2016年11月9日水曜日

2016年11月6日(日)13:00 明治安田生命J2リーグ第40節 徳島ヴォルティスvs北海道コンサドーレ札幌 ~かぜを みかたに つけた やつが かつ~

スターティングメンバー

 北海道コンサドーレ札幌のスターティングメンバーは3-4-1-2、GKク ソンユン、DF進藤亮佑、増川隆洋、福森晃斗、MF石井謙伍、前寛之、宮澤裕樹、堀米悠斗、荒野拓馬、FW都倉賢、ジュリーニョ。サブメンバーはGK金山隼樹、DF櫛引一紀、MF河合竜二、上里一将、神田夢実、FW内村圭宏、上原慎也。
 前節の讃岐戦から中2日でのアウェイ戦。前節試合中に筋肉系?の故障で途中交代した菊地に代わり進藤がスタメン復帰、また最終ライン中央も河合から増川に戻してきた。ベンチには9/18の長崎戦以来出番のない上里と、9/19のトレーニングマッチで右膝内側側副靱帯を損傷し離脱していた櫛引が復帰している。長丁場のJ2も残すところ今節を含めて3試合。2位松本とは勝ち点差3、3位清水とは勝ち点差6で、今節の結果で清水と勝ち点差7になれば自動昇格が決定するが、清水の相手が讃岐ということを考えると難しいとみるべきだろう。
 徳島ヴォルティスのスターティングメンバーは3-4-2-1、GK長谷川徹、DF橋内優也、福元洋平、藤原広太朗、MF広瀬陸斗、カルリーニョス、岩尾憲、アレックス、山崎凌吾、木村祐志、FW渡大生。サブメンバーはGK杉本大地、DF石井秀典、MF大崎淳矢、キム キョンジュン、佐々木一輝、井澤惇、FW佐藤晃大。


1.前半

1.1 風を味方につけたのは徳島


 キックオフ直後、押し気味に試合を進めることができていたのは徳島。この要因としてはまず、試合を通じてホーム側→アウェイ側に向かって吹いていた強風に言及せざるを得ない。序盤リスクを冒さず様子を見る両チームだが、アウェイ側のエンドを選択した札幌がロングボールを蹴った際のボールの軌道は、頂点を過ぎたあたりで大きく失速し、自陣から最前線へのロングフィードであればキッカーのイメージよりも5m程度前の位置にボールが転がる有様だった。
 となれば必然と、徳島としては最終ライン背後を突かれるリスクが減少する。よって度々都倉が裏を突く動きを繰り返し、福森や増川からロングフィードが繰り出されるにもかかわらず、一定の確信をもってラインを上げて守ることができる。
最終ライン背後を狙ったキックは明らかに失速する

 逆に札幌としては、元々極端なハイライン守備を敷くチームではないため、強風のおかげで一発で裏を取られるリスクが増大した、というほどではないが、それでも相手のキックは伸びる、こちらのキックは失速する、特に相手のプレッシャーを受けたときにロングボールでプレッシャーを脱出、という局面が、ことごとく飛距離が足りなく徳島ボールになってしまう。こうした状況によりボールをなかなか前に運ぶことができず、全体の傾向としては陣形が下がりやすい状況だったと思う。

1.2 左右非対称だけど狙いは同じ

1)ミラーだけど左右非対称


 「風強いけど繋げねーから蹴るしかない」状態を先に脱却したのは徳島の側で、10分を過ぎても風に慣れないアウェイの札幌に対して、地上戦で徐々にボールを前進させ始める。
 3-4-1-2、守備時5-2-3の札幌と、3-4-2-1、守備時5-2-3又は5-4-1の徳島のマッチアップは、基本的にほぼミラーゲームと言ってよい。しかしながら、徳島はミラー状態を打破し、ギャップを作ってボールを前進させるために、左右両サイドで異なる仕掛けを仕込んでいた。

2)「スペースが生まれやすい所」:FWの脇


 徳島の長島監督のハーフタイムコメントで、「攻撃は相手の3枚のDFを動かすようにプレーしよう」、また木村についてのコメントで「札幌の選手の立ち位置を考えた場合、どこにスペースが生まれやすいのか、またどこが嫌なのかは事前のミーティングで確認していました。」とあるが、この「スペースが生まれやすい所」という発言は、札幌の5-2-3守備を考えたときに複数の捉え方ができるが、恐らく起点にしていたという意味では、定石通りの"FWの脇"だった。ちょうど下の図に白円で示したゾーンで、FW3枚で中央を閉める(中央はカルリーニョスの存在もありケア必須)と必ずサイドが空きやすくなる。ここに大きく開いた両ストッパーの藤原と橋内、特に序盤は藤原がかなり積極的に開いたポジショニングから起点を作っていく。
FW脇を起点に:特に藤原の積極的な攻撃参加

