2017年5月10日水曜日

2017年5月6日(土)13:00 明治安田生命J1リーグ第10節 北海道コンサドーレ札幌vs大宮アルディージャ ~収支カツカツ~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-5-2、GKク ソンユン、DFキム ミンテ、河合竜二、福森晃斗、MF早坂良太、荒野拓馬、宮澤裕樹、兵藤慎剛、菅大輝、FW都倉賢、金園英学。サブメンバーはGK金山隼樹、DF進藤亮佑、MFジュリーニョ、菊地直哉、前寛之、石井謙伍、小野伸二。
 5/3のルヴァンカップ、FC東京戦から中2日での試合ということで、カップ戦では大半の主力を味の素スタジアムに連れて行かなかったが、シュート、CKともにゼロ(!)で0-1の敗戦だった。今節は大宮から期限付き移籍中の横山は契約により出場不可、懸案事項のCB中央にはルヴァンカップで先発した菊地ではなく、この週から練習に復帰した河合。ジュリーニョは週の前半(FC東京戦直前)から全体練習に復帰。内村はこの週、左足首痛で別メニュー調整を続けておりベンチに入っていない。
 大宮アルディージャのスターティングメンバーは5-3-2、GK塩田仁史、DF渡部大輔、山越康平、金澤慎、高山和真、和田拓也、MF長谷川アーリアジャスール、岩上祐三、茨田陽生、FW江坂任、瀬川祐輔。サブメンバーはGK加藤順大、DF大屋翼、MF大山啓輔、マテウス、横谷繁、FWドラガン ムルジャ、ネイツ ペチュニク。布陣は3-5-2でもよかったが、オフィシャルの発表に倣い5-3-2とした。
 開幕戦ではCBにキャプテンの菊地、両サイドバックに奥井と大屋、FWに大前といったメンバーだったが、菊地は故障で欠場中、FW陣はムルジャ、ペチュニクといった外国人選手を含めてコンディション不良や故障によりメンバーがなかなか固まらず、GKも開幕から塩田⇒加藤(3~7節)⇒塩田と二度変わっている。依然として最下位に沈むが、前節ホームでの埼玉ダービーでは金澤をCBで起用、中盤に長谷川、茨田、岩上とセンタープレイヤーを3枚並べる5-3-2を採用し、ようやく初勝利を挙げた。今節も同じく3バックのチーム相手ということで、前節と全く同じスタメンで「勝っているチームは変えない」を実践しているが、前節はアンカーが茨田、インサイドハーフに岩上だったように見えた。今節は岩上をアンカーに起用している。



1.前半

1.1 譲り合う両者


 前半の展開について。端的な印象としては、「両チームとも、ボールを持つことに拘っていない」…すなわち、ある程度、相手にボールを持たせたうえでゲームをコントロールすることが可能、もしくはコントロールしたいと考えていたように見えた。
 札幌からすれば、大宮はいつもと異なる3バック/5バックの5-3-2で前線は江坂と瀬川の2トップ、中盤にはセンタープレイヤーを3人並べている。警戒すべきは2トップのスピードを活かしたカウンターであって、それを阻止するためには大宮にボールを持たせ、自らは最終ラインを低めに設定すればよい。そして大宮がボールを持っている時は、大宮が5バックではなく3バックに変形している時であって、この時にプレッシングを発動させてボールを奪えれば、大宮の守備が手薄になっている時に攻撃機会を作ることができる。
 …という基本的な考え方は、大宮もほとんど一緒だったのだと思う。ここまで9試合でリーグ最少の3得点しか挙げられていない大宮としても、札幌が5バックでいる状態を崩すことよりも、札幌にボールを持たせて3バックになったところでボールを回収し、迅速にカウンターを仕掛ける方がより得点が期待できる。そして前節のダービーで得られた自信…5バックでスペースを消して守っていれば、そう簡単には崩れないだろうという考え方もあったと思われる。

