2026年3月22日日曜日

2026年3月21日(土) 明治安田J2・J3百年構想リーグ 地域リーグラウンド 第7節 北海道コンサドーレ札幌vsヴァンフォーレ甲府 〜「ウイングのプレー」で一発回答〜

1.スターティングメンバー



  • 開幕6試合でJ3の4クラブ相手にしっかり90分勝ちをしてここまで快調の甲府。しかしJ2の藤枝相手にはPK負け、前節はいわきに90分負けという状況です。
  • 渋谷新監督下でも3バックの1-3-4-2-1を継続していますが、オフにはエース鳥海と、前線のマテウスレイリア、DFのエドゥアルドマンシャ、レンタルバックの土屋が退団。藤井、福井の期限付き移籍組と、先日3/13に加入した黒川という大宮コネクションが穴を一定は埋めることになりそうです。
  • コンサは前節(実質的な)初勝利を飾ったメンバーを、CBの配置も含めほぼ踏襲。右MFで継続起用されていた白井が不在で、ティラパットが初スタメン。

2.試合展開

序盤の入りはいい感じだった甲府:

  • 昨年の対戦では、4月のプレドでの試合ではコンサの緩い守備に対し甲府がボールを保持する局面がそこそこあったものの、8月の小瀬での試合では一転して自陣に5-4ブロックを作る時間帯が長くなっていて、ボールを持たされたコンサはその状況をうまくマネジメントして勝点3を獲得しました。
  • この日の甲府はどちらのテイストでくるのか注目していましたが、ボールを捨ててくるということはなく昨年8月よりは積極的な姿勢を見せてきました。

  • 1-4-4-2でブロックを作るコンサに対し、甲府の1-3-4-2-1の配置は初期状態ではほぼ全選手が1v1関係になりづらくマッチアップ的に浮いた状態になります。
  • 特に右MF荒木が浮いた(コンサの誰がマークするのかはっきりしない)状態でボールを受けると、この選手がピッチの中央方向に向かって完全に視界を確保し、かつボールを扱う上で殆どコンサからの制限を受けていない状況になり、甲府としては簡単にボールを失わず、また左利き特有の持ち方から中央方向へのよりゴールに近づくパスが出てくる状況になります。

  • この形から、甲府は1-3-4-2-1vs1-4-4-2の定石のような、前に出たSBの背後にシャドーが走ったり、FW(太田)のポストプレーでCBを引きつけてシャドーがスペースに走ったり…という感じでシステムのミスマッチを使ったプレーでコンサゴールに向かいます。
  • 基本的には甲府のWBはあまり高い位置を取らないし、中盤の2人も同様なので、FW太田の体を張るプレーと、シャドーのアクションによるところが大きかったと思います。

  • コンサがボールを持っている時には、シャドーがCBを見る形で、少なくとも中央の選手には1v1で明確に対応する形を用意していました。コンサのSBとウイングに対しては↓の図のような距離感で、マーク関係はおそらく1v1なのですけど最初から人に寄るようなポジショニングではなかったと思います。

  • このシチュエーションで、コンサはGK田川が序盤は前線のウイングのスペースに長いフィードを選択。この長いフィードを受けていきなりスパチョークは結果を出せるわけでもないので、急所をつくパスというよりは、リスク回避的な性質にも見えました。

「ウイングのプレー」と浮いた選手のケアで戦況一変:

  • 甲府が悪くない感じに見えましたが、24分にコンサが木戸のカーブをかけたミドルシュートで先制します。

  • バックパスで甲府の前線の選手がやや前に出て、陣形が間延びしてスペースができたタイミングで家泉から荒野への縦パス。ティラパットに渡ってドリブルを開始しますが、甲府の左WBの小林は髙尾への展開を読んでいて前がかりになっていて、ティラパットvs遠藤というシチュエーションになりました。
  • おそらく小林ではなく遠藤の対応になったので、遠藤のバックアップが心許なくティラパットにアタックしづらかったのもあったのでしょうけど、そうした状況の甲府のDFに対しティラパットは左足の細かいタッチでゴールに向かって味方の上がりを待ちながらドリブルします。
  • そしてボックス内に入って、ボールと味方の選手は相手ゴール付近にある、甲府のDFはティラパットに引きつけられているという完璧な状況を作ってからギリギリまで我慢して、コースが空いたタイミングで木戸に優しいラストパス。まさにウイングにやってほしかったプレーを完璧な一発回答でした。

  • 得点直後くらいのタイミングでコンサは、荒木に対して堀米が早い段階で出てくるように対応を変えます。

  • また甲府がコンサ陳内に完全に入った後は、スパチョークが下がって5バック気味で対応する場面もありました。
  • 後半にコンサはこの左サイドにパクミンギュと岡田というSB2枚のカードを切る対応を見せますが、やはりこのサイドが終始ポイントだと見ていたのでしょう。
  • 甲府はこの対応で荒木からの展開がストップします。DFの井上や福井も、ボールを持った時にはとりあえず荒木に渡すような仕事になっていたので軌道修正を迫られますが、これらのDFの選手はのちに他の”出口”を見つけたというよりは、太田や前線の選手に放り込むことでの対処しかできなかったと思います。

  • 甲府は点を取りにいく、まずボールを奪いに行く必要があるシチュエーションで、FWの太田がアンカーの川原を見ながら田川も見なくてはならない役割になっていました。
  • この2人、特に田川は自分に対して純粋なマンツーマンでマークされていないシチュエーションでは非常に落ち着いてプレーをするので、太田が2人を見るのはかなり難しく、ここを選手交代等で解消が必要だったように思えますが後半も手を打たれず、甲府が高い位置でボールを奪ってショートカウンターのような場面になることは稀だったと思います。


雑感

  • 白井が欠場でしたが、右ウイングはしばらくティラパットでいいと思います。
  • あとはセットプレー(CK)において、コンサは家泉に特定の選手をマークさせるのではなくスペースに置いておく役割に変えていました(↓の1分15秒くらいから)。

  • これの是非は相手との兼ね合いになってくるので、大きい選手がそこまで多くない甲府相手だからできたのかもしれませんが、この変更の影響もあってコンサのセットプレーの守備は怪しく、甲府としてはそこはチャンスだったかもしれません(家泉が動いて遊撃したいのですが味方と被ったりしていました)。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。

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