2025年11月30日日曜日

2025年11月29日(土) 明治安田J2リーグ第38節 北海道コンサドーレ札幌vs愛媛FC 〜共感も疑念も一旦はタンスの奥に〜

1.スターティングメンバー


  • 愛媛は後半戦ほぼこのシステムのようです。メンバーは各ポジションで試行錯誤が見られますが、特にトップ下とCB吉田の相方は多くの選手を試し、GKも3選手が出場機会を得ることとなり軸が定まらなかったのかもしれません。
  • コンサは引退の深井がキャプテンマークを巻きます。負傷中の宮澤はなんとか間に合わせたかったとのことですが叶わず。その際は高嶺が左DF、西野が右DFに回る想定だったようです。バカヨコは家庭の事情でチームを離脱しメンバー外。

2.試合展開

順位相応な構造:

  • コンサがボールを持っている時に、愛媛は前線はコンサの3DF+2MFにマッチアップが噛み合う形を作ります。
  • 後方はアンカー+4DFなので噛み合っていないのですが、全体的にはマンツーマンというかコンサの選手に対してそれぞれ1人ずつ着いてくる、というか遅れ気味に対応しに出てくる印象で、スペースというよりも人を守っている側面が強いと言って良いでしょう。

  • 序盤コンサは簡単に前に放り込むことが多いのですが、FWが白井ということもあって中央よりもサイドのスペースに放り込むことが多かったかもしれません。
  • そしてこの放り込みだけで簡単に愛媛陣内に入れる、正直なところかなりイージーな印象を受けました。
  • ↓のようにコンサのWBパクミンギュが西野の放り込みを察知して、サイドのスペースに走り込むとして、愛媛は右SBの福島と担当が決まっているのですが、予測が甘いのか?パク以外の要素も考慮しているのか?わかりませんが毎回愛媛はコンサシンプルな放り込みに対してまず落下点に素早く入れておらず、なんらかコンサの選手がボールに関与する余地を作ってしまいます。

  • DFおよびMFとしては、相手が放り込んでくるシチュエーションで早期にクリアしたりプレーを切ったり対処できないとそれだけで下がっての対応を余儀なくされますが、まず愛媛はこの放り込まれてDFラインを下げさせられることに無頓着というか、簡単に下がる、下がる要因を解決しようとの意思があまり見られませんでした。

  • コンサのDFがロングフィードを選択しない時は愛媛の前線の選手がハイプレスというか捕まえに出てきますが、基本的に1v1で捕まえるというか「頑張ってついてくる」という対応なので2人で連動してパスコースを切ったり誘導するようなアクションは乏しく、コンサは1人剥がせば、ここでも押し上げがイマイチな愛媛の中央に生じたスペースを使って簡単に前に運ぶことができていました。
  • よく見られたのは、愛媛は隣り合う選手が同時にボールホルダーとその隣の選手に対して前に出て対応することが多く、選手が斜めの関係というより横並びになってしまうためパスコースが切れていない状態になり、簡単に縦パスで2人の選手が無力化されてしまう状態でした。


愛媛ゴール前でのクロスボールへの対応:
  • コンサが容易に愛媛陣内に入っていくと、序盤のまだ元気なうちは愛媛の選手がほぼ全員愛媛陣内に戻ってゴール前に枚数を割きます。この際の配置は1-4-4-2がベースです。
  • ただし、ゴール前に枚数を集めるとしてそこで跳ね返す力があるなら良いものの、愛媛は全体的にどの局面を見ても空中戦で優位を取れていない印象でした。
  • ゴール前の攻防だと、コンサはトップが白井でサイズがなく、シャドーの荒野と、結構前に出てきていた深井(ミシャ体制後にその辺のプレースタイルは変わってきたのもありますが、ラストマッチに点を取ろうとしていたのもあるでしょう)くらいしかパワーがある選手が見当たらないですが、愛媛のDFはクロスボールが上がる時にコンサの選手をほとんど見ていないため簡単にポジションを取られていました。

  • ボールを持っているときに殆ど相手からの有効なプレッシャーを感じない状況が続いた中で、25分に西野の斜めのパスを近藤が頭で合わせて先制します。
  • ファーサイドは完全にSBに任せる(SHはそこまでは戻ってこない)という対応でしたが、この4バックでの対応だとクロスボールに対して跳ね返せる範囲が極めて少なく、近藤は全く阻害されず合わせることができました。

