2017年7月10日月曜日

2017年7月8日(土)19:00 明治安田生命J1リーグ第18節 大宮アルディージャvs北海道コンサドーレ札幌 ~怠慢と事故と天賦の才~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-5-2、GKク ソンユン、DF菊地直哉、河合竜二、福森晃斗、MFマセード、宮澤裕樹、荒野拓馬、兵藤慎剛、早坂良太、FW菅大輝、ヘイス。サブメンバーはGK金山隼樹、DF田中雄大、進藤亮佑、MFキム ミンテ、小野伸二、FW内村圭宏、上原慎也。
 前半戦は17試合で勝ち点こそ15ポイントだが、順位は15位で大健闘と言ってよいターンとなった。後半戦初戦は都倉が出場停止、横山は契約条項により起用不可と攻守の核を欠き、16位大宮に乗り込んでの1戦。ジェイ(ボスロイド)は登録が間に合わず、事前予想は各メディアとも早坂をシャドーに配した3-4-2-1。しかし蓋を開けてみれば3-5-2の継続、菅のFW起用という、慎重派の四方田監督らしい?布陣となった。
 大宮アルディージャのスターティングメンバーは4-1-4-1、GK松井謙弥、DF渡部大輔、菊地光将、河本裕之、和田拓也、MF大山啓輔、岩上雄三、横谷繁、茨田陽生、大前元紀、FW江坂任。サブメンバーはGK加藤順大、DF奥井諒、山越康平、MF沼田圭悟、マテウス、金澤慎、FW清水慎太郎。
 5/28に渋谷洋樹前監督が解任され、伊藤彰新監督が就任してからのリーグ戦は2勝1分1敗。前監督体制と最大の相違点は、アンカーを配す4-1-4-1ないし4-3-3の陣形に変えてきたことで、新監督初戦の鳥栖戦では長谷川アーリアジャスールがアンカーだったが、ここ3試合は大山。大前は2節前の第16節、菊地は前節から復帰とメンバーも揃ってきた。またGKも前監督下で第3GK扱いだった松井が抜擢されている。
 J1はこの試合を終えると中断期間に入り、次節19節の開催は7/29。札幌は22日にタイでムアントン・ユナイテッドとの国際親善試合、7/26にルヴァンカップのプレーオフ第2節(セレッソ大阪戦)を控える。


1.前半


 リーグ戦の前回対戦時(5/6 @札幌ドーム)は、札幌はホームで負けなし、大宮は前の試合にダービーで勝ったものの開幕から低空飛行で最下位に沈む…というチーム状況だった。この時の大宮は見ていて「最下位のチームだな」というか、札幌相手にボールを保持することを怖がっているかのような有様だったが、この日の大宮は完全に立ち直り、自信を取り戻しており、序盤から積極的にボールを保持して札幌ゴールに迫る。

1.1 ボールを取り上げる大宮と気兼ねなく引き渡す札幌


 序盤はホームの大宮がボールを保持しようとの姿勢を見せる。伊藤新監督が就任しての大宮はボール保持によって試合の支配を試みるチームに変貌していて、一方の札幌は、J1で最もボール保持に拘りがなく、速攻やセットプレーに得点機を見出すチーム。必然と大宮がボールを持つ時間が続く。
 序盤、札幌がボールを持つと、大宮は4-3-3気味の布陣からハイプレスを敢行する。横山を欠き河合がCB中央で先発している札幌は、例によってこの数的同数プレスに対する有効な回避手段を持たないので、セーフティに前に蹴りだす。こうしていとも簡単にボールを取り上げることに成功した大宮だった。
 ボール支配率は以下の通り。前半は大宮が持つ、札幌が受けるという構図で終始試合が進む。
ボール支配率 ※大宮アルディージャwebサイトより

1.2 ”事故”は本当に起こせるのか?

1)大宮のボール保持と”事故”狙いの札幌


 大宮がボールを持っている時のマッチアップは以下の図で示した形。
 「自信を取り戻した」と書いたが、札幌の2トップに対するファーストディフェンスに対し、大宮はCB2枚+アンカー1枚の必要最少人数で対処できる。ここで余計に人数を欠けてしまう(札幌が河合をCBで使っている時のように…)と、前にかける人数が減ってしまい攻撃がじり貧になる。一方で見方によってはCB2枚と札幌の2トップ2枚で数的同数ということで、CBのボール処理で”事故”が起こると一気にピンチを招きかねない(逆に、札幌は2トップを2CBに常にぶつけるのは、事故が起きるのを狙っているため)のだが、大宮と自信を持ってCBを起点としてボールを動かしていた。
マッチアップ

 CBとアンカーに中央を任せ、SBを札幌のFW脇に配す。この横幅を使ってボールを循環させれば、札幌のMFとDFを動かすことができる。

2)アンカーを放置しておいて”事故”は本当に起こせるのか?


