1.ゲームの戦略的論点とポイント
社運とはすなわち金額:
- スタジアムシティプロジェクトの全貌が明らかになり、24シーズン中のオープンを目指すと発表されたのがコロナ禍の2020年12月。
- 20年以降の長崎はJ2で3位(人件費13.8億円)→4位(13.8億円)→11位(13.5億円)→7位(18億円)と推移し、この間20シーズン夏にエジガルジュニオ、22シーズンにクリスティアーノ、23シーズン夏にマテウスジェズスとマルコスギジェルメ…と継続的に選手への投資が続けられてきました。
- そうして迎えた24シーズンは、カリーレ監督の裏切りという想定外の事態があったとはいえ、文字通り勝負の年だったのでしょうけど、リーグ戦を3位で終えホームアドバンテージを得た中でのプレーオフでは、ベガルタ仙台のボールを捨てるスタイルに見事にハマってピーススタジアムで涙を飲むこととなります。
- そして25シーズンはキャプテンに山口蛍、最終ラインにエドゥアルドと関口、GK後藤といった選手を加えこれでもかという陣容でシーズンイン。どんだけ金あんねん、と思わされますが、当初700億円とされていたスタジアムシティに最終的には1,000億円を費やしているわけで、こうした選手人件費は誤差みたいなものなのでしょうか。
- ただ25シーズンこそMFから後ろの選手を厚くしたものの、全体的に編成が前線過多というか、1トップベースなのにマテウス以外にもFWにファンマとエジガルジュニオが控えているというのは、率直に素人臭いお金の使い方をしている印象です。おそらく下平監督もそうしたやりづらさを抱えながら補強リクエストを出して、25シーズンは少しお金の使い方を変えてきたのでしょうけど、現代サッカーにおいて9番タイプを多く抱えても、むしろ監督が緻密なスタイルを志向するほど足枷になります。
- 24シーズンもマテウスをFWにしてラスト5試合で5連勝でフィニッシュしましたが、仙台とのプレーオフではトップにエジガルを置いてマテウスと組ませるとボール非保持の際の連動性や可動域がイマイチで、一発勝負において機能しているとは言えませんでした。
- 25シーズンは開幕6戦を4勝2分と好スタートを切ったものの、山口蛍を欠いた7節で藤枝相手に初黒星を喫してから1分4敗の5戦勝ちなし、前節はホームでいわきにシーズン初勝利を献上…という状態で大和ハウスプレミストドームに乗り込みます。
- この間に対戦した5チームはいずれも3バック(5バック)でボールを持たせてくるスタイル。6節までは4バックのチームが多く、徳島や熊本は異なりますが割と前に出てきてくれるチームなので、案の定というか「J2らしいサッカー」に苦戦している状況でしょうか。
- とまぁ、色々書きましたが、素人くさい編成なのは我らがコンサの方が先んじているのですが…そうしたある種の被害者である監督同士のマッチアップでもあるかもしれません。
スターティングメンバー:
- 長崎は負傷者が多く、特に中盤の山口、山田、DFのエドゥアルド、前線の笠柳、松澤、エジガルジュニオといったスタメン級の選手を欠く状況。
- 前線は前節ハットトリック以外にも獅子奮迅の働きだったファンマと、ミリにマルコスギリェルメ、左に増山。DFは右SBの関口をベンチスタートとして左右の2番手的な位置付けである米田。CBにはここ2試合は新井と照山でしたが、櫛引が9節以来3試合ぶりに右に入ります。この照山と櫛引のユニットの先発は昨年26節に1度のみのようです。
- コンサは前線にバカヨコ→白井。中盤は宮澤・木戸を大﨑と、前節まずまずだった荒野に入れ替え、左はスパチョークがメンバー外で長谷川。前節体調不良で復帰の青木はベンチスタート。
2.試合展開
互いにミス待ちが最善手①:
- 岩政監督の言葉通り。コンサは慎重に試合に入っていたと思います。
- 下平監督の長崎は、ウイングを常に高い位置に配置(3バック系システムのウイングバックの上下動ではなく)してピッチを広く使おうとする、J2ではかなりレアなスタイル。かつて長崎でアカデミーダイレクターとトップチーム監督を務めた松田浩氏曰く、「1-4-3-3は選手の個人能力が必要」とのことですが、それは「ピッチを広く使う」というのは言い換えると選手の距離が広くなり孤立気味になるので、近くに味方がいなくてもボールをキープしたり味方に渡したりする能力だったり、敵陣で1v1の状態で仕掛けて崩す能力だったりを要求しているということだと思います。
