2026年9月20日日曜日

2026年9月19日(土) 明治安田J2リーグ第7節 北海道コンサドーレ札幌vs大分トリニータ 〜パズルのピースは合っているか〜

1.スターティングメンバー



  • 大分の2025シーズンは8勝14分16敗の勝点38でJ2・16位。シーズン途中の8月に片野坂監督が退任し、竹中監督が残留に導いたのち、百年構想リーグからは四方田監督が就任しましたがWEST-Bの7位、順位決定戦を経て最終27位に終わっています。
  • 夏のマーケットで西村、小田、林田といったこのカテゴリではスタメンクラスの選手を加え、J2ここまでの戦績は湘南に敗れてのスタートから、仙台に0-0、いわきには4-1で勝利し、その後は徳島に0-1、今治に1-1、前節は首位の大宮を相手に0-0。6試合で失点5は評価できるとして、いわき戦を除くと得点は5試合で1にとどまります。
  • メンバーはGKムンキョンゴン、DF三竿、ペレイラ、宮川、WB小田と宇津元、中盤の林田、前線の有馬あたりがここまでは固定。西村は前線と中盤の両方でキープレイヤーですが、今節即スタメンとなったマテウス レイリアの加入に伴い今後は中盤での起用が増えるかもしれません。

  • コンサは前節のvs仙台からスタメンは木戸→堀米の変更のみ。福森、真田がベンチ入り。


2.スタッツ



3.試合展開

2つのシステムの中間で:

  • 大分の開始5分の最初のコーナーキックでGKムンキョンゴンがターゲットとしていきなり攻撃参加するという衝撃的な、しかし百年構想リーグでもずっとやっていたという謎プレーで開幕します(大分サポーターへ:あれは何なんですか???)。

  • それはどうでもいいとして、コンサのDFがボールを持っている時の大分は、DAZN中継で陣形を確認することが難しい程度のDFライン設定だったと思いますが、試合後のコンサの西野のコメントを見ると5バックで守っていたのだと思います。
  • チームとして見ると、一般的な1-5-4-1または1-5-2-3の陣形からやや変則的でした。右シャドーのマテウスレイリアが林田の隣にいて、この選手は内田を意識しており、内田の攻撃参加を止めるために下がってくる時はほぼDFのところ、自陣のペナルティエリアまで下がってきます。

  • 左シャドーの木本はFWの有馬と並んで2トップのようになっていることが多く、中央で2トップとしてアンカーを消しながらコンサのCBやGK対し前に出てアプローチをすることが前半から何度かありました。
  • コンサの右SB髙尾のところがフリーというか、髙尾の前のスペースが空いているし髙尾を見る選手もいない。ここは例えばコンサが左から右に横パスして髙尾に渡ると、WBの宇津元が5バックを崩して前に出てきたり、ボランチの西村が前に出てきたりして完全に放置しているわけではありませんでした。

  • いつもこういう変則陣形なのか?と思って前の試合(vs大宮)を見ましたが、この試合は大宮のアンカーの前に1トップが立ってシャドーは2人とも同じ高さにいることが多かったです。
  • ただその前の試合、vs今治を見ると3バックの今治に対し、左シャドーの木本が出てくることはあるけど右シャドーの西村は出てこないでボランチの隣を埋めているようなことはありました。
  • 本来前線の選手のマテウスレイリアがやると理解が難しかったですが、西村のような1.5列目と2列目兼任の選手がやるとわかりやすいというか、2ボランチと3ボランチのシステムの中間のようなイメージなのかもしれません。

いきなり中心選手として君臨:

  • そのマテウスレイリアが加入1週間足らずにして、大分の攻撃においていきなり、非常に重要な選手として君臨していました。
  • 大分が何らかコンサのボール保持を終わらせることに成功したとき(適当に前に放り込んでくるのを待つ、などして…)、↓のように大分の1トップ有馬とコンサのCBとアンカーの梅津が中央付近にいることが多く、左右のサイドは空いており、ここにまずマテウスレイリアが毎回出てきてスペースでボールを引き出すところから大分の攻撃がスタートします。

