2026年3月15日日曜日

2026年3月14日(土) 明治安田J2・J3百年構想リーグ 地域リーグラウンド 第6節 ジュビロ磐田vs北海道コンサドーレ札幌 〜気持ちというか覚悟は大事〜

1.スターティングメンバー



  • 互いに90分での勝利がまだないチーム同士の顔合わせとなりました。
  • 磐田は志垣監督がコーチを務めていた前のシーズン終盤は3バックの1-3-1-4-2を採用していましたが、江崎の負傷(長期離脱)とリカルドグラッサの退団もあってか4バックの1-4-4-2を採用しています。松原や上原は特に怪我等ではないようです。角が普段は左MFですがこの日は右でスタート。
  • コンサは西野が前節コンディション不良でベンチスタートだったとのことで、また浦上の負傷もありスタメンに戻ってきましたが、家泉とは左右を入れ替えていました。バカヨコが出場停止+家庭の事情で一時帰国している前線は前節に引き続きFWに青木。トップ下には荒野を戻して、中盤センターは前節リーグ戦デビューを飾った川原が初のスタメン起用。


2.試合展開

田川の守備範囲:

  • お互いにコンセプトというか、試合のフォーマットみたいなものは幾分か似ていると感じました。
  • まずボール非保持はそれぞれ1-4-4-2でブロックの高さはミドルブロックが主体。相手のGKやCBがボールを持っている時に、高い位置から人を捕まえることにはそこまで熱心ではなく、後方のバランスを気にしながらの対応に見えました。

  • 相違点としては、コンサは家泉、磐田は川島が、後方の選手の中ではボールを簡単に手放す選択が多いか、プレス耐性があまりないタイプの選手にカテゴライズされるか、というところでしょう。
  • コンサはGK田川が積極的に足でボールを扱いそれも丁寧にプレーする選手なので、家泉と補完関係にあると言えるかもしれません。逆に磐田は、川島をファンデンベルフや他のDFが助ける関係性だと言えるでしょう。
  • 互いに、相手がボールを持っている状況ではこうした選手の特徴を踏まえて前線守備を仕掛けられると良いのですが、この点に関してはコンサの方が上手くやっていたように見えました。

  • 磐田のCBの、特に山﨑がボールを持った時にコンサは青木が川島に誘導すれば、川島の選択はほぼ毎回ファンデンベルフに逃すことになりますが、この2人の連携がイマイチというか、毎回川島からのボールを処理するためにファンデンベルフはポジションを下げて対応していて、本来はおそらくもっと前でプレーしたかったのではないでしょうか。
  • このファンデンベルフが下がりながらボールを引き取らざるを得ない時に、コンサは毎回荒野がボールホルダーに詰めて簡単に前進させないようにしていましたし、ファンデンベルフから今度は左SBの吉村がボールを引き取ったとしても、磐田は苦し紛れにロングボールを前に蹴るような展開に終始していたと思います。

  • 互いに勝てていないチームということで、build-upには改善の余地があり、ロングボールをDFが処理したり、ロングボール1発で攻撃機会を作らせない対応が重要になります。

  • 磐田が背後を狙ったロングボールが多めだった中で、コンサはGK田川によるDF背後をケアする能力が非常に際立っていました。
  • 40分に磐田が前半最大のチャンスを迎えます。コンサが後ろと前が連動しない状態で行った前線守備を剥がして、川合のスルーパスに角が斜めに走って抜け出してボックス内からシュート(田川が左で1本でセーブ)。
  • この場面は、磐田はコンサの緩めというか組織として連動していない守備を剥がしてハーフウェーライン付近まで前進することができましたが、それ以外の局面では磐田はハーフウェーラインにも到達せずに長いボールを蹴って前線の選手を走らせていました。こうした場面はほぼ毎回田川が処理していたのでコンサには2つの意味(田川がいること、磐田が簡単に蹴ってくること)で助かる状況でした。

  • 逆にコンサがDF背後を狙った時に、磐田のGK川島は田川のようにボックスの外を守れるような能力がなく非常に慎重な振る舞いをします。
  • ですのでコンサは背後に放り込むだけで、川島が前に出てこないため、とりあえず一定は前進もしくは陣地回復ができる状況で、非常に優位な構図だったと思います。

ウイング不在を考慮?:

  • コンサはここまでの試合、GK田川を別にすると、左CBの西野からボールを持っている状態でのプレーが始まることが多く、必然とそのまま左サイドからの展開が多くなる傾向がありました。
  • ただしコンサは”ウイングのプレー”ができる選手がスタメンクラスの選手に不在で、左サイドから前進しても、敵陣ペナルティエリア付近で相手ゴールに向かってボールを保持しながらプレーすることができず、大外から放り込んだり、相手のブロックの外でパスをするようなプレーに終始してしまっていました。

  • おそらく家泉と西野を入れ替えたのはこの点を考慮していると思われます。西野を右に置いて、右からの展開が多くなるように是正する。
  • ”ビルドアップの出口”は右ワイドの白井になり、白井もウイングのプレーができているとは言い難いですが、右利きでスピードのある選手なのでとりあえずコーナーフラッグに向かってプレーすることはできる。左サイドで生じていた、「誰が仕掛けるのかわからない状態」よりは、とりあえずコーナーフラッグに向かうようなプレーでもマシだと考えたのかもしれません。

  • 一応、左サイドも完全に捨てていたわけではなくて、スパチョークは最初から中央に入るのではなく左に張って待つ形とし、また家泉の隣に堀米悠斗(左米)を開幕戦以来となるスタメンで使ってきたのも、おそらくは家泉がSBにボールを押し付けた時に、髙尾やパクよりも左米の方が上手く処理してくれる、という期待があったのではないかと予想します。

