2016年5月16日月曜日

2016年5月15日(日)13:00 明治安田生命J2リーグ第13節 水戸ホーリーホックvs北海道コンサドーレ札幌 ~水戸の伝統?~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスタメンは3-4-1-2、GKク・ソンユン、DF進藤、増川、櫛引、MF前寛之、宮澤、深井、堀米、荒野、FW都倉、ヘイス。
 札幌はジュリーニョが出場停止、マセードは体調不良、福森が故障で欠場。荒野が初スタメンで、ヘイス、前寛之は町田戦以来2度目のスタメン。イルファンがベンチ入り。スカパー!!の情報では、今週の練習では前貴之が右のWBに入って練習していたが、体調不良により週の途中の練習から前寛之に代わったとのことである。また5/7に予定されていた前節、ロアッソ熊本戦が中止になったことは、興行的にはゴールデンウィークの札幌ドーム開催を失うことは痛いかもしれないが、過密日程の緩和という点で大きい。
 水戸ホーリーホックのスタメンは3-4-2-1、GK本間、DF伊藤、細川、ソン・ジュフン、MF田向、今瀬、兵働、湯澤、ロメロ フランク、船谷、FW三島。


1.前半の展開

◆水戸の3-4-2-1採用の理由


 水戸の今シーズンの基本布陣は4-4-2だが、この試合では3-4-2-1のシステムを選択。これはおそらく札幌の直近数試合を研究しての採用だと考えられ、具体的には札幌は2トップの徳島や金沢相手だと、3バックでのビルドアップにおいて数的優位が確保され、後方でのボール回しを安定化させることができているが、岡山戦や愛媛戦のように、相手が前線に3人の選手を配する場合、札幌の3バックと3vs3になり、この数的同数下でのプレッシングに苦戦し、ボールをうまく運べないでいる。
 この傾向を十分にスカウティングしており、札幌の3バックに対して前線の3人を当てることを大前提とした結果、今季初の3-4-2-1の採用に踏み切ったと思われる。なお、右WBの田向が本来右サイドバック、左WBの湯澤が左MFの選手である。
 前線に3枚を置く布陣としては、他に4-3-3なども選択肢としてはあるが、CBを3枚並べて実質5バックで守る3-4-2-1の方が、4-3-3よりもゴール前での守備が厚くなる。ただ、もちろん選手の慣れなども要因であると思われる。
札幌のDF&MFに対して人数を合わせ、マッチアップを明確にする
所謂ミラーゲーム

◆サイドの袋小路に


 そして下図の要領で札幌のビルドアップをサイドに誘導すると、ウイングバックの前寛之や堀米の所で1vs2で挟み込むことができる。水戸としてはこの時ボールを奪ってカウンターができればベストだが、札幌のWBが苦し紛れに前線にロングボールを蹴るような状況でもよい。またはこうしたサイドで詰まる展開を嫌って、CBから直接前線に蹴らせても良い。
サイドで手詰まりになってしまう

 ただ、水戸はサイドで1vs2の状況を作ってもボールへの圧力が不十分で、また札幌のWBの前寛之と堀米は平均以上の足元の技術があるため、サイドに誘導してもキープしてボランチへのパスで逃れたり、また2人で挟めていない時はドリブルで剥がしたりといったプレーも見られ、この水戸のプレッシングは完全に機能しているとは言い難かった。ウイングバックが上原ならば、もう少し簡単にボールを手放していたかもしれないが、両選手が落ち着いて対処していた。

◆水戸の伝統?(ポゼッションの放棄)