  • 後半早々には左CKからスパチョークのクロスボールを家泉が合わせて2-0。
  • 愛媛はゾーン主体というか、スペースを守る役割の選手をゴール付近に1列で4人並べ+ニアポストに1人置く対応。
  • コンサで最も空中戦に強い家泉とマッチアップするのが、愛媛でおそらく5番目に強いという扱いになる172cmのキャプテン深澤でした。この深澤がスリップしてしまいましたが、スパチョークのクロスボールが愛媛のゾーンを守る選手がギリギリ届かないくらい場所を狙った、速く非常に精度のあるキックでした。

難なく誘導して対処:

  • コンサのDF家泉と愛媛のFW村上のマッチアップで、パワー勝負になりやすく家泉が優勢そうなこともあってか、愛媛は簡単に放り込むだけではなくDFがボールを動かしてコンサの1列目を越えようとします。
  • コンサは↓のような形で対応することが多く、完全にマッチアップを合わせて(前線を2トップにして)対応するというほどではありませんでした。
  • 愛媛のSBにボールが渡ったところで、コンサはSBに対し前方向に寄せながら受け手となる中央の選手を高嶺と深井で捕まえるので、愛媛はこのSBのところで結局ロングフィードを選択させられることとなりますが、そのフィードは押し上げていたコンサの3バックが難なく処理することができていました。
  • コンサはWBが前に出てDFと反対サイドのWBがスライドするような対応もありましたが、この際に家泉と村上のマッチアップだけは割と固定的ではあって家泉がスライドしないこともあったので、愛媛はフリーマンの堀米が、家泉がスライドしないことで生じたスペースに走り込むような共通認識があれば打開策になっていたかもしれません(↑の図だと、西野が甲田に出れば家泉と西野の間が空く)。そうした試みもなくこのシチュエーションもコンサにはイージーでした。

リトリートは不完全なまま:

  • 59分にコンサは深井・荒野→長谷川・木戸。64分に白井→マリオ セルジオ。61分に愛媛は杉森→佐藤。



  • 愛媛は左右の杉森と甲田、特に右の甲田にボールが渡って前を向くと、コンサの対面の選手であるパクミンギュや西野が簡単に飛び込めない状況になり、サイド突破からクロスボールがボックス内に供給されるような、この試合では比較的コンサゴールを脅かしたと言える局面に近づきます。
  • こうした場面は前半は、試合の立ち上がり10分ほどと、30分ほどに散発的にあった程度でした。愛媛はコンサのハイプレスを有効に回避できず、なかなか前線の選手にボールを届けられなかったため、甲田や杉森に渡る場面としてはセットプレーを素早くリスタートしたりとか、前半コンサが一旦ハイプレスをやめてリトリートしたといった局面に限られます。

  • 後半コンサが選手の疲労や、白井→マリオの交代などで前線の構成とバランスが変化すると、前半のように愛媛ボールの際に毎回ハイプレスで捕まえにいくという対応から変化が生じます。
  • コンサはミドルブロックの高さで1-5-2-3のブロックを作ってからの対応になりますが、この状況だと愛媛のDFにはプレッシャーがかからず、それまで前にボールを運ぶことに苦労していた愛媛DFから前線の選手にパスで供給される場面が徐々に増えていきます。
  • またコンサがボールを回収したとしても、コンサのWBや中盤センターの選手が低い位置におり、コンサはまずボールをトップのマリオや長谷川、スパチョークに預けますが、WBや中盤の選手が数十メートルポジションを上げるほどのボールキープの共通理解がなかったり、愛媛が即時奪回を試みたりしていたのもあって、コンサの攻撃は前線の選手が突っ込むだけの散発的なものに徐々に終始していきます。

  • それでも愛媛の仕掛けを止めてから78分にマリオ セルジオが左から強烈なシュートで0-3。WBや中盤の選手が前に出ていけない、と書きましたが、前の選手だけで仕上げて試合を決めた形でした。

雑感

  • 終盤戦に順位が固まってくると、流石にどの対戦相手も良くも悪くも順位相応なクオリティだと感じます(もっとも順位や勝ち点との乖離を感じたのはおそらく甲府)。この日に関しては、ロングボールや浮き玉の使い方と処理能力が特にスコアや展開に影響した印象でした。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。

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