<WBはオトリ>


 徳島のこの攻撃で特徴的なのは、今流行りの3バック⇔5バック変形のチームは、ウイングバックが高い位置を取ってウイング然として振る舞うことが多いが、徳島は左のアレックス、右の広瀬ともに低い位置にいる。すると札幌のマッチアップ対象であるウイングバックの石井、堀米が対面のアレックス、広瀬を捕まえるために前に出てくるので、札幌は5バックから4バックに変形する。この変形を早い形で作ることが、最終的な"目的"の達成の1段階前の仕込みになっている。

3)「嫌なところ」:進藤を横に動かす


 札幌のウイングバック・石井を引きずり出して4バック化させると、札幌はボールサイドに4枚のDFがスライドする形になる。5枚で守っていたところが4枚になるので、石井がいたゾーンが空くことになる。このサイドのスペースに流れる動きを繰り返していたのが木村。すると4バック化して、右サイドバックに役割が切り替わった進藤は木村の動きについていくので、下の図のように、進藤と増川の間がぽっかり空く。
 ここに走りこむのが、FWの渡もそうだが、前半何度か見られたのは後方からアレックスがインナーラップしていく動き。ともかく渡にせよアレックスにせよ、このゾーンを突かれると札幌が嫌なのは、石井と進藤が動かされた状態で増川も動かされると、中には福森と堀米しかいないため。よって増川はなるべく中央から動きたくないのだが、侵入してくるアレックスや渡を放置するわけにもいかないため動いてしまう。前半はこの形から決定的なシュートに結びついたプレーは恐らくなかったが、受け手とパスのタイミングが合えば、特にスピードのある渡ならば一気にゴールを陥れることができる形である。
 このアクションは、先のコメント「3枚のCBを動かしていこう」とも一致する形で、前半から一貫して狙い続けていた形であった。
石井を食いつかせて進藤を動かす

4)非対称だけど狙いは同じ:福森は縦に動きやすい


 一方、徳島の右(札幌の左)サイドはどうかというと、狙いや考え方は左サイドとほぼ同じ。ウイングバックを釣り出して4バック化させ、ストッパーの福森を釣り出して背後を突かせる。ただ相違点は、食いつかせ役の山崎がウイングバック(堀米)の背後ではなく、札幌のボランチ脇…つまり福森の前方にポジショニングする。
 恐らくこれは福森が5バックのポジションを放棄して、どんどん前に食いついてくる傾向のあることをスカウティングしていて、山崎はポストプレーの構えを見せると、食いつき癖のある福森は簡単におびき出すことができる。すると背後にスペースができるので、ここを渡に突かせるという設計である。
福森は縦に食いつきやすい

 スピードのある渡がFW、サイズのある山崎がシャドーという配置も、恐らくこうしたタスクを担わせるためのシフトだと思われる。メソッドは左右で異なるが、最終的には札幌の「嫌なところ」を突くのが一貫した徳島の狙いであった。

1.3 追い風特攻プレス

1)左偏重の増川


 札幌の最終ラインは久々の、進藤-増川-福森という組み合わせ。進藤のスタメン出場は実に第21節、7/3の横浜FC戦となるのだが、進藤が信頼されていないというより、この日の増川及び札幌は、ビルドアップにおける福森の信頼度・依存度が極めて高かった。過密日程で2位以下との差が詰まっている終盤戦、信頼のできる選手に託していくのはある意味当然だが、それにしてもまるでスカパー!実況と解説者の過剰な福森推しにサービスしたかのような、あまりに左の福森一辺倒のビルドアップだった。
福森を徹底ケア

2)追い風を受けて特攻する徳島


 ミラーゲームということで、徳島からすると各選手が守備の基準点を持っている状態がベースとなる。そして札幌はこの試合、ビルドアップ時に殆どポジションチェンジ(普段よくやっているのは、宮澤落としの4バック化)を展開しない、というより、先述の強い追い風を受けてハイラインで強気に押し上げ、高い位置からのハイプレスを展開する徳島がポジションチェンジの時間を作らせない。そのため、ミラー状態が解消されず、札幌の各選手は常に対面に1人以上のマーカーを抱えた状態が多くなる。

