2019年11月24日日曜日

2019年11月23日(土)明治安田生命J1リーグ第32節 北海道コンサドーレ札幌vsジュビロ磐田 ~もっと、強くなろう~

0.スターティングメンバー

スターティングメンバー

 札幌(1-3-4-2-1):GKク ソンユン、DF進藤亮佑、宮澤裕樹、福森晃斗、MF白井康介、深井一希、荒野拓馬、菅大輝、アンデルソン ロペス、チャナティップ、FW鈴木武蔵。サブメンバーはGK菅野孝憲、DFキム ミンテ、MFルーカス フェルナンデス、中野嘉大、早坂良太、FW岩崎悠人、ジェイ。宮澤は9月のルヴァンカップ準々決勝(広島戦)以来のCB起用。細かい話では、荒野が左、深井が右でいつもと逆の配置になっている。
 磐田(1-4-4-2):GK八田直樹、DF小川大貴、大井健太郎、藤田義明、宮崎智彦、MF松本昌也、上原力也、山本康裕、藤川虎太郎、FWアダイウトン、ルキアン。サブメンバーはGK三浦龍輝、DF大南拓磨、MF田口泰士、荒木大吾、針谷岳晃、FW川又堅碁、中山仁斗。メンバーの傾向はここ数戦と同じ。田口は第26節以来のベンチ入り。4月の札幌戦以降、長期離脱中だった川又も復帰。
 その他プレビューはこちら。



1.想定される互いのゲームプラン

・世の中の4バックのチームはほぼ例外なく全て、ミシャ式5トップ攻撃のようなワイドにピッチを使うチームへの対策に頭を悩ませる。「そもそも札幌に攻撃する隙すら与えないよ」と言えるまでのゲームの支配ができるならともかく、現状の磐田にはそれが難しいので、まずは札幌の横幅アタックでいかに失点を防ぐかを考える必要がある。

・DAZN解説の我らが大森健作さんは、再三「磐田のラインの低さが気になる」としていたが、これは恐らく想定内。札幌相手にゴール前のスペースを消して、横幅アタックを不発に終わらせることから磐田の攻守は設計されていたと思う(詳細は「2.1」に)。

・対する札幌。磐田は4バックなので、「ピッチを幅広く使おう」といつにも増して意識されていたとするなら、左利きのシャドー、アンデルソン ロペスの右での先発起用は納得がいく。他は、「いつも通り」の範疇。

2.基本構造

2.1 磐田の最大のミッション


 試合前のインタビューで「『あらゆる局面』に対して準備してきた」と語った磐田・フベロ監督。その中でも最も重要度が高かったと思うのが、札幌の5トップによるゴール前のアタックをどう守るかという点。
 磐田の回答は、札幌の横幅を使った展開には付き合わない。ウイングバックの白井にボールが入ってからの仕掛けに持ち込みたい札幌に対して、「白井がボールを受けるのはいいよ、但しそのプレーの選択は極力消しておくよ」、という対応だった。

 札幌の右サイド、右利きの白井は、(ほぼ必ず)最終的にクロスボールでプレーを終える。基本的にクロスボールによる攻撃は4通りがあるが、
 ①GKとDFの間を狙う
 ②マイナス方向を狙う
 ③大外(ファーサイド)を狙う…図で言うと白井から菅
 ④DF同士の間を狙う…図で言うと大井と藤田の間、だが、④はかなりピンポイント
 ①はDFラインを下げればスペースを消せる。②は2列でブロックを作ればケアできる。③は難しいが、クロスがDF数人を越えてターゲットに届く必要がある。

 磐田が4-4のブロックでラインを下げて守ると、①GK八田と最終ラインの間にスペースはない。②マイナス方向も無理、③大外へのクロスはキックの質が要求される(福森は得意だが、白井はあまり得意ではない)。となると、磐田の守り方に対して、ピンポイントで武蔵かロペスに合わせないとかなり難しい、という状況になっていた。
 DAZN解説の大森健作さんが「磐田はなかなかラインを上げられない」としていたが、このゴール前での攻防に関して言うと、こうした明確な狙いがあったと思う。
札幌のサイドからのクロスを守るために磐田はブロックを下げて対抗