 札幌の守備のやり方は以下の図の通りで、やり方は普段通りのため詳しくは説明せず、問題点を中心に言及することとする。

 端的に言うとコンセプトは「中央を固めて外に追い出す」。外から強引にクロスが飛んでくるなら高さで跳ね返す。地上戦であれば、ゾーン守備と併せてCBがマンマーク気味に食いつく(迎撃)守備で、バイタルエリアでボールの受け手を潰すというもの。
 このコンセプトを実現するため、強力なCBがいない札幌の場合、5バック+3センターの配備が不可欠、となると前線には2トップのみで、2トップも状況によっては守備に加わるが、それ以上にボールを奪った後に2人で何とかしてもらうこと(前に運ぶか、味方が陣形を整えるまでキープしてもらうか)が重要になる。
【コンセプト】低い位置で高密度ブロックを組み、中に入ってきたボールをはね返す

<開幕からずっとアンカーを放置するヨモ将>


 前置きが長くなったが、札幌守備の問題点は、「アンカーをどうケアするかが考えられていない」。中央を切って左側(大宮の右サイド)に展開させたとする。この時MFとDFは下の図のようにボールサイドにスライドするが、2トップは基本的に相手の2CBを見たままになっている。となれば大宮のアンカー大山(15番)は、札幌の2トップとMFの間で恒常的にフリーな状態になっている。
 恐らくこれは先述の、CBがボールを扱った時にプレッシャーをかけて事故を誘うためだと思うのだが、そもそも大宮としては、アンカーの大山がずっとフリーなので、サイドを変える際にCBを経由させる意味がなくなる。右サイド(札幌から見て左)で詰まったら大山に渡し、”最短距離”でサイドを変えればよい。
アンカーがフリーなので最短距離かつ容易にサイドチェンジされる

 アンカーが常時フリーでボールを受け(=逃がしどころになれる)、パスを出せるならば、余程リスクを犯したりへまをしない限りはボールを失うことはない。先に示した開始15分の大宮72:札幌28という支配率も必然だった。

3)スライドが甘くなる理由


 大宮がサイドを変えると、札幌のMFとDFはボールサイドにスライドし、再びボールを基準にブロックを作り直す。が、開幕当初の数試合と比べると、ここ数試合の札幌はこのスライドが非常に甘くなっていて、一度サイドを変えられると、ピッチのところどころに隙間を作るようになっている。
 これはなぜかというと、一つは、①先に指摘したようにアンカーを放置しているので、最短距離・最短時間でサイドを変えられることが恒常化しており、スライドが間に合わないという問題。
 もう一つは、②中盤3枚の守備は本来ゾーンディフェンスだが、マッチアップ上、インサイドハーフの宮澤と兵藤の守備の基準は事実上、相手SBで固定されており、下の図のように、札幌から見て左から右にサイドチェンジされたとしても、兵藤はボールと反対サイドの(=本来優先度が低い)渡部への守備責任を遂行できるポジションを取らざるを得ず、思い切ってボールサイドにスライドすることができないため。なお、この②は、兵藤だけでなく、宮澤⇒和田の関係でも同様だったと思うが、実際は宮澤のスライドが追いつかず、マセードに和田を託す局面もあった。
スライドが甘くなり選手間が空く

4)横谷や江坂への縦パスで浸食を図る大宮


 一般には鍛錬されたゾーンディフェンスで守っているチームに対しては、この横パスを何度か続けないとブロックにスペースが生じないのだが、札幌の場合は上記の2つの問題があり、大宮が1回か2回サイドを変えれば用意にスペースができてしまう。
 スライドさせ、スペースを作った上での大宮の次の手は、スペースにポジショニングする選手への縦パス。パスの出し手はSBかアンカーの大山で、受け手は2列を狙うのがインサイドハーフの横谷と茨田。DF~MF間を狙うのが江坂や大前だった。
 特に札幌にとって深刻なのが、3枚で守る中盤のうち1人の意識がサイドに向くと、3枚の間が明白に大きく空いてしまう。特に兵藤-荒野の間を狙う横谷にとってこれが格好の餌となっていて、大山⇒横谷の縦パス⇒容易に前を向いてバイタルエリア侵入、という局面が前半だけで何度かあった。
中央のスペースを侵食

<10:30頃~のワンシーンに象徴される諸問題>


 上記を含めた札幌の守備の諸問題が顕著に表れていたのが、10:30頃からの局面。裏に出されたボールをソンユンが飛び出してクリアし、大宮から見て右サイドのスローインに逃れたところから始まる。
 大宮は一度ボールをDFまで戻し、左サイドに展開。大外に張っていた岩上を経由して、和田から中央の大前へパス(下の写真)。この時すでに宮澤はスライドが間に合っておらず、荒野の隣(青い円)は大きく空いている。このスペースを察知する大前に河合が飛び出して対応(迎撃守備)するが、
宮澤のスライドが間に合わずバイタルがら空き

 大前は河合をフリックでいなし、江坂に渡る。かつては地上戦に強いクラッシャーとして鳴らした河合だが、潰しきれていない。
 そして河合が出たことで、菊地は河合の背後をカバーするため、江坂のマークを放棄せざるを得ない。これでライン間にいた江坂はフリー。容易にターンに成功する。
河合が大前を潰しきれず江坂に渡る