 更には恐らく、徳島としても、「札幌は殆ど左だな」と、10分もすれば展開を読み切ったと思われる。開始直後こそ、福森がやや空き気味になり徳島のプレスを受ける前にロングフィードを前線に飛ばすこともできたが、福森からの展開を読み切り、徐々に出足が鋭くなっていく。そうすると福森も近い堀米にボールを逃がすくらいしかできないが、預けられた堀米としても、そこから単騎で一か八か突っ込むくらいしかできない。
 この時、中盤は数的同数同士でWボランチが常にマーカーを引き連れているので、前線の荒野かジュリーニョが何とかヘルプに出たいところ。しかし札幌のビルドアップは、徳島のようにパターン化されていないので荒野やジュリーニョもどうヘルプに下りたらよいかわからない。一度、27分頃にジュリーニョがセンターサークル付近まで降りてきたことがあったが、岩尾の背後からの密着マークにイライラしてイエローカードを受けてしまった。

1.4 左サイドのロックオンと進藤の学習


 上記の左右非対称のビルドアップパターンを試した徳島だが、最終的には藤原、アレックス、木村が絡む左のほうが有効だと判断したのか、25分頃からは主にこちらをメインに組み立てていく。特に左右のストッパー、藤原と橋内のポジショニングやドリブルによる運ぶ能力の差異と、アレックスが藤原と適度な近距離を保ってサポートできていたことが左を選択した主な理由と考えられる。
 徳島から見て左・札幌の右サイドをロックオンしてからの徳島は、やることはほぼ同じ、石井をどかしてから進藤を動かそうをするが、木村だけでなく山崎も反対サイドから移動してきて絡んでくる。この時、石井の背後を狙っていた木村の役割を、長い距離を斜めに走ってくる山崎が担い、木村はボランチの脇で受けようとするポジションをよくとっていた。
 しかし札幌は、進藤がこの攻撃に慣れて簡単にポジションを開けなくなり、ボランチ脇は前寛之のスライドで対応したため、徳島はサイドの山崎に通すくらいしか攻め手がなかった。
進藤サイドを狙っていくが進藤が動かず我慢する

1.5 風の子 渡大生

1)パワー勝負でもぎ取った先制点


 徳島の特攻プレスにボールを前に運ぶことすらままならなかった札幌。マイボールの際に前線に蹴りだしたボールを、都倉とジュリーニョが何とか収める…収めるというか、体を張ってファウルを得た場合のフリーキックくらいしかまともな攻撃の形が作れない展開が続く。
 そんな中、札幌は32分に右サイドで都倉がファウルをもらうと、福森のインスイングでのキックを増川が競り、こぼれ球に反応したジュリーニョが詰めて先制する。

2)中盤省略サッカーへの転換


 この先制以後、徳島は最終ラインから前線の山崎へ簡単にボールを放り込むようになる。おそらく前半の残り時間も考えてのプレーだったと思われるが、山崎は187cmと高さがあるものの、放り込み自体は非常に単調なもので、落ち着いて対処していれば得点のにおいはほとんど感じないものだった。

3)風を味方につけた渡と軽率だった進藤&増川


 ところが前半アディショナルタイム、ほぼラストプレーに徳島のゴールキックが風に乗って伸びると、進藤と山崎が競ったボールはどちらにも当たらず札幌ゴール前に転がる。予測していなかったボールが流れてきた増川は反応が遅れ、渡に背後を取られると、渡が足先で触ってソンユンの届かないコースに流し込み同点。ラストプレーで追いつかれる、札幌としては後味が悪い展開となる。

