2020年9月27日日曜日

2020年9月26日(土)明治安田生命J1リーグ第19節 ヴィッセル神戸vs北海道コンサドーレ札幌 ~行き先はボールに聞いてくれ~

0.スターティングメンバー

スターティングメンバー&試合結果
  • トルステン・フィンク氏の電撃的な辞任に揺れた(揺れてはいないか。お約束だし…)神戸は、三浦新監督は4バックを選択するんじゃないかとの予想はしていました。フィンクが辿り着いた3バックは理想からスタートした末の現実案でしたので、新監督はDFを1人削って中盤or前線に割ける4バックの1-4-1-2-3に回帰するんじゃないかとの予感です。西、セルジ・サンペールは出場停止、飯倉は負傷離脱中です。
  • 札幌は地元メディアの予想ではGKは菅野か、法政大学4年の中野小次郎かで割れていましたが、「誰かのリクエスト」にミシャが応えたのか、中野がプロ初先発を果たしました。

1.前提

  • タクティカルな意味合いでは、お互いに準備や上積みが難しい状況だろうと想定の上でゲームを振り返ります。
  • 神戸は、三浦新監督の就任発表は試合2日前の24日。札幌は、大学生の小柏や中野が練習に参加しているのは数週間、かつ、シーズン中は殆どリカバリー中心のメニューだと考えると、トレーニングを通じてサッカーに必要な相互理解やコンビネーションという部分もそうですし、チームコンセプトをどこまで理解しているかも何とも言えないところです。
  • それでも彼らの、特にFWの小柏の能力を信じてゲームにスタートから起用することは、ある意味で彼らのクオリティに賭けた(投げた)部分もあるゲームだったと理解します。

2.基本構造

2.1 唯一フリーなポジション

  • 札幌は相変わらず、マッチアップを合わせた上でほぼオールコートでのマンマーク基調のディフェンスを志向します。詳しい説明は略しますが、このために前線に小柏や金子といったヤングな選手を置きたいし、ジェイやアンデルソン ロペスのプライオリティは下がる、ドウグラス オリベイラが辛うじて選択に入るのはわかります。
  • 何度かブログで書いた話をおさらいします。相手が3トップなら札幌は3バックで守るのですが、守備側から見て守るべき対象…ゴールはゴールライン中央にあるので、本来DFは中央から起算したポジションを取ります。
  • 対する攻撃側もゴールを目指すのは同じなのですが、DFは必ず最終的に中央を守る”習性”を逆手に取るべく、ワイドなポジショニングからスタートし、「幅を取る」ことが一般には推奨されます。この札幌と神戸のようなチームの対戦では典型なのですが、攻撃側は拡がったポジションを取れば取るほど相手のDF同士の感覚を拡げることができ、スペースができます。
  • そして一般にはスペースがあればあるほど攻撃側には優位になり、ボールをコントロールする余裕が生まれますし、例えばキムミンテがドウグラスに抜かれた時に隣を守るDFがカバーすることも難しくなります。
  • 札幌はシステムを合わせてマンマークで守るといいますが、理論上全ての選手が対面の選手にほぼ9割勝てる(相手からボールを奪えるもしくは前進させない)状態でない限りは、純粋なマンマークディフェンスにはならず、カバーリングができるポジションを取っておく必要があります。そして相手にドウグラスやイニエスタのような選手がいると、言うまでもなく机上の空論と化します。
  • ですので札幌の両サイドのDF、進藤と高嶺は最初から古橋と郷家に対するマーカーとして専従的に振る舞うことはできない。この点はオールコートマンマーク(基調の)ディフェンスのエアポケットになります。
  • 特に前川は、酒井を信用しているようで、酒井-ルーカスのマッチアップから神戸のボール保持は始まることが多くなっていました。
  • その酒井と前川が比較的、スペースと時間のある選手だとして、他の選手は全員札幌がなんらかマンマークで付いているのでボールを受けることは容易ではない。なので、神戸は無理をせず前線のドウグラスに当てる選択が多くなります。キムミンテとの空中戦は五分~ややミンテ優勢でしたが、ドウグラスは広く動き回り、地上戦も併用することで基点を作ろうとします。
札幌がマッチアップを合わせた時の構図
  • もう一つはGKの存在です。GK前川を基準としてマンマークする選手はいないので、誰かが自分のマーク対象を捨てて前川にアプローチしない限り、前川は永久にボールを持てます。
  • 前々からフットサル界隈の方が「サッカーって完全にフットサル化してるよね」と言ってましたが、ディフェンスが高度化したり、要求度合いが高まると、ピッチ上でゴールキーパーのみが唯一フリーな、時間とスペースのある状態からプレーをスタートすることができます。この時間とスペースを浪費する(味方のプレーを助けない)選手が背番号1をつけているか、それとも限りなくボールを保持してプレーしようとするかはチームに大きな影響を与えます。