 一方、札幌も水戸がボールを保持している状況では、これまでの試合同様にトップ下の荒野が前に出て都倉、ヘイスと3人で並び、3トップの形式で守備を行うため、水戸の3バックと3vs3の数的同数になる。
 伝統的にそうした戦術をとるチームだと言えるのかもしれないが、水戸は基本的に後方でのボール保持やパスを繋いでのビルドアップをあまり志向していないようで、マイボールの際は3バックやGKの本間が積極的に前線にロングボールを蹴り、空中戦に自信を持つワントップの三島が競り、セカンドボール勝負という展開に持ち込んでくる。
 このとき三島がフリックしてシャドーの船谷やロメロフランクが拾えればベターだが、三島と増川の空中戦のマッチアップでは増川に明らかに分があるようで、増川が跳ね返し、札幌のボランチの深井と宮澤、水戸のボランチの兵働と今瀬がボールを追いかける展開が続く。
基本的に繋ぐ志向をしておらず、この位置のフリーキックもGK本間が蹴る

 また、この試合はハイボールの競り合いや、そのルーズボールを回収するプレーが頻発したこと、両チームのプレースタイルや主審のジャッジの傾向など様々な要因により、ファウルでプレーが止まることが多い。そして水戸はフリーキックを得ると必ず前線にロングボールを入れていく。

◆ロングボールを蹴り合い中盤が間延び・消耗する


 札幌も水戸もなかなかボールを落ち着かせないので、前半30分頃まではロングボールを蹴りあう展開が続く(スカパー!!解説の渡邊一平氏は、20分過ぎ頃に「解説することがないとまでは言わないが、両チームロングボールを蹴ってばっかりだ」という旨のコメントをしていた)が、この間両チームの中盤の選手は絶え間なく中盤の広大なスペースのアップダウンを繰り返すこととなる。
 例えば下の図のように、水戸の前線の選手が札幌の進藤にプレッシャーをかけ、ロングボールを蹴らせると、深井と宮澤は進藤のサポートのために近い位置にいるが、前線に蹴られると同時に40m程度の長い距離を走ってセカンドボールの回収に向かう。逆のパターンでは、全線で札幌がボールを失うと水戸はすぐにFWに当ててくるので、このセカンドボールも回収しに戻らなくてはならない。
 札幌は宮澤が前半12分に三島を手で止めてイエローカードを受けるが、この後、20分にも宮澤がユニフォームを引っ張りファウルを犯す。一瞬ヒヤリとするファウルの連続であったが、ボランチの守備範囲が非常に広く、2人でのカバーが難しいことを端的に表している事例である。
 こうした点は水戸の中盤の選手にも同様の問題だが、水戸としては両チームが消耗して中盤にオープンスペースができる展開をむしろ望んでいたと思われる。これは両チームの戦力差(まともにやり合ったら札幌が上回る)に加え、水戸の方が3-4-2-1でシャドーが2人おり、中盤をサポートしやすいシステムを採用しているため、体力勝負では分があるとの計算に基づくと考えられる。
ボランチはロングボールを蹴ったらすぐ前線のサポートに行かなくてはならない
プレーエリアが非常に広い

◆3人の攻撃的MF


 序盤から間延びするのは、ロングボール攻勢を仕掛ける(&札幌に強いる)水戸だけに原因があるのではない。スカパー!!中継で水戸の西ヶ谷監督が札幌について、「ラインが低い」と指摘していたがその通りで、札幌は増川にしろ河合にしろハイラインで勝負できるDFではない。
 よって仮に札幌が敵陣深くまでボールを運んでも、最終ラインは低い位置に残っていて、ここで水戸がボールを奪うと中盤に大きなスペースがある。ただ攻撃時の最終ラインの低さは水戸も同様で、両チームともカウンター時にボールを運べる選手がキーとなる。水戸はロメロフランク、札幌は荒野が主にこの役割を担っていた。
 また水戸はもう一人の攻撃的MF(シャドー)の船谷はキープ力があり、速い展開だけでなく中盤で溜めを作ることができる。カウンター時にロメロフランクだけでなく船谷を経由すると、後方からWBが攻撃参加してくる時間を作ることができる。
カウンター時にボールを運ぶロメロフランク