2.後半

2.1 足りなかったリスクマネジメント

1)強風により前3人残しでお釣りがくる


 エンドが変わって札幌が風上となった後半キックオフからの10分程度は、互いにボールを蹴りあい、目まぐるしく攻守が切り替わる展開となる。風下となった徳島の選手が大きくボール蹴りだすと、前半の札幌同様にボールは明後日の方向に流れたり、ターゲットの5mほど手前で失速してしまう。
 この10分間で両チームとも1度ずつ決定機を迎えている。徳島は47分、札幌のビルドアップが失敗したところで中盤でボールを拾った渡から、間髪入れずに山崎へスルーパス。山崎がク ソンユンと1vs1になるがシュートは枠を大きく外してしまった。札幌は53分、こちらもビルドアップのミスからで、藤原のミスキックを前線で引っ掛けた荒野からジュリーニョへのスルーパス。1vs1になるが、GK長谷川がビッグセーブでゴールを許さない。
 傾向としては、両チームとも風を気にしたためかビルドアップが雑になる。結果的に1度ずつミスから決定的なチャンスを与えているが、これだけボールが落ち着かない展開だと、FWを前で張らせていれば一度はボールがこぼれてくるというような展開で、互いに3人のアタッカーを並べるシステムということで、それを活用したハイプレスを敢行しておけば十分お釣りがくるような状況であった。

2)徳島は我慢の時間


 ただ徳島にとって難しいのは、ハイプレスを敢行するなら最終ラインを押し上げてコンパクトにしたいところだが、追い風を得た札幌はシンプルに放り込んでくる可能性もある、その出所をハイプレスで潰すとともに、裏のケアも徹底する必要が出てくる。となると前線は高い位置で、最終ラインは裏をケアするということで2正面作戦のような状態になり、中盤は間延びしてしまう。しかし札幌の攻撃の単調さ…特に中盤のスペースを使おうとしていたのはジュリーニョくらいしかいなかったこともあり、この時間帯を凌ぐことに成功している。
ボールの出所と裏を同時にケアする、ジュリーニョは個別に迎撃


3)進藤の若さと風の申し子


 均衡を破ったのはこの日、風を味方につけて躍動していた渡の個人技と、加えて進藤の若さだった。55分、長谷川のゴールキックがタッチライン際まで流れ、ラインを割るかに思われたが風で戻されてボールが留まる。セカンドボールを拾った山崎が縦の渡にパスすると、この時札幌は石井が山崎と競るために出ていたため、3バックが非常に高い位置で並んでいる。
 進藤が渡に突っ込むが、突破力がありまた経験値でも勝る渡はこれを一発でかわし、加速して縦に突破を図る。慌てて増川、福森と前寛之が戻るが、渡は前寛之とサンドしようとした進藤の間を見事なターンで交わして切り込む。2人を交わし、ペナルティエリアやや外から巻いたシュートは向かい風で強烈な回転がかかり、ク ソンユンが届かないコースから急激に落ちて右ポストを直撃。こぼれ球が山崎の前に転がり、難なく流し込んで徳島が逆転に成功する。
ゴールキックから渡の突破を許してしまう

 後ろ3枚しかいない状態で渡に突っ込み、あっさり置き去りにされた1回目、サンドしようとしたが寄せが甘く中央突破を許した2回目のアクション共に進藤の対応は軽率だった。ただ、徳島としては恐らく札幌の守備が5バックではなく3枚になる瞬間、こうした攻守の切り替わるタイミングを狙っていたことは明らかで、注文通り守備が整わないうちに仕留めた渡の個人技は見事だった。

2.2 今日の内村はチャンスメーカー

1)左で作って右から:アレックス狙い撃ち


 65分に札幌は前寛之→内村。荒野がボランチに、ジュリーニョがトップ下にシフトする。札幌のスカッドにおいて内村はストライカーと、チャンスメイカーの両方の顔を持っている選手で、この日の使われ方は主に後者を期待されてのものだった。
 内村を投入しシステムを変更した後も、札幌のビルドアップは変わらず左の福森が起点。だが、福森から堀米への展開は徳島をこのサイドに寄せる餌であり、真の狙いは右の石井vsアレックスというマッチアップを突くことだった。堀米にボールを当てるが、堀米は勝負せず、下の図のように宮澤や荒野がサポートしてサイドを変える。この時、徳島のボランチ脇を利用してサイドチェンジを決めている。そして手薄な右で石井が仕掛ける状況を作る。
一度左で作って守備を寄せる

 右サイドは石井vsアレックスというマッチアップだが、あまり守備が得意ではないアレックスを石井と、ヘルプにきた内村の動きで攻略する。徳島はあまり最終ラインを中央から動かさないので、アレックスの背後は基本的に空いていて、ここに内村が走りこんだり、一度縦パスを内村に当ててから石井に渡すことで一瞬石井のマークを引き剝がす。
アレックスを石井と内村で攻略

 この右の石井・内村のコンビで決定的な局面を2度作る。67分の石井の突破から堀米のシュート、68分の内村の切り返しから左足で巻いたシュートと、いずれも決定的だったが、この日当たっていたGK長谷川が立ちはだかる。