 江坂が前を向いたところで誰も対応できないことを察知した菊地が再び動きだす。菊地が動いたことで、青い円が空くが、ここは福森がスライドしなくてはならない。しかし福森はこのスペースの危険性を察知するのが遅く、結果江坂から大前へのスルーパスでシュートまで持ち込まれてしまった(この後こぼれ球を大宮が押し込むがオフサイドの判定)。
江坂からスペースへのスルーパス

 まとめると、①スライドが間に合わないのでサイドチェンジ1本で簡単に中央が空く、②簡単に縦パスを通される、③CBが前に出ても潰し切れない、というように、札幌のグループ戦術、個人能力の両方の問題が凝縮されていた局面だった。

1.3 デカすぎたエース不在の穴

1)何故”プランB”を選択したのか(3-4-2-1⇔5-4-1採用時の欠陥)


 冒頭に書いたが、事前の各メディアの予想では札幌は3-4-2-1、ヘイスのワントップに2シャドーとして兵藤と早坂を配する形で臨むことが想定されていた。前節の清水戦も多くの時間をこのシステムで戦っていたので、個人的にも今回は3-4-2-1だろうと思っていたが、何故3-5-2だったのか。
 恐らくこれは、守備から攻撃に転じたときのことを考えた末だと思われる。3-4-2-1は守備時に5-2-3もしくは5-4-1に変形する。基本的に押し込まれた際や、低い位置にブロックを築いて跳ね返すことを重視する際はより後ろに重心を置いた5-4-1が基本形。仮に札幌が3-4-2-1(守備時5-4-1)としていた場合、下の図のような配置になり、札幌から見て左から右にサイドを変えられた際、SB和田に対応するのは菅。中盤が4枚いるので、3枚の場合と比べてスライドに余裕がある。
【仮定】幅4枚だとスライドに余裕がある

 一方で5-4-1には、ボールを回収したときに、最前線に一人しかいないという致命的な問題点がある。素早く前にボールを展開したとしてもほぼ必ず数的不利…1on2や1on3になり、数的不利でも一人で何とかできるような強力なFWがいるか、素早くサイドに流れることで相手と1on1の局面を作るなど工夫しなくてはならない。
【仮定】(3-4-2-1⇔5-4-1の問題点)奪った後、前に1人しかいない

 かつてドルトムントがバイエルン相手に5-4-1で守っていた時は、1トップに世界最速のFW・オーバメヤンを配していて、相手のDF裏の広大なスペースに蹴ってオーバメヤンが快足を利してマイボールにする、というようなソリューションだった。札幌の場合、ヘイスは確かにボールを収めることができる能力があるが、1on2や1on3と恒常的に作ってしまうようではヘイスの質的優位も活きない。よって、ヘイス一人で何とかしろ、というよりは常にサポート役を近くに置いておく方が現実的で、都倉も金園も使えないこの試合では菅にその役割を担わせることで、ボールを回収した際にキープ⇒攻撃に転じたいとの意図があったのだと思う。

2)前2人でも形を作れず


 しかし結果的には、前半の菅とヘイスの2トップでは殆ど前線で基点を作ることができず、奪って前に展開しても再び大宮にボールを回収されてしまうという構図が続いた。
 菅とヘイスの役割分担は、ヘイスが最前線で「9番」として働き、菅がより低い位置に降りてボールを収めようとするもの。見ていて思ったのは、これまで都倉が担っていたタスク…裏に抜けて奥行きを作ったり、ロングボールの的となって空中戦で競る役割をヘイスにさせ、菅はヘイスが担っていた、相手DFから引いたポジションで受けるというプレーのイメージだったのだと思う。
 しかしヘイスの空中戦は、フィジカルモンスターの都倉と比べると普通、という程度で、菅の収める能力はJ1のFWとしては明らかに物足りない。結果的に、ヘイスの役割をシャッフルしたことで、通常都倉がもたらしていた要素とヘイスがもたらしていた要素の両方を捨てることになってしまったように思える。恐らく菅とヘイスの役割を逆にし、菅はひたすら裏抜けを続けるなど、もっとシンプルにプレーさせるべきだったと思う。
菅では潰されてしまう ヘイスの売りは筋肉ではない

3)何故兵藤と宮澤はパスコースを探すのか(都倉不在の穴)


