1.スターティングメンバー
- 新潟はWEST-Aで勝ち点35、9勝はコンサと同じながらPK戦までもつれた試合が5試合、失点17といった数字は評価できそうですが、10チーム中6チームがJ3であり富山が37ゴール、徳島が36ゴールを稼いでいるリーグであることを考えると、得点21などにはやや問題意識を抱いた方が良いかもしれません。
- オールスターにはファン投票でGKのバウマンとSB藤原、FWマテウスモラエスが選出されましたが、バウマンとマテウスは負傷により辞退、この試合も欠場。またCBのゲリアがオーストラリア代表に招集されておりこちらも欠場しています。8月からのJ2ではこれらのセンターラインの選手がしっかり稼働できればそう大崩れはしないかもしれません。
- コンサは前の試合に続いて3バックのシステムを採用。ティラパットが代表活動のため欠場で、復帰の堀米悠斗を中盤センターに入れて荒野を1列前に。サブに浦上とスパチョークが戻っています。
2.試合展開
二匹目のドジョウならず:
- スタッツ的には、ボール支配率では上回ったもののシュート本数では大きく下回る(前半は新潟が10本、コンサは0本でした)、相手のハイプレスに苦しんだ、開幕戦のvsいわきに近似した数字になりました。
- しかし試合内容はやや異なっていました。
🕕FULL TIME AFTER PENALTIES🕕
— 北海道コンサドーレ札幌公式 (@consaofficial) June 6, 2026
PK戦で敗れ、百年構想リーグは8位フィニッシュとなりました。
本日も応援いただき、誠にありがとうございました。
🏆明治安田J2・J3百年構想リーグ プレーオフラウンド 第2戦#アルビレックス新潟 0-0 (PK 5-4) #北海道コンサドーレ札幌#consadole #コンサドーレ… pic.twitter.com/nC85tIt0I7
- コンサはボールを持った時に前の試合と同様、中盤センターの1人(堀米)が左サイドに出てくる形を作ります。一方でDFの3人は内田が右に出て、中央に家泉とパクが並ぶ2CBのような形でした。もしかすると左右で均等な配置バランスにしたかったのかもしれません。
- 前の試合のvs秋田では、コンサの「左サイドに出た選手」を秋田はどうマークするか前半ははっきりせず、コンサはここにボールを流すことで何度か秋田の前線守備を突破し敵陣に入ることに成功していましたが、この日は同じようにはうまくいきませんでいた。
- そもそもの前提として、秋田はコンサに対し高い位置からのボール奪取を果敢に狙ってきました(おそらく前線の選手特性も考慮してロングカウンターではなくショートカウンターしたいのでしょう)。
- 新潟はよりリトリートを意識したチームで、コンサの配置が何だろうと静観し、1-4-4-2のミドルブロックを作って中央に寄って構えます。そこからコンサのワイドの選手(白井と原)にボールが出たらそちらにブロック全体で寄せて反対サイドは捨てる、というやり方でした。
- ですので秋田のように前からボールを奪いにくるチームなら、前の試合と同じやり方でそれを剥がして敵陣に入って、スペースを享受した状態でプレーできたかもしれませんが、新潟は秋田のように食いついてくれず、中央のスペースを消すことを意識していたので、前の試合の二匹目のドジョウを狙っていたとするなら、コンサとしては思い描いたような展開にはなりませんでした。
ワイドでの問題:
- 新潟が中央を固めるので比較的ワイドにはスペースはありましたが、右の白井の足元にボールが渡ってもやはりこれまでと同様、単独突破で違いを作ることはできませんでした。
- 1人で突破が難しいなら、例えば白井が大外に張って対面のSB加藤を引っ張って、その背後にコンサの選手が走り込む…といった複数人での仕掛けが考えられますが、右さシャドーの荒野はそうしたアクションをほぼ全く行いませんでした。
- コンサのシャドーの青木と荒野はかなり流動的というか決まったポジションにいないことが多かったですが、主にそれはゴールと逆方向…下がってボールを受けようとするアクションが大半で前線や相手ゴール付近でのアクションには2人とも乏しかったと思います。
- 一方で左サイドは、原は白井よりもボールを持った状態からの単独突破が期待できる選手ですが、まず対面のDFが藤原奏哉というJ1でも経験のある選手で、簡単に抜き去るようなことはできない選手だったというのが一つ。
- もう一つは、原が左サイドに張っている時に、ボールが右サイドやピッチの中央にある状態から速い横パス(サイドチェンジ)ができれば、原はSB藤原と離れたところからスタートしてスピードに乗った状態で仕掛け、新潟のDFのスライドが追いつかないような状況を誘発することもできますが、この試合のコンサは反対サイドを見る意識があまりなく、またティラパットが不在で左利きで左サイドを見れる選手がいなかったこともあり、原に対して有効なサイドチェンジが出てこなかったことも問題でした。
- そうした中で堀米悠斗が、前半に見せていたのは↓のように、一旦中央に入ってからポケットを狙っていく動きでした。これ自体は成立すれば有効な攻撃になりえますが、おそらくこの絵をピッチ上で描いていたのは堀米1人で、彼個人がそうしたフットボールを知っているからできる話であって、チームとしてのアクションにはなっていませんでいた。
ポストプレー依存のツケ:
