1.スターティングメンバー
- 熊本は試合前の時点で4勝6分10敗で勝ち点18の17位。12節から6分3敗で9試合勝ちなしと厳しい状況が続きます。
- この日も試合エントリーがベンチ8人で故障者が多いようです。リストを見ながらですがFWのベジョンミンと大崎、2節でコンサ相手に得点した渡邉、大本、宮埼といった選手が該当者なのでしょうけど、そうした状況下でもメンバーを入れ替えてきました。
- FWは我慢強く使ってきた大卒1年目の半代→高校3年生の神代。右DFに阿部。古長谷は5節以来となるスタメン。こうして見ると、前回コンサと開幕早々に対戦した際も確か故障者は多いと聞いていましたが、動ける選手に関しては割とコンディションが良いとかはあったのかもしれません。
- コンサはアウェイで藤枝を下した前節のメンバーをベースに、髙尾が不在で出場停止明けの高嶺をそのまま右SBに。いつから構想があったかは謎ですが、私が確認したのはその藤枝戦前日の練習で高嶺が控え組の右SBをやっていて、左利きの特徴が活きることもありこれはアリだなと見ていました(後述)。
- 前日金曜日は選手の希望により、このクラブには珍しく非公開練習となりましたが、近藤は練習には参加していたようですがメンバー外。ベンチには出間と、この日誕生日の宮澤が外れて、大﨑とスパチョークがエントリーされています。
1.ゲームの戦略的論点とポイント
スターティングメンバー:
- 藤枝は8節から16節までの9試合を1勝8敗と大失速で8位から16位まで順位を落とすも、以降は3試合を2勝1分で乗り切り12位につけます。夏のマーケットでの動きは、FWまたは1.5列目として14試合に先発していた千葉が育成型期限付き移籍を打ち切って清水に復帰。
- 負けが混んだこともあってかメンバーは試行錯誤がみられ、DF中央で楠本、中盤センターの岡澤といった選手がここ数試合は出場機会が増えているようです。
- コンサは出場停止の高嶺に加え、菅野が17日の練習で負傷し、左ふくらはぎ肉離れとリリース。近藤はリリースがありませんが報道によると前節の試合中に右ふくらはぎを痛めたとのことで欠場。
- 前日のトレーニングでは西野は疲労考慮?で別メニューだったと思いますが、中盤でスタメンに名を連ねています。GKは高木が23年12月の最終節以来の出場。
1.ゲームの戦略的論点とポイント
スターティングメンバー:
- 日程的にはコンサが3日前の日曜日にホームでvs今治を消化し、この試合から中2日で藤枝でのアウェイ。大分は日曜日にホームでvs秋田、同じく中2日で徳島とのアウェイゲームを控えます。
- 必然と両チームともターンオーバーですが、ざっとメンバーを見ると大分の方がリーグ戦でスタメンで出ていない選手が多いかもしれません。スポーツナビの表記と異なる点は薩川がシャドーで茂が左WBでした。
- コンサはトレーニングでも試されていた田中宏武が右SB、木戸が左SH。
1.ゲームの戦略的論点とポイント
マジックナンバー・2025:
- 2024シーズンの売上は13.5億円。J3では大宮(26.4億円)には及ばないものの松本(14.3億円)に肉薄し、J2でもいわき(14億円)、とほぼ同等、山口や水戸、熊本を上回る水準を確保しています。但しこれらのクラブと比較するとスポンサー収入の比率が高めなのはやや気になるところです。
- 2025シーズンはJ2で18節消化時点で9位とまずまずの位置につけ、反面あまり目立つと夏のマーケットで選手を売る羽目になるのでは?と思っていましたが、2024シーズン時点でこれだけの予算があるなら、案外主力選手はとりあえずこの1年はキープできるくらいの契約になっているのかもしれません。
スターティングメンバー:
- クラブワールドカップの開催及びJリーグから浦和が参加することで特例的に移籍ウインドウがオープンになりましたが(6/1-10)、和製ロマーノことカズ垣内記者のコメントの通り「予想以上に動く」移籍期間でした。
- 今治は川崎からパトリッキヴェロンを期限付き移籍で獲得。川崎では出場機会に恵まれませんでしたが、天皇杯で勝ち上がったため6/7に延期された第17節で早速先発しており90分近くプレーしています。