1.2 札幌の譲り方


 互いに攻撃時3-5-2⇔守備時5-3-2のシステム、相手にボールを持たせてカウンター狙いという点は共通していたが、両者で異なっていたのは”重心”の高さだったと思う。

1)中央を固めてサイドに誘導


 大宮にボールを持たせた時の札幌の守備は以下のような形。定石通り、2トップと3枚のMFで中央を固め、ボールをサイドに誘導する。都倉と金園の2トップは、センターサークルを少し超えたところから守備を開始(大宮の3バックに寄せる)する。中央を切られている大宮は、最終ラインでボールを動かして様子を伺うが、パスコースは両ウイングバックしかない。特に左の和田に預ける機会が多かったと思う。
まずは中央を切る

2)見えてなかった?FW~MF間のスペース


 左CBの高山から左WBの和田にボールが渡ると、以下のような形になる。基本的に、和田にはサイドで数的同数関係になっている早坂が出ていくことが許されているが、和田があまり高い位置を取らないので、高山に対して出ていった荒野もそのままサイドの和田に寄せていける局面も少なくなかった。
 この時、札幌の中盤守備を見ると、右の荒野はボールサイドに積極的に出張していく一方で、宮澤と兵藤は大きくボールサイドに寄せることはせず、中央にステイしている。すると荒野~宮澤間で距離が空き、チャレンジ(荒野)&カバー(宮澤)の関係が成立していないので、図で示したFW~MF間のスペースが頻繁に空くことになる。
荒野が出ると中盤が手薄になるが使えない大宮

FW~MF間で待つ長谷川へのパスコースはありそうだが

3)狙われる塩田


 しかし大宮がこのスペースが空くことをどこまで察知していたかは微妙なところで、ピッチ上の選手を個々に見ると、長谷川や茨田は時折このスペースを察知してボールを受けられるポジションをとっている。しかし出し手となる和田は、長谷川や茨田に殆ど出すことができず、札幌に少し寄せられただけでバックパスを選択してしまう。
中央を使えずバックパスすると、都倉と金園が押し上げていく

 ウイングバックから先に(前に)ボールを運べない大宮は、度々バックパスで攻撃のやり直しを試みるが、札幌はこの時一気にラインを押し上げ、2トップがCBに寄せていく。出しどころのない大宮がGKの塩田まで戻すと、ここへも主に金園が寄せていくが、足元があまり得意ではない塩田は金園に寄せられるとセーフティに蹴りだすしかない。これによって札幌は安全にボールの回収に成功していた。恐らく塩田の足元の弱さは、事前に共有されていた情報だったように思える。

1.3 大宮の譲り方


 札幌にボールを持たせた時の大宮の守備は以下のような形になっていた。札幌のそれとの相違点としては、最終ラインの5枚をかなり高い位置に並べてセットしている。
 その上で江坂、瀬川の2トップが高い位置から守備を開始する。まず中央の宮澤を切ってから、両サイドのDFのいずれかにパスを出させると、2トップのうち近いほうの選手が寄せていく。寄せなかった方の選手は、引き続き宮澤をケアする。
 この時、河合の選択は主に右のミンテへのパスだった。これは右利きの河合にとって、ピッチの右側がより視野が確保しやすいということもあったと思うが、加えて大宮は福森に対峙するインサイドハーフの長谷川が、逆側の茨田と比較すると高いポジションをとっていて、福森へのパスを狙っていたこともあった。
 そしてミンテも中央の宮澤が切られている中で、パスコースは早坂しかない。早坂が低い位置に下りてこれば茨田が、高い位置に進出した場合も和田が素早くチェックし、簡単に前を向いてボールを持たせないようにする。
大宮の守備