 前で収まらないということで、札幌は次第に、回収したボールの預け先を中盤の兵藤や宮澤に求めるようになる。しかしこの試合では宮澤や兵藤がボールを預けられてから、どこに展開したらいいかわからず、次の展開先を探しながらボールを数秒間保持している間に大宮の選手に囲まれてボールロスト、という局面が何度かあった。
 何故このようになってしまうのかというと、そもそも選手が中央に密集している状態での攻撃側のセオリーは、密集地帯を避けてボールを展開すること。相手選手が3人も4人もいるエリアを強引に運べるような強烈な"個"がある選手がいれば話は別だが、少なくとも札幌にはそうした選手はいない。
 よってとにかくボールを回収した後は、相手がいないスペースに展開するべきで、それは①攻撃参加したDFの裏、だったり、②手薄になっている反対サイドであることが多い。
 しかし、②について考えると、サイドアタッカーを置かない5バックの札幌は、カウンター時に一気に前線に駆け上がり攻撃参加できる選手をサイドに配していない。図でいうと、マセードはかなり低い位置からスタートすることになり、相当な走力でスプリントしないと宮澤を助けられない。
都倉がいないと逃がしどころがなく囲まれる

4)都倉がいないとボールの逃がしどころがない


 では普段札幌はどうしているかというと、ボールを奪った後にまず先述の①…攻撃参加したDFの背後にボールを展開する。ここに走りこむ役割を担うのが他ならぬ都倉。強さに加え、スペースへのランニングを常に怠らない都倉は主に相手のSBの背後のスペースに流れることで、ボールの逃がしどころを作っている。
 ヘイスと菅の役割関係から考えると、この試合はそうした仕事も本来ヘイスが担うべきなのだが、ヘイスは都倉ほど積極的にスペースに流れず、ほとんどの時間を中央で待ち構えている。
 よって宮澤や兵藤としてはヘイスを使うならば中央に放り込むしかないが、中央は大宮のCB(いずれも空中戦は強い)が待ち構えており、サイドには誰も走りこむ選手がいない。結果、出しどころがないので自分でキープするしかない(⇒できない)となる。

 なお、同じような現象について、詳しくはこの記事(第2節マリノス戦)に書いているので、未読の方はご一読いただきたい。

5)個で成立する攻撃


 こうした中で、前半ラスト10分ほどで、札幌がカウンターからアタッキングサードまでボールを運ぶことができた局面が2度ほどあった。この時は1度はヘイスがサイドで、DFに厳しく当たられながらもボールをキープし、時間を作れたことで走りこんだマセードに繋げることができたもの。もう一つは、中央やや左のエリアで宮澤が相手DFを背負い、これまたDFに厳しく当たられながらもボールをキープし、逆サイドに大きなサイドチェンジを通したもの。
 要するに札幌の攻撃は、個々の選手が対人プレーで勝たないと、ボールを前に運ぶこともできないという点で、極めて個人能力に依存しており(しかも守備で疲弊した上で、こうした対人プレーに勝たないといけない)、到底組織として仕込まれたものだとは言えない水準のものだった。

1.4 仕事の優先度(ようやく迂回に成功)


 前半30分過ぎころだったと思うが、札幌はヘイスと菅の守備時のポジションを縦関係気味にしていた。これにより、ずっと警笛を鳴らしてきた「アンカードフリー問題」がようやく菅をつけることで解決に近づく。菅が大山に付いていれば、大宮は攻撃時に中央を使いにくくなり、サイドチェンジもCBを経由する”迂回路”で行われるので、スライドが間に合いやすくなる。
菅にアンカー大山を見させて迂回に成功

 ただそれでも、菅が相手CB(主に河本)に食いついてしまい、大山がフリーになることも以降の時間帯でも散見された。ベンチからどのような指示等があったのかわからないが、菅の仕事の優先度はアンカーをケアすることが最優先だった。

2.後半

2.1 いきなりハードモードへ

1)魔の?必然の4分間?


 札幌は後半頭から早坂⇒内村に交代。2トップは維持し、菅はウイングバックとしてピッチに残す判断をする。
 菅よりはボールが収まり、スペースへの動き出しもできる内村が入ったことで、前線で収まらない問題はある程度改善されるな…と思って観ていた47分、大宮のロングスローから、クリアが不十分となったところを大前にボレーで叩き込まれる。続いて49分、GK松井のパントキックから江坂がフリック。3トップ気味に高い位置をとっていた岩上がクロス、大前のシュートのリバウンドを江坂が押し込みあっという間にスコアは0-2。
 2点目については、江坂に抑え込まれて競り負けた河合のガッカリさもあるが、河合が競った瞬間、福森は素早く河合の斜め後ろでカバーリングできる位置を取っているが、菊地はボールウォッチャーになっていて河合の背後のカバーリングが遅れている。人数関係は3on3なので、これで完全に大前がフリーになってしまった。
菊地のカバーが遅れた

 大宮に前掛かりになってもらった裏をカウンターで突くというゲームプランは完全に崩壊。前半6割以上のポゼッションを記録した大宮からまずボールを回収し、40分間で2点を挙げるという、リーグ戦ここ8試合で3得点、アウェイ8戦で1分7敗の札幌にとっては途方もなくハードなミッションが課せられてしまう。

