1.スターティングメンバー
- 磐田はここまで3勝1分5敗で14位。夏のマーケットでは秋葉監督と乾という比較的近年、成功体験のあるユニットに、センターラインのユーリララやダニーロ、前線の佐藤大樹といった選手を加えており上々の動きだったように思えますが、前節(vs仙台)ではシュート3本に終わる(仙台は30本)など、選手の組み合わせを速やかに見つける必要があるでしょう。
- また9月に入って前線の角、佐藤凌我といった前のシーズンで強みだったスピードのある選手が移籍する事態となり、外国籍選手とベテランの比率がやや高まっていることも気がかりではあります。
- システムは1-4-2-3-1で、基本的にここまで全ポジションで組み合わせを試している印象があります。前節は中盤に井上詩音をスタメンで起用し、自陣ボール保持の改善の意図は察するところですが中央の選手が揃って下がってきて前線と間延びしている状態でロングボールを蹴る様子が散見されました。この試合はユーリララをボランチのスタメンに戻しています。
- コンサは前節函館で結果を出した5バックのシステムを継続します。白井がメンバー外で、右シャドーには長谷川が入っています。
2.スタッツ
3.試合展開
磐田を助けることとなったコンサの消極的な姿勢:
ジュビロくっそ弱いな…
— AB (@british_yakan) October 9, 2026
- 前節の仙台vs磐田を見て、この磐田なら今のコンサでも勝てそうだなと試合前に予想しました。仙台戦での磐田はボール保持も非保持も整理されていませんでしたが、そこから6日間で少なくともボール保持に関しては修正してきました。
- 対するコンサはその仙台の磐田への対応や磐田のチーム状況をあまり把握していなかったのか?と思わされるほどで、特に自陣でのボール保持で問題を抱える磐田に対し、前節のvsいわきと同じくブロックを作って待つというやり方を採用したため、磐田を助ける結果になったと思います。
- 磐田はボール保持の際にボランチがSBやCB付近に落ちてきて、ほぼDFのような位置でボールに触ります。本来のCBやSBの選手はこの役割をボランチの井上やユーリララに委譲しているというか、自陣ではボールを渡して後はお任せみたいな様子で、前が空いていても運んだりすることはかなり稀でした。
- そしてボランチが2人とも中央からいなくなり、”ボランチレス”みたいな構図になりますが、そこにトップ下の乾が落ちてきます。
- 磐田が自陣でボールを持っている時は、この乾がボランチの役割を果たしているというか、中央で受けてどこに展開するか、そして”いつ”展開するかはほぼ乾の判断によるところが大きいと感じました。
- vs仙台からこの磐田のやり方を見ていて「弱い」と思ったのは、まず本来のCBが仕事をしていなくてその仕事がボランチにスライドする。そしてボランチの仕事が乾にスライドする…という具合なので、単純に11人の選手の中で少なくとも2人か3人は仕事量がないか、極端に少ない選手がいます。
- 特に本来トップ下、トップの近くでプレーする乾が下がってくるので、この乾が警戒されると前線にボールを届ける手段がほぼロングボールになってしまうし、中盤に誰もいないのでジョアンヴィクトルの頭を狙ったロングボールのセカンドボールも回収できない。
- またボランチの選手(vs仙台では金子と井上)も、ボールを持った時に別格にクオリティがあるというほどでもないですし、磐田のDFの選手がボールを預ける際(しかも、結構雑に預けていたというか、受け手が前を向けていないのに平気でパスしたりしていました)、ボランチだけとりあえず管理していれば磐田は何もできなくなっていたためです。
- 「ボランチ」にも色々なタイプの選手がいます。解説者に転身した柿谷氏がワールドカップのスペイン代表について「(ペドリを指して)乾くんみたいな上手い選手がボランチをやっている」と表現していましたが、そういう選手ならCBの近くに下がっていって多少無理めな、相手ゴールに背中を向けているような体制でボールを預けられてもそこから前方向に運ぶようなプレーもできるのかもしれませんが、ペドリではなく金子や井上、ユーリララといった選手にボールを預けるなら、もっと出し手のGKやCBは受け手に配慮した状況で預ける必要があるでしょう。