1.4 宮澤はなぜ消えたのか

1)アンカー宮澤による革命


 ここ数試合、札幌の攻撃の核となっていたのが前線の都倉と共に、アンカーに入る宮澤だった。深井の離脱という大打撃を補って余りあるハイパフォーマンスを続けている宮澤だが、アンカーに宮澤が入ったことによる攻撃面でのプラス要素として、3バック+アンカーの計4枚で相手のプレス回避、ボール運びができるようになったことが挙げられる。
FC東京戦:3バック+アンカーでひし形を作って前線守備を回避

 少ない枚数でボール運び(ビルドアップ)ができるということは、多くの選手を崩しの局面に割けるということ。下の写真(FC東京戦、後半)のように、ウイングバックの2枚やインサイドハーフがビルドアップから解放され、前線に6枚の人数を割き、破壊力のある攻撃を展開することができる。
 開幕当初、3-5-2⇔5-3-2というシステムについて、「ボランチを3枚並べ、攻撃の選手を2枚しか起用できない(=2トップのこと)、守備的で点が取れないシステム」というような批判をしている人が見られたが、3-5-2というシステムそのものがダメというよりも札幌の戦術的熟度の問題だったといえる。
6枚を崩しの局面に投入できる

2)4枚で運ぶための前提条件


 相手の前線からの守備を剥がしてボールを運ぶために必須条件が、下の写真のように3枚のDFが横に拡がる(幅をとる)ポジショニング。右CBのミンテと横山は20m程度離れており、福森はわかりにくいが、横山と15m程度は離れていると思われる。この3枚が幅をとることで、宮澤へのパス経路は3方向が確保され、相手のFW1枚で宮澤を消しきることは難しくなる。
 FW1枚で宮澤を消せず、2枚目、3枚目が中央(宮澤)に寄れば、その際はサイドが空くことになる。サイドが空けば、ミンテや福森からの縦パス、スペースが大きく空いている時はドリブルでボールを運ぶプレーなど、中央とサイド両方を使うことで、相手は守り切ることが困難になる。
3バックが横幅をとることで、相手は守り切ることが難しくなる

3)河合のヘルプのため宮澤は下がり、攻撃の頭数が減っていく


 逆に3バックが横幅をとれないとどうなるか。大宮戦は下の写真のように、ミンテや福森が幅をとる(河合から離れる)前に、河合がミンテや福森にボールを預けてしまう局面が散見された。ミンテがこの位置で持っても、中央の宮澤へのパスコースは完全に消されている。ドリブルで運ぼうとすれば、大宮の2トップが中央を切りながらタッチライン方向に寄せてくるので、ミンテはタッチライン際まで追いやられてしまい、無理をすれば低い位置でボールロスト、となってしまう。
ミンテが十分幅をとらないうちに河合が預けてしまう

 河合は2011シーズンより札幌に加入後、5シーズンに渡り不動のレギュラー、キャプテンを務めており、頼れるベテランとしては信頼が厚い選手だと思う。ただ、3バックの中央としてボールを持った時は、河合自身のプレー(ボールを運べない、簡単に左右の選手に預けてしまうor前線に蹴りだしてしまう)の問題もあるが、周囲の選手も河合の運ぶ能力をあまり信頼していないのか、どんどんポジションを下げ、結果的に下の写真のように低いポジションに選手が溜まってしまうような状況が頻繁にみられている。
3バック+アンカーで運べないのでMFが下がってきてしまう

 低い位置に選手が集まるということは、先のFC東京戦の例を持ち出して説明したのとは真逆で、前線に枚数を割くことができない。結果、都倉や金園へボールが入ってもサポートが薄い、又は都倉がサイドを突破しても、中に金園1枚しかいない、といったように、厚みのある攻撃が展開できなくなる。
 こうした状況を考えると、横山や増川不在時のオプションである河合のCB中央での起用は、守備面では持ち前の人への強さやライン統率といった点は評価点だが、攻撃面では確実なマイナス、攻撃と守備を差し引きすると、「収支カツカツ」(長所を短所が打ち消している)といったところだと思う。

