2017年6月20日火曜日

2017年6月17日(土)18:30 明治安田生命J1リーグ第15節 鹿島アントラーズvs北海道コンサドーレ札幌 ~理解と浸透の絶対的不足~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-5-2、GKク ソンユン、DFキム ミンテ、河合竜二、福森晃斗、MFマセード、宮澤裕樹、荒野拓馬、兵藤慎剛、早坂良太、FW都倉賢、ジュリーニョ。サブメンバーはGK金山隼樹、DF上原慎也、MF菊地直哉、小野伸二、FW内村圭宏、金園英学、菅大輝。5/31のルヴァンカップ柏戦後に離脱していた小野がサブに復帰。その柏戦で試した右マセード、左早坂という布陣をリーグ戦では初めて採用している。一方で横山は右足首痛で帯同せず。
 鹿島アントラーズのスターティングメンバーは4-4-2(4-2-2-2)、GK曽ケ端準、DF西大伍、植田直道、昌子源、山本脩斗、MF小笠原満男、三竿健斗、FWペドロ ジュニオール、土居聖真。サブメンバーはGK川俣慎一郎、DFブエノ、伊東幸敏、MF遠藤康、永木亮太、FW金崎夢生、鈴木優磨。
 ACLでの敗退(決勝トーナメント1回戦で広州恒大にアウェイゴールの差で敗退)を受け、石井正忠前監督が解任され、大岩剛氏が新監督に就任しての2戦目。前の週のAマッチウィークでは、アジア最終予選を戦う代表チームにクォン スンテ、昌子が招集され、いずれも90分フル出場しているが、2週間のリーグ戦中断期間中にペドロ ジュニオール、金崎、遠藤が復帰しているのはプラス。レオ シルバ以外は軒並み主力が戻ってきている。

※この記事は7/8大宮戦後(リーグ戦中断期間中)に作成しました


1.前半


 結末から先に言うと、前半30分で鹿島が3点を奪い勝負は決した。特に前半2分という早い時間帯の先制点により、札幌の思い描いていたゲームプラン…”引いて食い止めてカウンター”はあっさりと瓦解。
 それでも残り90分あるので、耐え忍べばチャンスは来るとみていたが、札幌はバランスを崩してどんどん前に出てくる。カウンター狙いの鹿島に格好の餌を与える形で自滅への道を歩んだ札幌であった。

1.1 重すぎる先制ジャブ

1)マッチアップ


 キックオフ直後、札幌がいつも通り相手にボールを譲り、ブロックを作って撤退するところから見ていく。鹿島と札幌のシステムのかみ合わせは以下の通りで、鹿島は4バックだが三竿がアンカーとして振る舞い、札幌が2トップで数的同数の局面を作ろうとすれば最終ラインに落ちて3バックになる。
鹿島ボール保持時のマッチアップ

2)揺さぶり一発でズレる札幌


 鹿島は最終ラインでボールを左右に動かす。試合序盤ということで、札幌に対する”様子見”でもあるが、崩しの”仕込み”でもあると思われる。
 札幌はやはり、”いつも通り”の対応を見せる。インサイドハーフがSBの位置まで出ていく。鹿島の最終ラインを経由してボールが反対サイドに回れば、逆サイドでこれを繰り返そうとする。
 しかし開始2分の先制点に繋がる局面では、最終的に鹿島の右サイド…SBの西が起点になっているが、兵藤は西に当たることができていない。これは兵藤がサボっているのではなく、ピッチの横幅68メートルを鹿島のパススピードでボールを動かされると、3人のMFで守り切ることはそもそも人間の能力的に厳しいということになる。
左右の1往復で早速スライドが間に合わなくなる(大伍がフリー)

 札幌が5-3-2で守備をするようになって、個人的にもこのシステムで守るチームの試合を見る機会が増えたが、本来中央を守るべき選手として配しているインサイドハーフをあまりワイドに動かしすぎると、肝心な中央が空いてしまったり、逆サイドが見れなくなったりとなってしまう。前半開始早々でまだ体力もある段階で、スライドが追いつかなくなる札幌は、明らかに”動かしすぎ”の部類に入ると思われる。

