2021年7月11日日曜日

2021年7月10日(土)明治安田生命J1リーグ第22節 ベガルタ仙台vs北海道コンサドーレ札幌 ~夏の7不思議~

1.ゲームの戦略的論点とポイント

スターティングメンバー:

スターティングメンバー&試合結果

  • 4月の厚別での対戦時は開幕10戦未勝利だった仙台。しかし12節以降の10試合は、等々力で川崎相手に追いついて勝ち点1を得るなど3勝4分で13ポイントを稼ぎ、低水準で推移する残留争いラインから引き離されずにしぶとく戦い続けています。この間5試合でスタメン出場し2勝2分に貢献したフォギーニョの離脱が痛いところでしょうか。
  • その他メンバーは、5月から合流しているFWフェリペ カルドーゾが初スタメン。スタメン出場が多い選手の中では、西村と氣田がベンチスタート。
  • 札幌はTwitterで「俺はフルシーズン出場可能」とサポーターに絡んでいたジェイが5/29の柏戦以来の復帰。厚別での対戦でも仙台のDFアピアタウィアの上から決勝点を挙げており期待がかかります。仙台が2トップ気味なので、今回も私は1-4-4-2と解釈します。


足し算と引き算:

  • 互いのスタイルというかチームの考え方だと思いますが、札幌はやりたいことベースの「足し算的な思考」でチームを設計している。仙台は引き算的な思考で、やりたいことではなくてチームが勝ち点を得るためにやらねばならないことベースで設計しています。
  • 札幌は、ミシャはピッチをワイドに使うスタイルが好きなので、ボールを保持した際に相手に脅威になれるウイング(ウイングバック)を2枚起用する。加えてシャドーにもチャナティップのようなタイプを置きたい。あとは前線からマンマークでプレッシングをしたいとか、福森がいるので撤退時は5バックで守りたいとか色々な要求を加えると、この形…駒井とチャナティップが中盤センターみたいな布陣に行きついています。
  • ここにチャナティップを置くのが適切なのか?田中駿汰が右にいるのはどうなのか?色々突っ込みどころはあるとして、それはすべて「やりたいことベース」で積み上げた結果、不都合があるとしたらその考え方に理由があるといえます。
  • 「足し算的な思考」の行きつく先はそれこそ「黄金の中盤 via ジーコジャパン」みたいなもので、サッカーはやりたいことだけやっていればいい競技ではないので、それだと普通はチームとして成り立たない。ですので勝ち負けを度外視でもしていないなら、仙台のように引き算でチームを考えていくことがセオリーです。

引き算の行方:
  • やりたい、ではなく、仙台・手倉森監督が設定した「やらねばならないこと」をまず見ていきます。
  • 札幌はアウトサイド(特に右)に突破力のある選手を配置して、1on1からのドリブル突破が成功すればクロスボールからのフィニッシュの形を持っている。
  • ただ、クロスボールへのヘディングシュートというのは実は統計的にはそこまで確率の高い攻撃ではなくて、しかもジェイは別格だとして、小柏や金子、チャナティップは平均を下回る空中戦性能しかないし、仙台には大型GKスウォビィクがいます。ですので、仙台としてはサイドアタックに対しては絶対に阻止したいというよりは、クロスボールが上がった時にゴール前の枚数確保ができていてスペースを消せていればだいたいOK、と考えていたと思います
  • ルーカスはこの試合も何度か右サイドから仕掛けの形を得ますが、仙台は左SBの石原が、ボールと反対サイドでもマンマーク気味に対応することで、石原だけでもルーカスをスピードに乗せない対応でまず様子を見る、という考えだったと思います。

  • それよりも仙台が警戒していたのは、1トップに2シャドーを配するシステムが本来標準装備としている、中央の選手を使ったアタックで、金子はそんなに狭いスペースで活動できるタイプではないですが、特にチャナティップはボールが収まり、ターンからのスルーパスなりサイドチェンジなりで散発的なプレーをリンクさせる能力がある。
  • 札幌は福森→右ウイングという長い距離のパス(サイドチェンジ)によるパターンが多く、福森がいると色々感覚が麻痺しがちですが、長い距離の、しかもDF複数人を横切るパスというのは途中でカットされるリスクがありますし、また長い距離をボールが移動している際にスライドが間に合ってしまいます。
  • ですので、最終的にサイドを使うにせよ中央で勝負するにせよ、サイド(福森がいるところ)ではなくより中央に近いエリアを制圧していかにボールを配球できるか、が重要になってきます。近年ハーフスペースをめぐる攻防にスポットが当たっているのはこのためで、中央を取れるならそれでいいのですが、中央は絶対ケアするとしたらハーフスペースを次に占有しましょう、というものです。
  • 仙台は、やってること自体はマンマークで1人ずつ札幌の選手を担当します。大外のウインガーはSBで、右なら青木に対して真瀬。サイドのDFにSHで、福森に対して関口。これは人についていくというより、カバーシャドーっぽく福森の前に立つ対応もしていました。そして最も重要なシャドーに対しては富田がチャナティップをマーク。
シャドー及びハーフスペースの攻防