1.5 組織を超える都倉の個


 上記のように、急造に近い5-3-2の大宮、横山を欠く札幌とも、ビルドアップにおいて問題を抱えていて、ボールを効果的に前線に届けることができない状況にあった。
 ただ、攻撃における大宮と札幌には決定的な差があった。差を作っていたのは一言で言うと、「都倉」だったと思う。札幌は後方で困難に陥っても、前線のスペースに走りこむ都倉を目がけて長いボールを放り込めば、都倉は大宮の金澤や高山が相手であれば、多少アバウトなボールであっても超人的な身体の強さでマイボールにしてしまう。
 対する大宮の瀬川や江坂は、前線にスペース(主に札幌のウイングバックの裏)があればそこに走ってボールを引き出すことで基点を作れるが、スペースを消されると基点を作ることが難しくなる。

2.後半

2.1 先取点まで

1)大宮が整理できていた部分と整理できていなかった部分


 やや膠着した展開の中で、両チームとも勝ち点3を上げるには、攻撃における整理項目が必要な印象を受けた前半だったが、先に整理に成功したのは大宮の方だったと思う。札幌同様、大宮も2トップで守備をしてくる札幌に対して、3バック+アンカーで菱形を作ることがボールを運ぶ第一歩。後半立ち上がりの大宮はこの形を作るところまではしっかり修正されていた。
CB⇒サイドに届けるまではOK

 しかし大宮の課題は前半同様、アウトサイドの選手に渡した次の1本のパスだった。同じサイドで攻める(札幌も対面のウイングバックが出てくるので裏が空く)のか、サイドを変えて手薄な逆サイドを突くのか、狙いが整理されていない印象で、都倉と金園の守備を外してサイドの選手に届けるまではいいが、そこで札幌のサイドの選手に寄せられ、結果出しどころを失う…という展開が多かった(大宮は後半初めの15分シュートなし)。
時間別支配率・シュート数

2)札幌が確保したオプションと河合の選択


 大宮がアウトサイドの選手のところで困難に陥っていたとしたら、札幌で助けが必要なのはやはり河合のところだった。そこで、河合が持った時のオプションの一つとして、下の図のように兵藤が降りてくることがあった。このとき、兵藤と入れ替わりで福森が高い位置に進出する。福森が高い位置をとれば、菅も連動してサイドの高い位置にポジションを上げられる。兵藤⇒福森⇒菅と繋ぐことで、相手の密度が高くなっているところを回避して運ぶことができる。
外⇒外での経路を確保

 もっともこうしたオプションを提供しても、河合の選択は別のもの…ロングボールによる攻撃の組み立てが多かった。下の50:45も兵藤が最終ラインに落ちようとしていたところだが、河合は兵藤が落ちきる前に最終ラインの裏、都倉へのロングフィードを選択。先に指摘した”オプション”を使うことを殆ど考慮していないかのような動きは、一種の駆け引きだったのかもしれないが、やや単調な印象を受ける。
兵藤が降りてオプションを提供したが河合の選択はロングボール

 ただこの時(河合⇒都倉へのロングフィード)も、最終的には大宮の金澤がペナルティエリア内で都倉に体を入れて間一髪のところでマイボールにしたが、”縦ポン”1発で大宮の5バックを無効化し、ゴールに迫る都倉の強さは脅威となっていて、これを最大限に活かそう、という判断自体は悪いものでもなかったと思う。

 結果的に、59分のコーナーキックからの札幌の先取点に繋がる展開も、シンプルなロングボールからセカンドボールを拾い、サイドに展開して波状攻撃…というものだった。菊地と河本を欠く大宮のDF陣が一番嫌がっていたものをわかった上での河合の選択だったとも言えるかもしれない。