  • マテウスレイリアはめちゃくちゃ足が速いわけでもなくて、かつ右利きなのでゴールから遠ざかるプレーをするというか、コンサ陣内に入ると右サイドのタッチライン付近でのプレーが多くなります。
  • コンサは以前のように2列目とFWの守備というかプレスバックへの意識が非常に低い…という問題は、長谷川の起用などで解決しており、大分がコンサゴールに高速で迫ることができないと、そのまま直線的にカウンターアタックでシュートに持ち込むことはできなくなる。

  • コンサは大分のカウンターに対し、DFがまず帰陣して、時間を稼いだら前線の選手がプレスバック、という2段階での対応は割とできている印象でした。
  • しかしこの時、大分の右サイドに流れているマテウスレイリアがボールを持っていると、1人で対面の帰陣した内田やカバーリングしている堀米をぶち抜くほどの強引さはないとしても、コンサの対面の選手から遠いところにボールを置いてボールを隠すのが上手く、突破はしてこないけどマテウスレイリアから簡単にボールを取れないとかボールにアタックできない状況がありました。もしかすると、内田も堀米も身長が高くないため、身体的なリーチの差もあったのかもしれません。

  • 大分はこのマテウスレイリアの能力や特徴に、加入4日でどこまで気づいていたのかはわからないですが、この選手がボールを持つとボールを取られないとの信頼や共通理解がすでにあるのか、ゴール前やポケットに選手が飛び出してきていわゆる厚みのある攻撃になっていました。前半だけでこの右クロスから3度ほどシュートチャンスを作ることに成功しています。

パズルのピースの試行錯誤は続く:

  • コンサのチーム状態は、プレシーズンからの構想だった前線に唐山、ヴィニペイショットといった選手を並べる形が早くも頓挫して、選手の組み合わせ探しをまだ試行錯誤しながら行っている状況かと思われます。
  • この試合は中盤を梅津と堀米のこれまでにないユニットとして、前節の木戸がアンカー、梅津がより前で動く役割ではなく、梅津がアンカーで堀米を前に出す役割としました(堀米が左で前にいるので、荒野は右に移動)。
  • ただCBで苦戦している(ボール保持時にナーバスになる)梅津がアンカーというより難しいポジションで前を向くことは容易ではなく、逆に堀米は本来バランスを取る、全体を気にすることが特徴の選手なので、前である程度自由というか相手ゴール前でのプレーに関与する役割を与えられると戸惑いなのか、積極的に前方向にプレーすることができていなかったと思います。

  • まずこのコンサのボランチ2人が前を向く、前方向にプレーすることができないことと、大分の配置上ミスマッチになりやすい髙尾の役割が後ろで出し手なのか、前で受け手なのかをコンサは見出すことができず、この右サイドをうまく使うこともできていませんでした。
  • こうした問題があって、コンサは大分のボランチ2人を動かすことができないまま、縦にボールを蹴ることがありましたが、大分は大森にボールが入ってもボランチがプレスバックしてCBと挟んで対応することができるので、中央で効果的な攻撃にならずコンサは散発的な攻撃に終始します。

  • 大分が25分くらいから少しずつボールを持てる時は保持しようとしていましたが、コンサの前半唯一の決定機は、大分の自陣でのボール保持を引っ掛けて、白井がスルーパスから大森がGKムンキョンゴンと1v1になったところでした(ゴール右に外して枠内に飛ばせず)。

令和8年ですよね:

