2022年2月24日木曜日

2022年2月23日(水)JリーグYBCルヴァンカップ グループステージ第1節 サガン鳥栖vs北海道コンサドーレ札幌(ほぼ雑感)

※レビューというほどでもないです。

1.スターティングメンバー

スターティングメンバー&試合結果

  • 両チームともリーグ戦開幕節から、メンバー11人を入れ替えました。
  • 川井新監督を招聘した鳥栖は、1-3-4-2-1を基本陣形で考えているようです。広島との開幕戦では岩崎が左のWBに入ったりと、メンバー構成もサッカーのスタイルも結構変わったな、との印象でした。
  • 鳥栖の配置は多分これだったと思います。石井が左WBで中野嘉大がその前。藤原はポジションが崩れた後は毎回、右シャドーの位置に戻っていたはずなので。
  • 札幌は、キム ミンテの移籍で「カップ戦のCB中央」枠が不在となったところに西大伍。ただ欠場の岡村が戻れば、最終ラインの構成は変わるでしょう。

2.ピンポイント雑感

うまいけど軽すぎ:

  • お互いに基本システム1-3-4-2-1で、あまりポジションを変えなくても対面の選手を捕まえることができる(所謂ミラーゲーム)ので、序盤からどのポジションでもマッチアップがかみ合って、両社ともボールを保持することが難しくなります。
  • そんな中で、最初にボールを保持しようとしていたのが札幌のDF中央の西。札幌はボール保持時に、いつもの"1-4-1-5"になって、CB右に西、CB左に深井の配置になります。鳥栖は西にFW梶谷、深井が落ちると、”対面”の楢原がついていくことが多かったはずです。
  • 2分、その西がなるべく梶原を引き付けてからGK小次郎にバックパス。多分西としては「普通のプレー」だったのでしょうが…個人的には、アウトサイドでパスする意味もないし、また最近非常に多いんですけど、ボールマウスを外してパスするのは大事だな、と改めて思いました。

 

  • お互いにマッチアップがかみ合った状態でマンマーク主体の相手に対し、簡単に蹴るプレーが多い中、この西が一番”サッカーをしようとしていた”感じはありました。
  • 初めは右CBの位置からボールを運ぶことが多かったですが、札幌は荒野も最終ラインに落ちてくると、後ろに5枚、中盤にゼロ、最前線に5枚の1-5-0-5になって、「後ろにそこまで必要???」な状況になります。福森がいると、どんな形でもロングフィード1発で前線に配球できますが、カップ戦ではあまり登場しないので、毎回まともにボールを運べないのはこのためです。
  • 西はこのあたりを”工夫”していて、荒野が下がってくるならじゃあ俺が中盤行くよ、といったポジション調整を試行錯誤していました。そして基礎技術というか、簡単にボールを失わない、イージーに蹴って鳥栖ボールにしないのは当たり前かもしれませんが、他の選手と比べると別格にうまいのは間違いなかったと思います。

  • ただCB中央としては、西の対人対応は合格ラインを遥かに下回っていて、45分での交代も納得でした。
  • 鳥栖の大卒1年目FWの梶谷(登録上は181cm・81kg)は見るからにご飯をたくさん食べそうな風貌なのですが、梶谷と西のマッチアップは、どっちが相対的に強い/弱いと判断する以前に、西はまず簡単に入れ替わられたり逆を取られたりで、そもそもDFとしてここに置いていい水準じゃないように思えました。

  • ですので、鳥栖は札幌のマンマークの守備に対してどこかで配置を変えてギャップを作るとか、そういう戦術的な工夫をしなかったのですが、単に梶谷に蹴るだけで何らか形になってしまう、みたいな状況で、前半鳥栖のシュートが多かったのはこれが決定的な要因でした。
  • 鳥栖は開幕戦のvs広島も、相手が1-3-4-2-1で時間を作りづらかったことはあるとは思いますが、恐らく樋口、仙頭、エドゥアルド、大畑といった選手を失ったことで、あまりボールを持たないキック&ラッシュスタイルにやや回帰していて、控えメンバー主体のこの試合も開幕戦同様に殆どボールを繋いでくることは、少なくとも前半はなかったのですが、この日の札幌の最終ライン相手だと、蹴って拾うだけで何らか即効のチャンスになってしまう、というところでした。

  • 札幌はGKの小次郎が気を吐きます。前半だけで4本くらいはボックス内のシュートストップをしていて、このパフォーマンスは今後に期待を抱かせるものでした。

椅子は一つ:

  • 札幌でHTに交代した選手が西のほかに、井川と檀崎。井川はちょっとよくわからないのですが、私の解釈としては、カップ戦初戦の結果を我々が思う以上にミシャは重視していて、田中駿汰にアップグレードしたかったのかなと思います。

  • 一方で檀崎は交代やむなし、な印象でした。
  • 鳥栖は札幌の選手についてきますが、カバーリングの意識はそこまでないため、そのマーカーをdesmarqueなどで剥がしさえすれば、札幌の選手にとっては比較的スペースを享受しやすい状況になります。
  • 後半、金子が中央方向に何度もドリブルで仕掛けることができていたのはそのためです。
  • ですので檀崎も中央方向に向かってプレーできるとよかったのですが、右利きの檀崎は右シャドーの位置でボールを貰うと、どうしてもピッチ中央側ではなく右側を向いてしまう。つまり中央じゃなくてアウトサイドに逃げるような動きになるので、檀崎自身がサイドに追い込まれた状態でプレーしがちなのもありますし、味方と離れて個人で打開しないといけなくなる。またトゥチッチが孤立するようにもなって、チームにはあまりメリットがなかったと思います。
  • 青木と檀崎を入れ替えるのは一案かと思いましたが、まだミシャの中ではそこまで檀崎を使う理由はなかったでしょうか。そしてオーストラリアでどうやって得点量産していたのかわからないですが、割とシンプルにボールに寄って自分で仕掛けていく、脳筋っぽいスタイルだなと個人的には思いました。


3.その他
  • 鈴木啓太氏のYouTubeで興梠が言ってましたけど、「ミシャは絶対相手に合わせない」。これは、戦術的というか対戦ゲームとして見ると、相手と対話してやり方を変えることはしないということ。
  • そして「自分たちのやりかた」は、私はもう4年間見続けているので、あまり真新しいものはないな…ということで5年目のカップ戦はどうしても書く内容が薄くなります。が、こんな感じでひとまず続けようかと思っています(何か取り上げてほしい題材があれば投げて下さい)。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。

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