- これが1-4-4-2だと、例えば中央のセントラルMF2人でチャレンジ&カバーとか、2トップで1人が体を張ってもう1人が裏抜けでDFを引っ張るとか、サイドの2人で内側と外側を攻撃したり相手のサイドアタックに2人で対処するとか、2人かそれ以上の人数で関係性が作るとか分業がしやすいのだけど、1-4-3-3でピッチを広く使うスタイルだと1人で対処することが多くなる。松田氏がJ1リーグで1-4-4-2を好むのはこうした理由もあるのでしょう。
- 今の長崎の話に戻すと、FWのファンマやエジガル、FW/トップ下のマテウス、ウイングのギジェルメ、笠柳、松澤といった選手はこの”孤立気味になる1-4-3-3”でもそれぞれ仕事ができる選手。しかし長崎がそこにボールを届けるまでは、GKやCBのロングフィードに頼るところが大きく、特にエドゥアルドの有無は前の3〜4人が活きるか否かを大きく左右します。
- そんな長崎とコンサで共通しているのは、前線の選手にボールを届けて彼らの個人能力を発揮させたいけど、その前線にボールを届けることに難がある状態。平たく言えば後ろの選手に、前線にボールをデリバリーする能力が足りていない。
- そうした展開になると、長崎は前線の選手が下がってボールを引き取ろうとしますが、それだと前でクオリティを発揮することが難しくなる。かつ長崎の場合は、前線に外国籍選手を並べると、狂ったように走って相手にプレスをかけるみたいな選択ができなくなる(走りの量=プレスの強度 ではないけど、ある程度は走ることは重要だとして)。対するコンサは外国籍選手を並べているわけではないけど、前線でプレッシングが機能しているとは言い難い状況は似たようなものです。
- ですので長崎もコンサも、前線の選手にボールが入ってクオリティが発揮される展開は、現状は相手のミスからマイボールになって、その際になるべく前線の選手が前に残っていてカウンターが発動しやすい状況になることだったと思います。長崎で言えばマテウス、コンサで言えば近藤がオープンな状態で前を向いて、周囲にスペースがある状態になると守る側にとって最も危険な状態になりますが、それは能動的に作り出すというよりは相手のミスによって生まれやすいシチュエーション。
- これも言い換えれば、お互いに能動的にプレーする(ボール保持やプレッシングを頑張る)というよりは、自らはバランスを崩さずに我慢して相手のミスを待つような戦い方をする方が、利益が最大化されるような関係性だったと思います。ぜひ、この点を頭に入れて試合を振り返ってください。
大﨑監督に与えられたミッション:
- 上記を踏まえてピッチ上の現象を見ていきます。
- 長崎がボールを持っている時に、コンサは↓のように左CBの照山が開く形でマンツーマンに近い対応をします。
- コンサがCBのボールを前に運ぶ能力の問題で、ここまでたいへん苦労しているように、エドゥアルド不在の長崎もやはりこの左CBに櫛引か照山か新井か誰かを起用しなくてはならない点が、J2で大半のチームが長崎をリスペクトというか警戒してくる環境で大変ネックになります。
- 案の定、照山は前半、ほとんど高畑に渡すだけの選択に終始し、前節大宮がコンサの家泉と髙尾の関係を見切ってこの2人のところで簡単にはめることができていたように、近藤が高畑にスライドするだけで長崎はサイドで詰まって苦しくなります。一度、30分くらい?に近藤が照山に出すぎて、髙尾が高畑に出るかステイするかで迷って、増山にサイドでボールが入る時がありましたがこの時は髙尾がファウルで増山を止めてかつ警告なしで幸いでした。危なかったのはこの時だけだったと思います。
- この照山をフリーにした分、1人余っている分の選手をコンサはマテウスとファンマの対処に運用します。
- やはり長崎は後ろからボールを運ぶことに苦労すると、前線の外国籍選手…特にマテウスに長いボールを当てて彼の個人能力でとりあえずキープしてもらって、彼や他の前線の選手にボールが渡る形を強引に作ろうとします。
- コンサは宮澤と深井が不在なのはコンディション等の問題があったかもしれませんが、少なくとも木戸が使える中で大﨑をチョイスしたのは、トップから下り目のやや右寄りで長いボールに対して体を張るマテウスに対し、コンサも家泉と西野の前で身体を張れる選手を確保してCB2人の負荷を軽減したかったのだと思います。
- 確かにマテウスは強いのですけど、常に身体を当てて簡単にボールタッチさせない、ボールが入っても前を向かせない対応を徹底していれば、そこからマルコスや増山にクリーンにボールが入って、コンサのDFが整っていない状況で速攻発動、とは簡単にはならなかったと思います。
互いにミス待ちが最善手②:
- コンサがボールを持っている時は、大﨑がCBの間に下がる形からスタートすることが多かったと思います。
- これはどれくらい決めていたかはわからないですが、まず長崎が少なくとも前半はそんなに高い位置でpressingを見せなかったので、コンサがこうしたポジションチェンジをするだけの時間を十分に確保できるスローな展開ではありました。
- コンサは右の家泉のところに最終的にはボールが渡ることが多かったと思いますが、家泉は(相変わらず)フリーもしくは数的優位であることをあまり把握していないかのような選択が多く、ボールを持ったら速い縦パスを克幸や髙尾につけようとしますが、そもそもフリーなのでパススピードを意識する前に自分で運んだ方がより効果的だったでしょう。
- 相手のミスマッチを突くなら、(運んでから)長崎のSB高畑が髙尾に出てくるか、克幸に出てくるかをよく見た上でフリーの方に出す。そして近藤が浮きやすいので、近藤が高畑の背後を取るような動き出しをして…とできればもっと効果的にこのサイドでプレーできそうでしたが、まず最初の縦パスの段階でそうした配慮がなかったので、特にコンサは長崎に脅威になるプレーができませんでした。特に面白くもないのでこの程度の言及で控えたいと思います。
均衡を崩した増山の充実:
- 互いにミス待ちで思ったほどオープンにならない展開でしたが、38分に長崎の増山の見事なサイド突破から先制点が生まれます。
🔷🔶
— V・ファーレン長崎【公式】 (@v_varenstaff) April 29, 2025
𝙏𝙊𝘿𝘼𝙔'𝙎 𝙂𝙊𝘼𝙇⚽️✔️
🔢1-0
⚽️#増山朝陽 選手
左サイドの連携からテンポよく崩し切り #増山朝陽 選手が冷静にフィニッシュ。
敵地で先制に成功。#vvaren #獲るぞTEPPEN #札幌長崎 pic.twitter.com/24Wxw4d2lC
- 動画で見切れている直前のプレーは、増山が引いて髙尾がついていき、左サイドのスペースに松本が飛び出して大﨑がついていく、というもの。
- この間にコンサは全員が自陣に戻って枚数は揃い、ボールサイドでは3v3、そこに右SBの米田が飛び出してきて荒野がついていって4v4、となりますが…結局はコンサの対応はどう見てもシンプルなマンツーマンで、最初の増山v近藤の関係性も、近藤は抜かれるのが怖くて(カバーしてくれない純粋なマンツーマンだから)寄せきれず、高畑を見ていて大﨑や松本を見ていた髙尾も同じ。
- 増山はそれを見切ってゆっくりと中央方向にカットインしてパスコースを作りましたが、ここで一気にスピードを上げると髙尾にぶつかったり、もしくは髙尾が松本のマークを捨てて増山に出てきてしまうので、ゆっくりと様子を伺うようなアクションから開始したのが非常に上手かったと思います。
- あとはコンサの選手の間をすり抜ければ、近藤のマークが外れて、マンツーマンのコンサはもうどうしようもなくなって終わりでした。そんな感じで、組織的に守れなくて個人で頑張るしかないコンサのトホホな守備がまたも披露されましたが、それでも増山が顔を上げながらうまくスピードをコントロールして急所を突いたのは非常に上手いプレーでした。かつてはフィジカルを全面に押し出したスタイルの印象でしたがこんなプレーもできるのかと大変感銘を受けました(仙台相手にも似た形で決めてましたね)。
大ちゃんの痛恨のミス:
- 後半頭からコンサは大﨑→バカヨコで克幸を1列下げます。
- 前半のうちに先制を許したのは痛恨でしたが、FWを増やし、克幸を中央にスライドさせて後半(頭からじゃなくてもどこかで)点を取りに行くというのが用意していたプランでしょう。
- 長崎はメンバーは変わらずでしたが、前半に詰まり気味だった照山のところでむしろボールを持った時に近藤を引きつけることができていて、そこから1人フリーの選手を作って前進することに、後半立ち上がりに2度ほど成功していました。おそらくコンサの構造について何らかレクチャーがあったのではないかと思います。
- そして冒頭の岩政監督のコメント「僕も、もう少し考えておかないといけなかったと反省している。」というのはおそらくこの選手交代と、51分にマテウスのヘッドで2点目を失ったことを指すのだと思います。
#マテウスジェズス の強烈なヘディング💥
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) April 29, 2025
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田J2リーグ 第12節
