1.スターティングメンバー
- 磐田は前半の9試合を3勝(うちPK勝ち2)、6敗(うちPK負け1)と低空飛行したのち、10、11節は持ち直したものの志垣良監督を解任→三浦文丈コーチの昇格人事を決断し、以後は3勝(うちPK勝ち1)、3敗、直近は藤枝、福島、いわきといったクラブとの対戦を落としています。
- 三浦新監督になりシステムは3バックの1-3-4-2-1で決まりましたが、DFの主力格とみられる山﨑やファンデンベルフはこの試合メンバー外となっているのは特に故障リリースなどはなく、前節ホームで藤枝にこれらの選手を起用して0-3と完敗したことが影響しているのかもしれません。サブの選手枠を2つ空けており荒療治的な空気が醸し出されています。
- コンサは体調不良の家泉が復帰しましたがスタメンは梅津と、ここのところ勝っているメンバーを変えずに継続しています。
2.試合展開
久々に見たな〜感:
- 開始直後から、磐田がコンサにボールを持たせてミドルブロックで迎撃の体制を取る展開になります。
- ただ磐田が”迎撃”といっても、1-5-2-3の3ラインのうち、グスタボ-ペイショット-渡邉の1列目は守備の圧力や運動量の基準をほぼペイショットに合わせており、コンサのCB梅津と西野がボールを持っている状態を阻害したり圧力をかけたりするアクションがほぼなく、ハーフウェーラインより少し前で待機しているだけでした。
- ですので磐田の”迎撃”は中央の金子と上原がコンサの木戸と堀米を捕まえるアクションから開始されます。
- という具合に磐田はボールを持たせる展開ながら、前の3枚の守備負担がかなり軽めになるようにしており、前3人と後ろの7人(または8人)が分断的、それぞれ前と後ろ、守備と攻撃という役割分担をかなり強く感じさせる運用でした。
- 2010年台くらいの?かつてのJ2でこうした割り切った運用はよく見られたもので、コンサだと四方田監督時代のチームに似ています。某氏は「J2らしいサッカー」とか表現するかもしれません。
- これはいいとか悪いとかではなくて、前3人に一定の攻撃性能がある、前3人だけで攻撃を完結できる場合に採用される傾向があります。
- この百年構想リーグEAST-Bだと、コンサよりも資金力のあるクラブは存在せず、どのチームも前線にタレントがいるというよりは全員攻撃・全員守備的なやり方でやりくりしており、こうした前後分断で割り切るチームは少なくともこの半年は見なかったため久々だな、という印象でした。
焦点のサイドの攻防を制した磐田①:
- 特に↑の図でも表記しましたが、コンサの左・磐田の右サイドの攻防がポイントになりました。
- コンサは左に、高速オーバーラップでこの百年構想リーグでは違いを見せつけている(まぁ半分J3だし…)パクミンギュを配置しており、パクのオーバーラップには磐田はマッチアップ的には右シャドーのグスタボの担当になります。
- しかし開始早々1分にパクが原にボールを預けて追い越していった際に、グスタボはその動きをほぼ気にしない素振りでした。
- 加えて磐田はこうしたパクの動き、もしくはWB川崎の内側の「ポケット」に侵入してくるコンサの選手を誰がどうケアするのかはグスタボ以外も含め非常に不明瞭でした。
- 中盤の金子や上原はマッチアップする木戸と堀米を見ており、この2人はWボランチとしてあまり高い位置をとらないので、金子と上原もそもそもDFラインとあまり近くにおらず前で対応していることが多かったですし、またDFの植村もポケットを監視しているような素振りはありませんでした。
- なのでパクへの対応が曖昧なうちはコンサにはかなりチャンスだな、と見ていましたが、一方でパクが最初から高めの位置を取り、グスタボも下がらず前残りしているとパクの背後のスペースは磐田にとって狙い目になっていました。
- コンサはSBのポジショニングによって枚数調整をする必要があれば、まず髙尾が下がることが多く、パクは前で運用されることが多い(だから3バックとかではなくて前節の対応もそうした選手特性を活かしているだけだとも言えそうですが)。
- なので右の髙尾の周辺は割と閉じていることが多いもののの、パクは元々前目からスタートすることが多いうえ、この日の展開は磐田がコンサにボールを持たせ、たいしたプレッシングも仕掛けてこないため、パクが後ろにいてもボール保持時に特段の役割がないということで前に出ていきやすい構造になっていたと思います。
焦点のサイドの攻防を制した磐田②:
- といっても仕掛けてこない磐田としてはそうそうチャンスが多くないわけですが、待ち続ける展開から、21分にグスタボと渡邉のユニットがワンチャンスをものにし先制に成功します。
勝利をつかんだ先制ゴール🔥
— ジュビロ磐田 (@Jubiloiwata_YFC) May 23, 2026
勢いをもたらした #渡邉りょう 選手の魂の一撃。#ジュビロ磐田 #jubilo pic.twitter.com/Uq9C1t0dJE
- 見切れている直前のプレーは、コンサは荒野が引いた位置でボールに触って大森に浮き球のパスをしますが磐田DFに跳ね返され、拾った磐田のWB川崎はおそらくパクの背後を狙っていたグスタボへのパス。パクが頭で触りますが不十分なクリアとなって、セカンドボールを渡邉が拾って…というものでした。
- まず、この百年構想リーグにおいてトップ下もしくはインサイドハーフで起用されていながら、ほとんどトップ下としての仕事をしない(ゴール前に入ったり大森の近くでプレーしない。直近は連続ゴールがありましたが)荒野が、やはりこの時もトップの大森から離れたところでボールを触りますが、結局こうなると前線の選手に長い距離の難易度が高いパスを狙うしかなくなり、受け手であるFWやウイングの負荷が増します。
