、中央のこのスペースを活用する攻撃が殆どなかった。都倉がこれだけ近いポジションでラストパスを供給されるような攻撃が見られたのは5月のリーグ戦4試合目で初めてだったのではないか。
DF-MF間の狭いスペースを使う動き

3)運べるようになると暴かれる鳥栖の問題点


 一方最終ライン3枚+荒野という構成に変化した札幌のビルドアップ部隊。後半最初の15分ほどは、鳥栖の1列目の守備を剥がして敵陣にボールを運ぶことに何度か成功する。これは荒野と宮澤を入れ替えたことがよかったというより、ハーフタイムで戦術確認をしたためだと思う。
 もっとも、鳥栖が4-3-1-2で守備をすると最前線は豊田と趙の2枚なので、福森や横山がサイドに開いてから、河合が蹴っ飛ばさずにどちらかにボールを預ければ簡単に突破できるのではあるが…。

 札幌が敵陣にボールを運べるようになったところで、鳥栖の守備の基本構造が更に見えてくる。先述のように、札幌がボールを持つと、鳥栖は藤田が早い段階で最終ラインに吸収され5バックのような形を作るのだが、藤田の空けたスペースは適宜、前線の鎌田や趙がプレスバックして埋めようとする。これ自体は、危険なスペースから消していくという大事なメカニズムではあるが、藤田が最終ラインに、鎌田や趙が中盤に…と動いていくと、下の図のように福森のところにプレッシャーを与える選手が鳥栖は誰もいない。
藤田は菅を見る、前線はMFを助けると福森は空いてしまう

 よって福森や横山がボールを持った状態で空く状況が頻繁に生じていく。運べる、出せる福森が敵陣に侵入する状況が増えれば、二列目に宮澤や兵藤を置いていることが活きてくる。


2.2 先にばてたのは鳥栖

1)動けなくなる中盤


 前半の鳥栖は、ゆっくりボールを動かし、サイドではSBをインサイドハーフがサポートする形を繰り返し作り続けていたことは先述の通り。このことを考えると、後半の鳥栖は前後半で全く別のチームになっていたかのような攻撃を展開する。
 特に60分以降顕著だったのは、両インサイドハーフがSBをサポートせず、中央にステイしたままで攻撃を仕掛けるようになっていた。SBの吉田と小林はボールを受けたところでパスコースもないので、ポゼッションで時間を作ることもなくシンプルに縦突破を繰り返していくが、原川や福田は前半のようにサイドに開く動きも少なく、オリジナルポジションに留まっている場面が散見される。結果前線3枚と中盤もリンクされておらず、間延びした状態で散発的にSBや鎌田が仕掛けるといった攻撃が繰り返されるようになる。
サイドが孤立

 恐らくこれは意図的にこうしていたというより、鳥栖のインサイドハーフの運動量低下によるものだったと思う。鳥栖のインサイドハーフは、攻撃では中央~サイドに開いてのサポート、守備では最終ラインに加わっての対応と、攻守ともにオリジナルポジションに留まらない仕事を要求されている。そのため必然と動く距離と回数が長くなり、それだけ負担も大きくなるのだが、それにしてもこの60分過ぎという時間帯で影響が顕著になったのは少し予想外でもあった。

2)4-4-2へのシフト


 こうした状況をみて、DAZN中継では69分頃、鳥栖ベンチから4-4-2にシフトせよ、との指示があったと伝えられる。鎌田が左サイド、中央は高橋と原川を配した以下のような配置となる。
69分~

 中盤を3枚から4枚にして守備の強化を図ったと考えるのが普通だが、鎌田が左に固定されたことで、同一サイドで吉田-鎌田の強力なユニットが札幌の右サイド、早坂の前に出現する。また鎌田は意図的なのか、そうでないのか両方が考えられるが、守備に転じた際は前残りのような状態になっていることも多かった。戻らないと当然後方の守備強度は低下するが、一方でボールを奪った際にはカウンターの起点とすることができる。どちらかというと、奪ったら左サイド、という共通理解ができたことは運動量が落ちてきた鳥栖にとって大きかったと思われる。

2.3 終盤の展開


 鳥栖は81分に趙東建⇒富山に交代。両チームを通じて初めての選手交代だった。札幌はまだこの時間帯でも動かなかったが、あくまでピッチに並べている11人がベストメンバー、という判断だったのだ思われる。

1)福森は崩しに投入


 札幌はメンバーは変えないながらも、再び選手の役割を変えることでチームに変化を与えようとする。アディショナルタイムを含めてラスト20分を切った頃から、福森がサイドに張り出し、サイドから中央への放り込みを頻繁に行っていく。
福森はクロス供給役、兵藤や荒野が落ちてこないと回らない(菅の役割は?)

 これは昨シーズンから得点が欲しい局面でたびたび行っている形だが、少し疑問というか気になる点は、福森によってサイドから押し出される形となった菅の役割があまり整理されていない(殆どプレーに関与しない)ことと、福森がサイドに張ると、楔となる縦パスの供給が減ってしまうこと。特に後者に関しては、バイタルエリアで宮澤や金園が受けようと動き直しを続けているので、サイドからのクロス一辺倒ではなく、中央にも有効な攻撃パターンを残しておきたいところ。

2)内村の投入


 84分に札幌は河合⇒内村。河合のポジションには荒野がスライドし、3-4-3のような陣形に見える。しかしラスト10分ということで札幌が鳥栖陣内に侵入すると、鳥栖はゴール前に8枚ブロックを築き内村が受けるスペースを殆ど作らない。結果、札幌はブロックの外からパワープレー気味に放り込むしかない。
 高さ勝負ならということで、内村投入から3分後にマセード、上原が投入される。ゴール前を固める鳥栖をクロス連射でこじ開けようとするが実らず、アディショナルタイム6分を凌いだ鳥栖が勝利。