🆚 札幌vs長崎
🔢 0-2
⌚️ 51分
⚽️ マテウス ジェズス(長崎)#Jリーグ pic.twitter.com/gmLgKOaA3N
- 直前のプレーでコンサはバカヨコが前残り気味でブロックに一人足りない状態(まぁ、11人揃っていてもそこまで強固なブロックではないんですけど…)。長崎が右から左へと展開しますがコンサはどこかで守備のスイッチが入る感じがしない。
- おそらくそれもあって髙尾が食いついたところで、長崎は松本がポケットを取るランを見せます。先制点も松本の似たようなランから始まっており試合の中では頻度は多くなくとも効果的だったと思います。
- 松本に対しコンサはバカヨコが遅れてついていきますが、家泉も持ち場を離れて動く。これで家泉→ファンマ、西野→マテウスのマンツーマンに近い関係が崩れて西野がマテウスとファンマを両方見る、高嶺がより絞る対応になります。松本は家泉からキープしながら高畑に渡すと、コンサのゴール前には家泉がいない状態で、高畑の鋭いクロスが西野と高嶺の間のマテウスにピンポイントで合わせられて…というもの。
- 結果的にはクロスの精度が非常に高かったのでその時点で守ることがかなり難しかったかもしれません。ただ組織として対応を見ていくなら、ゴール前の要である家泉が釣り出された段階でほぼ負けに等しかったと思います。
- その家泉が出てしまったのは、荒野も克幸もポケットをケアしてくれなかったからで、増山に出た荒野と髙尾がちょっと不用意というかもう少し我慢しても良かった感はありますが(増山がもっと露骨にミドルを打つとか出なければ)、家泉も自ら動くのではなくて、味方を使ってポケットを埋めるような対応があってもよかったでしょう。
- 克幸はおそらく中央のスペースを気にして動かなかったのでしょうけど、結果的には家泉が外に出て、クロスが上がってくる真ん中に克幸がいてもどうしようもないので、典型的な失点パターンというか「そこにその選手がいてもどうしようもない」状態になってしまいました。
- そして監督としては、選手交代によって克幸を中盤の真ん中に置くと、大﨑ほど身体を張ったり気が利いた働きができないので、前線にパワフルな選手がいる長崎に対してこの交代は時期尚早だった、ということを認めたのかと思います。
- 実際のところ、こうした場面でどう対応するか明瞭に決めていなければ選手個々の判断になるので、そうした危機察知だったり単純に跳ね返す能力に関しては、選手交代によって強度が下がってしまったことは大きかったでしょう。
サイドでどん詰まりも原の嗅覚で命拾い:
- 監督自身がそのミスを認めるかのように、61分にコンサは克幸→中村桐耶に交代。
- 続いて66分に白井・長谷川→キムゴンヒ・青木。長崎がロングボールを使ってきて、お互いに間延びしてオープンな展開になると予想して白井のスタメン起用だったのかもしれませんが、実際はスローな展開で白井は殆ど何もできませんでした。
- 長谷川はワイドで1v1なら仕事をしてくれますが、そこまでボールを届けるにはやはりコンサの場合、オープンな展開が必要なのでしょう。チームの台所事情もありますが長谷川が活きる起用方ではなかったと思います。
- 長崎は2点とってややガードが下がるというか、あまり前に出てこなくなります。
- コンサは高嶺が中央で引き取って↓のような配置でプレーします。ただそこからボールを預けられる選手が見つからず、中村桐耶がサイドで特攻したところに長いボールを蹴るか、右でも同様に髙尾や近藤がたまにスペースに走るので、そこに蹴るしかなかったと思います。
- それでもなんらか長崎陣内には入るとしても、コンサは中央を固める長崎に対しワイドでどうやって脅威を与えていくのかが不明瞭でした。
- 右は近藤だとどうしてもスペースがない状態だとフルスピードでの強引な縦突破しかなく、長谷川を下げた左は、青木なら仕事ができそうですが、青木はワイドに張るというよりは中村桐耶にそのエリアを使わせていて中央に絞ったり自由に動いていて、色々なところでボールは触れるけど、結局どこからゴール前に脅威を与えられるか?というと答えが見えない状況でした。ですので78分に原が投入されたのは、てっきり近藤が機能しない右に入れるのかと思いましたが、原は左に張る役割でした。
- そんな中で76分に、中村桐耶の放り込み→右に流れて青木のクロスから1点を返すことができたのは非常にラッキーでした。
反撃の狼煙を上げた #近藤友喜 選手のゴール⚽#青木亮太 選手の深いキックフェイントが効きました!