  • 前川が時間を使って行っていたのは、前線のフリーな選手へのフィードの可能性を探ることでした。ボールをコントロールしてルックアップ、トップのドウグラスに視線を向けると、札幌の最終ラインはフィードを警戒してキムミンテがドウグラスに密着、そして進藤と高嶺はミンテの脇から背後を守るポジション取りを余儀なくされます。
  • すると神戸のウイングは大外でフリー、スペースを享受した状態になるので、札幌は神戸のウイングを見るべく両ウイングバックの菅とルーカスも常時高い位置取りをすることはできず、中間ポジション付近からスタートする必要があります
  • 結果、神戸のSBに対する札幌WBからの監視は後回しになり、神戸は酒井と藤谷がフリーになりやすくなる。札幌は遅れてWBが対応するか、2トップがスライドしてアプローチする対応を余儀なくされます。
※GIF 前川から始まるビルドアップ
  • 「ピッチを広く使う」というと、横にボールを動かすことをイメージしますが、縦方向のロングフィードも重要で、実際に使うかどうかは別にしても、選択肢として見せられるとDFには考慮しなくてはならない脅威が増えます。

2.2 悪くなさそうな相性

  • 神戸は非保持は1-4-1-4-1でセットします。ここで、前側の[4-1]…1列目と2列目は札幌の3バックとMFの対面の選手に対する意識が強めで、特に、駒井が下がるとイニエスタがついていくことが多くありました。安井とイニエスタで前後でバランスを取っていたというより、後方に山口がフォアリベロ的に控えているのもあって、ある程度自由な動きは容認できていたのだと思います。
  • 後方の[4-1]は、ゾーン3~ゾーン2まで(札幌がラスト30mに侵入するまで)は、ボールサイドから人を捕まえる対応が基本でした。
神戸が設定するマッチアップ
  • 小柏がトップ、金子が右シャドー、荒野が左シャドーのポジションを取ってからスタートします。特に小柏と金子の相性は悪くなく、右サイドで金子が引いて受けようとすると、フェルマーレンを引っ張ることになる。その背後を小柏が狙うと、大崎はそちらを捕まえなくてはならないので、CB2人が異なるベクトルで対応する神戸の最終ラインにはギャップが生じます。
  • 小柏へのボールは比較的アバウトなボールが多かったですが、それでもセカンドボールを荒野と金子で競ることができる。この動きのある2トップは、神戸の最終ラインには嫌だったのではないかと思います。
  • また後述しますが、この2人はいずれも単独で仕掛けることができるので、味方のサポートがない状態…札幌の場合は、守備→攻撃に切り替えている途中の、前に2トップ+荒野くらいしか残っていないアンストラクチャー状態でもゴールに向かうことができる。金子は特に、スペースが前方にある方がやりやすそうなので、普段の札幌にはあまりない速い攻撃を2トップが中心となってもたらしていました。
小柏と金子の関係性
  • 小柏・金子・荒野が1トップ2シャドーの形で並び、ウイングバックが高い位置を取るには時間が必要です。神戸は1トップのドウグラスを残した形でまず待つこともあって、この時間創出は容易でした。
  • また、ボールを主に保持していたのは、右に落ちていた駒井と、左の高嶺。駒井はミンテをサポートするというより、進藤が本来担う役割を代替していたと言った方が定説かもしれません(それくらい進藤はあまりこの部分では関与していませんでした)。
  • もう1点、GK中野からのリスタートもいくつかありましたが、評判通り足でボールをコントロールすることには自信があるようで、彼が簡単にフィードを蹴らないことでも札幌が欲しい時間が生まれます。また、そのフィードは主に高嶺と菅のサイドを狙っていましたが、柔らかいキックは簡単に相手に渡ることはなく、一定の役割を果たせていたと言えると思います。

