1.スターティングメンバー
- 開幕戦のメンバーと比較すると、いわきは左DFに深港を入れて高橋を2列目に。不動のアンカー柴田が9節の負傷により長期離脱中で、ここ2節は永木を起用していましたが、この日はサイズのある本来CBの遠藤を置いています。
- 前線は西谷が2トップの一角でしたが山口とポジションを入れ替える形。左WBが今野→山中。8連勝でこのEAST-Bの首位と勢いを維持しています。
- コンサはキングが右ウイングで初スタメン。中央は川原ではなくこの日も堀米悠斗。スパチョークがこの試合前に右膝内側側副靱帯損傷と発表され、青木がようやく得意の?左で起用されます。
2.試合展開
構図はそのまま首位 vs 8位:
- 開幕戦では90分トータルでボール保持率はコンサが57:43、パス本数も200本コンサの方が多いながらもシュート数はいわき23に対しコンサが5。いわきはボールを捨て気味で、コンサはそれを捨て返すことをせずにGKからパスを繋ごうとしていましたが、マンツーマンベースでのいわきのハイプレスにほぼ無抵抗という状況でした。
- この試合は、前半終了時点のDAZNの集計ではボール保持率はほぼ互角、パス数と成功率はいわきが上回っており、コンサもかなりボールを捨てるサッカーにシフトしていたと捉えて良いでしょう。
🕕HALF TIME🕕
— 北海道コンサドーレ札幌公式 (@consaofficial) April 25, 2026
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- そしてコンサがボールを捨てるのを確認したいわきはそれを捨て返す、前線へのロングボールを使ったプレーだけでなく、ボールを捨てないプレーも一応は装備しており、少なくとも前半の構図は互いの首位vs8位というラベルとそう違和感のないものでした。
- いわきはボールを持っている時に、コンサの1列目の守備を剥がすという狙いを見せることは稀で、列を一つずつ丁寧に超えていくというよりは、一気にトップに放り込んで全部超えてしまうような選択が多かったと思います。
- いきなり放りこんで何かが起きるというよりは、コンサがクリアして、いわきもまたクリアや放り込んで…という展開が続くのを想定の上で、セカンドボールを中央の選手や左右のウイングバックなど比較的トップと距離が近い選手が拾ったら、トップに縦パスを入れてそのポストプレーから2列目の選手が前を向く、という狙いがあったと思います。
- この役割は長身FWのオウイエ ウィリアムが主に担い、コンサは家泉がマッチアップすることが多かったですが、オウイエが長いリーチを活かして家泉の体からボールを遠ざけることを徹底すると、家泉は簡単にボールにアタックすることができず、いわきのポストプレーは前半だけで何度か成功していたと思います。
- トップに放り込む以外の選択としては、コンサのSBがいわきのウイングバックをケアするために出てきた状況でその背後のスペースを突くプレーは何度か見られした。
- いずれにせよいわきは、コンサのGK田川の守備範囲が広く、長いボールを使うなら田川を回避する必要があることは念頭に置いていたと感じました。
失速が早めだったいわきが先制:
- 後半に入って少しずつ試合がオープンになり、コンサは49分にパクのオーバーラップからのアーリークロスに、バカヨコが左足で飛び込みますが僅かに枠外。
- 58分にもバカヨコが裏抜けからほぼGKと1v1になりますが浮き玉をダイレクトで放ったシュートは枠の右。この時、いわきはバカヨコとマッチアップしていた堂鼻が空中戦で目測を誤るミスがありましたが、この60分前後くらいの段階で早くも、他の選手も徐々にミスだったり疲れを見せていた印象でした。
- 62分にもバカヨコがキングの右クロスをヘディングで合わせますがこれもわずかに枠外。
- これらの49分と62分のプレーは、セットして守っているいわきをコンサが剥がしたというよりは、ボールを奪ってからいわきのDFがセットされる前に早いタイミングで放り込んで、パクの俊足を飛ばしたオーバーラップだったりキングの早いタイミングでの仕掛けだったりで、いわきに落ち着かせる時間を与えないような攻撃を仕掛けましたが、パクのスピードのようなフィジカル的な優位性があってのプレーでした。
- 64分にいわきが最初の交代カードとなる、オウイエウィリアム→加藤に交代。直後の65分、その加藤がDFからのロングボールを空中でうまくコントロールしてから右の木吹がクロス。田川がキャッチできなかったボールをコンサは荒野が中途半端なクリアかパスで処理することとなり、拾った中野が運んでから遠藤のワンタッチパスに山中が抜け出して田川との1v1を制して先制します。
- コンサはこのプレーに限らず川井監督体制で積極的にボールにアプローチする守備をあまり見せず、基本的にはリトリート主体でやっていますが、この時も中野に対し3選手が横に並んでしまってボールに全く制限がかからない状態でした。
