2026年11月3日火曜日

2026年11月3日(火) 明治安田J2リーグ第15節 FC今治vs北海道コンサドーレ札幌  〜秋のガス抜き大成功〜

1.スターティングメンバー



  • 今治は7節終了時点で1勝1分5敗で、アベルモウレロ監督の交代を決断し、8節以降の久保山監督体制では同じく7試合で2勝2分3敗。
  • 敗れた相手が仙台、秋田、湘南ということで今のところはそう悪くはないのかもしれませんが、アベル監督も大宮、(実は強かった)富山etcと対戦しておりJリーグ未経験者にはなかなかハードだったかもしれません。試合前時点で19位ですが、今後はJ2残留を目標としていくなら下位同士の6ポインターで勝ち点を積めるか?積めそうな内容か?が一つの観点となるでしょう。
  • 状態のよくないチームということでシステム、メンバーは試行錯誤が続きます。3バックの1-3-4-2-1だとするとトップのエジガル、左DFのゴメスといった選手以外は入れ替わりが多く、DFでここまで最も起用されていた櫛引もメンバー外となりました。

  • コンサは前線にバカヨコ、ペイショット、スパチョーク、中盤に堀米を起用するターンオーバー。

2.スタッツ



3.試合展開

今治のフットボールのフィロソフィー:

  • 今治はエジガル、コンサはバカヨコとペイショットという、オフェンス面だけならJ2では割と贅沢品と言えそうな選手をスタメンで起用してきました。
  • これらの選手を90分間、いや前半の45分間マンツーマンベースで、高い位置から相手DFを捕まえるような守り方で運用するのは難しく、お互いに1-3-4-2-1のシステムで対峙していながらも人とスペースをどう守るかがポイントではあったと思います。

  • 今治はビルドアップの際に3バックが動かないので、コンサのバカヨコやペイショットはそこまで動かなくても対面のDFを捕まえることができます。
  • 一方で今治はDFではなくボランチが動いて、下がってフリーな状態を確保してから全身を開始しており、↓のように中井が下がることもあれば、山田が左サイドで似たようなアクションをすることもありました。ただ右サイドを使う意識が強かったことは言えると思います(後述)。
  • エジガルへのロングボールも選択肢としてありながら、今治はボールを大切にしつつ、ゆっくりとコンサ陣内に入ります。
  • コンサ陣内に入ってからは、今治は右DF(土屋)、WB(梅木)、シャドー(梶浦)、ボランチ(中井ピピ)の4人がペナルティエリア角付近に密集する形が前半は再三見られました。
  • おそらくDFの土屋が最初の出し手になって、誰かが抜け出してポケットからエジガルへのクロスボールを狙っていたのでしょうけど、ちょっと今治はボールを大事にしすぎというか、3人目か4人目の動きとしてポケットに抜け出すイメージを持っていて、そのために2回か3回、この密集にいる選手にタッチさせてから抜け出す狙いを発揮する前にコンサの選手も集まってきてスペースがなくなってスルーパスを出しづらくなっている印象でした。狙いはわかるのですが、実際にポケットを取ること自体はあまりうまくいっていなかったと思います。
  • 今治は左サイドにはあまり人数をかけないようになっていて、左WBの森に渡ったら味方のサポートを待つ前に単独突破を仕掛けていました。

序盤から何度もチャンス到来…:

  • そして今治はこの右サイドでの仕掛けの際の土屋もそうですが、左のDFゴメスも含め、ボールを持った際にDFが積極的に押し上げてくる傾向にあり、これは特に今治の右とコンサの左のマッチアップ…ヴィニペイショットのところで割とあっさりとフリーになって裏に抜けられる状況があったと思います。
  • 今治のヴィニに対する警戒の甘さ、もしくはヴィニ周辺のイージーな状況は、こうしたボール保持からのトランジションもそうですし、セットプレーの際にコンサがヴィニ1人だけカウンターを狙って残っている時の管理もそうですし、またコンサのボール保持の際にも感じるところがありました。

  • コンサのボール保持の際には↓のように、駒井がおそらくエジガルをカバーするために中央でアクションを開始することが多く、コンサは簡単に川原がフリーになれる状況でした。
  • ただこれまで川原がボールを預けていた木戸がこの日はスタメンにいないため、このサイドから素直に前進できるわけではありません。それでも今治のDFはボールサイドに素直にスライドしてくることが多く、左に張るヴィニ(これまでの青木と同じ役割)に何らか展開した時にWBの梅木が準備できておらず、自慢のスピードで加速すれば簡単にボックス付近まで到達できる状況でした。