2)苦境で最初に見せつけられた兵藤の気持ち


 後半、札幌は2トップの1枚…内村をアンカーに当てる方針を継続する。これにより、守備時のマッチアップは下の図のようになる。ヘイスがどちらかのCBを切り、サイドを決めさせると、SBに宮澤が当たる。大山を内村がケアすることで、大山を使ってボールを逃がされることはとりあえず回避できる。
 しかしその場合、大宮は①ピッチを縦に広く使う(CBが低い位置を取る)、②空いている選手に展開する(図では菊地)という回避手段がある。要するに、大山を消された程度では2点をリードしている大宮は困らない。
大山を消してもボールは回る
 この状態を最初に打破したのが兵藤の運動量と気持ち。図で見ればわかるが、枚数が足りなくなっている菊地-和田のエリアを兵藤1人で2人分担当する。大宮の菊地はかなり深い位置まで引いてボールを触っているので、相当な距離を走らされることになる。確かにこうして相手にプレッシャーをかけないと”何か”は起きないが、わかっていてもやるのは気持ち的にも体力的にも苦しい。
 それでも実行に移す兵藤。1人で2人を見なくてはならない時点で、戦術的には完全に失敗しているのだが、文字通り2人分の働きをする兵藤の働きにより相手を追い詰め、2点を取られた直後、まずボールを回収することはできるんだ、とピッチ上の仲間や我々に強いメッセージを示したプレーだった。
兵藤の二度追いで蹴らせてボール回収

3)気持ちの裏側


 一方でもう少し俯瞰的にピッチを見ると、2トップに加えて兵藤や宮澤が高いポジションを取り、大宮のDFにプレッシャーをかけるようなアクションを起こせば、必然とその背後は空くことになる。
 通常ハイプレスを敢行するならば、前線に連動して中盤と最終ラインも高く押し上げ、裏にスペースが生じるリスクを承知の上で行うが、札幌のこれは選手主導で行われており、組織としてオーガナイズされたものではないので、最終ラインが連動して押し上げられているというものではない。となれば中盤も最終ラインの裏も中途半端に空いているので、大宮が札幌の前からのプレッシャーをかいくぐり中盤に運べば、裏にスルーパスを通し放題となる。
 特に3トップ気味で前に残っている大前や、大前がブロックに吸収されている時は江坂が頻繁に札幌の右、菊地の背後を狙う。早速55分には大前が完全に抜け出したが、ソンユンのビッグセーブで九死に一生を得た。
中途半端な気持ちプレスは格好の餌

4)マツケン駆け込み寺


 加えて、前掛かりになる札幌に対する冷や水を浴びせる存在となっていたのが、大宮のGK松井を使ったボール循環。下の写真のように、大宮は札幌の人数をかけた守備でパスコースがなくなると、奥の手としてGK松井へのバックパスを選択する。
 松井はこれまでのキャリアで、一時期徳島やセレッソでスタメンを張っていた以外は、プレーをまともに見る機会が殆どなかったが、この試合を見た限りでは足元にそれなりに自信があるようで、こうしたバックパスにヘイスや内村が全力で寄せてきても、簡単にクリアせず近くの空いた選手に繋ぐことができている。クリアさせるならばボール回収の見込みがあるが、繋がれると前線の選手のチェイスは徒労に終わってしまい、心理的にも体力的にも厳しくなる。
マツケン駆け込み寺へバックパスで逃げる

2.2 ペースダウン

1)撤退する大宮


 それでも大宮も徐々にペースが落ちていく。2点のリードを奪ってからは、札幌がボールを持つと自陣に4-1-4-1のブロックを作り撤退し、その傾向は次第に強まり、カウンター狙いに専念したかのような戦い方になる。

 最前線が江坂1枚の大宮が撤退すると、札幌はボールを敵陣に安全に運べるようになる。こうした展開で頼りになるのは福森もそうだが、特に菊地。菊地の右サイドからボールを運び、大宮に対して外のマセードか、中の兵藤や内村か、という二択を強いることができるようになる。普段なら中をオトリにマセードのクロスで都倉の頭…という狙いだろうが、この試合はブロックの間で受ける内村や兵藤を使うことが多かった。

 63分に大宮は大前⇒マテウス。マテウスが右、岩上が左という配置。同じ時間帯に確認できたのだが、札幌は3-4-2-1に近い陣形に変更されている。撤退しての守備時はやはり5-4-1になるが、このことはあまり考慮されていなかっただろう、どちらかというと、兵藤を気兼ねなく前に出せるようにした末に必然の陣形変更だった。
 更に大宮は68分、岩上⇒沼田。明らかに守備固めの意図が見て取れる交代策である。一方マテウスは明らかにとどめの3点目を狙っていた。ペースを落とした大宮の中ではある意味で浮いた存在で、良くも悪くも何かが起こりそうな予感は醸し出していた。
68分~