 4バックで横幅を守り切ろうとすると必ず問題になるのがハーフスペース(図の赤い四角付近、SBとCBの間)。しかし札幌のアンデルソン ロペスは、ゴール前では「2人目のFW」として振る舞う傾向が強く、このスペースにはあまり顔を出さない(中央に寄りがち)。そのため、磐田の左SBの宮崎はこのスペースをあまり警戒しなくていいし、CBの大井と藤田も中央での勝負に専念できる。藤川や山本が死ぬ気で走ってスペースを埋める必要もない状況だった。
 例えば砂川誠さんのような、トップの選手の周囲を動き回るタイプで、かつ右利きだったらこのスペースを巧く使える(白井のパスを受けて、SB宮崎の内側からクロス)が、アンロペは左利きなのでそれも難しい話だ(約1年前のヴィッセル神戸戦では、早坂→駒井のコンビでハーフスペースから駒井がアシストしているが、こんなイメージ)。

 白井のところで詰まると、札幌は進藤が高い位置を取ってサポート(組み立て直したり、そのまま進藤からアーリー気味のクロスなど)。進藤が上がった背後はルキアンとアダイウトンが流れて起点を作る。進藤のカバーは「純粋なCBではない」宮澤。ルキアン相手には分が悪い印象だった。

2.2 重要な局面(その2)


 前節の記事でも書いたが、ミシャチームにはゴールキックが重要だ。それは攻守で選手配置を大幅に変えるため、プレーが止まっているゴールキックの際はその配置整理をしやすいためだ。ルヴァンカップの決勝でも、やはりそのゴールキックからの展開で先制点を奪っている。
 磐田は札幌のゴールキックの時だけ基本的にハイプレス。これはこのブログでは何度も書いているが、「ク ソンユンがボールを持っている時にプレッシャーを与えてミスを誘えればリターンが大きい」からだ。
 この仕事は殆どルキアンとアダイウトンに任せられている。残り8人はブロックを組み、基本的にはステイの意識が強い。札幌は「ビルドアップの出口」が見えなくなると、チャナティップが降りてくるが、このチャナティップを捕まえる意識は磐田は薄く、ルキアンとアダイウトンを突破されるとリトリートに切り替えを早めに判断する。
(定石通り)ソンユンが関与するゴールキックでは2人でプレス

 対する札幌。磐田の裏を狙う意識は強く、武蔵や菅の動き出しは前方向が多い。チャナティップ、アンデルソン ロペスが引いて、武蔵と菅が飛び出す動きは出し手とまずまず噛み合っていたので、この裏狙いは予め決めていたのだと思う。ただ、磐田はリトリートの判断が早いので、札幌が裏を狙えるのは、「ゴールキックから10秒ほど」に限定される。
磐田の1列目を剥がしたらシンプルに裏狙いの札幌

2.3 磐田のボール保持局面


 磐田のボール保持の局面。磐田は下図の通り配置が変化する。プレビューでは八田をCB2人と近い位置に置いて、上原と菱形を作る配置を想定していたが、実際は上原がCB2人の間に入って3バック状態。八田はあまり関与しない。
磐田ボール保持時は上原が落ちて3枚に

 こうなると磐田は後ろ3枚、札幌も前3枚で、枚数が噛み合っているポジションでは磐田の選手は時間やスペースを得られない。サイドも同様で、白井と菅が前目で守るので、小川と宮崎がボールを受けた瞬間はあまり余裕がない状況だ。
 ただ、これを突破すると札幌は最終ライン3枚で守っているので、サイドにスペースがある状態。このスペースに2トップや2列目が流れてボールキープ。これで札幌の最終ラインを押し下げて前進することができる。宮崎と小川のクオリティが試される状況でもあった。
最終ラインとサイドで枚数が揃うので、前に運ぶには工夫が必要

 磐田はボール保持時のリスク回避を重視するため、この形から始めていたのだと思う。札幌と枚数が揃うが、上原を落とすことで八田の仕事を免除できる。ロングフィード主体で、ルキアンの強さがどれだけ通用するかをまずは見極めていく方針だったのだろう。
 