  • コンサは5バックのシステムに切り替えて青木が左でキーマンとなってからは、前半から仕掛けることは少なく死んだふり作戦のようなスローな試合運びが目立ちましたが、この日は序盤からヴィニにさっさと渡して勝負するという、選手の特徴を活かしているのか?それとも自然とそうなったのかもしれませんがともかく序盤から仕掛けてチャンスになっていたと思います。

  • 10分に今治の梅木と土屋が攻撃参加したところで西野が奪って、バカヨコがスルーしてヴィニが裏抜け成功(シュートはセーブ、バカヨコがリバウンドを狙うも失敗)。
  • 24分に今治の前線守備をコンサの右で外して、梅津から絞った木實への斜めのパス、木實が浮き球でヴィニを走らせます(シュートはブロック)。
  • そして26分に、内田のスローインをバカヨコがフリックして、スパチョークが触って流れたボールを、3回目のチャンスでヴィニが決めてコンサが先制します。

  • 43分には今治のスローインを拾ってまたも前の3人が関与し、ヴィニの落としを木實がボックスの外からディフレクションもありながら決めて0-2。プレゼントパスからでしたが前線の3人が好連携を見せました。

崩れた途端に牙を剥く:

  • この2点目もそうなのですが、今治はポゼッションを失うと途端にバランスの悪さが顔を出す傾向にあり、後半開始から3人を交代して巻き返しを図ったものの、バランスの悪さをコンサのカウンターというか個人技で突かれて最終的には0-4という大差がつきました。
  • 後半頭から今治はエジガル・駒井・山田→古山・持井・柴野。まずエジガルを下げて前線に走れる選手を増やして、コンサのフィールドプレイヤーだけでなくGKの田川にも誰かが二度追いできるようにして蹴らせて回収を狙います。
  • そしてボール持ったら、前半から一気にペースを上げてプレーします。前半は右サイドで4人が集まってくるまで時間をかけていましたが、持井は持ったら1人で仕掛けたり、最初のパスの段階で背後に抜けて引き出したりしてダイレクトなフットボールに切り替えます。
  • 50分には中井ピピが右から運んで、ワンツーから持井が抜け出してシュートも田川のビッグセーブでなんとかストップ。

  • しかし、やはりボールを早く動かすほどプレーの精度は落ちたり味方とタイミングを合わせことが難しくなるのはフットボールの定理だといえるしょう。

  • 51分にコンサは内田が引っ掛けて回収しカウンター。ヴィニが左を駆け上がって、上がっていた土屋が必死に戻って対応する今治は、やはりヴィニに簡単に持たせてスピードに乗せ、カットインのコースも切れないで背後を取られる、要するに何も制限をかけられない対応からコントロールショットで3点目。

  • 73分にも今治の縦パスが梅津へのプレゼントパスとなって、ティラパット(直前に交代)に簡単に縦に入れて前を向き、またも左シャドー(唐山に交代)は余裕を持って切り返せる状況で流し込むだけ。
  • という具合に今治がロストした時に、コンサとしてはかなりイージーにシュートまで持っていける同じような形から2点を加えての完勝でした。

4.雑感

  • 今治はポゼッションの意識が高く、またその目的も一応共有はされているのでしょうけど、ポケットを取ってくるまでに手数が多すぎてもう少しクイックにできると良かったかもしれません。
  • そして手数をかけている割には後ろで予備的なポジショニングを取る意識がかなり薄く、コンサのヴィニ、唐山といった右足で持ってシュートする選手が簡単に利き足にボールを置いてシュートコースも確保できて…という非常にイージーな状況が、今治がボールを失った時には毎回生じてしまっていました。

  • コンサはここ数試合メンバーを固定していて、戦術以上にターンオーバーがポイントだったというか、プレーが変わるのはしょうがないとしてとにかくヴィニやバカヨコを使ってみようという状況だったかもしれません。
  • 結果的には両者とも得点に関与しヴィニが2ゴールと大成功でしたが、今治相手だとスペースがあってヴィニで背後を取れるとか考えていたのか分かりませんが、ともかく出場機会が少ないガス抜き的な意味合いも含めて非常にうまくいきました。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。