2.2 中央封鎖と突っ込んでくるマテウス

1)65分前後の動き


 ビハインドを負った大宮の1枚目の交代カードは63分、茨田⇒マテウス。左利きのドリブラーを右サイドに投入し、個の力で切り崩しを図る。
 対する札幌は66分、金園⇒ジュリーニョに交代。前節磐田戦の記事で「スペースが空いたところでジュリーニョが欲しかった(磐田はアダイウトンが控えていた)」という旨の独り言を書いたが、今回は大宮が前掛かりになるベストタイミングでの投入だったと思う。
 更に大宮は69分、長谷川→ネイツ ペチュニクに交代。瀬川が左に回り、金澤が中盤に上がった4-4-2、いつもの形へと戻る。
69分~

2)マテウスを使いたい大宮の問題点


 大宮はフレッシュなマテウスにボールを集めたいところ。対する札幌は5バックと3枚のMF、時に都倉も中盤に加わって低い位置にブロックを築き、中央を封鎖する。マテウスは当初、5-3-2、3センターのうちの右インサイドハーフ(茨田のポジション)として投入されたが、この中央寄りのポジションだと3枚の中盤で中央を固めて守る札幌守備に消されてしまう。前半から大宮は茨田、長谷川の両インサイドハーフまでボールを届けられた回数が非常に少なかったが、中盤にスペースがない以上、札幌の荒野が繰り返していたように、インサイドハーフの選手は裏に抜けるような動きの方が有効だったと思う。

3)大宮の4-4-2へのシフト


 ペチュニク投入と共に4-4-2にシフトした大宮だが、ここで更なる問題が発生する。ひとつは最終ラインの枚数を変えたことで、どうやってボールを運ぶのかが再び整理されなくなったこと。CB2人はジュリーニョ、都倉の2トップを剥がすことができず、岩上や金澤が降りてくることで数的優位を確保することが一般的な解決策だが、この時岩上と金澤の両方が降りてきてしまって中盤の人数が足りなくなったり、SBに配置転換された渡部が低い位置まで降りてきたりと、形がよく見えなくなっていく。
①誰が運ぶのか? ②右サイドは何がしたいのか?(サイド突破?中央?)

 上記以上に大きな問題は、右サイドで渡部とマテウスのユニットとしての連動性が悪かったことだったと思う。マテウスはなかなかボールに触れず、渡部のヘルプ(ボールを運んでもらう)を必要としていた状況だったが、多くの左利きのドリブラーの例に漏れず、右サイドに配されたマテウスはどうしても中央に入っていく。しかし中央は札幌が枚数を集め、二重のブロックを築いているため、中に入っていくと更にボールに触れなくなる。
 結果、右サイドは渡部のオーバーラップからのクロスで攻撃が終わることが多く、マテウスが使われることもなく散発的な形で終わることが多かった。どちらかというと、和田が低い位置でボールの供給役、瀬川が高い位置に張って突破を仕掛ける、という役割分担になっていた左サイドの方が可能性があったと思う。

2.3 先手必勝


 渡部の攻撃参加に代表されるように、大宮は札幌のブロックを崩すためにはリスクを冒して選手を送り込むしかない。対する札幌は低い位置で攻撃を受け止めつつ、機を見てジュリーニョが単騎でカウンターを仕掛ける。先手を取ったことで、ジュリーニョが躍動するために必要なスペースが自然と生じてくる。この試合における先制点の重要性を実感する。
 79分、札幌は菅⇒前寛之に交代。荒野を左に回し、サイドに蓋をする。大宮は3枚目のカードとして、81分に岩上⇒横谷。
81分~

 80分以降は両チームとも中盤にスペースが空き始める。前節は後半に足が止まり大失速した札幌だが、この試合は前半無理をせず進めたこともあり、まだ足が動く。89分には大宮のCKからペチュニクがフリーでヘッドを放ち一瞬ヒヤッとしたが、他には危ない局面は殆どなく、1点のリードを守り切り札幌が勝利。