3.序盤の攻防

3.1 フィニッシュ間際(白井のクロス)には至っていた札幌


 序盤15分ほどで、札幌は白井が2分に1回は右のウイングポジションでボールを受けていたのではないか。札幌がボールを保持し、白井が定位置に入ると、「2.1」で書いたように磐田は白井へのパスを阻害することはあまり熱心ではなく、中央でブロックを形成することに専念する。
 ミシャチームはボール保持時の陣形のセットに時間をかける。磐田もその間、ブロックを整えることができるが、磐田は1列目-2列目の間のスペースの管理にあまり熱心ではない。ここで深井やチャナティップ、たまにアンデルソンロペスが落ちてきてボールを受けても、非常にイージーにボールを持てるし前を向ける。マリノスが喜田、マルコスジュニオール、仲川の3人がかりでチャナティップを包囲していたのとは対照的だ。そのため、このポジションの選手から左右ウイングバックへのパスは、しくじる要因が殆どなかった。

 4バックの磐田相手にサイドを使う意識が高そうだった札幌。中央で武蔵とロペスのスペースがなくなると、札幌のセンターラインは全員右利きなこともあり、まず白井を見る傾向が強かった
磐田はリトリート優先で圧力は緩く白井へのパスはよく通る

 白井にボールが入った後の展開は「2.1」の通りで、磐田はゴール前でスペースを与えてくれない。ピンポイントのクロス以外では突破口が見えず、まだそのレベルのクオリティが発動するには、序盤は至らなかった。

3.2 磐田の侵攻を食い止められない理由


 対する磐田。序盤10分ほどはリスク回避的な放り込みが目に付いたが、10分以降から徐々に形が見え始める。

 まず、左CBの藤田がかなりワイドに開いたポジションを取る。これでアンデルソンロペスの監視から逃れ、自身のスペースを確保。この藤田が起点になり、サイドから前進を試みる。
 選手配置は下図のようになっている。札幌は白井をSB宮崎の位置まで前に出すので、5バックではなくなっている。この状態で、SHの藤川が中盤で浮く(札幌の選手の中間ポジションを取る)と、進藤が捕まえるために前に出る。
 すると札幌は最終ラインから白井と進藤がスライドして3人しか残らない。この状況で、ルキアンがサイドに流れると、宮澤を引き連れてサイドで1on1の形ができる
藤田が開く形からサイドに札幌DFを引き出して1on1が勃発

 札幌は何がまずいかというと、所謂古典的なCBの仕事としての1on1にあまり強くない宮澤が、サイドのスペースがある状況でルキアンに引っ張り出される。宮澤は味方や相手選手のポジションを利用してボールをインターセプトしたり、といったプレーは得意だが、純粋なCBとしてのデュエルはJ1の上位チームのクオリティか、というと微妙だと思う、と以前に書いた通り
 この状況で、宮澤がルキアンに1人で対処することは困難なので、ミシャチームの守備の前提である「同数で守って1on1で勝つ」が成立しなくなる。勝てないと、相手が札幌陣内でボールをキープしたり、札幌のDFが必要以上にズルズル下がってしまう(磐田は下がって守りたい理由があるが、札幌は相手をゴールに近づけたくないので、下がって守りたいとは思っていない)。

4.強くなろう


 26分に磐田が先制する。

 「3.1」でも示した磐田の左サイド、CB藤田からの展開。この時、宮崎が白井に詰められながらもトラップ1発で白井の逆を取る。それを見た進藤は、アダイウトンについてきていたがマーク対象を切り替えて宮崎へスライディングタックル。が、このチャレンジは失敗し、セカンドボールが山本に転がりルキアンへと渡る。進藤は十数秒間痛んでしまい、プレーへの復帰が遅れる。
(磐田の先制点)藤田→宮崎の展開から進藤と白井のチャレンジが失敗

 何度も書くが、ミシャチームは1on1が前提だ。この時は白井が宮崎、進藤がアダイウトン、というマッチアップを作っている。

 それぞれのプレーの選択を見ていくと、白井が宮崎にチャレンジして、外されてしまったのは仕方ないというか、ピッチ上のポジションやシチュエーションを見るとそこまで致命的にならない。宮崎がこの位置で白井をかわしても、すぐにチャンスになるシチュエーションではないからだ。そしてチャレンジすれば、必ず失敗はつきものだ。
 気になるのは進藤で、宮崎に2人目として、かつスライディングタックル(痛んでいなくても、プレーへの復帰が数秒間遅れてしまう)によるチャレンジが必要だったかは微妙だ。確かに、危機を未然に防ぐという考えはわかるが、この後ゴール前の局面で白井が50m走って戻っているのを見ると、このタックルは余計だったかと(結果論的だが)感じる。

