2019年4月12日金曜日

プレビュー:2019年4月13日(土)明治安田生命J1リーグ第7節 セレッソ大阪vs北海道コンサドーレ札幌

1.予想スターティングメンバー

予想スターティングメンバー
・札幌:
 ×(欠場濃厚)…駒井、中原
 ▲(出場微妙)…石川、小野、ジェイ
・セレッソ
 ×(欠場濃厚)…秋山
 ▲(出場微妙)…なし

 札幌はリーグ戦3連敗中。ミッドウィークのルヴァンカップでは宮澤、福森、武蔵、ルーカス、菅を起用し、湘南にホームで4-1と快勝したが、この結果を受けて不動のスタメンに採り入れるとしたら、宮澤の中盤起用(となるとCBはキム ミンテしかいない)はありうる。特別指定選手の金子も中盤で輝きを放ったが、いきなりスタメンはないだろう。右サイドは五分五分といった状況だが、セレッソ相手ならより攻撃的なルーカスの起用を予想する。
 セレッソは相手チームの特性も考慮してスタメンをアレンジする傾向にあるが、リーグ戦ここ3試合ほどはメンバーが固まってきている。開幕戦では右WBに左利きの船木を起用したが、このチャレンジングな試みは結局松田のWB起用への回帰で落ち着いた。一方、右CBには本来アウトサイドプレイヤーの片山が第3節から継続して起用されている。前線は恐らくこの3人で固定だが、柿谷と清武は相手によって左右を入れ替える。この試合は柿谷が右と予想する(理由は後述)。都倉はFWとして扱われている。


2.戦術面の一言メモ

(以下、札幌の黒字は前節のプレビューと同じ。青字が変更点)。

2.1 札幌


 ボール保持:ビルドアップはミシャ式5-0-5ベースだが、福森が偽SBのような形をとることもある(実態はフリーマンだが)。中央3枚(宮澤・深井・荒野)がローテーションしながらオープンな選手から前進を図る。展開はロングフィード主体。崩しは閉塞すると大外の仕掛けによる。右のルーカスがファーストチョイスになりつつある。詰まったら武蔵かロペスへ。

 ボール非保持:3バック相手なら、第1節は5-2-3でほぼ数的同数守備、第2節はミドルゾーンで5-3-2(5-1-2-2)ブロックだった。恐らく次の試合も5-2-3。どこまでも、ではないが、基本的に相手の人の移動についていく。ただ、チャナティップに比べ、ロペスは攻め込まれても前残りでポジトラ要員になっていることも多い。

 攻撃→守備の切り替え:中盤2枚(荒野、深井)は即時奪回を目指すが、その位置取りは「中盤」ではなく最終ラインにいることが多い。要はCBの前進守備と同じなので、狩り切れるならいいが裏を取られるリスクも大いに抱えている。

 守備→攻撃の切り替え:2トップ気味で前残りしやすい武蔵とアンデルソン ロペスをまず使う。ロペスは背負ってのキープと仕掛け、武蔵はターゲット兼裏抜け担当。

 セットプレー守備:マンマーク基調。

2.2 セレッソ


 ボール保持:3-4-2-1でポジションを守りつつ、まず地上戦でボールを動かす。3バックの右の選手が起点になり、右サイドでの菱形ビルドアップが多い(後述)。

 ボール非保持:
――スペインでは「ロティーナは守備的な監督」という評価がありますが、同意しますか?
 その通りだ。私は守備がとても好きなので、そうした評価は全く気にならない。監督として早い段階からゾーンディフェンスを採用し、常にソリッドなチームを作ってきた。

 と語っているように、基本は5-4-1でブロックを組みゾーナルな守備を展開する。設計は相手チームの特性により微妙に異なるが、相手の得意とする形やキープレイヤーをケアする設計になっている。仙台戦(第5節)ではハイプレスでのボール奪取から得点を奪ったが、この形はやや人への意識が強かった。