2)ジュリーニョ、荒野、どこいった


 特に70分以降、徳島の足が止まってきたこともあり、一気に札幌のポゼッションが容易になり、盛り返す展開となっていく。この時札幌は都倉、内村、ジュリーニョ、荒野、宮澤といった選手がピッチに立っているが、綻びを見せ始めた徳島守備網の中で効果的に動けていたのは、裏狙いと間受けに大忙しの内村と、機を見て前線に飛び出していく宮澤くらいだった。
 都倉は最前線で張って相手CBをピン止めするという役割はあるが、となると空くはずのジュリーニョや荒野の貢献度の低さが目立つ。荒野は宮澤との役割分担…どちらかがアンカーで、どちらかが攻撃参加する、という部分がイマイチで、ジュリーニョに至ってはガス欠なのか、動きの量が圧倒的に足りなかった。
 札幌は深井離脱後、上里や前寛之がボランチで起用されているが、前寛之と宮澤のコンビは、前寛之がアンカー役(要するに深井の役割)を担うことでほぼ決まっていて、役割分担としては明確になっている。確かにペガサス荒野を残しておきたい意図もわかるが、前寛之-宮澤のユニットの方がより宮澤を攻撃に専念させることができたと思われる。
裏を突くのも間で受けるのも内村

2.3 パワープレーらしきもの


 札幌は84分、堀米と石井を下げて上原、上里を投入。見かけ上の布陣は下のような形だが、ボールを回収したときにやることは、上原と増川を前線に上げたパワープレー。ただ、パワープレーを仕掛ける以前に、ターゲットの増川や上原が初期状態で最終ラインや左サイドにいるこの布陣は明らかにアンバランスで、しかも前線に突かれた状態の都倉やジュリーニョを置いていると、そもそもボールの回収が難しい。
 結局パワープレーらしきものを仕掛けたのは1回か2回で、それも不発に終わり、風上のアドバンテージを全く生かせず試合終了。後半途中、大声で指示を送っていた四方田監督も最後は静かだった。
84分~

徳島ヴォルティス 2-1 北海道コンサドーレ札幌
32' ジュリーニョ
45+1' 渡 大生
55' 山﨑 凌吾
マッチデータ

3.雑感


 風下の前半に、「困ったときに都倉に当てて強引にボールを前進させる」という常套手段が使えなかったことは確かに影響した。ただそれにしても、トランジションゲームを仕掛ける徳島の土俵にあまりにも簡単に引きずり込まれてしまい、"自分たちのサッカー"ができないまま大半の時間を過ごしていたように感じた。余談だが徳島は、長島監督によると途中から2トップ+トップ下に変えた、とのことだったが、流動的に動くので見ていてよく把握できなかった。

2 件のコメント:

  1. こんばんは~(・∀・)ノ
    見事に大失速ですな。各チームに研究されて色々とやられてるけど、それを跳ね返して勝つ力はないのかなー。
    進藤の2度のミスの話は、自分が兄に話したのとまったく同じ感じwwwあそこはイエローもらってもいいから止めなきゃいけない所だったかな。進藤も前も反省せんとね。でも渡のプレーがお見事だったので、やられたのは仕方ないって見方もあるかもしれん。スカパーで見てたけどゴール決まったあと拍手してしまったもの。楽しいサッカーを見たい気持ちの強いにゃんむるは、良いプレーだったら相手でも拍手します。もちろん勝ちたいのは当然だけどね。
    そんなわけで土俵際、後がなくなりました。横綱はここから押し返す力があるものです。横綱になってJ1に行くことができると良いんだけどなー。頑張ってほしいですわ。
    こんな感じ。あっ、四方田さん交代もう少し早くして下さい(´・ω・`)5分じゃなんもできんよ。
    次回も期待してますー。

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    1. >にゃんむるさん
      コメントありがとうございます。失速というか、菊地とヘイスがスタメンになる前の不確定なチームに戻ったなという印象ですね。今シーズン序盤も1点差ゲームが多くて、ソンユンのファインセーブが勝敗を分けた試合もいくつかあったので、妥当と言えば妥当かもしれません。正直今の札幌で確実性がなければ単に遅いだけのチームですね。ヘイスが練習に合流したとありましたが、残り2試合は彼にかかっていると言っても過言ではないと思います。

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