◆ボールを運ぶ試み①:ストッパーのオーバーラップ、インナーラップ


 ロングボールを蹴り合い、間延びした展開を上等と考える水戸に対し、札幌は前半途中から、最終ラインからのビルドアップでボールを前進させようとする試みを見せる。
 そのパターンの一つは、両ストッパーの進藤、櫛引の攻撃参加で、これは札幌がウイングバックの前寛之と堀米にボールを預けた際、水戸の対面のウイングバック、田向と湯澤が前進してくるため背後にスペースができる。このスペースを進藤や櫛引が使おうとするものである。
前半17分頃
櫛引が堀米との連携で田向の背後スペースにインナーラップで侵入

◆ボールを運ぶ試み②:前線への楔パス


 2つ目はCBからヘイスや荒野へ直接縦パスを通すもので、特に荒野は最初に示した図でもわかる通り、マッチアップ上、一人だけ明確なマーカーを背負っておらず浮いている。
 下の図、前半29分頃の局面では、最終ラインの増川がボールを持った時に深井と宮澤は中央に寄り、水戸の3トップに対して中央の展開を意識させる。これにより増川から進藤に展開すると一瞬船谷のマークが遅れるが、すかさず進藤が降りてきたヘイスにグラウンダーの縦パスを通す。特に進藤は上記のオーバーラップ、インナーラップといった動きの質も、パスの質も試合を重ねるごとに向上している印象を受ける。
最終ラインからの楔のパス
出し手は主に進藤
ヘイスがボランチ脇でポストプレー

 なおヘイスのポジショニングは、この試合を見る限りではジュリーニョほど相手選手の間で受ける意識が強くなく、純然たるFW然として前線に張っている時間帯も多かったが、ヘイスが出ていた時間帯はひたすら上空をボールが行き来しているような展開が多かったので致し方ない面もある。

◆運ばれたら撤退


 札幌は水戸のプレッシングに苦戦するが、上記の試みに加え、WBの前寛之、堀米がサポートに来たボランチの深井、宮澤を使うなどしてボールを中盤で落ち着かせることにも何度か成功していた。
 札幌がボールを運ぶと、水戸はWBが最終ラインまで下がる5バックの状態で撤退する。水戸の撤退守備は5-3-2のような形で、前線に三島とボールサイドのシャドー(船谷orロメロフランク)を残し、ボールと反対サイドのシャドーは中盤に落ちてスペースを埋める。

◆荒野のトップ下:カットアウトと間受けの両刀


 先述の通り、札幌はマッチアップ上、トップ下の荒野が唯一明確なマーカーがおらず浮き気味となる。札幌にボールを運ばれると5バック気味で中央を固めて守る水戸を崩すため、札幌は荒野が中央だけでなくサイドのスペースを見つけ、または作り出して侵入する。
 特に、水戸は5バックで固めるといいつつサイドをWB1枚で担当しており、またこのWBの湯浅や田向が対面のWB、前寛之と堀米にどんどん食いついてくるので、「水戸のWBとCBの間」のスペースが空きやすく、荒野が何度かここを狙っている。図示すると、下の図のように一度、大外のWBを食いつかせて空いたスペースに走り込み、WBからリターンを受ける。
 この試合の荒野はサイドでボールを受けると対面の選手に何度か1vs1を仕掛けており(ロストも少なくなかったが)、24:30頃にはこの動きから荒野自らが切り込んでシュートを放ち、44:30頃にはこの位置でスローインを受け、ヘイスへのクロスを供給している。
 ただ、ヘイスと都倉が中央に鎮座し、荒野がサイドで独力突破を図る局面も多く、崩しの段階での連動性をやや欠いていた。恐らく2トップの一角がジュリーニョであれば、狭いスペースでのプレービジョンを共有でき、もう少し連動したプレーができたのではないか。
荒野のカットアウト
大外のWBが食いついて空いたスペースに走り込む

