1.ゲームの戦略的論点とポイント
結局GMって何すんの?:
- コンサで現役を引退した西村卓朗氏が2016年から強化部長、2019年からGMを務める水戸。コンサの三上元GM(現サポーター)を見ていると、そもそもGMって何をする役割なのか?がよく見えなかったので、個人的には今回のGM退任劇には一定の理解があるのですが、水戸では西村氏がフットボールに関する戦略全般をグリップしているようで、これだけ明快に語ってくれるとGMってこういう役割なのね、と理解できます。
- ↑上記の動画でも激戦の関東に立地する小規模クラブにとって、選手の発掘と育成がキーということで、戦略的でもあるしある意味では逆張り的な動きで差別化するとも考えられるかもしれません。例えば近年は他クラブが大学生に即戦力を求めるようになりましたが、以前はどちらかというと有望な選手を高卒時点で囲っていた際に、水戸は大学生に目をつけ塩谷や(在学中でしたが)パク・チュホのようなインターナショナルに活躍する選手の輩出に成功しています。
- その後今のように国内の上位クラブがポストユースでの育成に消極的になると水戸のポジションはそちらに必然と移り、高卒選手を直接リクルートするのもあれば、コンサで言えば中島だったり、現在岡山で活躍する鈴木喜丈のような高卒3〜4年目くらいの選手に対してもかなり戦略的に動いているな、との印象を受けます。
- 恒例の23シーズンの営業収入は約12億円。コンサの1/3〜1/4といったところですが過去最高額を更新しているとのこと。10億円を割るとリーグ最低水準で、そこよりは少し上のラインといったところでしょうか。
https://www.mito-hollyhock.net/news/p=35441/
https://aboutj.jleague.jp/corporate/assets/pdf/club_info/j_kessan-2023.pdf
- となるとやはり行政の費用負担を念頭においた専用スタジアム建設に期待したいところですが経過は思わしくないようでかなりの長期戦となりそうな雰囲気です。ある意味では、ホームスタジアムの確保についてあまり計画的ではないまま参入したということで、Jリーグの発足から拡張期における象徴的なクラブなのかもしれません。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%B4%E6%88%B8%E5%B8%82%E7%AB%8B%E7%AB%B6%E6%8A%80%E5%A0%B4
スターティングメンバー:
- 水戸のシステムは1-4-4-2またはワイドの役割やプレースタイルを考えると1-4-2-2-2。GKは松原に代わり3試合連続で西川。CBは東京国際大学から新卒加入の板倉がここまでは最多出場で、鷹啄トラビスはJリーグ初先発という水戸らしい若いユニット。中央は大崎がキャンプ中の負傷から復帰し初スタメン。両ワイドは津久井が左でスタート。
- コンサは高嶺が前節に続いて左SBの1-4-4-2。スタメン発表では1-3-4-2-1のような並びになっていて偽装っぽくはありました。前節は木戸がスタートで後半から田中克幸でしたが、この日は克幸をスタメン起用。また最終ラインは家泉がベンチスタートで、中村桐耶と西野が初めてユニットを組みます(追記:家泉が体調不良で直前に中村のスタメン起用になったとのこと)。