3.ナウくてヤング

  • 開始50秒で札幌がチャンスを迎えます。金子が右サイドタッチライン際でフェルマーレンが競り、クリアボールはドウグラスの眼前で田中が鋭い予測をして回収。こぼれたボールを駒井がワンタッチでトップの小柏へ。小柏はこのスペースへのパスを半身で反転してから菅にワンタッチパス。大外の空きやすい菅が長い距離を走って、藤谷と郷家の外側から左足を振りぬいた形でした。
  • 別にこういう形を狙っているわけではなくて即興にすぎないんですけど、難しいことはあまり考えず、ダイレクトにゴールに迫るナウくてヤングなスカッドの良さが発揮されたプレーだったと思います。
  • 神戸が最初にボックス周辺に侵入したのは7分。フリーの酒井の縦パスからトップのドウグラスが、進藤を引き連れながらタッチライン際を走りながら時間を作ります。ドウグラスに入ったのを見て神戸は酒井とイニエスタが押し上げる。ルーカスと荒野が並走しますが、”ネガティブ”トランジションと言う通り、この並走するプレーはサッカー選手にとって常にきついものです。”ポジティブ”側の神戸の、イニエスタを経由して、ルーカスよりも後ろから走ってきた酒井がルーカスを振り切りクロスでフィニッシュでした。
(7分)ドウグラスのポストプレーから酒井とイニエスタの攻撃参加
  • このプレーもそうですが、神戸はイニエスタがいるのでパスが繋がるように思う人も多いかと思います。確かに彼はシンプルに凄いんですけど、実際はイニエスタも、自身もしくは味方が作ったスペースを利用して決定的なプレーを繰り出しています。
  • そしてスペースが何故生まれたのかというと、色々ありますが一つ挙げるとしたら、神戸は最初からゴール前に選手を送り込んでいないから。最初からゴール前に人が何人もいれば札幌のDFはマンマークや!と言ってついてくるので、味方と相手の選手が何人も混在する状態になってスペースはなくなります。
  • この7分のプレーは、ドウグラスが一度下がって関与することで進藤が動く。進藤が動いたスペースに長い距離を走って酒井とイニエスタが出てくる。その後、荒野とルーカスが戻ってくるので、イニエスタは札幌の2人が完全に戻ってスペースを埋められてしまう前にボールをリリースしました。サッカーには色々な「速さ」がありますが、ゴールを奪うという観点ではこのように速さを使うことが有効です。イニエスタは小柏のようなスプリンターではないですが、一連のプレーのスピードは札幌のDFを置き去りにして酒井のラストパスで終わるプレーをクリエイトしています。

  • 札幌はボールを回収すると、アンストラクチャーな形でダイレクトにボールを前に進めます。ストラクチャーとアンストラクチャーという観点で言うと、最大の違いはウイングバックが高い位置にいるか低い位置にいるか、そして相手のDFが揃っているか、になります。金子も小柏も(恐らく)仕掛けるのが好きだし、仕掛けられる選手ということで、特にサポートがなくてもボールが入れば一人で行けますし、それは相手のDFが少ない方がやりやすい。質的に勝てる段階では彼らの仕掛けは有効でした。
  • 決定的だったのは10分、高嶺の縦パスを荒野がフリック、小柏が大崎を振り切ってカバーのフェルマーレンも1発で外して縦に抜けるスピードを披露しますが、フェルマーレンとの接触はノーファウルの判定でした。ファウルだとして誰がFKを蹴るのかは知りませんが、ミシャが絶賛する能力の片鱗を見せたのは確かだったと思います。

  • しかし19分に神戸が先制します。ゴールシーンは動画の方が色々と早いので図は省略します。
  • 動画の直前のプレー。神戸は一度最終ラインにボールを戻したときに、イニエスタがアンカーの位置に、ドウグラスが右のインテリオールの位置に安井と入れ替わって落ちてきます。このポジション移動はマッチアップを合わせてマンマークする(人基準の)札幌の守備に、そのままマークを変えないでついていくか、マークをスイッチするかの選択を突きつけます。
(1点目の直前)イニエスタとドウグラスのポジションチェンジ
  • イニエスタには荒野が駒井とスイッチ、ドウグラスにはミンテがそのままついていく選択をします。この段階では大きな問題は起こらないですが、指摘するならば札幌はやはりこの2人からは、チーム内で特に対人に強い選手がマークしていてもボールを奪えないということは言えるかもしれません。それは即ちボールを奪えないので下がっての対応を余儀なくされますし、マンマーク基調のハイプレスだけではもたないとも言えると思います。
  • ドウグラス→山口→イニエスタ→古橋→郷家と渡って、動画のシーン。イニエスタに渡りますが、この段階でも駒井は古橋をマーク。最後、イニエスタから酒井へのスルーパスの際、安井が寄ったところで駒井は古橋を捨てて安井に切り替える。もう少し巻き戻すと、進藤はその手前、酒井に渡ったところで安井を完全に捨ててスペースを守る判断に切り替えています。
  • こんな状況で個々の選手が判断した結果、駒井が捨てた古橋のシュートから得点が生まれましたが、「個々の選手の判断」が短い時間にこれだけ生じていると、もはやそれはグループ戦術というよりも個人丸投げなんじゃないかなと感じます。責任感の強い駒井は自分の責任だ、と言いそうですが。

