2026年3月29日日曜日

2026年3月28日(土) 明治安田J2・J3百年構想リーグ 地域リーグラウンド 第8節 藤枝MYFCvs北海道コンサドーレ札幌 〜ウイングではないけど〜

1.スターティングメンバー



  • 藤枝はここまで7試合で5勝、うちPK勝ち2で勝ち点14とまずまずのスタート。FWの眞鍋、中盤の三木、左WBの中村優斗は大学からの新加入、GKは北村が故障で離脱中で、栗栖は柏ユースからの2年目と、100年構想リーグを意識してか経験の浅い選手の起用が目立ちます。
  • トップの矢村、シャドーの浅倉、DF中川、MF世瀬といったお馴染みの選手はベンチに控えています。FC東京から育成型期限付き移籍中の永野が代表活動により不在。
  • コンサはスパチョークとティラパットが代表活動で不在で、右ウイングには佐藤、左には原とここまで出番が少ない選手を起用してきました。キャンプから離脱が続いていた長谷川が初めてメンバー入り。


2.試合展開

珍しく前から仕掛ける:

  • 川井監督下でコンサのボール非保持は、ハイプレスらしいハイプレスを仕掛けることがかなり少なくミドルブロックでの対応が多かったですが、この日はシステム上ミスマッチになる藤枝に対し、荒野と大森を縦関係にし、ウイングの原と佐藤を前に出すことで3バックに枚数を合わせ、マンツーマンでのハイプレス気味に対抗しました。

  • 藤枝は前線の3人がボールを引き取りにあまり降りてくることがなく、またその役割もトップの眞鍋が潰れ役で、サイズのないシャドーの2人が裏抜けと比較的固定的というか決まっていて、中盤を省略してくるならほぼターゲットは眞鍋でした。

  • この中央へのフィードには、コンサはCBの2人のいずれかと、残っているアンカーの川原で対応するように準備していたうえ、ボールが入った時に眞鍋もそこまでパワーや器用さを感じませんでしたので、藤枝のシャドーが抜け出すことは難しく、またコンサDF背後への長いボールに対しては相変わらずGK田川が処理能力の高さを見せており、藤枝はコンサのハイプレス気味の対応を駆除しないと難しい状況だったと思います。

  • 藤枝は主に左の鈴木から始まることが多く、中央の楠本と共に鈴木はそこそこプレス耐性がありそうというか、コンサの対面の佐藤が突っ込んできても簡単にボールを手放そうとはしなかったと思います。
  • ただ、鈴木の次の受け手となるのが中盤の岡澤か三木、左WBの中村優斗だとして、岡澤と三木は常に木戸と荒野を背負った状態でした。
  • 加えて上記のコンサの4バックが藤枝の1トップと2シャドーを見ているという構図から、藤枝でキーになりそうだったのはマッチアップ上一番浮きやすそうな、左WBの中村でした。
  • 藤枝のWBに対し、コンサは原と佐藤が1人で2人(3バックの左右とWB)を見る形になっていたので、藤枝はここで2v1の関係性を利用してしつこくボールを動かせば、原や佐藤のところでの守備のズレを作ったり疲弊させることができそうでしたが、そうした選択は稀で、おそらくコンサの対応の仕方を把握するのに時間がかかっていたのだと予想します。
  • ミスマッチを全く使えていなかったとは言えませんが、序盤に3回ほどあった、サイドの低い位置で藤枝の選手が浮いている時に、藤枝はそこから浮き玉のパスでコンサDFの背後を狙うような選択に終始しており、田川が容易に処理して終わり…という状況でした。

  • おそらく藤枝としては、コンサがこれまでのようにあまりウイングが前に出てこないでミドルブロックで守ってくるので、左右のDFはボールを持った時に時間が得られるしCBがconducciónで運べる余地がある、と見ていたのではないかと予想します。
  • あとはGKの栗栖もボール保持で使われることがほぼなく、このGKかWBのところでもう少しコンサの対応を外すことができれば、藤枝としては面白かったかもしれません。
  • コンサは前線に佐藤、原、大森とここまで出番が少ない選手を多めに使ってきましたが、どちらかというとボール保持よりもこうしたボール非保持での対応で具体的な要求があったためだと思われます。

佐藤の前のスペース:

  • コンサはこの日もボール保持時にウイングがワイドに張る形から。
  • 藤枝は基本的に眞鍋が川原を見て、シャドーがSBを見る役割を与えられています。ただし前線の選手は複数の役割があります。
  • いわゆるゾーン3(コンサ陣内から35mほどまで)では、コンサのSBへのパスを警戒しながらシャドー、特にコンサは西野がボールを持つので対面の菊井が西野に寄せていって、その際は↓のように眞鍋が家泉、松木が堀米(左米)を見る形。ただコンサがGK田川まで戻したりしたら深追いはしませんでした。