- というのが磐田の特徴で、この試合も見た感じあまり変わっていなかったので、コンサも仙台がやったように、磐田のCBは捨ててボールを預けられる選手(ボランチと乾)だけとりあえず管理していればおそらくこの局面で優位に立てたと思います。
- しかしコンサの磐田陣内での対応は、1-5-2-3でセットして1列目は比較的高めにいるものの、井上やユーリララが落ちてきて枚数はとりあえず多い(が、ボールに触る選手は決まっている)磐田に対し誰を捕まえたら良いかわからなかったのか?セットはしているものの井上やユーリララに対してはかなり寛容な対応をしていました。
- こうなると磐田は井上から左SBの吉村のところに展開するだけで簡単にコンサの1列目を突破してコンサ陣内に入ることができるので、前節の様子からするとかなりイージーな展開にさせたように思えます。
最低限の準備を見せた磐田:
- 磐田はコンサ陣内に侵入すると大半の局面で↓のような配置に近い状態となって、左右でいうとほぼ左から突破を試みていました。
- イアゴテレスがタッチライン付近で最初にボールを受けますが、イアゴが単独で仕掛けることはほぼなく毎回、吉村の攻撃参加を待っていました。
- 基本的にはイアゴがカットインからインスイングクロスの姿勢でボールを持ちますが、かなり慎重な振る舞いというか、イアゴが内田に1v1で仕掛けて勝負するよりもとにかく吉村を使えば、システム1-5-2-3でサイドに1人しかいないことが多いコンサに対してフリーになりやすいということを意識していたと思います。
- この磐田の左・コンサの右サイドで、コンサは長谷川が自陣ペナルティエリア付近まで毎回戻ってくることが難しい状況でした。
- 川原か木戸が内田のカバーをするしかないのですが、木戸は乾を見ていることが多く、川原は元々5バックのポケットを埋めておく役割もあるのと、序盤に磐田の選手が2回ほどポケットに入ってきたこともあって、すぐに持ち場を捨てて川原が吉村に対応するようなことは簡単にできない状況だったと思います。
- ゴール前では磐田はFWのジョアンヴィクトルと、右サイドから中に入ってくる佐藤がフィニッシュを担います。
- 磐田は2列目の左のイアゴテレスが足元で受ける選手だとして、右の佐藤は体を張れて何度も動ける選手で特徴が異なります。
- この特徴を活かす意味合いもあって、磐田の攻撃は必ず左でボールを持って、佐藤が中央に入ってきたら浮き球のクロスボールをアバウトでもいいから上げていくという形でした。
- 磐田の右サイドは、佐藤の中央に入っていく役割が重要なためサイドでボールを引き出す役割を十分に担うことができず(驚異的な運動量でやろうとはしていましたが、中央からサイドに開くので遅れたりします)、右SBの桑原がボールを持つと、佐藤もユーリララも本来のポジションにおらず誰にも出せない、ということが特に自陣で多く、桑原はほぼ毎回左に展開する選択をしていました。
- 敵陣でも基本的に一緒で磐田が右サイドを使うことは少なかったのですが、この試合唯一の得点となった39分のPKの場面では、スローインから乾が右に展開して桑原へ。桑原が一度佐藤に預けてからクロスボールを選択するのですが、コンサは堀米と青木で枚数は揃っていたので佐藤と桑原をそのまま捕まえれば良かったのですけど、おそらく堀米がポケットを気にしすぎていて桑原のマークが外れてしまいました。
- そして佐藤がサイドから中央に入っていく連続性というか持ち前のハードワークを見せて西野のファウルを誘発しますが、やはりボールがコンサの右サイド(磐田の左)にあると、コンサのDFとしてはどうしても佐藤が死角から入ってくることとなり、局所的な話ではありますが磐田としては狙い通りの形で得点を奪いました。
相手が崩れてくれない限り…:
- コンサのボール保持の局面は、この試合ではほぼCB中央の梅津と右の川原のところで始まっていました。西野は最初から列を上げるような振る舞いも見せていたので、おそらく磐田に対し右から前進しようとの共通理解はあったように思えます。