4.アンストラクチャーの罠

  • その後は、札幌には枠内シュートはないものの、局面全体を見ると一進一退くらいと言って良さそうな展開が続いたと思いますが、45分に神戸に追加点が入ります。
  • 起点となったのはセンターサークル手前でのサッカー仙人のスルーパス。同数対応が破られそうになったので、前に出ようとしたGK中野のステップには問題なかったと思います。

  • これも直前のプレーを振り返ります。札幌は、高嶺のフィードに荒野と小柏が走る。大崎が処理して神戸のGKからのプレーに攻守が切り替わりますが、これで荒野がトップに近いポジションから本来のポジションに復帰し、マーク対象の選手を捕まえるまで10数秒間ほどゲームから”離脱”します。この間、山口は駒井、駒井の本来のマーク対象のサッカー仙人はルーカスに受け渡し、酒井が常にフリーの状態になります。
  • ミシャはこれを嫌がって荒野の名前を呼ぶのですが、マンマークのチームが全てそうだとは思わないですが、札幌の場合は受け渡しが2人、3人と変わってマークがズレると、結局どこまで受け渡したままプレーするのかどうかが曖昧になる傾向を感じます(1点目も同じでしょうかね)。
  • この時は、ルーカスにイニエスタを受け渡したはずなんですが、前川のフィードをミンテがドウグラスと競った瞬間、イニエスタはフリーになっている。ルーカスとしては、本来の仕事(大外を守る)に復帰したかったのでしょう。
  • と言ってもここでルーカスよりも注意深く守れる選手を起用するなら、札幌は90分間ウイングレスで戦うことになるので、これはもうルーカスがイニエスタをマークしていること自体が欠陥と言うか、アンストラクチャーな形で攻撃するとこのようなギャップがどうしても生じてしまう。しかし小柏や金子を起用するなら、アンストラクチャーな形から速く攻めるのは不可欠(というか、遅く攻めるならジェイでいい)。
  • なので、今後イニエスタは対戦相手にいないけど各チーム相手に似たような形からやられかねないリスクを許容するか、別の形で攻撃するか、という二択だと思います。
  • こんな経緯があり、一瞬の間を得たイニエスタが再び「速さ」を見せつけ、勝負はほぼ決まりでした。