3)チェーンの分断


 崩しの起点となる西に、札幌のスライドが追いつかない状態でボールが入った時が、鹿島の攻撃のスイッチの一つ。フリーの西に対してはWBの早坂が一列上がって対応するが、鹿島は早坂の背後に2列目の選手又はFWを送り込む。先制点の場面では土居だった。
 土居に対して福森が対応すると、中央は河合・ミンテ・マセードの3枚のみ。5バックのはずが2枚が欠けている。そして札幌の守備はゴール前では基本的にマンマーク気味に人を捕まえる対応をするので、河合はレアンドロ、ミンテはペドロ ジュニオールに付くと、福森-河合の間はゾーンディフェンスとはとても言えないようなスペースが生じ、5枚の最終ラインが組んでいた”チェーン”が断絶した状態となる。
それぞれ人を見ているので5バックのチェーンは分断

 中村がここに走りこめば、簡単に深い位置までサイドをえぐることができる。えぐられてようやく河合がマーカーを捨てて対応するが、これによりレアンドロとペドロ ジュニオールへのマークがずれる。
 最後は中村がファーサイドへ浮き球のクロスを送り、山本が飛び込んで頭で押し込む。2点目もそうだが、サイドの深い位置をえぐった状態からの落ち着きようをみると、ファーサイドへのクロスは完全にスカウティングの通りのプレーだったと思われる。

1.2 気持ちはあるがバラバラ

1)前から追いかける


 先述のように、先制されたといってもまだ90分ある。焦る状況ではなかったと思うが、札幌は先制点を献上すると急に慌てだしたかのようにそれまでと姿勢を変え、鹿島のボール循環を高い位置で追いかけまわし始める(もっとも、元々そういうプランだったのかもしれないが)。
 守備の先鋭隊となるのが2トップの都倉とジュリーニョ。これも”いつも通り”なのだが、札幌の2トップは守備の基準点を2人のCBに置いている。一度SBを経由し、CBへと戻されたボールを片方が狙い、もう一人のCBに出されたボールをもう片方も追う。
2CBに2トップを当てる

2)アンカーは誰が見る?


 しかし図を見てわかる通り、このやり方では2人のCBの間にポジショニングするアンカーの三竿をどうするの?という問題が生じる。ものすごく単純な構図なのだが、札幌は終始アンカーをケアできていないので前からどれだけ追いかけてもプレスが成功しない。
 この試合、ジュリーニョが前半から果敢に植田を追いかけていたが、三竿を使って鹿島が回避すると「なんで誰もいかないんだよ!」というような(?)激しいリアクションを見せていた。この反応はもっともで、2トップがどれだけ守備をしても無意味なものになってしまう。
アンカー三竿は放置でいいのか?

 この”欠陥”に最初に問題意識を抱き、行動に移したのが兵藤。自身のポジションを捨て、前線のサポート…三竿をチェックする。
 しかし兵藤が持ち場を離れれば、今度は(一応ゾーンで守っているけど事実上兵藤の担当である)西がフリー。起点となるSBを空けたままにしておくわけにはいかないので、兵藤も三竿を見ることは断念せざるを得ない。
兵藤が三竿を見ようとするが西がフリーに

1.3 指揮官の選択の裏には理解と浸透の絶対的不足

1)早坂の裏


 筆者の近くの席で見ていたサポーターから、「さっきと同じじゃねえか!」と怒号が聞こえた15分の鹿島の追加点。サポーターの指摘の通り、またも鹿島の右・札幌の左サイドをえぐられ、ファーサイドへのクロスを叩き込まれての失点だった。
 西のスルーパスに中村が反応したときの状況が以下。最終ラインは左から、①中村に裏を取られた早坂、②引いた土居を潰しに行った福森、③特に守備対象となる選手がいない河合、と並んでいる。
早坂が裏を取られたところ

 この試合、何度も裏を取られた早坂については、平川弘氏も酷評していたが、そもそも論としてはゾーンディフェンスで守っているならば、背後のスペースをカバーできるようにゾーンを敷いておく必要がある。

2)背後を守る関係構築ができていない札幌


 5バックだろうと4バックだろうと、ゾーンディフェンスの守り方は基本的に同じで、↓の図(Twitterでのやり取りで使った図で、この試合に出ていない選手の名前もある)のように、ボールホルダーに近い選手(図では兵藤)がポジションを取ると、味方はその斜め後ろで、パスコースを切りつつ、互いに背後のスペースをカバーできるようにポジションを取る必要がある。
コースを切り、背後をカバーする