3.雑感


 互いにリスクを冒さないことを第一に考えた、文字通り「一点勝負」というゲーム。札幌は横山不在の影響は主に攻撃面で表れており、繋ぐことのリスクを冒さなかったとも言えるし、そもそも繋げないという事情もあった。それでも、絶好調の都倉の突進や福森のロングキックといった個の力でなんとかカバーし、望み通りの結果を得ることができた。
 河合について書いたが、2016シーズンからバックアッパーの位置づけになったことで、フルタイムでの起用が続いていた2015シーズン以前よりもコンディション自体は良好なように見える。ただ指摘した攻撃面での課題は相変わらずで、この点において「J1スタンダード」のクオリティを見せている横山との差は明確に感じられる。

4 件のコメント:

  1. こんにちは|´・ω・)ノシ にゃんむるです。

     俺が河合投入時に思ってる事をそのまま書いてくれたような感じ。年齢と共にいろいろな部分が衰えてきてかなりキビシイ場面が増えてきた事は否めないけど、要所要所でチームをまとめてくれる場面は非常に助かるなーと常々思っております。自分的にあまり好きなタイプの選手ではないんですが(河合好きの人たちスマヌ)、こういう人がチーム内、ピッチ内にいるからチームが上手く回り負けにくくなって勝ち点増えていくという見本のような選手だと思っております。その点では横山よりは上をいってると思います。

     ずっと試合に出るのはもうツライでしょうし、増川が不在の状態では横山がメインとなるのは仕方ないですが、現在のようにクローザーとして出るのなら、まだアリだなと感じてます。縦ポンに関しては選手としての技術的問題や、試合の状況などいろいろと考えがあるのでしょうが、まあそこはこのレベルなら仕方ないかなと個人的には諦めてます。若い選手たちのように繋ぐ事を重視するあまり、勝利目前の自陣で持ち過ぎてボールをロストし勝ち点を減らす事のリスクを避けることを考えてのロングボールならば、まあよしでしょう。そうじゃない時はイライラするけどwww

     そんなわけで進藤や永坂は早く河合を超えないとイカンです。もう大急ぎで。時間がないですよ。
     
     追伸 いっけい 早く帰ってきてください。ガースーのWBは辛いです。

     次回ガンバ戦は生観戦できる予定で楽しみです。

    次回も期待だ。にゃんむるでしたー。またのー(・∀・)ノ
     
     


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    1. >にゃんむるさん
      根本的に河合は中盤のクラッシャーであってCBではないと思います。ただそんな河合を超える選手が6年間現れなかったのが札幌の現実で、札幌でDFが育つというのは果たしてあり得るシチュエーションなのか?という気もします。

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  2. J2みたいだなんて声もあったみたいですが、ある意味それは当たっていたというか。
    河合が「とりあえず前に蹴っとけ」って感じで都倉に出して、それで何とかなっちゃったという試合なのかな、と。
    大宮は点が取れないので先に点はやれない、CBに河本と菊地がいないせいで必要以上に都倉の脅威に怯えた。
    なかなか前に重心をかけられずにいたのはそんな背景ももしかしたらあったのかもと愚考します。
    菱形のビルドアップで去年見受けられた形の1つに河合CB、上里アンカーというのがありましたが、
    似たような問題を抱えていたように思います。
    上里は中長距離のパスは出せますが左足でしか扱えない、プレスに怯む(かわせない)ことがあったことを考えると
    今の横山(増川)CB、宮澤アンカーのユニットはだいぶグレードアップしたのかな、と。
    ただ、クローザーとしての河合は流石で欠かせない存在であるのは確かですが。

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    1. >フラッ太さん
      上里はキックのモーションがでかくて、輝くにはスペースと時間を必要とするので、とにかく狭いところ…2トップの間に入れない選手だったなというのが後期の記憶です。今思うと、左サイドバックにコンバートした監督はある意味で理にかなっていた(左足で思いっきり蹴っ飛ばせるのはSBくらいしかない)と思います。んで、そんな上里と河合が中央で並ぶとずっとブロックの外側で蹴っ飛ばしてるんですよね。本当に増川や横山が来て、サッカーらしくなったな…という思いはありますね。

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