1.ゲームの戦略的論点とポイント
スターティングメンバー:
- 福岡はスタメンクラスでは山岸とルキアン、井手口、スタメン未満くらいと思いますが三國と中村が移籍、田邉が引退と、下手したらコンサよりもアウトは深刻かもしれません。その分FWにベンカリファ、岩崎、MFの松岡が入りましたが岩崎以外の2人はスタメンを外れており、これらの選手の奮起はかなり重要になると思います。あとは、スタメンに入った重見は大卒新人で、宮とグローリは特に怪我等は発表されていないようです。
- 札幌は「キャンプ地沖縄(金武)の固い芝」に苦しんだとかで故障者が多く、前線では武蔵と浅野はこの試合の直前に合流してスタメンを外れています。あとは高木も直前に負傷でメンバー外、練習試合で好調が伝えられていた大森はその最後の練習自体で負傷して欠場。DFでは西野がベンチ入りしているので、高尾と家泉も起用できないコンディションなのでしょう。
- なんで金武の芝が硬いのかはわからないですけど、シーズン移行して北海道各地でキャンプをするとなったらそうしたコンディションが良くない(メンテにあまりお金をかけてない)全道各地のピッチが夏場のキャンプ地として駆り出されるのでしょうか。
2.試合展開
(元)飼い犬に噛まれそうになる:
- ↓いつも使っている「TACTICALISTA」で利き足表示機能をテスト中とのことで使ってみました(私の表記では色が濃い方が利き足)。
- まず試合の入りとしては、福岡はコンサにボールを持たせるのかと予想していましたが、↓のような配置を作って、コンサ陣内の高い位置でpressingを仕掛けてきまのは予想に反する展開でした。
- 福岡のスタメンで昨シーズンとの違いが大きいのは、やはりエース山岸がウェリントンになっているところ。山岸の万能性と比較すると、ウェリントンは空中戦は健在としても山岸ほどの運動量はないしスピードもない。
- ですのでウェリントンが結構頑張って走ることになるであろう選択である、高い位置からのpressingという考えにはならないと思っていたのですが、福岡は岩崎の頑張りによってそれを実現していました。
- コンサがボールを持つと、右CB(主に岡村)に岩崎、左CB(宮澤)にウェリントンがついて、紺野は1列下がって1-5-3-2のような配置を作ります。岡村がフリーに見えるSB馬場に渡すと、岩崎は馬場→岡村のコースを切るように走って寄せる。馬場がそこを外したり高い位置をとっても岩崎は下がってついていく。
- 逆に、コンサの左サイドでは中村に対して紺野が見るようになっていて、岩崎の運動能力を活かした左右非対称の形でコンサに対してpressingを仕掛けて高い位置でボールを奪おうとしていたと思います。
- よくよく考えると、ウェリントンに長い距離を走る走力がないとするなら、福岡はボール回収位置を低く設定するとロングカウンターに向く選手がいない(一応岩崎がいますが)ので不都合が生じるんですよね。ですのでこのハイプレスを採用したのは、コンサのボール保持が怪しいだろうということと、ウェリントンや起用している選手の特徴を踏まえた選択だったと思います。
- コンサは特定のマーク対象がいないGK菅野からボール保持が始まるとして、岡村と宮澤を福岡のFW2人がみているとするなら、やはり菅野の選択は得意の、SBへの浮き玉のパスが多かったと思います。
- ただSBに出したところで福岡の対応が決まっていることもあり、そこからの展開には乏しかったと思います。加えて福森のような狭いところでもパワフルなキックができる選手がいないことも、これからその不在を実感することになるかもしれません。
- またこの日のコンサは、前線に小林、駒井と本来MF的な選手が並んでいたにもかかわらず、彼らはあまりポジションを移動しませんでした。駒井は最終ラインまで時に下がってきますし、小林も見かけ上は前線で起用されながら、ほぼ前線にはいないで3列目くらいの位置から前の味方を走らせるようなパスを出すのが、昨シーズンのスタイルだったと思います。
- 恐らくこれは意図的にやっていて、簡単にいうと前線で起用されている選手が下がりすぎる(持ち場を離れる)と、前線でシュートやその直前の曲面に関与する仕事ができなくなるからなのでしょう。
- ただ、前で待っている駒井、小林、スパチョークに、福岡のpressingを掻い潜ってクリーンにボールを届ける手段がコンサはありませんでした。終盤こそ少しオープンになってシュートが増えたものの、前半コンサがシュート1(しかもボックス外から小林のミドル)にとどまり、福岡のペナルティエリア内に入ることすら満足にできなかったのは妥当だったと言えるでしょう。対する福岡は特に前半、札幌陣内で何度かボール回収に成功して、シュートまではいかなくても狙い通りの局面は作れていたと思います。