3.雑感


 前半は守りの時間が続いたものの、悪くはなかった。しかしリスタートから一瞬の隙を突かれ、ワンチャンスをものにされてしまった。結果的にこれが高くつき、手痛い敗戦となってしまった。それでも大きく破綻することはなかったし、全体としては抜本的にやり方を変えるべきだ、とは言い難い。
 その意味では、平川弘氏のコラムで「何かを変えるときかもしれない」と書かれていたが、宮澤と荒野の使い方を見ると、実は既に「何か」を変えている(記事を書いている最中に開催されたルヴァンカップ第7節(5/31柏戦)でもアンカー荒野が引き続き採用された)。

 結果が出ないとああしろ、こうしろ、というのは誰もが思うことで、その議論や検討をすること自体は悪くないが、変えなくていいところまで変える必要はない。
 具体的には、最終ラインは横山を中央に、左右にボールを運べる選手を配した方が明らかに攻撃の形を作りやすくなることが過去の試合からわかりきっている。河合の重用は、(ここまで完封が1試合のみということで)守備面のテコ入れ等の意図があったと思われるが、その限界も既に十分見えてきたところなので、結果が出ないからといって判断を迷ってほしくないと思う。

4 件のコメント:

  1. こんばんは~ にゃんむるですー(´・ω・`)
     この試合はTVで観たんだけど、点数の入る匂いがまったく感じられない試合だったなーと記憶していますね。
     この試合で自分的には都倉&金園は上手くいかなさそうだなーと感じたんですよねー。何故そう思ったかは、おじいちゃんなので忘れましたがw

     ただこの試合で荒野が真ん中の後ろに配置されてプレイしているのを観て、「あれ?もしや・・・。」と思ったんですが、それがルヴァン杯を生観戦して(スケジュールがたまたま空いて3604人のうちの1人になれた)確信に変わりました。荒野はリベロかアンカーです。以降荒野をそれ以外のポジションで使ったら、監督の事嫌いになります。ちなみにガースーをFW以外で使うのも禁止になりましたwww ルヴァン杯の柏戦に話しが飛んじゃったけど、鳥栖戦~柏戦と観て小さな変更がチームに大きな変革をもたらしそうな予感がしました。こんなこと珍しいです。

     楽しい気持ちになったので鳥栖戦のことは忘れましたw 最初は完全にハマらないかもしれないけど、この形を続けて欲しいです。あとは愛すべきポンコツのアイツ待ちですな・・・。ヘイス、はやくきてくれー。天皇杯しか観にいけないけど出てくれー。んぬ?プレーオフもいけるんだった。よくやったぞコンサドーレ。観れる試合増えてうれしいですー。サッカーは生観戦しないと面白さが半減するから、日程きびしくなるけど行ける試合増えて良かったです。リーグ戦ツラくなると言う人もいるでしょうけど、それはそれ。皆でどうにかしてくれw あいあかわらず支離滅裂な文章になったなwだがそれも良しw

     そんな感じ。次回も解説期待してますー( ^ω^)ノまたのー

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    1. >にゃんむるさん
      今年まったく縁がないまま終わりそうなので知りたいのですが、ルヴァンの柏戦はどうでしたか?
      荒野もそうですが、小野がインサイドハーフで計算が立てば大きいと思うのですが、そのためには小野を高い位置に押し上げないといけない…最終ラインを高く保たないといけないと思うんですよね。柏戦のメンバーでそれができていたかが気になります。
      確かに荒野アンカーは悪くないですね。中央で持った時に度胸と堅実さがあるというか、意外と行くところ、いかないところの見極めができてるなという印象です。

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  2.  コンサのメンツを見るからに「いっぱいいっぱいだなあ…」と思わざるを得ませんでした。BS1でも内村が練習後にアイシングしていたという情報が流れ、やはり時間限定だったのかと。ホームで滅法強い、ウノゼロはお手のものの鳥栖が相手となると神戸戦での堅さを考えると先に失点したらほぼ負け決定と踏んでいたのであんまり悔しくはないです。いくら今ある戦力で何とかするのが監督の仕事でも既に片肺飛行状態のコンサ。無い袖は振れませんからね。

     このタイミングで菊地が出場不可で河合を起用するしかなかったというのも痛かったですね。守備には効きますが、基本パスがヘタな河合なので攻撃では放り込みを加速させるだけ。自陣の深い位置ではそれしかやっていませんでしたし…。

     拙ブログでは宮澤が2人いれば…とボヤきましたが、ボールプレイヤーが多い中にあって宮澤は動いてボールを受けられる貴重な存在。15年のホーム徳島戦でのオシャレな流し込みゴールが特にそうですが(これは生で観たので未だに覚えている)、入られるとイヤなスペースにいいタイミングで入れる。運動量もあるので兵藤とコンビでCHを組めると行けそうな感じはしますね。四方田監督としても打てる手は打ったというところでしょうか。

     ヘイスが戻ってこれそうですが、ルヴァン柏戦を受けてどう起用するのかも興味が湧くところです。

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    1. >フラッ太さん
      確かにそもそもスタメンで使えるレベルの選手が限られているのはありますね。個人的には、それでも進藤で行ってほしかったんですけど…去年は増川がいましたけど、結局のところ攻撃における河合のところが2012年頃から全く進歩していないんですよね。
      宮澤は財前氏が2列目で重用していたように札幌では貴重な間受け要員で、宮澤兵藤を並べたところであまりバタバタせず、また安易に縦ポンに逃げず、縦パスを入れられるのはやってほしいですね。進藤は意外と去年みる限りでは頑張っていたと思うんですよね。

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