2022年11月6日日曜日

2022年11月5日(土)明治安田生命J1リーグ第34節 北海道コンサドーレ札幌vs清水エスパルス 〜明日は我が身〜

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:

スターティングメンバー&試合結果
  • 札幌は金子、清水は乾が出場停止。清水はここ3試合は同じメンバーでしたが、北川が負傷で、トップに白崎を上げ、中盤にホナウドを入れてきました。北川不在のゲームではカルリーニョスがトップに入る時期があったようですが、今は左でカウンターのキーマンになっているので動かしたくないのもあったでしょうか。
  • 札幌はこの週に計8人の”関係者”(コーチ通訳スタッフやソンユンも入るのか?)がコロナ陽性との報道があって、試合後のセレモニーの様子を見ても、該当者は高嶺、スパチョーク、興梠、トゥチッチ、大谷、松原といったところでしょう。GKは何度目かの正直が期待される小次郎と、U18のベンマムンアミン君で乗り切ります。

2.試合展開

バトルオブ羊ヶ丘:

  • 1-4-4-2の清水に対して、札幌は相変わらず、中盤の1人が状況に応じてCBになって岡村と2人で2トップをマンマーク、という、歪な、というかあまり効率的ではない守り方をします。
  • 言い換えると、CBが2人必要なのに1人しか用意していない。清水はここを突くのがまずポイントになる。2トップの、サンタナと誰を組ませてどのような役割を与えるかが重要です。
  • 白羽の矢が立ったのは白崎。役割は、build-upにおいては前線でサンタナと横並びで立ち2人でターゲットを務めます。
  • 札幌は、宮澤が下がるものの、ロングフィードに対しては岡村がしばしば「俺が競るよ」と味方とコミュニケーションをとってマークをスイッチすることがある。これは特に(さほどサイズがない)高嶺と組んでいるときに顕著なのですが、おそらく宮澤と組んでいるこの試合でも似たような状況があったと思います。そうすると、清水がターゲットを分散できて、札幌は岡村が両方に対して出ていかなくてはならない。これだけでもなかなかの負担になるし、かつ清水の2人が対人で強さを発揮したので、序盤から清水が制空権を握る展開になりました。

  • 清水は、札幌の前線からの同数での守備を嫌って、2トップに当てて札幌陣内に侵入。札幌が枚数不足(せいぜい同数対応で、かつそれも速い攻撃なら準備が整っていない)の状態のうちに、右の中山らが抜け出して攻撃を完結するイメージだったと思います。
  • どっちかというと、カルリーニョスは守備をセットした状態でボールを奪ってからドリブルで中央に入っていく役割で、カルリーニョスが起動すると白崎はスペースを空けるために左に流れる。中山は裏や福森の外側を走って、シンプルに福森に勝ってフィニッシュに絡んだり、札幌のDFを分断させる役割だったと思います。

惜別のインフロント:

  • 清水のパワフルなプレーに手を焼いていた札幌ですが、41分にシャビエルのゴラッソが均衡を破ります。
  • まず清水は1-4-4-1-1でセットして、この時はサンタナと白崎が縦並びになるので、岡村と宮澤は前が空いてconducciónできそうな余地はそこそこありました(ただ札幌は福森が自由に動いて、宮澤はその煽りというか影響を受けてCBの位置からスタートできないこともあって、もっと定位置をとっていれば清水の配置のウィークポイントを突けたと思うのですが)。
  • 清水は2列目にカルリーニョスという攻撃的な選手を置いているのもあって、おそらくあまり低い位置でブロックを組んで守るイメージを持っていない。清水はそんなに帰陣が早くないし、枚数をかけて守る感じもしなくて、こうなると立田(未完の大器のままなのか)がキーになるな、と感じていました。
  • 前半、札幌があまりいい形を作れなかったのは、札幌のWBにあまりボールが入らなかったためで、それは清水がうまく守っていたというより、札幌が必要以上に動きすぎて、ボールをデリバリーできるような配置になっていなかったからでしょう。

  • このゴールの時は岡村が運んでパスコースを作って、小柏が鈴木を引きつけてシャビエルへ。シャビエルに立田がついていきますが、この時もやはり清水は最少人数で守っている感じがします。
  • ボールが入った後は、シャビエルのターンとボールの置き方が完璧で、1発で正対する(≒どっちにも選択肢を持てる)位置に置いたのがうまかったですね。立田の左足の切り方は気になりますが。

兆しと必然:

  • 後半頭から清水は松岡→ベンジャミンコロリ。白崎が中盤に下がります。中央でフィルターかつピボット役になる松岡を早い段階で下げるのは、中盤を省略するスタイルにより舵を切ったということでしょうか。
  • 肉弾戦で勝負してくる展開になると、札幌はベンチに積極的に投入できる選手が少ないこともかなりの懸念材料。キムゴンヒと、時間限定で中村と西くらいで、小野はこの展開では到底投入できない。
  • 岡村がなんとか持ち堪えてほしいところですが、清水が徹底して前線の選手の強さで勝負した結果は50分で実ります。

  • 49分のサンタナのゴールは、先に指摘した、FWに当てて中山が飛び出すシンプルな形から。速い攻撃に札幌のスローなDFラインは全然整っていなくて、クリアは中途半端になります。
  • 福森だとセカンドアクションが遅すぎてしょうがないのですけど、福森のカバーに走ったのが(これまた速くない)宮澤。この札幌の編成上どうしようもないスピードのなさは、清水としては狙いどころだったはずです。
  • 51分の白崎のゴールもロングフィードから。結局札幌の守備は(これ毎回言ってますけど)岡村が全部勝つか、ダメなら菅野が超人セーブをする前提なので、(この時は宮澤が競り負けましたけど)DFが跳ね返せない時点で歯車が狂います。
  • かつて都倉の敵陣での空中戦勝率が70%を記録したシーズンがありましたが、DFの視点でも大体勝率は40-60%、つまりどんだけ強いDFでも30-40%は負けるので、普通は同数守備ではなく一人多く枚数を用意するとかセカンドボールを拾えるようにしておく。コンサはそうした備えがないのもあって、白崎のセカンドボール回収からの突進が成功したといえるでしょう。

  • しかしこれでクローズできない点が残念ながら順位を示しているというか。3-3となったキムゴンヒのゴールを取り上げて終わりにしましょう。
  • 札幌は中島がピッチに投入されていて、1トップ2シャドーの考え方にはめると中島が左シャドーでキムゴンヒ(ゴニ)がFW。清水は前半のシャビエルのゴールの時と同じで、この2人を1対1で見るシンプルな形。札幌の2人が横に広がって立っているので、清水のDFは距離が空いて互いにカバーリング関係が作れないのですが、その空いているスペースにMFが下がってスペースを埋めたり、といったところまでは、清水は整備できていない感じがしました。JリーグでDF5枚のチームが一定勢力を常に維持しているのはこうしたシチュエーションで守りやすいからでしょう。


雑感

  • 守備組織の構築に問題がある感じの清水ですが、J2にこのパワフルな選手が乗り込むと普通に無双しそうな気がします。
  • 札幌は、相変わらず個人で解決、という感じでした。ゲームで起用できる水準のDFの頭数の確保は今後どうなるでしょうか。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。

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