 上記のオープンスペースへのランニング(中央から外へのカットアウト)に加えてもう一つ、荒野の特徴は細かいスペースへ侵入してボールを受ける能力で、技術があるため動きながらボールをコントロールすることができる。狭いスペースで受けることで、周囲のDFは引き付けられ他の選手のマークが手薄になり、引いた相手を崩すうえで有効である。札幌の前線の選手では内村や都倉にはない特徴である。
狭いスペースへ侵入
狭いスペースで受けることで引き付ける

2.後半の展開

◆依然として水戸のペースに引き込まれる

 水戸がハーフタイムでエネルギーを補給したこともあり、後半立ち上がりも前半同様、長いボールを前線に蹴り続ける水戸と、水戸のプレッシングに時間を与えられず長いボールを蹴らされる札幌、セカンドボールを追い続ける中盤の選手といった、前半同様の光景が続く。
 象徴的なシーンを一つ上げると、56:19頃、札幌のク・ソンユンが蹴ったパントキックを敵陣で都倉が競る。帰陣が早い水戸はセカンドボールを田向が回収し、中央の今瀬にパスすると、札幌は自陣ペナルティエリア付近から押し上げてきた深井が今瀬のトラップ際を狙ってアタックする。しかし今瀬がスピードに乗ったままコントロールして深井をかわしてゴール前に突撃し、前に残っていた三島にパス。札幌は水戸のロングボール攻勢と迅速なセカンドボールの回収に後手を取り、後半10分を過ぎても中盤が振り回されていた。
都倉がこの位置で伊藤と競る
田向が回収して中央の今瀬へ
画面外から深井と宮澤がスプリントしてきて押し上げる
今瀬がスピードに乗って深井と宮澤の間を割る
深井はここからまた守備に走らされる

◆61分:内村の投入


 61分に札幌はヘイスに代えて内村を投入する。なお試合後の報道によると、「水戸のDFラインが低いためスタートから使わず温存していた」とのことである。
 内村が入る前と後では、正直なところ後方から供給されるボールの質は大して変わっていない。ただ都倉や荒野としては、裏抜けが巧くまた数年一緒にプレーしている内村の方が互いの特徴や呼吸をよくわかっているため、前線3人の動きがスムースになる。ひたすら都倉とヘイスが最前線に張って空中戦を繰り返す展開から、都倉が引いて内村が飛び出すなどのパターンが生まれ、前線でボールを保持する時間が増えるほか、また内村はトランジション時などスペースがある状態では積極的に裏に飛び出していくため、水戸としては札幌にロングボールを蹴らせることによるリスク(前線で札幌に拾われるとシンプルに裏を突かれる)が激増している。
同じ質のロングボール(水戸に蹴らされる)でも
前線では都倉が競る以外の選択肢ができる
内村が荒野とのワンツーで裏へ
内村が積極的にスペースに飛び出すので水戸のDFは後手に

◆水戸のガス欠と同時期の小野投入


 内村投入後の65分頃から、水戸はプレッシング強度が落ち始める。この状況を見て69分、水戸は船谷に替えて佐藤祥を左WBに投入し、湯沢を右シャドーにシフトさせる。
 一方札幌は70分、深井が足を攣りピッチに倒れると、スタンバイしていた(別の選手と交代予定だったと思われる)小野を深井に代えて投入する。小野はトップ下に入り、荒野がボランチに移動する。
 この時、堀米が中央、荒野がサイドという選択肢もあったが、荒野のボランチ起用は、U-18の頃のようなイメージだったのか。見たところ、荒野自身もピッチ上の他の選手もあまり違和感はなく対応していた。
佐藤祥と小野の投入

 水戸はこの選手交代をしてもエネルギー切れが明らかで、後方でボールを拾って素早く前線に展開しても、それまでのようなスピーディなトランジション、最終ラインの押し上げがほとんどできなくなり、また札幌が最終ラインでボールを持つと前線からの守備が殆どできなくなっている。
 対する札幌は小野が投入後最初のポゼッションプレーで最終ラインまで降りてボール回しに加わり、文字通りゲームを落ち着かせる。水戸のガス欠と小野の投入が同時間帯に発生したことで、札幌がボールを保持する時間が一気に長くなる。
後方でボールを回収して前線に展開
センターサークル付近で増川がインターセプトから、宮澤にパスを通した直後
水戸は押し上げられず中盤に誰もいない

