2019年3月16日土曜日

プレビュー:2019年3月17日(日)明治安田生命J1リーグ第4節 北海道コンサドーレ札幌vs鹿島アントラーズ

 最近は試合後にあーだこーだ書くレビュー記事は飽和状態というか、試合前に書くプレビュー記事にスポットが当たってきた模様。不定期になると思うが、今回初めてプレビューらしいプレビューを書くことを目的に投稿する。
 noteで書こうと思っていたが、こっちのブログでやれ、との意見が結構多かったので、初回はこちら。





1.予想スターティングメンバー

予想スターティングメンバー
・札幌:
 ×(欠場濃厚)…駒井
 ▲(出場微妙)…中原、ジェイ
・鹿島
 ×(欠場濃厚)…鈴木、伊東、山本
 ▲(出場微妙)…なし

 札幌は水曜日のルヴァンカップから中3日、鹿島は火曜日のACL(vs山東魯能、アウェイゲーム)から中4日。札幌はここまでリーグ戦とカップ戦でほぼメンバーが分かれている。負傷者が出ない限りはこの11人だろう。ジェイは水曜日のルヴァンカップで途中交代。出場が厳しい場合は、岩崎のリーグ戦初出場があるか。

 鹿島は2018シーズン同様に、メンバーを半分程度入れ替えながら二足の草鞋を履き続けるようだ。例外的にGKはクォン スンテで固定。以下、各ポジションでプライオリティが高そうな順に、SBは右に内田と平戸、左は安西(⇒の2番手でもある)と山本、CBはチョン スンヒョン、犬飼、町田(左SBもあり)、中盤センターはレオ シルバ、永木、三竿(コンディションが上がれば永木よりも上か)、攻撃的MFは土居、安部、レアンドロ、遠藤、FWは伊藤、セルジーニョ、山口、金森。負傷の鈴木が帰ってくれば一番手か。
 3/9の湘南とのリーグ戦、3/13のACLに連続出場している選手はGKの他、犬飼、町田、レオ シルバ、伊藤。湘南戦のメンバーをベースに、CBは犬飼か町田、中盤はレオシルバか三竿、FWは土居かセルジーニョのチョイスになりそう。札幌戦後、国際Aマッチウィークに伴いオフに入ることもあり、休養よりもベストメンバーで戦うことを優先するかもしれない。

2.戦術面の一言メモ

2.1 札幌

・ボール保持:ビルドアップはミシャ式5-0-5ベースの形からロングフィード主体。崩しは閉塞すると大外の仕掛けによる。
・ボール非保持:リーグ戦ここ2試合はミドルゾーンで5-3-2(5-1-2-2)ブロック。後方に5バックを余らせ、2トップはハーフスペース消し、中盤3枚はマンマークで相手の中盤をケア。
・攻撃→守備の切り替え:5トップが前張りをしている前提だと、中盤2枚(荒野、深井)は即時奪回を目指す。後方は無理せず枚数確保。
・守備→攻撃の切り替え:2トップ気味で前残りしやすい武蔵とアンデルソン ロペスをまず使う。ロペスは背負ってのキープ、武蔵はターゲット兼裏抜け担当。
札幌ボール保持時の予想マッチアップ

2.2 鹿島

・ボール保持:ビルドアップは放り込み主体。CB2枚と内田。中盤センター2枚はサリータ・ラボルビアーナ(CBの間に落ちるやつ。通称サリーちゃん)はせずセカンドボール回収&トランジションに備える。ゾーン3(敵陣ゴール近く)に侵入すると即興ベースだが、セカンドトップ(予想スタメンではセルジーニョ。他は土居。)がボールサイドに寄ってくる等の傾向はある。
・ボール非保持:4-4-2でセットしてハーフウェーライン付近から守備を開始。マンマーク主体。自陣ゴール前で人を捕まえる守備から逆算。最終ラインが足りないなら中盤を下げて枚数を合わせてから捕まえることも。
・攻撃→守備の切り替え:2トップを残してショートカウンター狙い。無理ならサイドに流れてキープ等で陣地回復。
・守備→攻撃の切り替え:ゾーン3では即時奪回を目指す。
鹿島ボール保持時の予想マッチアップ