  • 後半開始早々の47分にコーナーキックからの二次攻撃で、有馬が合わせて大分が先制します。
  • コンサのコーナーキックでの守り方は一時期のスペースに人を何人か置いておくやり方から、マンツーマン主体にかなり変わっているように思えます。大分は田川の周囲に最初に人を置いてブロックさせる意図があったのでしょう。
  • 荒野が頭でクリアしますが、そのボールが宇津元の足元、かなりいいところに転がったため、コンサは押し上げて大分の選手をゴールから遠ざけることも難しい状況になってしまいました。
  • 一応、梅津も宇津元を手で触って放さないように気をつけていたとは思いますが…プロで実績のある宇津元の方がうまくマークを外して一枚上手でした。

  • 55分にコンサは大森・堀米・白井→唐山・宮澤・青木の3人を交代。青木は右、宮澤は堀米の役割…左インサイドハーフに入ります。
  • ここからの宮澤は直近の3〜4年でもおそらくベストかもしれないパフォーマンスでした。左のハーフスペースでパスを受けて前を向く、右からの展開ならゴール前に入っていくシャドーまたは攻撃的MFの役割をひたすら続けることで、コンサはようやく前方向にプレーできるようになります。
  • また青木も右での役割に適応しつつあるのか、縦突破を見せたり1度中央からの枠内へのミドルシュートがあったりと、この交代も当たりでした。

  • 大分が67分にシャドーのマテウスレイリアと木本→有働・古川の交代を行って、大分は殆ど前に出てくることがなくなり右サイドからのカウンターもなくなります。
  • 68分にコンサは長谷川→ヴィニ、76分に荒野→福森(さすがにトップ下ではなく後ろにいました)。大分は77分に小田→茂で、この茂がヴィニの突破をよく抑えていました。
  • 福森投入後は布陣がどうなっているのか確認することも難しいくらいオープンというか、コンサが押して大分が耐える展開になります。終盤大分は時間を使い切って逃げきりか…と思ったところで、福森の放り込みに宮澤が突っ込んで、こぼれ球を青木がうまく押さえて押し込んでコンサはなんとか勝ち点1を得ました。

4.雑感

  • 大分相手、四方田監督相手ということでコンサがボールを持てる、大分が捨ててくるのは想定通り。ただ相手の構造や守り方を探ったり理解するという意識がほぼ全く感じられませんでした。
  • 例えばヨーロッパのトップリーグのクラブだったら、ピッチを広く使ってボールを動かして、どこで誰にボールを渡したりフリーになるとか相手の守備がどうカバーリングしてきて誰がズレるのか?ということを探るのは当たり前になっていますが、この試合でいえば明らかに大分が空けている髙尾のところがポイントになるはずでしたが、そこから何らか突破するとか作があるのか?と思って見ていましたが90分間特に何も意図が感じられず、率直に言ってボール保持の質はかなり低いと感じました。

  • 以前も書きましたが、コンサは前線にシャドータイプというか味方が潰れたり体を張ってくれないと前を向いてプレーすることが難しい選手が多く、その潰れたり体を張る選手がかつてはジェイだったり、(復帰後の点は取れなかったけど)鈴木武蔵だったりがいて、またチャナティップは潰れ役がいなくても1人で前を向ける能力がありましたが、今はそうした選手がいない。
  • 宮澤が中央というか左のハーフスペースで受けるだけでなく、ゴール前に飛び出す役割も担っていましたが、本来は荒野が前線での起用ならそういった役割も担わなくてはならない(前線守備だけだと物足りなさすぎる)し、もしくは大森が比較的潰れる傾向があるので、トップ下にその大森と相性がいい、よりゴール前でのクオリティがある選手を起用するとかも考えられるかもしれません。
  • 理想は潰れ役がいなくてもポゼッションから相手を外して前を向かせられるといいのですが、現状はシャドータイプばかり集めて難儀しているのがここ数年続いています。

  • 最後は福森投入からのいつメン大集合、同窓会のようなピッチ上になって追いつきますが、おそらくシーズンを通じての稼働が難しいので今後もオプションに留まるでしょう(同窓会なので。そう頻繁に集まれないし開けないので)。それでは皆さん、また逢う日までごきげんよう。

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