- そうした展開でボールを持つ(持たされる)も、どう前方向に動かして良いかわからないコンサは、家泉やパクが、中盤やシャドーを経由せずFWの大森を探して縦パスを入れようとする様子が目立ちます。
- 大森は時にトップの位置から中盤の木戸の付近くらいまで下がってきてボールを収めてくれるのですが、FWの選手がゴールから遠ざかる方向でプレーしてゴールに背中を向けることが多くなると、そこからまたゴール前に出ていってシュートを放ったりフィニッシュの場面に関与することは難しくなります。
- そもそも…というかシュート以前に、FWのポストプレーが中盤付近で発生しているようだと、そこから敵陣ペナルティエリア付近までどうやって人とボールを運ぶのか??という問題があります。
- 先に書いた通りワイドで1v1で突破できないとするなら、例えばDF背後のスペースに誰かが走るとか、ポストプレーを受けて中央でドリブルで少しでも運ぶとかそうしたプレーが求められますが、大森をポストプレーで消費してした後のコンサはそうした相手ゴール方向にプレーする選手が全く見当たりませんでしたし、先述の通り荒野や青木は相手ゴールと逆方向のアクションに終始していました。
新潟のカウンターとその問題点:
- そうしてコンサがボールを持たされるも効果的に前進できない、シュートまで持ち込めない中で、新潟は序盤から何度かボールを回収してカウンターを仕掛けます。
- これは特に新潟に明確なプレッシングのハメどころがあるというよりは、コンサが大森に預けないとボール保持がとにかく不安定で、勝手にコンサがボールをロストしていたという表現になるかと思います。
- ただこの試合120分を通じて、新潟はミドルブロック主体で守るため、ボール回収位置はピッチの中央付近であることが多かったですが、そこからカウンターを仕掛けると、新潟の前線の選手はコンサのDFを走力で圧倒できるほどではな買ったと思います。
- カウンターのチャンスになった時にはコンサのDFは明らかにバランスが崩れているものの、結果的に新潟の選手は深くまでは侵入できず、シュートはペナルティエリアの外から放たれ、一応枠内には飛んではいるもののGK田川を脅かしていたとは質的には言えないものが大半でした。
ミスマッチを活かし始めた新潟:
- どちらかというと新潟のチャンスはボール保持の局面から生じていたと思います。
- 新潟のボール保持の際、コンサは新潟のCB2人に対し、シャドーの荒野と青木を当てて大森は下がって中盤の白井か大西を見るやり方としていました。
- マッチアップや噛み合わせは↓のようになっていますが、コンサはWBの原がSB藤原に出て後方は3バックになり左右にスペースが生じています。
- この状態から、新潟の2列目の奥村とシマブクはやや中央寄り、中央もワイドも両方狙える位置からスタートします。
- 奥村がワイドに出てきた時にコンサはパクがカバーするイメージなのでしょうけど、パクは2トップの笠井と若月から離れられないのでワイドのスペースのカバーに動くことは実際はほぼできず、まず奥村がワイドのスペース(原の背後、パクの左)を突くと極めて簡単に新潟はボックス付近まで侵入できていました。
- 奥村が中央に入ってきた時も、コンサは3人のDFが新潟の2トップを見ていたので奥村への対応が後手に回りがちで中央で前向きにボールを持たせてしまっていました(しかし新潟のシュートはやはりボックスの外からだったので…)。
苦しい台所事情:
- 後半に入って56分にコンサは原→スパチョークで青木を左に。68分に堀米悠斗→長谷川で青木を再びシャドーとします。
- 新潟は動きが遅く74分に笠井→島村のカードを切った以降は延長に入って102分まで動きがありませんでした。おそらくは積極的に使いたいと思える選手をかなり欠いている状況なのかと思われます。
- コンサは79分に大森→キングのカードを切ると、前線で体を張れる選手がいなくなり以降はカウンターや速攻気味の展開を狙うか、もしくは前線にとりあえず放り込んでみるか…といった試合展開になります。
- ピッチ上にスパチョークのような選手がいるのでオープンな展開になればチャンスもあるかと見ていましたが、新潟は疲労の色が濃くなっても大きくバランスが崩れることはなく、特に白井と大西によるポケットのスペース管理は非常に注意が払われている印象でした。
- コンサは延長で投入された佐藤の突破など多少は新潟ゴール付近での見せ場はありましたが、お互いに枠内に有効なシュートはほぼなくPKで新潟が勝利となりました。
雑感
- この百年構想リーグで非常によくみた、ボールを持たされるけどそこから何かができるわけでもない…という展開で120分が経過しました。前の試合もそうでしたが、延長に入っても特に(お互い)見せ場がなく、この延長線って要るのかな?と思うほどでした。
- J3相手だとセンターラインの選手の強度というか質の問題で、とりあえず放り込んでいればそのうちチャンスになったり疲れて足が止まったりPKをもらえたりもしますが、J2のそれなりのチーム相手だとそうした事故は簡単に起こらない。ので、直近の3試合でJ2のクラブ相手に何が起こっているのかを真摯に受け止めてからブレイクに入った方が良いと思われます。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。




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