  • これを踏まえての話になりますが、開始20分ほどで顕著だったのは、仙台はトップのカルドーゾと赤崎のところで高嶺や宮澤にぜんせんプレッシャーがかからない。ですので高嶺はカルドーゾの脇からボールをいくらでも持ち出せそうな様子で、実際開始直後から試みていたと思います。この時、仙台の2人は前後関係を作っていて、赤崎は駒井を見ていたので、何かするならカルドーゾなんだろうな、とは思っていました。
  • トップがステイするなら、持ち出してくる高嶺にはSHが出ていくのかと思うと、関口は福森を見ているので違いますし、富田もチャナティップを見ている。じゃあ仙台はどこまで高嶺を好きにさせるんだ?というのが、私の序盤の疑問でした。


誤算だったのか:

  • ただ、手倉森監督のコメントを見ると、

■立ち上がりに相手の精度の高いパスでやられた後に、飲水タイムで改善したように見えましたが、どういったところを改善しましたか。

長いボールを使われたら自分たちのオーガナイズが広げられることに対して、自分たちはまず後ろにコンパクトにしたなかで、第1ディフェンダーが誰だというところで準備はしてきたのですが、フェリペ(カルドーゾ)のアクションがちょっと遅れて、ちょっと後手を踏んでしまいました。

飲水タイムの後に少しは良くなったのですけれども、やはりさらに良くなるために日本人同士のコンビネーションのために(西村)拓真と(赤﨑)秀平に代えて、少しは制限をかけた中でのロングボールへの対応になったので、少しは改善されたかなと思いました。

  • 札幌がロングフィードを使って押し込んでくるのはわかっているので、序盤から引き気味にする。ただし引いたまま何もしないと押し込まれるので、札幌の配給役の選手に2トップがアプローチするイメージだったのが、カルドーゾだとうまくいかなかった、と言っているのだと思います。
  • ですので高嶺が序盤ずっとフリーだったのは仙台としては想定外で、あそこまで極端に消極的に見える、また引いた対応は考えてなかった、前半から引いて対応しつつもカウンターの脅威はある程度示したかった、ということでしょう。


2.試合展開(前半)

最高のスタートも再現性ナシ:

  • いきなり札幌が4分に先制します。

  • フリーの高嶺からチャナティップ→金子→小柏のワンタッチパス。金子が頭で落とすプレーなどはかなり難易度が高くてこれをもう1回やれ、と言われても難しいでしょう。ただワンタッチで速く動かす(諸解説者氏が好きなやつですね)ことで仙台はついていけず小柏にボールが入る。そして中央で3人関与したので仙台の守備は収縮して、大外のルーカスがフリーになった、というところからでした。
  • 札幌はよく、高嶺の位置から高嶺もしくは福森が1発でロングフィードをかっ飛ばしてウイングバックに当てますが、一発で狙うと仙台のSBのスライドが間に合ってしまう。金子や小柏を使ったこの攻撃は、引いてマンマークで守るチームを崩す上で有効な要素が部分的に含まれており、仙台がこのやり方なら継続できればイージーなゲームになるな、と思って観ていました。
  • ですが…
  • Sporteriaのチャートを見てもわかるように▼、小柏や金子にこうしたボールが入るとか、チャナティップが金子と絡んでプレーするとか、そういったプレーはこれ以降全くなくて、そもそもシャドーに対しては駒井→チャナティップで2回とか、田中→金子で1回とかしかボールが配給されていない。仙台はカルドーゾの対応のまずさもあって札幌の配給役を非常にフリーにしていたにもかかわらず、です。

札幌のパスネットワーク図
画像引用元:https://sporteria.jp/data/2021071002/157464

  • 端的にいうと、配給役はフリーなら基本的にはConducciónでボールを運んで相手を引き付けてからパスすべきです。その先に個々の選択としてワンタッチプレーとかスルーとか即興性が試される、のはアリです。
  • 結局それを日頃から意識していないのでこんな話をしても無理、いつもやってるサッカーに落ち着くのだろうと思いますが、もう一つ言うと、Conducciónとかプレーの選択以前に、札幌の選手はピッチ上のScan…情報収集という概念がないままプレーしているのでは?と思います。だから相手が仙台だろうと湘南だろうと同じようなサッカーになるのではないかと疑っています。相手を見てプレーする下地がないのです。
  • 「結局いつもの同じようなサッカーに収束する」と書きました。即興で金子、チャナティップ、小柏のアタックが2度目は発動しなくなると、いつものやり方…前線に長いボールを放り込んでガチャガチャやる形に収束します。これは手倉森監督の見立て通りだったでしょう。
  • 小柏や金子はそれが得意な選手ではないですし、仙台は札幌のシャドーにボールが入らないとなると、1点を失ったとはいえ当初のミッションはほぼ達成です。