  • 後半はメンバー交代なしでスタート。特に構図は変わらなかったと思います。15分で、神戸は1on1でドウグラス、札幌は切り返しから金子が決定機を迎えます(久しぶりに、ボックス内で放ったチャンスらしいシュートでした)が、両GKがセーブ。
  • 金子のシュートからのCK直後、カウンターから神戸に3点目が入ります。この得点については特に私は何も言うことがないので、皆さんご自由にどうぞ。
~~~メモ欄(議論用)~~~




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雑感

  • まずタクティカルな部分に目を向けると、ずっと指摘しているのですがボックス内でのシュート機会は依然として乏しい状況にあり、FWはボックス内で仕事をする、それまではMFとDFの役割と考えると、FWにもの凄くクオリティのある選手が入ればなんとかなる、という問題ではないでしょう。いや、小柏はすごい選手なんですけど(大学生のFWが即戦力になるどころか他のFWよりも良いし機能しているとするなら、それは編成の問題なんじゃないですかね?)。神戸は比較的ゆったり守るチームですので、小柏や金子が動き回るスペースがありましたが、他のチーム相手にも同じように挑むのでしょうか。
  • トータルフットボール革命以来、攻守ともにアンストラクチャー上等、個人個人で何とかしろとの要求が強まっています。ケイスケホンダ選手etcが言う通り、確かに「最後は個」ではありますが、もはや最後だけじゃなくないか?というか、どこまでがストラクチャー的にプレーして、どこでアンストラクチャーな要素を導入して相手を崩すのか、といった恐らく意図していたものから乖離し、コンサドーレは単なるアンストラクチャーなチームに成り果てている。元々やっていたサッカーをベースに、武蔵がいなくなった部分を補うと説明されるものだったトータルフットボール革命は、いつしか原型を殆どとどめない別の何かに変貌しつつあるように思えます。
  • 新型コロナウイルスの影響により降格がなく、週に2回リーグ戦を戦う特殊なシーズンになったことで、色々なものが曖昧になりつつありますが、フットボール的に「どうなっちゃってるのかわからない」チームはJ1で札幌だけです。個人的には、7月ごろにトータルフットボールについてご高説されていた識者の方々に再登場願いたいところです。

  • それ以外について。試合前に地元メディアの報道を見る限りでは、この試合は若い選手を起用するという”裏ミッション”があったように思えます。サッカーに限らず、あらゆるcompetitiveなものに対する私の考え方概ね以下の通りで、
  • 外との競争相手を意識する前に、まず内部で公正な競争が行われるべきだと考えます。かつてベストメンバー規定という法律がありましたが、ミシャが判断して、合流して間もない大学生2人や若手選手の方が、このグループで数年トレーニングしておりプレイヤーとしての経験もある(はず)の他の選手よりも上、だとするなら、それはそれでアリだと思います。

  • 仮にそうじゃないとしたら。このやり方は、(例えばそれによって出場機会が増える一部の選手とか)”便宜を享受する一部の人”はもちろん歓迎するでしょうけど、それ以外、チームで何かを成し遂げたい選手、個人でステップアップしたい選手、色々いますが”直接、便宜を享受しない人”にはアンフェアな環境だと映りかねないのではないでしょうか。シンプルにわかりやすいく言うと、勝ちを目指さない、給料も高くないチームでプレーすることに、中堅~ベテランがどれくらいインセンティブを感じるかは不透明で、「未来のチーム」を考えた時にプラスに働かないように思えます。
  • それは百戦錬磨のミシャは当然わかっていて、ミシャがそうしたいというより、「チームを取り巻く誰か」の期待なのか空気感…例えば、とにかく真新しい選手を見たい!といった、フットボール的な理由から本来かけ離れた何か、を感じ取ってこのような選択になったんじゃないか?と予想しています。


4 件のコメント:

  1. いつも楽しいブログありがとうございます。
    競争力の話ですが、以前批評のコンサドーレの記事で石水さんがいい環境(練習環境、クラブハウス等)与えて過ぎたかなぁと回顧しているコメントがありましたが、あの場面ではJ1に上がれない、残留出来ないチームに対してかなと個人的に思ってましたが、J1で去年みたいな成績を残しただけで丸っと全てが変わるわけでは無いよなと思い返した今回のブログでした。3年いてその空気を感じない訳もないでしょうし。取り留めのないコメントですいません。

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  2. 楽しんでいただいてありがとうございます。
    石水会長らしいコメントですが、設備やハードは整っているに越したことはないと思います。
    公平な競争と言いますが、選手個人個人は特に問題ないと思っています。それこそ昔は夜の街で遊んでいる噂が頻繁に流れる選手がいて、それでも試合に絡めるみたいなレベルでしたけど、今の選手はそれでは生き残れないですし、個人としてもキャリアをもっと高いところで見ていると感じています。

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  3. 深井、チャナは軽い怪我だそうです。確か阿波加も長期離脱だった気がします。

    ドイツの哲学者であるヘーゲルが弁証法の中で提唱した「Aufheben」は古いものが否定されて新しいものが現れる際、古いものが全面的に捨て去られるのでなく、古いものが持っている内容のうち積極的な要素が新しく高い段階として保持される概念のこと。
    古いものが新しく生まれ変わるには
    ・あるものをそのものとしては否定するが、契機として保存し、より高い段階で生かすこと。
    ・矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて発展的に統一すること。
    が必要がと説いた。Wikipediaより引用。

    いまミシャがやっていることはこれかなと。これまでと大きく異なるコンセプトを示して細かい矛盾点は選手の話し合いに任せることで、変化ではなく進化させる。
    ミシャ自身が最終的に戦術的に折り合いをつけられるかどうかは不明。

    鹿島はうまくいった例ですね。

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    1. なんか新しいことをしたいのはわかるんですけど、大事な部分を選手に投げちゃったら滅茶苦茶効率が悪いし、時間の無駄じゃないですかね?彼のチーム作りのいいところって「投げる」やり方じゃないと思ってます。本当に最後は選手次第なんですけど。宮澤選手の振る舞いを見ていると、今アップグレードしたい部分(敵陣守備?)に関しては、投げているというより明確に要求しているんじゃないかと感じます。

      後は、何度も書いてますが、既存のチームに何を加えるかの選択の問題ですね。例えばビルドアップ一つをとっても既存のチームにかなり問題があると思うんですけど、そういうアップグレードされれば必ずチームにプラスになる部分じゃなくて、あまり親和性がよくない要素を重視しているな、という印象ですね。

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