— 北海道コンサドーレ札幌公式 (@consaofficial) April 29, 2025
🏆明治安田J2リーグ 第12節#北海道コンサドーレ札幌 2-2 #V・ファーレン長崎#consadole #コンサドーレ https://t.co/ECLtAVV9gS pic.twitter.com/OPTuYNklqs
- 前後しますが長崎は69分に増山→青木。1-2となって78分にマルコス・松本→澤田・加藤。コンサは同じ時間に傷んだ西野→原。
- その後もコンサは似たような展開(長崎陣内には入るけどサイドで崩す選手がいない、中央で受け手がいない)。
- そんな中で87分に、AT含めて残りまだ10分程度ある中でファンマ・マテウス→新井・山﨑の交代は、疲労があるとはいえマテウスが残っていればカウンターの脅威がありましたが下げてくれて助かった印象です。
- 長崎は5バックの1-5-4-1となって、シャドーに交代で入った澤田と青木はまだ前に出ていけますが、マテウスがいればコンサが後ろに残す人数は変わったかもしれません。
- 長崎は5バックで逃げ切りを図りますが、原がATにらしい嗅覚を見せてなんとかコンサは命拾いします。
土壇場での同点弾!🔥
— Jリーグ(日本プロサッカーリーグ) (@J_League) April 29, 2025
🎦 ゴール動画
🏆 明治安田J2リーグ 第12節
🆚 札幌vs長崎
🔢 2-2
⌚️ 90+3分
⚽️ 原 康介(札幌)#Jリーグ pic.twitter.com/cn3fBnMMvB
雑感
- サッカーは細かく立ち位置や配置、役割や基準etcを変えるとそれだけでチームがうまくいったり逆に機能しなくなることがあります。
- J2で12節を消化して感じるのは、J2のチームの方がJ1よりもそうした微調整に敏感というか細かく行っている印象で、J1はどちらかというと戦術的な微調整というより個人のクオリティでそうしたギャップを埋めようとする傾向があります。
- この点では長崎もコンサも、良くも悪くもJ1っぽいスカッド、J1っぽいやり方をしており、例えば長崎は前線の外国籍選手にオープンな形でボールが入ると強いけど、そのために後ろからボールの動かし方やポジショニングを試行錯誤するというよりは、前の選手にいきなり長いボールを放り込んでそこの個人能力で何とかするところから始める、みたいな傾向があり、これは監督の力量というよりはピッチに立っている選手のパワーバランスなどでそうなっているのかもしれません。ともかく他のJ2のチームと比べると大味な印象で、互いに勝ち点を積めず苦戦しているのはそういったところに要因があるでしょう。
- 試合に関しては互いにそうした事情を存分に考慮した展開になったと思います。ミスをした方が負け。増山のゴールはミスというかちょっと違う次元だったかもしれませんが、コンサの2点目は複合的なミスからだったでしょうか。それでもなんとか勝ち点1を拾ったということで、トイレの神様はまだまだこのシーズン努力して、存分に苦しみ悩め、と言っているのかもしれません。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。
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