ギアチェンジから追いつく仙台:

  • カルドーゾの誤算があったとはいえ、仙台は30分頃にやり方を変えて攻勢に出ます。
  • その前後の流れとしては、24分に札幌がFKから宮澤のボレーシュートで2点目、と思いきや、青木がobstruction?をとられてVARでノーゴールの判定。28分に飲水タイムがとられ、飲水タイム明けの31分に仙台の見事な攻撃で真瀬がプロ初ゴールとなる同点ゴール。

  • これも諸解説者氏が好きな(ゴール取り消し、飲水タイムetcで)「流れが変わった」という表現がありますが、本質的には仙台がプレーのやり方を変えたことで生まれた得点だったと思います。

  • それまでの時間帯は、ボールを持った時は全てカルドーゾに放り込んで終わり。これは失ってカウンター、を回避したいからでしょう。
  • 札幌のマンマークに対して、4バックの配置を3バックに変形させて、ついてくる札幌の選手を操作するとかいった選択もありますが、そうしないのは、仙台の選手を動かすとバランスが崩れるから。CBがサイドに開くと中央で被カウンター時の対処が難しくなるとかそういう理由です。
  • 札幌視点で言うと、また同じ話を書きますが、前方向にプレスしていれば仙台はCaracolesで回避とかしてこないので、この間は小柏や金子、チャナティップが突っ込んでいれば仙台はカルドーゾに蹴るだけ。最終ラインが対処しやすい状況でした。

開始25分間はマンマークを嫌って放り込みでやり過ごす

  • 31分の同点ゴールの場面で、仙台は初めてボールを保持して、カウンターを回避する以外の意図を持ったプレーを仕掛けてきました。
  • 流れの中で富田がCB2人の間に下がる、所謂salida lavolpianaからCB2人はペナルティエリア幅以上に広がる。依然として札幌はマンマークなので、誰が対処するかは決まってますが、小柏も金子もそれまでよりも相手に対して走る距離が長くなります。
  • 富田の移動の伴う仙台のポジションチェンジの詳細は割愛しますが、広がってプレーすることで各選手の周囲にはスペースが生まれます。この状態で吉野からカルドーゾへの縦パスが入ると、スペースがあればカルドーゾは長いリーチを活かしてボールキープに成功。そこまで空中戦主体で抑えていた宮澤は、初めて足元でのデュエルになりましたが、恐らくカルドーゾのリーチを見誤って入れ替わられてしまう。沈黙していたカルドーゾが初めて仕事をした格好になりました。

拡がってプレーする仙台
  • 札幌は福森の対応に文句を言っている人がいましたが、確かに彼はもうちょっと必死に戻れないかとは思いますが、いずれにせよボックス内は札幌が青木1人で仙台は3人。赤崎の見事なラストパスも含め、マンマークの札幌のCB中央の選手が負けるとこうなるよね、というか1on1で負けない前提なので、そこが6割の話だと思います。勝てないなら純粋なマンマークなんてやっている場合ではないです。


3.試合展開(後半)

赤崎のモデルチェンジ:

  • まず後半頭から仙台はカルドーゾ→西村。理由は監督コメントでありましたが、札幌相手に前半はボールが収まるカルドーゾで、オープンになってから西村、というのは元々考えていたのでしょう。
  • 後半顕著になったのは、それまで下がり目だった赤崎がトップに近いポジションを取って、西村と2人並んだポジションから宮澤と高嶺にゴール前で勝負を挑んでいました。

FW赤崎vsCB高嶺
  • 私が「コンサドーレは数字で示すなら4バック」だと思っているのはこのためで、基本的に相手に合わせたポジションを取るので、赤崎が前に張ればこうなるのは見え見えの話。そして高嶺はDFではないし、チャナティップも駒井も本来は1列前の選手。
  • 仙台が1-4-4-2でプレーすると、札幌はなんでこの選手がここにいるの?という配置が多発する。相手のエラーを突くのが好きな手倉森監督がこれを意識しないはずはないでしょう。前半引いてプレーする際は、後方のブロックとカルドーゾの間でリンクマンのような振る舞いだった赤崎を意図的に前に持ってきたのはその表れです。
  • ミシャは高嶺を最終ラインでも耐えうると思っているのでしょうが、菅野の存在もあってここまでボロが出ていないだけで、1人の選手がCBも中盤も高いレベルで兼務できるとしたらそんな選手はなかなか札幌のようなクラブにはいない。仙台にロングボールで押し込まれても、札幌は相変わらず人をマンマークして、たまに駒井や青木が気付いて見方をカバーリングするという属人的な安全策しかとれないので、仙台が徐々に札幌のボックス内に侵入に成功します。