2)運べども崩せず


 大宮のブロックの前まではボールを運べるようになった札幌だが、そこからの崩しははっきり言って何かパターンがあるでもなく、選手たちの即興でしかない。
 即興は出ている選手の特性で大体方向性が決まる。この試合の場合、即興の中心となっていたのは内村。内村がブロックの中で何度も動き直しを繰り返し、ボールを要求する。大宮のプレッシャーが弱く、ブロックで待つ内村や兵藤、ヘイスに縦パスが入るようにはなるが、そこからどう崩すかは完全に選手任せで、結局は強引な仕掛けや、ペナルティエリア付近で倒れてファウルを貰おうとするような実効性に乏しいフィニッシュに終始してしまう。
間で受ける選手が確保され、縦パスも入るが”次”の仕組みはなし

2.3 怠慢と事故と天賦の才

1)ファイヤーフォーメーション


 73分、札幌の2枚目のカードは河合⇒小野。鹿島戦でも披露された、DFを削って小野をトップ下に置く布陣かと思ったが、よく見ると投入直後は荒野が右DFのような位置で、右でずっと起点になっていた菊地は最終ライン中央に移動している。その後は菊地が右、福森が左の2バックか、荒野が時折落ちてきて3枚になるか、といったところだった。
 攻撃時の役割分担から見ると、小野はそのままボランチの3-4-2-1のイメージが近いと思うが、スクランブル体制なのであまり重要ではないとも言える。監督の狙いは、グループとして何をしろ、というより、とにかく自分が考える最高のキャストをピッチに送り込み選手に何とかしてもらう、というものにしか見えなかった。

2)怠惰と天賦の才


 79分頃に札幌が待ち続けた”事故”が起こる。自陣深くでボールを回収したマテウスが倒され、セルフジャッジでボールを抱えるがノーファウルの判定。ハンドで得たフリーキックを福森が沈めてスコアは1-2。序盤から両チームともに際どいプレーがいくつかあったが、この試合の主審は簡単な接触では決して笛を吹かない。何かを起こしそうなマテウスの、このことを頭に入れていない怠惰なプレーが札幌に味方した。

 フリーキックが決まった直後に大宮は横谷⇒金澤。マテウスのハンドの直前、大宮は5-4-1のような陣形で対応している局面があった。金澤投入直後に再確認すると、金澤アンカーの4-1-4-1だった。5バックを一瞬試してやめたのか、流れの中で一時的にそうなっただけなのかはわからないが、金澤を投入してブロックの密度強化と共に、ブロックの前でのボール保持に対しても強く行けるように、との狙いだったのだと思う。
82分~


3)事故と天賦の才


 ラスト10分、やはりブロックを攻略する術を持たない札幌は、サイドからのクロスに活路を見出そうとする。右からはマセード、左からは福森と菅。しかし確固たるターゲットがいないため、ドンピシャのボールが来ない限り難しい。カードは1枚余っていたが、上原を投入しなかったのは、ピッチ上の選手に対する信頼か、他の何かなのはわからなかった。

 アディショナルタイムの表示は4分。その93:58頃のラストプレー、小野のシュートをブロックし、ルーズボールをクリアすれば大宮は終わりという状況で胸トラップを試みたマテウスがハンド。確かにクリアでいいじゃん、となるが難しいバウンドで、それこそ”事故”のようなものだった。
 ゴール正面左のFK。札幌は遂に上原を投入し、スポットにはヘイスと福森。ゴール裏で見ていて、蹴った瞬間ファーの上原に合わせたのか?と錯覚した柔らかいキックは急激に落ちてゴール左隅に決まった。直後に試合終了の笛。

3.雑感

3.1 試合内容について


 札幌は確かにキープレイヤーの都倉がいないことは大きかったが、選手の質というよりも、前半の内容を見れば両者のチームとしての完成度の差は明らか。結果的に大宮のガス欠とスクランブル布陣が功を奏したが、崩しもフィニッシュも個人の即興(再現性がなく、連動もなく、ボールを受けてから展開先を考えていることも多い)に依るところが大半で、ソンユンや菊地の踏ん張りがなければいつ3点目を奪われてThe endでもおかしくなかった(この点では昨年のフクアリ千葉戦とよく似ていた)。
 大宮は今後浮上してきそうな気配はある。ただ逃げ切れる状況でマテウスを筆頭に、数人の選手がチープな状況判断を連発したことでわからなくなった。

3.2 中断期間後の展望等(チーム戦術)


 何度も書いているが、アンカーを置くチームに対して巧く守備ができていないこと、3バック+アンカーで数的優位にも拘らずボールを運べなくなっていることが深刻で、中断期間を利用して巧く改善する必要がある。

3.3 中断期間後の展望等(選手)

1)前線はマルチタスクをこなせる(複数のツールを持っている)選手が必須


 札幌は後ろに人数をかけるため、どうしても人数を割けない(2トップなのでせいぜい2人)前線に、攻撃時にマルチタスクをこなせる選手が必須だと言える。
 …例えば
 ①ビルドアップで詰まった時の空中戦のターゲットになる能力
 ②ビルドアップ時に裏抜けで奥行きを作る能力
 ③ビルドアップやカウンター時に個人でキープして陣形を整える時間を作る能力
 ④カウンター時にドリブル等で前に運ぶ推進力
 ⑤遅攻時にDFやMFの間で受けてボールを収める能力
 ⑥ブロックを作る相手に対してドリブル等で仕掛けてブロックを破壊する能力