 しかし札幌の守備のやり方は、ゾーンを基調としてはいるものの、部分的にマンマーク気味に運用している箇所がいくつかある。一つは冒頭でも触れた、2CBに対する2トップでの守備。もう一つはゴール前、相手2トップに対する3バックの守備。1トップのチームに対してはゾーンで守っているが、2トップのチーム相手だとほぼマンマーク気味に守っている。
 となれば下の図のように、札幌の左WB(図では菅)の背後を守る関係が、福森との間で構築されていないので、菅が裏を取られれば即・ゴール前まで運ばれてしまう。
部分的にマンマークなのでカバーが難しい

<それでも何故基準が”人”なのか>


なぜこうした問題が露見されながらも四方田監督はゾーンとマンマークを併用しているのか。恐らく理由の一つは、相手の極力なFWに対して常にマーカーを固定しておきたいという考え。もう一つ考えられるのは、ゾーン守備に対する札幌の選手の理解の欠如、という可能性。
 以前、日本代表合宿でハリルホジッチが「ロープを使った守備練習」を代表選手にやらせていたとの報道があったが、代表の選手ですら、こうした初歩的な練習から取り組まなくてはならないという状況を考えると、札幌の選手もゾーン守備におけるポジショニングだったり、スライドだったりと、ゾーンで守るだけの戦術理解がないと考えているのかもしれない。

1.4 見切られていた河合

1)見切られていた河合


 札幌がボールを持ち始めたときのマッチアップは以下の通り。
 鹿島は最終ラインを高めに設定し、都倉とジュリーニョの2トップをなるべくゴールから遠ざける策を取る。ハイラインとセットになるのが、ボールの出所へのプレッシャー。2トップを中心に、札幌の最終ラインにプレッシャーをかけることで、簡単に裏に出させないようにする。
 裏へのパスを防ぐためのチェックと別に、鹿島は恐らく河合を狙っていたと思う。3バックの真ん中の河合のところで好きに持たせないように必ず2トップのどちらかがチェックする。河合のところでボール保持がもたつくと、札幌は3バックが幅を取れなくなったり、荒野が2トップの間をとれなくなったり(河合の位置まで降りてくる)といった現象がこれまでの試合同様に生じてしまう。
コンパクト&ハイライン&ボールへのプレッシャー

2)ロングボールに終始する攻撃と覆せない質的不利


 後方のボール保持でもたつき、4-4-2の鹿島に対する3バックのポジション優位性を活かすこともままならない札幌は、前線の都倉とジュリーニョへのロングボールに終始する。鹿島は4バックなのでジュリーニョvs植田、都倉vs昌子というマッチアップがほぼ固定的になっている。言い換えれば、1on1でジュリーニョや都倉が勝てれば何らか攻撃を構築することができる。
 しかし鹿島のCBコンビに札幌の2トップは、少なくとも中央のエリアではほぼ完敗と言ってよい状況だった。特に、これまで強さを発揮してきた都倉は昌子に完全に抑え込まれ、起点となることができない。また札幌は後方を気にして中盤の選手がどんどん後ろに下がってくるので、都倉やジュリーニョに当てたボールをサポートできる選手が配されていない。結果として、都倉に蹴ったボールは簡単に鹿島が回収し、札幌の攻撃は数秒で終わってしまう。
苦し紛れのロングボールも強力CB2枚に跳ね返される

3)解決策は個


 そうした中で、前半何度か攻撃の意口となっていたのが、左サイドに流れたジュリーニョ。中央では植田相手に分が悪いと判断したジュリーニョは、サイドに流れてボールを要求する。サイドでは低い位置の早坂を西がケアするという関係が生じており、西の背後にスペースができている。
 元々サイドプレイヤーという評判(その姿を見る機会は殆どないが…)のジュリーニョはやはりサイドのほうがやりやすいのか、多少アバウトなロングボールであっても強引に収め、個の力で打開しようとする。
西の背後を使う

2.後半

2.1 問題意識の共有化と対応策

1)ハイプレスの用意


 後半頭から札幌は早坂⇒菅に交代。菅はそのまま左に入る。
 ハーフタイム明け、まず札幌が最初に整理し、実践しないといけない問題は、鹿島からボールを回収すること。そのために高い位置からのプレスを敢行する。
 やり方は下の図のように、鹿島のCBとボランチの計4枚に対して同数が確保できるように、兵藤と宮澤は中央の小笠原と三竿をケアする。インサイドハーフが中央を見ると、SBが空きやすくなるが、これはウイングバックを当てることで解決する(SB山本⇒マセードの関係)。という具合に、マッチアップを合わせて高い位置から捕まえに行く。
 一方で、図の兵藤やジュリーニョの箇所を見ればわかるように、一部の選手が2人を見なくてはならないような部分もある。山本に対しては、兵藤が行けなければマセードに任せればよいが、GK曽ヶ端にバックパスされた場合は、ジュリーニョか都倉が、両選手の担当している選手に加えて曽ヶ端にも当たらなくてはならない、という構図になっている。
重心を上げて各エリアで数的同数に