コンサドーレ7不思議:

  • このチームを見ていると不思議なことがたくさんあります。この①なぜ素直に4バックにしないのか(多分福森は5バックじゃないと守れないと思っているのでしょう)、②ボール保持時になぜ駒井と高嶺の役割を決めておかないのか(駒井が左CBに下がって何かいいことがあるのか?)。
  • そして75分にジェイを投入して局面打開を図りますが、③なぜチーム一のクロッサーのルーカスをジェイとセットで考えずに、縦突破しても貧弱な逆足クロスしかない金子を右に移動させるのか、他にも挙げていけば多分7個以上あると思いますがこの辺にさせてください。
  • 試合展開に話を戻すと、ジェイ投入でとにかく放り込み、クオリティはともかく共通理解はできて、そして札幌得意のフィジカル偏重かつオープンな展開にラスト15分で持ち込みます。
  • 78分にはCKのリバウンドを金子が左足で狙いますが右ポスト。86分に混戦からチャナティップがボックス内でターンして左足シュート。しかしスウォビィクが超人的な反応でビッグセーブ。
  • 以前も書きましたが、スウォビィクのようなGKから得点を奪うには、いくら威力があってもどのタイミングで撃ってくるかわかるミドルシュートよりも、ゴール前でGKの視界を操作するようなパスが必要になる。ジェイが入ると一発の脅威はありますが、プレーが遅くかつ硬直的になるので、仙台は大柄なDFがいなくても枚数確保からのスペース圧縮で守り切ることができていました。


雑感

  • 色々思うところはありますが今回はこの質問に補足します。
  • サッカーIQというのは例えば状況判断とか都度都度のプレー選択を指しているんじゃないかと思います。札幌の場合、判断がよい/よくないもそうですが、それ以前に状況判断するための情報を入手するためにピッチ上の状況をScanできているか?その意識はあるか?というのが気になります。
  • 一般には全速力フルスピードでプレーしていればScanすることは難しくなる。試合序盤にイニエスタがゆっくりプレーしているのはそのためで、ミシャはかつて都倉が「ミシャの練習は頭が疲れる」と言っていましたが、それはパターンを覚えるのが大変という意味合いであって、試合のたびに都度、相手がどんな出方をしてくるか見極めるとか、相手と対話しながら対応を判断する、対応を変えてプレーする、というものとは別物なのでしょう。序盤からフルスピードでプレーしていますし、試合によってやり方が変わるかというとそうでもないからです。
  • であればこの日の仙台相手だと、序盤にチャンスがあり、4分に先制した直後も今、仙台はどういう問題があるか?私は高嶺や駒井はもっとボールを運ぶべきだと思いましたが、そうした情報収集が行われたうえでプレーするのは期待しない方がいいでしょう。深井や宮澤はそうした意図を感じますが、これは誰か1人でやるものではなく、全員で同じ絵を描かなくてはならないからです。

  • ですので荒野?なのか誰かを賢くて巧い選手にアップグレードしても恐らく無駄で、ほぼ全員取り替えないとゲームとしてはそう変わらないと思います。もっとも徳島なんかはそれに下部組織から着手するといって、まだ数年もたってないと思いますが躓いている。やったところで幸せになれるとは限らないのですが。
  • それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。

2 件のコメント:

  1. いつも拝読しています。分かりにくい文章をすいません。
    鹿島、長崎と続けて見て4-4-2ゾーンが苦手なんじゃないかと感じました。
    自動的にボランチが1枚降りるので2トップに2枚回しになってしまう。さらに1枚降りて3対2を作るとボランチが誰もいない現象が起こります。
    駒井が降りたのを見て慌ててチャナティップが降りてくるシーンがあったので相手の1列目の2枚の間か背後に誰かいる約束事があったっぽいですが、前線は4バックに対して4枚でミシャ式の優位性を活かせません。青木がハーフスペースに入り福森が大外上がってくる形が何回か見られましたが。
    ここまで本来のポジションを崩すなら最初からボランチ降ろさずに3-2-5でビルドアップすればいいのにと思います。

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    1. 枚数にフォーカスした話をすると、相手が1-4-4-2なら最初から3バックでいい、これはその通りですね。この点では無意味にセオリーから逸脱していて大したリターンもなく意図がよくわかりません。

      枚数の話を別にすると、相手が4バックだろうと3バックだろうとやることは同じで、一応ボールを保持するプレーをしたいなら、最後にゴール前でスペースがある状態が必要。そのためのプレーがずっとできてないので、鹿島はともかく長崎みたいなバランスよくスペース消してくる相手だと個で押し切る以外に打開策ないですね。

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