- スタメンはダニーロが累積警告4枚で出場停止でCB中央に福森。アンカーはここ数節は山田とヴィニシウスディニスの併用が続いています。GKは前節で37歳にしてJ2デビューを飾った植田。
- コンサは待望の左利きCBの宮、シャペコエンセのエースFW(らしい)マリオ セルジオ、DFラインを一通りこなせる(らしい)浦上を獲得と、馬場(→柏)、キムゴンヒ(契約満了)の放出があったにせよJ2全体で見てもかなり積極的に動いたクラブだったと思います。
- その宮は6/4から練習に合流しており期待通り左のCBでスタメンに。浦上とマリオは6/11に合流しましたが、浦上はいきなりスタメンで使ってきました。負傷者もかなり戻ってきたようで、パクミンギュは第10節(4/20vs藤枝)以来の出場。
1.ゲームの戦略的論点とポイント
競争環境は成長を誘発する?:
- 一般には適度な競争関係を作ることが産業や業界全体の成長につながるとされます。Jリーグクラブ同士のライバル関係みたいなのを問うアンケートでは、レッズサポがガンバや鹿島(というかその時期に強いチーム)を意識していたり、近場の福岡と鳥栖だったりはかなり定着している中で、コンサは地理的にも精神的にも孤立気味であることが浮き彫りになりますが、仙台はコンサにとってライバルだと考えている人が(最近は知らんが)かつては一定数いたようです。
- 2000年代は仙台が2002、2003、2010をJ1で過ごし、コンサは2001、2002、2008がJ1だったのでJ2で直接相対する機会が割と多く、また両クラブの相対的な力関係が近めだったので確かにこのあたりからの方は割と意識する相手かと思います。
- 個人的にはドームで大塚(現・徳島監督)のバックパスを拾った萬代の左足反転シュートで仙台が勝利した07年の対戦で、仙台サポーターが大挙して押し寄せ、また何故かGK林(卓人)がコンサから仙台に期限付き移籍中でしたが出場制限条項がなく普通に試合に出て完封した、というエピソードもあって非常に印象深いですしライバルと言えばライバルかなと感じますが、仙台には山形という絶対的な存在がいるのであちらから見える形式は別でしょう。
- その後、2010年代に入り仙台は手倉森監督(アーノルド)〜渡邉晋監督へのバトンタッチがうまくいって12シーズンJ1の座をキープ。コンサもまぁ、四方田〜ミシャが客観的に見れば悪くはなかったのか?現在では仙台が計14シーズン、コンサが計13シーズンJ1に在籍と割と同じくらいの”格”にはなってきた感があります。
- 一方で予算的には、ここ3シーズンJ2の仙台は年間25億円規模をキープと、いちおうJ1にいて紆余曲折あって50億円規模にまで膨らんだコンサの半分程度。直近では山形が26億円規模にまで成長しており、また新スタジアムによるブースト効果も控えているので今後5年くらいで特に注目の存在かもしれません。
スターティングメンバー:
- 編成から混乱しまくっている(というか30年経っても人件費の使い方がわからない)コンサのことを考えると、システム1-4-4-2であればある程度どんな選手を集めるかコンセンサスがありそうな仙台の方がこの点では整理されているのかもしれません。このシーズンの出場状況を見ても、右ワイドとCBには割と各ポジション2人ずつというか競争関係が作られていそうに見えます。
- この日はCBで全試合出場の井上が出場停止で代役に左利きDFのマテウス モラエス。DFは左の2人が右利き(菅田と石尾)であることも多かったですが、左SBには奥山でこちらも右利きの選手を起用しています。前線はエロンがベンチスタートで荒木と宮崎。
- コンサは悪夢の鳥栖戦から出場停止のジョルディ→中島、田中克幸→木戸、スパチョーク(負傷で代表招集を辞退とリリース)→原と前線の3人を入れ替え。中盤は大﨑が12節(vs長崎)以来となる中盤センターでもスタメン復帰で、CBに西野、高嶺を左SBに回していますが、おそらく宮澤の復帰が大﨑のスタメン起用を後押ししたのだと思われます。