 攻撃→守備の切り替え:無理をせずリトリートが多い。

 守備→攻撃の切り替え:速攻を狙うよりも作り直すことが多い。

 セットプレー守備:ゾーン。

3.予想される試合のポイント

3.1 ロティーナの対応を予想(ボール非保持編)


 ロティーナセレッソは相手によって守備の設計を変えるが、常に考えられているのは相手の得意とする形を消すことと、基本的にゾーナルな、特定の選手の頑張りに過度に依存しないアプローチをとること。この考え方に基づくと、札幌に対してはまず前線5トップが活動するスペースを埋めるため、低めにラインを設定し、かつDF~MF間を狭めて対応してくるだろう。
セレッソはまずリトリートするだろう

 セレッソが札幌のウィークポイントを狙ってくるという前提で論じるなら、札幌の中央の3人にボールが入らない立ち位置を取り、サイドに誘導してから、
リトリートされると中央を使えず外にボールを動かすことになるが…


 奪ってシンプルに裏へ柿谷や都倉を走らせて速攻、というパターンは大いに予想される。特に福森の背後は、深井が配されているものの、スピードがある選手との走り合いでは分が悪い。柿谷はこの点を考慮して右で起用されると予想する。
 札幌はなるべくセレッソに速攻のチャンスを与えたくないところだが、CBに高さのある選手が揃うセレッソにリトリートされると、遅攻からポジションを大胆にチェンジした裏を突かれるという失点パターンに繋がりかねない。競り勝てないことを承知で武蔵に放り込む(≒ボールを放棄する)等、我慢の試合運びができるとよいのだが。
引っ掛けられるとすぐ裏に走られる危険性あり

 札幌の自陣でのビルドアップに対するハイプレスは、恐らく前3枚での対応は用意してくると思うが、あくまで5トップに使えるスペースを与えないことをより優先するだろう。そう考えると、前から追いかけるのはほどほどに(多少都倉が嫌がらせをする程度で)、撤退してからの対応にエネルギーを使うと予想する。

3.2 ロティーナの対応を予想(ボール保持編)


セレッソがよく見せているパターンは、右CBの片山が持ち上がり、サイドでCB・WB・中盤センター・シャドーの4人で菱形を作ってパス交換し、オープンになった選手が抜け出すことを狙うもの。仙台戦の都倉の先制点もこの形から生まれている(このブログの読者は見たくなさそうなので動画は貼らない)。
 札幌の陣形にあてはめると、ちょうど、福森と菅の背後…前節大分戦でさんざん狙われまくったスペースの前方でこのプレーが展開される。札幌はマンマークが予想されるが、セレッソは人を入れ替えながらこのプレーを行ってくる(菱形の頂点・柿谷と松田が入れ替わるなど)。
 札幌は「とりあえず人を捕まえる」まではいいとして、セレッソが人をスイッチしたときにマークが曖昧になったり、裏のスペースに抜け出したときに簡単にマークを外されたり…という展開が十分に予想される。これまでの映像を見ていればセレッソは必ず福森の周辺を狙ってくるだろうし、その守備でのパフォーマンスが試合を大きく左右するだろう。
菱形を作ってパス交換しオープンな選手を作り裏に抜け出し等

 ルヴァンカップの湘南戦では速攻が決まり4得点を挙げたが、札幌は先制点を取られると厳しくなる状況には変わりない。鹿島、名古屋、大分と、いずれも相手の速攻で先制点を献上しているので、試合が落ち着くまでは、ボールを保持することにこだわらないのも選択肢に入ると思われる。
 ただ、セレッソのセットプレーには警戒が必要で、特にヨニッチは2年連続で札幌ドームでの対戦で得点している。他にもクオリティのある選手が揃っている(引いて守っているとソウザの中距離砲が飛んでくるだろう)ので、ボールを渡すことが本当に正解となるかは難しいところがある。

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