 といった、札幌が攻撃を構築するための「ツール」があるとする(各ツールもレベル、程度があったり、重要性も異なるが、ここでは単純に 持っている/持っていない で考える)。

 これらを複数を都倉は個人で持っていて(①②④)、加えて後ろの人数が足りなくなった時の強烈な守備貢献(ブロックに加わりつつも攻撃時に④のようなツールを出せる)、という特性がある。内村は②⑤、という2つのツールがある。ジュリーニョは④が最も特徴で、物足りないが①や③もある程度は期待されていた。ヘイスは③をJ1レベルで持っている札幌で唯一の選手で、状況次第で④や⑤も出せる。金園は①③をそこそこのレベルで持っており、札幌の場合まともに縦パスが入らないが、⑤も必要に応じて試みている。
 こう考えると「FW・菅」はシュート以外に現状何ができるのか、ということになってしまう。またルヴァンカップで積極的に前線で起用されていた上原は、都倉に似た身体的資質を持っており①②等が期待されていたと思うが、J1を物差しとして見たときには物足りないという結論が確認できた、といったところだったか。

2)新加入の2人のツールは?


 新加入するチャナティップとジェイ(ボスロイド)については、前者はACLの映像などを見た限りでは、おそらく④⑤⑥が出せる。特にカウンターで機能する④と、遅攻で重要な⑤⑥を持っているのは札幌の選手では非常にレアで、スタメンで使ってもいいが、後半の切り札と考えても非常に有益なのではないかと予想する。
 後者は①は間違いなくある。磐田での姿を見ると③もある。但し守備の問題を考えると、後半ビハインド(まず守備から、ボールを回収したい)という状況でどこまで機能するかが不透明ではある。

<野々村芳和社長の「クオリティ」の意味を改めて考えよう


 加えて得点パターンを考えると、札幌の場合、相手ブロックを崩すことは期待できないので、
 a)相手がブロックを作り切れていないうちに、長い距離を走ってのカウンター
 b)ブロックをある程度無視できるサイドからのクロスによる空中戦
 c)セットプレー
 といった3領域で、何らか質的優位を確保したい。
 ここでも都倉はb)が強力で、a)でも得点できる。ヘイスやジュリーニョは身体はゴツイが空中戦は普通(但しジュリーニョはセットプレーでの得点力がある)なのでb)は質的優位にあるといえない。内村が現状使いずらいのは、フィニッシュがサイドからのクロスに偏る中で特徴を活かしずらい(どちらかというと、この試合ではフィニッシャーではなくMFとして持ち前の特徴を活かして機能していた)。

 まとめると、試合のスタートから使うには、守備ができることが大前提で、この前提条件を満たしたうえで、攻撃の構築とフィニッシュにおいて、現状の札幌のスカッドで最も多くのツールを持っている選手が都倉。かつて野々村芳和社長は前田俊介やナザリト、小野伸二を「クオリティのある選手」として挙げていたが、個人的には、札幌においてクオリティのある選手とは、都倉のように多様なツールを持ち、戦い方に幅をもたらし、またチームの負担を軽減させられる選手を指すのではないかと思う。

6 件のコメント:

  1. |´・ω・)ノこんばんは~ にゃんむるですー。
     忙しくて2試合続けてハイライトのみです・・・。
     生観戦したいのぅ・・・。
     でも前記事とこの記事と精読して、ふむふむ言いながら想像力働かせつつ試合こんな感じだったんかなーと精神的に満足してるふりでごまかしてます。さびしいのぅ・・・。

     復帰組と新加入組が合流して少々にぎやかに、そして戦力的に充実して後半戦も頑張って勝ち点稼いで行ってほしいですね。ジェイとヘイス。二人のからみが観たいです。そして増川様早く元気になってください。もう気持ち的に悟空を待ってるクリリン状態です。
    8月中旬まで生観戦できないっぽいんで、ここの記事楽しみにしつつ応援していきますわー。

     次回もマッタリ期待してますー。
     んでわまたのー(・∀・)ノ

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    1. >にゃんむるさん
      端的にいうと、ここ数試合の傾向とあまり変わらない中で、細かな問題の解決策を選手の個に求めているような印象を受けます。中断期間後どうなっているか注目です。私はセレッソ⇒マリノス⇒甲府と3試合見てきますのですれ違いですね 笑