- いわきとしては、よくこういう場面でとりあえずロングシュートという選択をする選手をよく見ますが、18歳のスーパールーキー中野がそうしたイージーな判断をせずギリギリまで落ち着いてボールを保持してコンサの選手の対応を見ていた点は秀逸だったと思います。
- コンサは68分に荒野・堀米・キング→大森・川原・長谷川。
- いわきはこの交代を見て、ボールを持っている時に木吹を下げて左右非対称の4バック気味にする、コンサとの開幕戦で見せた形で対抗します。おそらく大森がFWとして前に張ると完全にミスマッチになるので、DFがマンツーマンベースで対応する原則は変えないことを意識したのでしょう。
- ただ、いわきはこの変更と併せて2トップがコンサのCBをマンツーマン気味に見るタスクから、コンサのアンカーの川原を消すタスクをメインとするように変わっており、全体としてハイプレスからリトリートに舵を切っていましたが、この変更でかなり後手に回ることになったと思います。
- いわきの田村監督が「残り5分を守り切る練習をしていない」と話していますが、ラスト5分以前に後半の残り30分くらいの時間帯で、いわきは足が止まった時にプランBがないというのが率直な印象でした。
- おそらくベンチ入り選手を7人しか連れてきていないことなどもオプションの乏しさに関係してそうですが、ともかくいわきはやり方を変えるとそれまでのエナジーをかなり失ってしまいました。
彼が引き受けている小さくない役割:
- 78分にコンサは青木→原で長谷川が右に。いわきは山中・木吹→永木・今野で、中野を右にし、永木がアンカー、遠藤がCBに。
- 82分にコンサは木戸→梅津で家泉をトップに上げる形に。
- いわきは87分に遠藤→桒田、山口→久永。
- AT90+2分にコンサは自陣でパクが拾って、家泉にロングパス、頭で逸らしたボールにバカヨコが突進して深港に競り勝ちマイボールにすると、拾った長谷川が切り返しから得意のスペースに落とすクロスボールで家泉に合わせてスコア1-1。
- 続く90+3分にバカヨコのポストプレーから、左の長谷川の仕掛けが中野のファウルを誘って左サイドからFK。家泉のヘッドをいわきのGK佐々木が一度は反応しますが、大森が詰めてATにコンサが逆転します。
#長谷川竜也 選手のピンポイントクロスに#家泉怜依 選手が得意のヘディングで合わせる⚽
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家泉選手は今シーズン4ゴール目でチーム単独得点王に🔥
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#大森真吾 選手、待望の勝ち越し弾🔥❤️🖤
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アディショナルタイムの2発で逆転勝利⚽️⚽️
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3.雑感
- 人間というのは日々、色々なファクトを突きつけられながら生きていきます。
- ファクトというのは、J2とJ3が混在する10チームの中でコンサが8位という順位なのもそうですし、なんとなく「チームづくりと育成のシーズン」と位置付けられているこのハーフシーズンで別に選手も特に上手くなっていないしチームとしても特段良くなってもいないというのも、一つのファクトなのかなと思います。
- そうしたファクトと向き合うと、必然とボール保持にも非保持にも問題があるコンサにおいてはポストプレイヤーというか、前線で体を張る選手が不可欠なのは必然で、現状その役割はバカヨコがほぼ1人で担っている。
- なのでFWに他のタイプの選手を使うみたいな話は、現状はある種の現実逃避的な位置付けにすぎないといえるでしょう。
- この日の2ゴールもバカヨコのポストプレーからでしたが、得点場面を見ても体を張って潰れ役になる選手抜きだとどうしようもない、というのも、(改めて再確認的な話ですが)ハーフシーズンで見えてきたファクトの一つかなと思います。あとは、90分を通じて堂鼻をはじめいわきのDFを消耗させたのもバカヨコのパワーとスピードによるところが大きかったことも挙げられます。
- 得点によく関与する大柄なCBの選手をFW起用したいなら別にいいですけど、試合の最初からFWで起用してバカヨコのような仕事ができると考えるのはそれも現実逃避的だなと感じます。
- 昇格降格のないリーグでまさかこうした大柄なDFを前に上げて放り込むやり方になるとは予想しませんでした。
- 結局のところ、トレーニングをして選手がうまくなるとか、結果チームとしてよくなるという話は(何度か言及していますが)選手の入れ替えによるところが大きく、それができない場合はいつまでもこうした試合、こうしたプレーになるのでしょうけど、この試合に関しては交代カードを切る中で、バカヨコを残した監督の采配は冴えていたと感じます。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。






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