トリデンテが生命線:
- 福岡がボールを持っている時の話をします。コンサはやはりミラー陣形で1on1をピッチ上に10箇所作って基本的にはマンツーマンの対応。なお浦和と対戦した広島も、1-4-1-2-3に対して1-3-4-1-2でマンツーマン。日曜日にちらっと見た藤枝も長崎に対して広島と似たような対応でした。そんだけですけど今シーズンマンツーマンで高い位置からプレッシングをするのは流行るかもしれません。
- 一方その広島や藤枝の守備強度と比べると、コンサのそれはそこまででもなくて、福岡の3バックは低い位置では、小林、駒井、スパチョークはそこまで寄せてこないのでボールは持てていました。
- コンサは前のシーズンの夏頃?選手側から監督に守備の開始位置について相談があったということで、恐らくそれをまだ踏襲するような形でこうした対応になっているのでしょう。
- 福岡の3バックはそこまでボールを運べる感じはせず、またそのタスクは基本的にウェリントンに当てる、がほぼ全てでした。福岡はウェリントンにまず当てて、なんとかキープしてから岩崎か紺野、主に紺野に右サイドで渡す形がメインのパターン。ルヴァンカップの決勝で浦和相手に先手を奪ったのと似たような、長谷部監督体制での得意のパターンと言えるかもしれません。
- が、山岸はポストプレーからそのままゴール前に顔を出せますけど、ウェリントンが山岸のように1人で2役をこなすには走行距離が長いと難しそうでした。
- ですのでコンサのDFが整う前に仕掛けたいなら、福岡は紺野と、岩崎の2人がメインキャストで、ちょっと2人だと流石に枚数不足間は否めませんでした。
- そしてコンサの選手の中で、この日特にパフォーマンスが良かったのは岡村。ウェリントンはそこそこボールは収まるにしても、岡村相手だと反転できないので、ウェリントンからのパスで福岡が岡村の背後(コンサにとって危険なエリア)を突くことは難しく、サイドを迂回して紺野が仕掛けに勝つ必要があります。
- 岡村は何度かウェリントンへのパスを読んでインターセプトに成功しており、この時は福岡は岡村をどう捕まえたら良いか迷うような状況になって、そのままドリブルで福岡陣内に入って行くこともできました。それは岡村自身も迷うというか戸惑うような状況だったかもしれませんが、今後そのようなシチュエーションがあれば迷わずシュートでいいし、枠内に飛ばせれば更に市場価値が高まるでしょう。
- 加えてウェリントンのポストプレー、紺野のチャンスクリエイト、岩崎の攻守にわたる走力というアビリティは、福岡のバックアップの選手では代替不可能なもので、紺野が68分に下がる(金森と交代)のと、岩崎の足が止まってくると福岡は機能しなくなります。
- もしかするとコンサは福岡が活動限界となる時間を待っていたのかもしれません。コンディションがベストではないにせよ、後半から武蔵や浅野を使えるコンサの方が終盤は有利なシチュエーションではあったでしょう。
- ただ、それでも枠内シュートは2本、いずれもGK永石を脅かすものではなく、総じてコンサは前線の選手にボールを届けるのに苦労していたと言えるでしょう。
雑感
- 1試合だけだと何とも言えないですが、コンサはサイドのDFが2人抜けて、特に福森にボールを渡しておけば何らか味方を助けるパスを出してくれたりもしたので、相手からするとコンサ相手にハイプレスで嵌めるのは楽になるのかもしれません。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。
【アビスパ福岡×北海道コンサドーレ札幌|ハイライト】2024明治安田J1リーグ第1節 | 2024シーズン|Jリーグ https://t.co/vh4q9TyHJ7 @YouTubeより
— アジアンベコム (@british_yakan) February 25, 2024
画像付きで説明したい時とかあるので明日スペースじゃなくてYouTubeライブでやってみようと思います
— アジアンベコム (@british_yakan) February 23, 2024
うまくいかなかったらすまんな
13:45開始に設定したhttps://t.co/FTjgt7oZwh
0 件のコメント:
コメントを投稿