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  2. いつも楽しみにしています。
    アンカーにマークをつけないのはカウンター要員を前に残してセンターバックとボランチの間のスペースを狙っているからだと思います。
    損して得取るみたいな
    去年はJ2でしたし増川がいたのでサイドから放り込まれても大丈夫でしたからね。
    今年は相手はJ1で崩しのパターンが増えましたがボランチの枚数を1枚増やすことで押し込まれても何とかなるはずって考えとしか思えません。
    ビルドアップしてミスから失点するのは避けたいので奪ったら前に蹴って陣地回復のためにも
    前線は最低でも2枚残しておきたいってことでしょう。
    あと菅ちゃんはユースまでFWでしたがやることが限定されているサイドのほうが活きると個人的に思っています。
    四方田さんは長期的な視点で守備は経験を積めば改善されると踏んでいるのかもしれませんが、どうなりますかね。
    あとチャナティップは③が非常に得意な選手ですよ。
    小柄ですがキープ力ありますね。
    ②もスピードと体力を考えたらやれるはずですが足下に要求しすぎるので
    小野ではなく内村を見習ってほしいですね。
    ジェイは⑤の役割はある程度できますが、やりすぎて名波監督からあまり下がってこないように言われていました。
    ペナの中で勝負させたほうがいいですもんね。④は若い時の映像ではやってました。
    参考になれば幸いです。
    いつもブログ拝見させてもらって
    J1で楽しくない試合が続くシーズンを楽しませていただいています。

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    1. コメントありがとうございます。
      私の読みにくい文章を隅々まで熟読していただいたことが伝わります。今後ともよろしくお願いします。

      1)アンカーのケアと前2人残りのカウンター
       個人的にもその意図は理解しています。私は今の札幌に関し、優先順位としてCBよりもアンカーをケアしない限り、延々と回され走らされ、仮にスライドがうまくいったとしてもジリ貧になってしまう、という懸念をしています。ずっとマンマークでアンカーに付いていろ、と言っているわけではなく、アンカーのケアをすることと、攻撃時に2トップが起点になることは両立できるはずです。
       具体にどうすべきという話では、バルサの対戦相手が2トップで挑む際に、片方がブスケツを見て、もう片方がCBを見るのを2人で受け渡しながら行っているようなイメージです。今札幌がやっているような基準も不明瞭のまま走らされる、付いていくよりは遥かに効率的だと思います。

      2)チャナティップとジェイ
       まだちゃんとプレーを見た人が少ないと思うので色々言われてますが、対人プレーで体をうまく使って自分の懐にボールを隠せる(イニエスタっぽさも感じます)ので確かに③も期待できそうですね。
       問題はスタートで使う場合、システムをどうするかで、ムアントンでは4-3-3の左インサイドハーフだったのを見ていますが、対戦相手との力関係を考えると、タイ代表の4-2-3-1のトップ下の方がより参考になりそうです。となると3-5-2だとやはり2トップの一角しかないでしょうかね。
       ジェイは枠(外国人枠、スタメンで使える前線の選手の枠)を考えると、ヘイスの代替じゃないかと勝手に思っています。ミンテがここ2試合スタメンを外れたのは間違いなくジェイと関係ありそうですが、ミンテ中盤で荒野サイドとかも使えるので、個人的にはプライオリティが高い選手だと思うんですがね…

       なかなか勝てませんが私はJ2よりはJ1の方が楽しいです。J2の1/4くらいは戦術的な意図もあまり感じられないような蹴りあいとかだったので、今年降格したら毎試合記事を書くのは気持ち的にきつそうです。

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  3. 菅はPAのような混戦地帯にいるよりもWBである程度“助走路”があったほうが活きるのでしょうか。

    さて、ジェイボスロイドとチャナティップですが大雑把に分けるとジェイはボールを受けてナンボ、チャナティップはボールを持ってナンボということになるでしょうか。ジェイはPAでデンと構えてもらって空中戦で勝つというのが主なタスクになろうかと思いますが、チャナティップがどこまでやれるかが後半戦の攻撃のカギになるのかなとみています。イメージとしては古田が一番近いんですが、親善試合ではスルーパスも出すなど何が何でも自分で行くってプレースタイルでもなさそうなのでスーパーサブ的な起用で局地戦を仕掛けるように注意を向けつつジェイが受けに戻ってきたところにできたスペースに裏抜けなんてことができればかなり面白いことになるのでは。

     3-4-2-1も試しているようですが、この3-4-2-1が浦和戦対策だけのものなのか、あるいは攻撃のオプションとして機能させられるのかも興味深いですね。ジェイとチャナティップの加入でジェイ1トップの2シャドーを組むのが持ち駒を生かすには一番適しているように思いますが、守備ブロックを作ることと両立できるかはなかなか難しいようにも思えます。人につく守備を重視するならまた話は変わるんでしょうが…。

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    1. >フラッ太さん
      選手特性から考えると私も同じ印象ですね。ただ、ジェイが機能するにはクロスボール、チャナティップが機能するには楔の縦パスが必要…と考えると、実は今のチームだとジェイの方が即効性がありそう、というか、結局クロスも縦パスも最大の供給源は福森だから福森次第じゃないかとここで予想しておきます 笑

      去年と同じで、3-4-2-1は結局持ち駒から逆算してキャスティングを組むと必然とそうなるんだろうな、というところですね。守備はもう…やってみないとわからないですね…。シャドーで使われることで、都倉並みに走れて頑丈なスーパーヘイスに変貌するという展開でも期待するしかないかもです 笑

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