- 磐田は乾が所謂”プレッシングのスイッチ”役で、前に出て梅津を見て、梅津が河原に渡したらイアゴテレスが寄せて…という関係性になります。
- この時、磐田としては最前線に乾1人だけで、コンサは梅津と(中央に寄った)川原、GK田川もいるので乾がいつスイッチを入れるかは結構厳しい判断が多かったように思えますが、前半はそれでもなんとか前で奪いたいという意図は感じました。
- 乾が毎回イアゴの連動を確認していたのが印象的というか、別にそれ自体は普通のことかもしれませんけど、イアゴが川原に寄せる際に大外の川原→内田のコースをあまり意識していないことが多く、コンサとしてはイアゴの対応の仕方はそこまで問題にならず、イアゴが川原に出てくれるシチュエーションを誘発することがコンサとしては一番、前進が容易になる状況でした。
- ただコンサはそうしてイアゴが中途半端に食いつくような、磐田が自分から崩れてくれる状況以外では、相変わらずJ2最下位水準のボール保持のクオリティを披露します。
- 前節のvsいわきでは、FWの大森といわきのCBの間に明らかな差があり大森が毎回全勝してセカンドボールも拾えていたのでそう問題にはなりませんでしたが、いわきよりも多少マシというかもう少し対応できるチームになってくると、コンサのボール保持の水準では何かを起こすことは依然としてかなり厳しい印象でした。
- 後半に入ると徐々に磐田が間延びしてきて、前半控えめだった?コンサは交代カードを切りつつ磐田陣内でのプレーを増やしていきます。
- 64分にコンサは長谷川→ヴィニで左に張る形に。
- 磐田は69分にジョアンヴィクトル・乾→太田・小原で、あとは前線の選手を変えてなんとか耐えるという様相。コンサは74分に堀米・木戸→宮澤・パクミンギュ。
- コンサの交代カードには別に異論はないというか、ワイドにフレッシュな選手を入れて、あとは中央で唯一ゴール前に入って行ける選手(宮澤)を入れて、ワイドの選手をサポートするSBを入れて…というのは容易に理解できます。
- ただ、磐田が前半イアゴテレスと吉村の関係性で攻めていたのに対し、コンサはヴィニとパクミンギュが相互に作用する場面はほぼなく、またポケットへのランなどもないので結局はヴィニが単独突破を試みるしかない場面が多かったと思いますし、ヴィニ自体も桑原に対処されていてコンサはどこで勝負したら良いのか、かなり厳しい状況でした。
- 最後はATにスパチョークの巻いたミドルシュートがクロスバーを叩いて真下に落下する微妙な判定もありましたが、全体としてはいつも通りのコンサというか、前進の仕方もゴール前でのプレーの仕方も明確に示すことができませんでした。
4.雑感
- 試合運びを見ていて、コンサは前節いわきに勝利したやり方…5バックで引いて大森に放り込んで相手のミスを待つ、みたいなものがそのまま通用すると思っていたのか?と感じました。
- いわきのようなプロ経験が浅い選手や、資金的にJ2中位以下のチーム相手に通用したやり方がそのまま次の試合、別の対戦相手にも通用すると思っていたなら、S級ライセンス持ちのスタッフを複数抱えるチームとしてはかなりガッカリする話ですし、そうしたコンサ側の認識はわからないけど、少なくとも磐田は1週間で最低限の修正はしていたので、そうした試合への準備で明確に差があったと思います。
- 川井監督体制になって、百年構想リーグから基本的に丁寧に前進するという意識をそこまで感じない(それでも百年構想リーグ、J3相手なら勝手に相手が崩れてくれるしPKもあるので最悪格好がつく)のですが、前節も今節もそうですが、FWの大森に放り込み彼が頑張って前線でキープする…というプレーから始まることで、最後にシュートに持ち込みたい時に、ゴール前に誰もいなくなることについてはどう考えているのかは気になるところです。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。







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