 また、図では昌子⇒山本⇒中村とパスが繋がれたときに、それぞれ当たる選手を用意し、ボールを回収する余地があることを示しているが、山本に裏に蹴られると、
裏を使われる危険性

 前に出たことで、裏にはスペースができている。また最終ラインはマセードやミンテが前に出ているので、河合と福森の2枚で対応しなくてはならなくなる。

2)撤退策の修正


 ハイプレスをしない、又はできない時の守備は、ジュリーニョを1列落とし、5-4-1に近い形に修正される。SBに出させたところで、下の図のように近い選手から捕まえていく。
 この形で対応したことでの最も大きな影響は、ジュリーニョが常時左寄りの位置にいるようになったことだったと思う。全体としては5-3-2なのか5-4-1だったのか、どちらかよくわからなかったが、ジュリーニョは高い位置では精力的に守備を行うが、ボールを後方まで運ばれるとブロックには加わらず(味方に「当たれよ」のようなジェスチャーもしていた)、ブロックから離れた、左サイドのタッチライン際で待機している。鹿島に対してジュリーニョの”個”が、起点を作れる数少ないポイントであることは後半も変わらない。
5-4-1気味の布陣

2.2 残っていたのは気持ちのみ


 69分に札幌は都倉⇒金園。鹿島は中村⇒遠藤。
 金園が入った札幌は、より3-4-2-1…都倉よりも中央でプレーする指向性の強い金園を1トップにし、ジュリーニョと兵藤をその下に並べた形のイメージでプレーしているのかと思わせる。
 ただ、もう既にこの時間帯で札幌は「形」と呼べるものは殆ど発揮できないほど運動量が低下し、状況に応じて無理ができる選手が無理をして鹿島の選手を追いかける、というような状況でしかなかった。

 79分には河合⇒小野に交代。これで最終ラインは完全に2バック、鹿島が2トップに加えて3人目を送り込めば目も当てられないといったスクランブル体制になる。最終的にはスコアはこのまま終了したが、残り10分で更に2点、3点と失ってもおかしくないほどのアンバランスさだった。残り試合数と現在の順位や得失点差の状況を考えると、そこまでバランスを崩す必要があったかは疑問である。

3.雑感


 (札幌と比較した)鹿島の強みは、一辺倒の戦い方ではなく、相手が前掛かりになれば裏をシンプルに突く、リードを奪えば焦らず後方で回して形を整える、といった、相手の出方を見たうえで戦い方を変えられる点。対する札幌は、J1基準で考えると、基本的に耐えてセットプレーや手数をかけない速攻、というワンパターンの勝ち筋しか持っていない。これまで(2008,2012)のJ1での挑戦と同様に、常に力関係が上の相手にボールを握られ、ボールを動かされることで必要以上に動かされ、消耗させられ、結果ジリ貧になってしまうという構図である。

 この点において、横山や福森、菊地といった選手がこの1年ほどで加わり、またアンカーに宮澤が配され、後方で安定的にボールを保持できるようになり、90分間走って耐えるだけの戦い方以外もできるようになったことは、札幌の21年間の歴史において画期的な出来事だった。4月~5月上旬にかけての戦いぶりにおいて、こうした撤退守備一辺倒ではない試合運びをすることの重要性が示されたと思っているが、この鹿島戦を含めて、前半戦の最後の数試合では、再び撤退して耐えることに重きを置いているかのように感じる点が気がかりである。

4 件のコメント:

  1. 鹿島戦のゴールシーンはとんでもない変態技があるわけでもなく理詰めで崩している、オートマティズムを感じるものでした。やられるべくしてやられているな、と。Jリーグタイムで失点シーンを繰り返し観たのですが1点目が特にそうで河合がゾーンを捨てて人に行った時にミンテとマセードはスライドせずほぼ棒立ち状態で「誰が誰を見るという約束事があったのか?」というほどに酷かった。1点目が最後に山本についていったのが宮澤ってあたりに問題の根の深さを見たような思いでした。
    すでに兆候はありましたが、河合に持たせる(戻させる)ことで主に都倉にロングボールを蹴らせるというのは鹿島は意図的にやっていましたね。来るのがわかっていれば植田も昌子も対応はしやすかったことでしょう。同じようなやられ方で2失点したこともさることながら地上戦ができずに都倉にお願いってのを繰り返すしかなかった、そう仕向けられた時点で“詰んだ”という試合だったと思います。
    ちょっと間が空いた状態でレビューを読んだことで思ったのは四方田コンサは「(主に中盤の3枚が)動かされるとつらい」というのに加えて、「(選手間の)間を拡げられると脆い」ということでした。当たり前っちゃ当たり前なんですが、ブロックの隙間が狭ければそれなりに強度は保てますが拡げられると個で対応するのもしんどくなる上にスペースを使われてさらに迷わされ、躊躇してしまう。鹿島戦はわざわざ隙を作りに行った(そのリスクを負うにしてもそれがあまりに早すぎた)ような負け方だったと思います。

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    1. >フラッ太さん
      四方田監督は2トップ相手にはマンマーク、1トップ相手にはゾーンを基本と考えているみたいで、試合によってスライドしたりしなかったりするのは基本的にこの点が最も大きいと思います。今のJ1は明確な2トップって少なくなりましたが、磐田戦の後半などは2トップに3バックが固定されて、その脇を使われるという非常に似た現象が起きていました。
      1点目はマンマークで守っているところに逆サイドから想定外の選手(中村)が登場したので、最終ライン(河合)としてはどこでマーカーを捨てて中村のカバーに回るか、MF(荒野?)は中村の危険性を察知できたか、というところだったと思いますが、この辺を個人に任せきりだと厳しいですね。CB-WB間が空きやすいのはわかりきっていると思うので、監督がマネジメントすべきだったと思います。
      あと2トップを3バックで見るのは古くからの戦法ですが、マンマーク色をあまり強くすると、「個人能力で劣るので組織でカバーする」、という前提はどこにいったんだろうな、という気はします。

      >「(主に中盤の3枚が)動かされるとつらい」というのに加えて、「(選手間の)間を拡げられると脆い」
      >ブロックの隙間が狭ければそれなりに強度は保てますが拡げられると個で対応するのもしんどくなる上に…

      ⇒そこが本当に問題で、私はアンカーを切れていないのが根本的な問題だとずっと思っているのですが、相手としては全然パスコースが限定されていないのでブロックの外で(アンカーを経由するなりして)いくらでも左右に振れる、札幌の選手としてはブロックを組んで待ち構えても、相手が中に入れてくれなくて、反対サイドに振られて走らされるのがわかってるから、ブロックの密度がどんどん弱くなるんですよね。
      柏戦で宮澤を相手SB(小池)にずっと張り付けさせていたのは、この問題から考えたソリューションだったのだと思いますが、「部分的にマンマークで守り切れないからマンマークの関係を更に増やす」ということをやってると守備の効率性だとかは完全にどこかにいってしまいますね。

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  2. 都倉を右シャドーにする3-4-3(5-4-1)を試しているそうですが
    ワントップがヘイスかジェイならボランチのコースを切るのが精いっぱいでしょうから
    前プレがハマらずにドン引きカウンターになるでしょう。
    CB-WBの間のスペースは2シャドーがプレスバックすることで空きにくくなるでしょうが
    陣地回復できるんでしょうかね?

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    1. 2016シーズンを見た限り札幌の5-2-3はとてもJ1で使えるクオリティがないですね。
      根本的にはトップが誰、というか、前3人の連動性が皆無なので中央を切れていないため
      簡単にボランチ周辺に縦パスを入れられて7人ブロックで守ることになるのが頻発化しそうです。

      中央を切れたとしても、サイドをWB1枚で守ることになるのですが、2016シーズンの後半戦はWBが前進したところで裏を取られるのが常態化していました。ここは全体の重心をもっと高い位置に押し出す(常に5バック状態にするのではなくWBがある程度高い位置を取る)か、5-2-3を諦めて5-4-1にするしかないと思うのですが、最終ラインに河合だったり、シャドーにヘイスだったりを使ってるとそうしたやり方も難しくなりますね。

      >CB-WBの間のスペースは2シャドーがプレスバック
      5-4-1だとそうした対応もありかもしれませんが、少なくとも去年のイメージだと5-2-3のまま、前に3枚残した前後分断サッカーで対応する感じだと思います。となると最終ラインでとにかくスライドするしかなさそうです。

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