◆74分の小野のシュート

上記の写真、宮澤が増川からパスを受けた所から始まる札幌のオフェンスには、2つのポイントがある。
 一つは、水戸のDFが完全に足が止まっていることで、宮澤が中央の小野にパスし、小野から都倉、都倉から中央の内村のポストプレー、リターンを小野が左足ダイレクトでミドルシュートを放つと僅かに枠の外…という展開で。、水戸は宮澤→小野→都倉→内村→小野と渡る間に全くボールにアタックに行けず、ペナルティエリア前で一斉に横に並んでいる。
 もう一つは、小野に渡った瞬間に後方から攻撃参加してきた堀米の動きで、堀米は大外、DFの視界の外から飛び出してきたが、ゴール前に密集する選手の塊の中に入ってきてしまう。この時堀米がそのまま大外を走っていればDFの視界外から裏を取ることができ、小野か都倉が持ったタイミングでラストパスを受け、フリーでクロスやシュートを放つことができていたはずである。
右サイドから小野(見きれている)へ
視界外から堀米が攻撃参加
堀米は中央、ゴール前の塊に同化してしまう
水戸DFは完全に足が止まっている
小野に最後詰めたのはプレスバックした今瀬(20番)

◆小野のフリーランで勝負あり


 そして迎えた81分、札幌は水戸のゴールキックを跳ね返したボールを内村が前線で収めると、水戸の守備陣形が整わないうちに都倉、小野、宮澤、前寛之が一気にゴール前に侵入する。小野の動きに水戸のWB、田向が釣られ、左サイドががら空きになったところで堀米がオーバーラップし、先の74分のプレーとは異なり、大外で内村からのパスを受ける。
 水戸は疲労もあり札幌の鋭い切り替えに対し、思考も足も後手に回り守備陣形を形成できず、堀米が余裕をもってルックアップする間にようやく水戸も8人の選手が戻ってくるが、最後にゴール前中央に入ってきた内村を誰も捕まえられていなかった。堀米のクロスをドンピシャで合わせた(試合後コメントによると、堀米は内村を見ていなかったようだが)内村のヘディングが決まって札幌が待望の先制点。
内村からスペースの堀米に出たところ
小野のペナ角への動きに田向が釣られる
水戸は誰もボールに寄せないため堀米がフリーでクロス
人数は揃っているが内村を誰も見ていないので、フリーでヘッド
小野のランニングで大外の堀米が空く
堀米は今度は中に入ってこなかった

水戸ホーリーホック 0-1 北海道コンサドーレ札幌
・81分:内村 圭宏


【雑感】


 この日の水戸は、野々村社長風に表現すると「サッカーをしてこないチーム」(普段の札幌も、相手チームに対してそこまで言えるほどのプレーができているかというと微妙だが)。恐らく今期最も内容に乏しい試合が繰り広げられた。
 ただ、徳島戦や金沢戦を見ていて、次に3トップ気味に前から数的同数でのプレッシングを行うチームが相手だとどうなるか…と思っていたところで、スカウティングに基いた水戸の戦術は理に適っていたが、勝負所で内村、小野という切り札を適切に運用した札幌が勝利した。
 これまでの試合で、守備貢献やロングボールのターゲットとして使われる都倉やジュリーニョの動きが終盤急激に鈍り、また四方田監督がこの2選手をなかなか適切なタイミングで替えられないようにも見受けられたが、この日は深井が足を攣ったこともあり、投入するタイミング、起用法共に適切であった。
 小野が投入された時点では中盤に広大なスペースがあり、また水戸がアンカータイプの選手を投入する等の策をとらなかったため、かなり仕事がしやすい状況ではあったが、きっちり仕事をする点は流石であり、野々村社長の言うところの"クオリティ"を示した。