- そして大森が潰され、パクの背後が狙われますが、更に遡ったプレー(荒野の浮き球パスの直前)で、梅津が左に運んで、パクを飛ばして原へのパスを狙っています(磐田DFにカットされ失敗)。
- この時の構図を見ると、自陣ビルドアップの観点ではパクを経由する必要がないのでパクはSBの位置にいなくてよい気がしますが、ボールを失った際にパクのSBのスペースをどう守るかは不明瞭でそこを考えるとパクがSBの位置にいたほうが良いのか?という感じで迷っているように見えました。結果的には中途半端なポジショニング(グスタボが攻撃参加するスペースを完全に埋めきれていない)から、リスクを消しきれず失点に繋がってしまいました。
- 近年はシャドーに逆足の選手の配置が多いですが、グスタボはおそらく右利きで、仮にここが左利きの選手ならサイドのスペースを使うというよりも中央方向にドリブルしてくるので、サイドのスペースが空いていることはそう問題にならなかったかもしれません。もしくは磐田はこの点を意識して配置していたこともあるかもしれません。
スペースを消すという選択肢はなし:
- 前半は特にシュートに持ち込めないまま終了。コンサは後半頭から西野・原→家泉・長谷川。西野は前半終了間際にペイショットとの競り合いで肩?を負傷しての交代でした。
- 後半に入ると、磐田はコンサのボール保持の際にFWとシャドーが前に出てコンサのGKやCBに圧力をかけてくる場面が少しずつ見えます。
- この際に、磐田はプレッシングの際に最初に始動する前線の選手が1人1役というか、コンサの1人の選手しか見ておらず2度追いや中間ポジションで2人を見るようなアクションをしないので、1人が外されると次の選手がすぐにまた出てくるような状況で、後方には一応5バックではあるものの後方の選手がどんどんいなくなって、中央から後ろには簡単にスペースができる状況だったと思います。
- 三浦文丈監督が2点目を取りたかったという趣旨の話をしていますが、おそらく磐田の現状だと引いて守るのも難しい、ハイプレスも難しいという中で、なんとか前線の選手の攻撃力を活かしてスコアを動かしたかったのかと思います。
- コンサは切り札の長谷川を早々に切る展開でしたが、磐田がどんどん食いついてくれてオープンになり、そのスペースを使ってボールを動かすことが容易だったのは、長谷川に簡単にボールを届けられるという点でプラスでした。前半はティラパット、原にボールが届けられ仕掛ける機会はほぼ皆無でした(これはこのリーグではいつものことですが…)。
- 58分に磐田はグスタボ→角。長谷川に簡単にボールが入り、パクミンギュのオーバーラップもあるので早めの手打ちは必要だったでしょう。
- 63分にコンサは大森→キング。スペースがあるのでキングの強さや速さが活きるという判断だったかと予想します。
- そして69分には堀米が2枚目の警告を受け退場。2枚目のカードは自陣ボックス付近で手を使ったものでしたが、1枚目は堀米のガッツや献身性が表れたプレーによるものでしたので幾分か割りを食ったような印象はありました。
- コンサは木戸→川原のカードを切ったうえで恒例の?家泉をFWに上げる形に。
- 磐田がピッチのどこかで必ず数的優位になり圧倒的に優位なはずですが、その数的優位は磐田の3バックに対しコンサの2トップというところで生じており、磐田はそこを活用するようなプレーをほぼ仕掛けてこないのでコンサはそう困ることはありませんでした。
- 逆にコンサボールになった時に、依然としてオープンな展開下で、簡単に長谷川にボールが入り、パクが攻撃参加を自重することはないので(これに関しては対面の角との関係性にもよりますがパクとしては仕掛けるしかないと考えたのでしょう)、数的不利を感じさせずコンサが磐田陣内でプレーすることはできていました。
- しかし(この百年構想リーグを通じてずっとそうですが)FWとワイドや中盤を繋ぐようなプレーがないコンサは放り込みに終始します。磐田が根性で跳ね返し逃げ切る展開となりました。
3.雑感
- 枠内シュート数は磐田が2、コンサが1で、磐田がワンチャンスをものにし勝利しました。一方でコンサはワンチャンスすら作れませんでした。放り込みと家泉のパワーで磐田DFを消耗させてはいましたが、それもビルドアップを放棄して前線にボールを押し付ける行動の一種にすぎませんので、枠内に有効なシュートを打つには依然としてクオリティが決定的に欠けていると感じました。
- この百年構想リーグでコンサ以外の9チームのうちJ3が4つ、J2が5つですが、小降格がないリーグであること、そもそも下位カテゴリや資金がないクラブの問題などがあって、なんというかセンターラインに強度がなく簡単に決壊するな…と感じる試合が続きましたが、磐田はスカスカながらも5バックでゴールを死守する、J2リーグ戦でありそうな展開に久々になったな、という印象でした。
- ビルドアップもプレッシングも別に特段仕上がっているわけでもない、崩しのパターンや武器も持っていないコンサとしては、このようにゴール前をしっかり守る意識が降格のないリーグよりも多少強めになると、ティラパット(現状前線で唯一の突破口になりうる選手)も5バックで監視されて仕掛けられる局面ができず、何もできなくなるというのが現状でしょう。7連勝で気持ちよくなるのは自由ですが、やはりこのリーグは全体的にイージーすぎるということに気づいた上で次のシーズンに入ったほうが賢明なように思えます。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。







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