  • コンサのボール保持に対し、磐田は1-4-◇-2の形で井上がアンカーの川原を見る形で対抗します。
  • ただ磐田はマッチアップを合わせてはいるものの、同数関係を活かして高い位置からはめてボール回収してカウンター、というよりは、しっかり自陣でブロックを作って対応することを優先していたように思え、

  • 例えば↑のように西野のところでGK田川へのバックパスを誘発した際に、そのまま田川と家泉のラインまで誘導して家泉のところで担当する選手(グスタボ)が寄せて嵌めるみたいなこともできるかと思いましたが、そうした意図は感じられず、コンサがバックパスをしてやり直す分にはOKというか静観している様子が見られました。
  • あとはアンカーの川原のところを金子か井上が前に出て見ていましたが、金子は局所では流石の強さを発揮していた一方、井上は川原にボールが入らないように密着しているわけでもなく、かつボールが入った時にすぐ寄せて前を向かせない、みたいな警戒もあまり感じられず、本来のポジションから前に出て対応するなら、この井上の対応はもう少し厳しいものでも良かったように思えます。

仕掛けるなら覚悟が必要:

  • 互いにそこまで速い展開を志向しておらずゆっくりめにプレーする、というか、速く・力強い選手がそこまでいないのもあってペースを上げられないということもありそうでしたが、前半は磐田がシュート3本、コンサが2本。後半に足が止まってスペースが生じたところで交代選手が入って試合が動きそうな展開でした。

  • 後半立ち上がりから、磐田は中盤センターの2人のうち金子を前に出して、前半よりも高い位置からはめていこうとする意図を感じました。
  • しかし金子が前に出て、井上が残った時に特に顕著でしたが、↓のように構造上どうしてもDFの前にスペースができてしまい、残っている井上1人ではどうやっても管理できないような状況になっていたうえ、磐田は例えば角が反対サイドから絞ってくるとか、金子が頑張ってプレスバックしてくるとかもなく、前に人数を割いて非保持の状況で仕掛けていくにしてはちょっと強度(あえてこの言葉を使ってます)を感じないところがありました。

  • かつ前半も感じていたのですが、GKの守備範囲が広くなく、DF(特にCB)があまりスピードがないということで、磐田のDFはこのように前がかりになって剥がされたシチュエーションで、コンサの選手に対しステイして距離を取るような対応が多い。
  • 時間を稼いで味方が戻ってきて枚数確保されるのを待つのは確かに重要なのですが、そもそも前に枚数を割いて攻撃的なプレッシングを仕掛けているなら、DFが少ない枚数で対応しなくてはならないのは必然ですし、そもそもこの辺りの覚悟というか割り切りみたいなものも磐田の対応にはあまり感じませんでした。

  • この点はコンサと似ているというか、コンサの方がまだ少ないDFで対応するということに覚悟みたいなものは感じられるのでマシかもしれません(コンサの場合は、たりないものは覚悟というよりも能力的なものだと思いますので)。

  • ですので足が止まる前、交代選手が入る前から結構中央にスペースが生じている状況での攻防が繰り広げられます。磐田は前残り気味になって、コンサの攻撃を凌いだあとはスペースがある状態で、中央で川合や角が前を向けるようになり、このトランジションからの形の方がチャンスになっていたと思います。

この展開ならワイドじゃなくても:

  • 56分にコンサはスパチョーク→大森。65分に磐田は渡邉→佐藤。キーだったと感じたのは71分にコンサが荒野→キングで白井を残してキングをトップに入れた選択でした。続く75分前後に両チームとも3人ずつを投入しましたので図はそれを反映したものです。

  • キングは見たところ中央でプレーできるというか、360度の圧力の下で前を向けるほどには器用には見えないので、「使うならワイドだろうな」と思っていましたが、この試合展開だと先に述べたように中央にスペースがある状況でしたし、磐田のDFがあまり飛び込んでこないのでキングでも中央で容易にボールに関与できる状況でした。
  • それまで荒野や青木のようにあまり仕掛けてこない選手を相手していたところに、疲労が溜まってくる時間帯に直線的にゴールに向かってくるキングのような選手を磐田のDFは嫌がっていたようにも見えました。

  • また右FWということでファンデンベルフとのマッチアップになり、キングがサイドに流れると(やはり中央で待つというよりはスペースに流れる方が好きなのでしょう)、ファンデンベルフがそのままついてくる形でしたが、81分にはワイドでこの1v1からキングが疲労の見えるファンデンベルフをフィジカルで制してクロスから、途中出場の克幸のヘッドがクロスバー直撃、という場面も作っています。

  • 磐田はボックスで待つタイプのFWのペイショットと、スピードのある川﨑がジョーカーだったのではないかと思いますが、ペイショットにゴール前でボールが届けられる場面は稀で、下がってポストプレーをして時間を作り、味方を押し上げさせないとならない状況で、選手交代が磐田には上手く作用せず終盤はコンサが押していたと思います。

  • スコアが動いたのはAT。セットプレーでCBの選手が前に残っていた状況からスローインでリスタートして、右に髙尾が残っていて、リスタートでしたが得意の位置から攻撃参加を仕掛けることができたのは意図していない形というかラッキーなところはあったかもしれません。まだ元気なキングがワイドに流れて1人磐田のDFを引っ張ると、ゴール前で磐田は足が止まっていて最後のところで完全に後手に回ってしまいました。

雑感

  • 似たような課題(速い展開でプレーできず、遅い展開でプレーするとなると前線の選手の質やビルドアップの質がネックになる)を抱える、同じような力量のチーム同士の試合だったと思います。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。

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