 ルキアンに渡った後の展開。まずルキアンに斜め後ろから深井のチャージ。これを察知したルキアンは背中でブロックしてボールキープ。この1on1でも札幌は勝ててはいないが、致命傷にはならない。ボールは下げられ、再びアタックするチャンスはあるからだ(仮にここで、深井が進藤のようにスライディングして失敗していれば、局面から深井が消えてさらに数的不利などまずい状況にもなるが)

 問題はその後で、ルキアン→山本→松本と渡った時に、松本に菅と福森の2人が意識をとられてしまう。
ルキアンが深井をガードして松本に展開すると菅と福森がボールに引っ張られる

 福森。ルキアンに最初に渡った時、前に出ようとするが深井が体をぶつけたのを見て、ボールに意識が切り替わる。その後、ボールだけを見てしまって、本来のマーク対象であるルキアンがフリー。
松本のクロスの直前の動き

 冒頭「2.1」に書いた、「クロスの際の選択肢」と照らし合わせる。松本には①GKとDFの間、③ファーサイド、にかなり狙いやすいスペースが空いている。札幌の白井が、何度チャンスがあってもスペースを消されている状況と対照的だ。最後は①ニアへのクロスに藤川が触って、流れてきたボールをアダイウトンが叩き込んで磐田が先制
クロスの選択肢が潤沢に

 もっとも札幌の守り方は、スペースを消すのではなく、全般に1on1でマーク対象を決めて守るやり方なのである程度は仕方がない。この状況に至るまでに1on1で勝てなかったのが問題、となる。この考え方に基づき見ていくと、進藤のタックル失敗から磐田の攻撃がスピードアップし、最後の福森の判断ミスで決まった流れだったと思う。

5.クオリティと揺さぶり


 後半開始から、札幌は菅→ルーカス、磐田は負傷の大井→大南に交代。
46分~

 磐田のゴール前での状況はあまり変わっておらず、札幌はクロスの選択肢に乏しい。なので、ピンポイントで合わせられるクオリティを何らか確保して、アップデートするという考え方だとしたら、ルーカスやジェイの投入は考え方としてありうる。まずはルーカス、というところだっただろうか。

 もう一つ、ルーカスはドリブルに特徴がある。サイドで寄せられてスペースがない状態でも、DFと正対している状態からなら簡単にボールを失わない。なので、ルーカスに一度渡してからクロスまで持ち込めなくても攻撃が継続する。全てクロスで一次的な攻撃で終わっていたのが、サイドを変えて再びアタック、というような、4-4ブロックで守るチームに対して効果的なプレーが徐々に見えてくる。
ルーカスで攻撃が終了せずサイドを揺さぶれるように

 札幌の、サイドでボールを保持する時間が長くなると、磐田は低い位置での対応が多くなる。磐田は2トップと4-4ブロックの間が常時空いた状況で守る。札幌はここで深井や福森がボールを持てる。
 51分には福森の浮き球のパスからアンデルソンロペスが裏を取って胸トラップからシュート。問題なくネットを揺らしたように見えたが、ファウルの判定でノーゴール。
スペースが空き始める磐田(福森や深井に余裕が出る)

 59分に札幌はアンデルソンロペス→ジェイに交代。磐田は63分に藤川→荒木、札幌は白井→中野と選手交代を続ける。
64分~

 自陣に引く磐田とボールを保持する札幌。69分にはルーカスのパスに武蔵が右で抜け出すが、シュートはサイドネット。

6.雑駁な幕引き


 71分に磐田はルキアン→川又。
71分~

 ここからはあまり説明できる話が少ない、オープンな試合展開になっていく。基本的には、互いのゲームの運び方によるのだが、ダイレクトに攻めたい札幌、コントロールできない磐田という構図だった。
 磐田は3ラインが間延びする。札幌で最もそのスペースを享受していたのはチャナティップ。75分にはチャナティップが2ライン間でボールを受けてジェイのミドルシュート。チャナティップにボールが容易に入るようになり、磐田の圧力もそれまでよりもない。こうなると、確かに「ラインを上げて守る」ことが重要になってくる。
チャナティップに余裕でボールが入る