3.試合のポイント


3.1 札幌ボール保持時のチャナティップ対応と札幌の戦術的応酬


 恐らく99%に近い確率で、鹿島は攻守ともに4-4-2系の陣形でプレーし、守備時はマンマーク基調のやり方で対抗してくる。となると札幌は1-3-4-2-1、攻撃時に5トップを鹿島の4バックの間に位置取りさせたい。第2節浦和戦で低い位置で組み立て役を担ったチャナティップは、第3節清水戦同様にこの試合もより前目での運用が考えられる。

 予想マッチアップ(上記2.1)はこの想定で作図しているが、鹿島は1列目と3列目でミスマッチができる。1列目の枚数不足を解消するために特攻したのが昨年3月、最終ラインの枚数確保を優先したのが昨年9月の対戦だった。素直に考えると後者だろう。前節湘南戦も3-4-2-1の相手に対し、自陣からの守備でミスマッチの影響を小さくする戦い方をとっていた。
 但し、最終ラインの+1を担うのは9月はサイドのMFだったが今回は永木(三竿の可能性もある)。永木はチャナティップに密着マークで、CB2枚で長身の2選手を見るのが自然。
札幌ボール保持時は永木がチャナティップをマークすることが予想される


 鹿島が引いてくるなら、札幌は永木が移動した後の中央を狙えるか。清水戦では宮澤の見事な攻撃参加があった。期待するのは福森。ここまでリーグ戦3試合ではまだおとなしいが、中央でもプレーできる素質はある。鹿島が予想通りの対応ならば、福森の振る舞い(サイドだけでなく中央を使えるか)がキーになりそうだ。

3.2 内田を抑えるか、スペースを埋めるか


 いつぞやのハリルホジッチ風に言えば、「現代サッカーでは4-4-2ならSBにしか時間はない」。マッチアップを見る限りでは、日曜日に札幌と対峙する鹿島にも同じことが言えそうだ。
 内田と安西の位置取りと役割は異なる。安西はなるべく高い位置取りを狙い、仕掛けを狙う。ルーカスとの主導権の握り合いになるだろう。
 但し、その安西にボールを届ける選手が必要。前線にボールが供給されやすそうなのは、どちらかというと鹿島の右サイド。内田はあまり高い位置取りをしない。ファルファンを走らせていたように、後方から組み立てを担う。
鹿島の起点は内田だろう

 2.2に書いたように、鹿島のセカンドトップはサイドに流れてボールを引き出す動きをよく見せる。菅が内田に出ていけば、その裏をセルジーニョは必ず狙うだろう。かといって内田を放置すると、アンカー深井の脇への対処が非常に気になるところ。
深井の脇は鹿島の狙いどころ

3.3 ネガトラ阻止なく、勝ちはなし


 ボール保持/非保持の両局面以上に重要なのがトランジションを巡る攻防。前回9月の対戦も、札幌はそこそこボールは保持しながらトランジションから失点を許し敗れている。
 札幌のトランジション対策において生命線は荒野。元々得意だった守備→攻撃に加え、攻撃→守備の対応においても今や駒井不在を感じさせないほどの存在感を見せる。荒野が中央で対峙する三竿(レオ シルバなら更なる難敵となりそうだ)、安部らとのパワーバランスは試合展開を左右しそう。
札幌のネガティブトランジションは荒野の出来に依るところが大きい

もしくは、そうしたネガティブトランジションの機会をなるべく少なくするオフェンスが札幌にできるか。これまでとの札幌の最大の違いは、右サイドのルーカスの存在。清水戦の3点目(ロペスが溶鉱炉にダイブした)もそうだが、ルーカスの仕掛けはニアサイドでの決定機創出という新たなオプションをもたらしている。ボール保持からの前進はそれなりにできそうなので、ルーカスが仕掛ける機会はそれなりにあるだろう。


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