  • ゾーン2(ピッチの中央付近)でコンサがボールを持っている時は1-5-4-1に近い形でシャドーが下がりますが、これもシャドーがコンサのSBをケアしてWBがコンサのウイングへの対応に専念できるようにするという考えからでしょう。
  • この時はコンサのCBを放置気味になりますが、受け手をマークしていればOKという感じかなと思います。
  • このパターンで対応をしてくる相手だと、ウインガーがいないため敵陣ラスト30mで沈黙しがちなのがこのシーズンのコンサ。
  • ただこの試合は、特に右ウイングの佐藤の前にスペースがある局面が前半だけで何度かあり、厳密には佐藤がウイングの仕事をしたというわけでもないけど、藤枝が完全に封鎖しきれなかったところに彼のスピードが突破口となっていた構図があったと思います。

  • 14分にセンターサークル内で家泉から川原が受けてターン。この時、藤枝は荒野に対し左DFの鈴木が前に出ますが、河原はその背後に、DAZNのカメラも追えない高速スルーパス。佐藤と完全に意図が合って抜け出しからのグラウンダーのクロスがゴール前のスペースに通り、大森と原のリアクションも非常に良かったですが、左から長い距離を走ってきた原が枠内に飛ばしきれず。
  • 24分には佐藤が右サイドのハーフウェーライン付近で受け、下がってきた大森とワンツーを狙います。大森は藤枝の左DF鈴木に潰されかけながらも繋ぎ、佐藤が抜け出し成功。30mほどキャリーして走ってきた中央の木戸に渡しますがシュートはGK栗栖がセーブ、というものでした。

交代選手とGKのクオリティ:

  • 互いにラスト30mではパンチに欠ける、または守る側がよく対応しているということで、スコアが動くならセットプレーかミス、ミスが誘発されそうなのは足が止まってスペースができる展開かな、という見立てでした。

  • 後半からコンサは大森がGK栗栖を追いかけて、連動して荒野も岡澤を見ているだけではなくてより前に出て…という形でやや前がかりになり、いきなりオープンな展開になりそうだな、という予感はしました。
  • 47分に、コンサのハイプレスから藤枝陣内コンサから見て左寄りでボール回収。中央に絞ってきた佐藤にパスが渡りますが、佐藤の仕掛けを藤枝のDF鈴木が難なくストップして逆襲。人数関係4v3で藤枝の方が多いというチャンスでしたが菊井のスルーパスに抜け出した眞鍋のシュートは田川がセーブ。

  • その後もハイプレス気味の展開を続けるコンサ。57分に藤枝陣内で奪ったあと、家泉のパスが川原の顔面に当たるミスキックで再び藤枝ボールとなりますが、ボールを拾った岡澤に荒野と大森で素早くネガトラから、最後は木戸がマイボールにして、岡澤のパスミスもあったと思いますが原にボールが渡りGKとの1v1を決め先制します(コースは甘かったですがGKの技術的な課題もあったと思います)。

  • スコアが動いて61分に藤枝は菊井・眞鍋→浅倉・矢村。この交代直後に藤枝は立て続けにシュートチャンスが4回到来します。中央のやや狭いところに縦または斜めにパスを入れたような展開からだったり、もしくはスペースに浅倉が走ったりという形からでしたが、交代選手の特徴だったり元々の中心選手であるということもあってか、比較的簡単にボールを預けようとする信頼みたいなものも感じました。
  • うち2回目のシュートチャンスはゴール前で矢村の足元に入り、高速のターンから右隅に転がしたシュートでしたが読んでいた田川がビッグセーブ。
  • その矢村のシュートからセットプレーが2回続いて、2回目、シュートチャンスとしては4回目で、コンサのDFが被ってクリアミスを誘発したところを浅倉が詰めて藤枝が追いつきます。

  • コンサの交代は69分に佐藤・原→青木・長谷川で青木が左、長谷川が右。切り札?(まぁオプションなのは間違いないでしょう)のキングを入れるというよりは、まだコンサはプレスの強度を維持したくて藤枝の勢いを止めたい展開でしたので経験のある選手を先にカードとして切ったのでしょう。
  • 79分に藤枝は久富→閑田、コンサは荒野・大森→キング・パクでパクが左MF、キングが右、長谷川が中央で青木がトップとなります。ただラスト10分で投入されたこれらの選手の中では、藤枝の閑田のゴール前に飛び込んで潰れるプレーが最も効果的だったかもしれません。

  • PKでは両GKのパフォーマンスの差が明確に現れてコンサが勝ち点2、藤枝が勝ち点1。

3.雑感

  • まずPK以外も含めてGKの差を感じました。
  • コンサはウインガーがいない中で、右の佐藤はプレー自体はウイングのそれではなくリアクション的ではあるものの、ハードワークしつつ相手のミスを誘ってスペースができたら自分のできること(スペースにスピードを上げて突っ込む)を頑張る…というのは、相手がセットした状態から崩せないからダメ、というものではなくて今後のキャリアも含めて可能性を感じるというかどこまでいけるか見てみたい感じはします。
  • 原は対照的に、ボールを持った時により細かいタッチができ、左からカットインを意識した持ち方もできますが、相変わらず得点感覚はあるもののフィニッシュにどう持ち込んでどうプレーを終わるか、が未だ課題だと言えるでしょう。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。

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