 85分にはエンジンがかかってきたチャナティップのミドルシュート。八田が横っ飛びからの右て1本でセーブ。八田は直前に足を負傷?で厳しそうだ。

 容赦なく札幌は88分、福森のCKから深井が中央で合わせて同点
 磐田にとってセットプレーは、フベロ監督が言うところの「それぞれの局面」の中で最大限に警戒していたと思う。CKに対しては、サイドに応じてストーンの選手を立たせる位置を調整して福森のキックの大半はカット。が、この時はストーンの選手から遠いところを狙った福森にしてやられた形だった。

 尚も攻める両チーム。ATの残り1分…というタイミングで、磐田の放り込みにボックス内で進藤が荒木を抱え込む形でファウル。このPKを荒木が決めてスコアは1-2。まさに首の皮一枚でつながった磐田だった。

雑感


 かつて藤田征也選手がU20ワールドカップに出場する日本代表に選出された時の興奮が懐かしい。12年の時を経て、札幌はナショナルチームの選手を数人抱えるクラブになった。ただ、代表以前に、1on1で勝てることを(構造的に)要求しているのはミシャのサッカーだ(代表は寧ろ"Japan's way"ということで、別の方向に向かっている)。勝ちたいなら話はシンプルで、もっと守備では力強く、そして攻撃ではもっとうまくなる(≒例えば、相手がブロックを作ってきてもピンポイントで合わせられるような)しかない。もっとも後者については本当にそれでいいのか、と思うところはあるが、路線変更・チューンアップがあるとしたら、次のシーズン移行になるだろう。

用語集・この記事内での用語定義


1列目守備側のチームのうち一番前で守っている選手の列。4-4-2なら2トップの2人の選手。一般にどのフォーメーションも3列(ライン)で守備陣形を作る。MFは2列目、DFは3列目と言う。その中間に人を配する場合は1.5列目、とも言われることがある。
守備の基準守備における振る舞いの判断基準。よくあるものは「相手の誰々選手がボールを持った時に、味方の誰々選手が○○をさせないようにボールに寄せていく」、「○○のスペースで相手選手が持った時、味方の誰々選手が最初にボールホルダーの前に立つ」など。
ゾーン3ピッチを縦に3分割したとき、主語となるチームから見た、敵陣側の1/3のエリア。アタッキングサードも同じ意味。自陣側の1/3のエリアが「ゾーン1」、中間が「ゾーン2」。
トランジションボールを持っている状況⇔ボールを持っていない状況に切り替わることや切り替わっている最中の展開を指す。ポジティブトランジション…ボールを奪った時の(当該チームにとってポジティブな)トランジション。ネガティブトランジション…ボールを失った時の(当該チームにとってネガティブな)トランジション。
ハーフスペースピッチを縦に5分割した時に中央のレーンと大外のレーンの中間。平たく言うと、「中央のレーンよりも(相手からの監視が甘く)支配しやすく、かつ大外のレーンよりもゴールに近く、シュート、パス、ドリブル、クロスなど様々な展開に活用できるとされている空間」。
ビルドアップオランダ等では「GK+DFを起点とし、ハーフウェーラインを超えて敵陣にボールが運ばれるまでの組み立て」を指す。よってGKからFWにロングフィードを蹴る(ソダン大作戦のような)ことも「ダイレクトなビルドアップ」として一種のビルドアップに含まれる。
ビルドアップの出口ビルドアップを行っているチームが、ハイプレスを突破してボールを落ち着かせる状態を作れる場所や選手。
マッチアップ敵味方の選手同士の、対峙している組み合わせ。
マンマークボールを持っていないチームの、ボールを持っているチームに対する守備のやり方で、相手選手の位置取りに合わせて動いて守る(相手の前に立ったり、すぐ近くに立ってボールが渡ると奪いに行く、等)やり方。
対義語はゾーンディフェンス(相手選手ではなく、相手が保持するボールの位置に合わせて動いて守るやり方)だが、実際には大半のチームは「部分的にゾーンディフェンス、部分的にマンマーク」で守っている。

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